Hな短編集・不倫編

矢木羽研

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押しかけJKを部屋に連れ込んだら別れたと思ってた元カノが帰ってきた

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 毎朝の通勤電車で一緒になっている女子高生に惚れられた俺は言われるがままに部屋に上げた。同棲中の彼女には捨てられたっぽいし別にいいかと思っていたら……。

 性描写はお預けですが裸体描写があるので一応R18。あと修羅場にはなりません。

***

「お邪魔します……ちょっとドキドキしてきました」

 毎朝の通勤電車で乗り合わせていた制服姿の彼女、――確か名前はリサといったっけ――は俺の部屋まで付いてくると、自分から中に入った。夢でも見てるんじゃないかと思ったが現実のようだ。

 ***

「お兄さん、いつも私のこと見てますよね?」

 金曜日の朝、俺は例の女子高生に声をかけられた。

「ああ、ごめん。といってもわざと見ているわけではないんだけどね」
「私は別にいいんです!……正直、お兄さんのこと気に入ってますし」

 この子は一体何を言っているんだ?

「それに、この前満員電車で密着した時、アレが当たってたのも気づいてますよ?」

 彼女は俺の股間に目を落とした。

「違う!わざとじゃないんだ!」
「わかってますよそのくらい。でも、私としては全然嫌じゃないんですよ?」
「えっ……」

 俺は知らないうちにペースに彼女のペースに乗せられていた。

「明日は土曜日でお休みですよね?私は学校があるんですけど、よかったら夕方ごろに待ち合わせしませんか?」

 彼女はほとんど一方的に約束を取り付けると連絡先を交換した。そして約束通り彼女は駅に現れたので、そのまま俺の部屋まで付いてきたというわけだ。

 ***

「きれいなお部屋ですね。私の想像通りです」

 彼女は部屋に上がるなりベッドに寝転んだ。

「私、もう18歳なので合法ですよ♪」

 さすがにそこまで言われると男として我慢ができなくなってきた。俺が横に腰掛けると、彼女はキスを待つかのように目を閉じた。

「まあ、とりあえず歯磨いてくるわ」

 いざキスをする段になって、そういえば昼からガムも噛んでないことを思い出した。

「さすが!大人の気遣いですね!私も一緒に歯磨きしようっと」

 そう言って鞄から歯ブラシセットを取り出すと、俺の後に洗面台まで付いてきた。

「あ、この歯ブラシって彼女さんのやつですか?」

 洗面台のカップに立てかけられたピンク色の歯ブラシを見つけてそう言った。

「ああ、彼女がいたというか、別れたというか……」

 同棲中の彼女は、2週前の土曜に部屋を出ていったきりだ。喧嘩をするたびに実家に帰り、ほとぼりが冷めると戻ってくるのだが、今回ばかりは少し長い。本当に捨てられたのかも知れない。

「別に私は構いませんよ。今日だけの関係ってことでも全然OKなので」

 歯を磨きながら話しかけてくる。俺はただ困惑していた。

「あ、まだ私を疑ってるんですね?本当に罠とかじゃないんですってば」
「そんなことはわかってるよ。俺としても急すぎて戸惑ってるだけだ」

 俺は毎朝彼女を見ている。たまに部活のないテスト期間などは、友達と一緒に他愛もない会話をしている普通の女子高生であることはよくわかっている。

「よし、歯磨き終わり!」

 彼女はカップの代わりに手で水を受けると口をすすいだ。

「それじゃ、待ってますので」

 そう言って、にこやかに白い歯を輝かせた彼女は洗面所を後にした。俺は覚悟を決めることにした。

 *

 部屋では、彼女がベッドに腰掛けて待っていた。俺も隣に腰掛けて、どちらからともなく口づけを交わす。

「んふぅ……ちゅっ……」

 彼女はいきなり舌を入れてきたので少し驚いた。

「うふふ、私だって経験あるんですから」

 彼女は得意げな顔をしている。そして、再び唇を重ねた。今度は俺からリードするようにベッドに優しく押し倒してやった。

「きゃっ……」

 小さく声を上げる彼女の顔を見ると真っ赤になっている。俺はその反応を見て、ますます興奮してきた。しかし制服のブラウスに手をかけようとすると、両手でガードされてしまった。

「もう、お兄さんのエッチ」
「誘ってきたのは君じゃないか」

 そう言いながらスカートに手をかける。今度は抵抗せずに脱がせることができた。

「ちゃんと履いてるんだな」

 スカートの下は、おそらく体操服だと思われる黒いスパッツを着ていた。

「だって他の人に見られたくないし」
「俺はいいのか?」
「えへへ、もちろん」

 そう言うと彼女は腰を上げて自らスパッツを脱いだ。ピンク色のショーツが露わになる。

「ブラとお揃いなんだけど、かわいい?ちょっと地味かな?」

 自らブラウスを脱いで下着姿を見せつけながら彼女は言った。

「いや、よく似合ってると思うぞ」

 付き合っていた彼女は色が濃いめで少し派手な下着が多かった。いかにも高校生らしい清楚な下着が可愛らしい。

「ほんと?嬉しい」

 彼女は嬉しそうな表情を浮かべると、俺の首の後ろに手を回した。

「ぎゅってしてください」

 俺が抱きしめてやると彼女は嬉しそうに息を漏らした。彼女の張りのある若い体が気持ちいい。

「外すよ」

 そう言うと、俺は彼女の返事を待たずに片手を背中に回し、ブラのホックを外した。

「やぁん、手慣れてるー」

 彼女はベッドに横たわる。両手でブラを押さえるが、俺がどかそうと思えば簡単にどけられる。さっそく瑞々しい果実を堪能してやろう、と思った矢先、玄関のベルが鳴った。

 *

「あーあ、いいところだったのに」
「全く、誰だこんな時間に……」

 俺が立ち上がって出迎えようとしたら、玄関からがガチャリと音が聞こえる。つまりドアの向こうにいる人物は合鍵を持っている。ということは……。

「ただいまー、お土産にケーキ買ってきたから許してね」

 喧嘩別れしたのが嘘のように、のんきな声とともに帰ってきた。

「あれ、誰か来てるの?妹さん?」

 そして、玄関に置いてあった学生靴を見て訝しげな声を上げた。

「初めまして!リサといいます。今日はお兄さんに遊んでもらってます」

 そう言ってリサは、俺の彼女である裕子の前に現れた。服は俺が脱がせた時のまま、つまりパンツ一枚で胸は丸出しだ。

「……は、あんた誰なの?どういうこと?」
「彼女さんがいらっしゃるのは承知の上で私からお願いしてるんです」

「すまん、成り行きでこんなことになってしまった」

 俺はとりあえず場を取り繕うとしたが、裕子は呆れた顔で俺たちを見る。

「そりゃ私も二週間も着信拒否してたのは悪いけど、まさか他の女を連れ込むなんてね……」
「連れ込んだんじゃなくて私から来たんです!」
「あんたたちねえ……とりあえず、服着なさいよ」

 この状況で怒り出さない裕子も大概なものだが、リサは一歩も引かない。

「嫌です。せっかくお兄さんに脱がせてもらったんだもの。むしろお姉さんのほうが脱いでください」
「は、なんで私が……」
「俺からも頼もうかな。久しぶりに裸が見たくなった」

 なんだか面白くなったので、俺もリサのペースに合わせることにした。

「しょうがないわねぇ……」

 部屋を飛び出して連絡もよこさなかった罪悪感か、はたまた若い子に張り合いたくなったのか、意外にも裕子は素直に服を脱ぎだした。

「わあ、大人の下着ですね」

 リサが感嘆の声を上げた。レースに縁取られたワインレッドで、生地の一部が透けた下着。おそらくは俺との仲直りエッチのために用意したのだろう。それを間女に見られるのはさぞ屈辱的に違いない。しかし裕子は俺の視線が自分に向いていることに気づくと、得意げにポーズを取った。

「うふふ、若い子には負けないわよ」

 そして自らブラを外し、リサと同じトップレスになった。見慣れている体のはずなのに、俺は裕子に釘付けになっていた。若くて華奢な体もいいが、成熟した女性の体のほうが俺には好みのようだ。

「お兄さんって本当にわかりやすいですね。さすがに私の負けかなあ」

 リサは少し残念そうな顔で俺たちを見た。

「あら、今夜はこの人を好きにしてもいいのよ?」

 勝者の余裕か、裕子は妙なことを口に出した。

「おいおい、さすがにそれはまずいだろ」
「あら、あんたもせっかく迎え入れたんなら最後までしなきゃ。覚悟を決めた女に恥をかかせちゃ駄目よ」
「ごめんなさい!さすがに私が調子に乗ってました!」

 とうとうリサは白旗を上げてしまった。

 **

「あんたくらいの歳だと、年上の男がみんなかっこよく見えるものなのよ、私も経験あるわぁ」
「やっぱりそういうものなんですね」

 俺と食べるはずだったお土産、ブルーベリーソースのかかったレアチーズケーキをリサと一緒に食べながら、二人は仲良く女子トークをしている。

「そうそう。ヤッちゃったりしたら絶対後で後悔するんだから」
「確かにそうかも。お兄さんのことは大好きだけど、付き合うとかはまだ考えられないかな」

 リサはすっかり裕子のペースに流されてしまった。そして、俺にもリサがただの子供にしか見えなくなってきた。さっきまでセックス寸前だったのが嘘のようだ。

「やっぱり長い目で見るなら同級生とかのほうがいいわよ。自分の好きなようにコントロールできたりもするから」
「なるほど、勉強になります」

 リサは俺の方をちらっと見ながらそう言った。ああ、わかっているだろう。俺がそのコントロールされた結果なのだ。

 **

「それじゃ、気をつけて帰りなさいね」
「今日は本当にありがとうございました。少し大人になった気がします」
「また遊びに来ていいからね」
「えー、そんなこと言っていいんですか?今度こそ取っちゃうかも知れませんよ?」
「ふふ、お手やらわかにね」

 こうしてリサを見送り、俺たちは二人だけになった。

「いやぁ、浮気もできない甲斐性なしかと思ってたら、女子高生を連れ込むなんてねぇ」

 裕子はにやにやと笑みを浮かべている。

「すまん……」
「私は本当に怒ってないから大丈夫。別れたと思われても仕方ないことしたんだしね」

 彼女は余裕たっぷりにそう答えた。

「それに、女としては自分の彼氏が全然モテないのも面白くないと思ってたの」

 俺は裕子の他に女を知らない。女性の方からアプローチを受けたのも、リサが裕子に次ぐ二人目だった。

「それにしても、エッチできなくて残念だったねぇ?」

 俺の内もものあたりを指先でつつきながらからかってきた。

「うるさいなー、お前だって派手な下着なんか着込んで、わかりやすすぎるぞ」
「だって久しぶりなんだもん。寂しかった?」
「別に、大したことなかったけどな」

 心にもないことをつぶやいた、どうしようもない俺を、裕子はその豊満な体で包んでくれた。
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