45 / 78
【45.王妃の代役②】
しおりを挟む
「リア様の、代わりですか?」
夜明け前。トゥーラ城の地階の螺旋階段の手前でロイズに呼び止められた細身の尚書は、薄い顔に載せた平坦な唇を、意外そうに開いた。
「弓兵が退いた後は、城壁の向こうが見えなくなる。あいつの代わりに、監視役を頼む」
「…わかりました」
他の誰でもない。
憧れすら抱く王妃の無念を、彼は目の前に立つ男の次に知っている。
細い瞳に覚悟を宿したラッセルは、渡された使命を短い言葉で受け取った。
「あ、一つだけ」
「なんでしょう?」
前線へと向かおうとしたロイズが振り向いて、最後に一つを伝えた。
「今は静かだけど、アイツは北を気にしてた」
「…分かりました」
動きの鈍い北側は、本来彼の担当であった。
薄い顔立ちの尚書は、確かにそれを心に留めるのだった――
「屋上で、指示を送っている奴が居るな…」
南から北西の林の奥へと移動した、北からの侵攻を担当するスモレンスクの副将ブランヒルが、都市城壁の上に浮かんでいるトゥーラ城の屋上で、大きな手振りで指示を送っている人影に気が付いた。
(昨日も、居たのか?)
ふと、そんな思考が頭を過ぎった――
しかし記憶の中では、青い旗が4本、四方で靡いているだけであった――
「……」
スモレンスクの策士、ブランヒルがしばしの時間を使った。
それは概ね順調に時を稼いでいたトゥーラにとって、初めて訪れた小さな綻びであった――
「ベインズとカプスに連絡を取れ!」
「は」
ナラの大木に登ってトゥーラの様子を観察していたブランヒルは、東西を担当する二人の弟分を呼ぶ事にした――
「ギュース将軍、西側のカプス隊より伝達です!」
ブランヒルの作戦が、南側で戦況を窺っていた直属の上司であるバイリーと、総大将ギュースへと伝わった。
「ワシも、北へ向かう」
伝令からの内容に、ギュースは肩まで伸ばした赤髪を揺らして立ち上がり、切っ先の太い特製の槍を手にすると、100キロを超える体躯ながら、易々と馬に跨って、北へと向かって駆け出して行った。
「南の城門を、内から開ける!」
巨大な落とし穴の出現により、城門を外からぶち破るような工作機は使えない。
スモレンスク軍の主力、南側を担当するバイリーが、頭髪を綺麗に剃った頭にうっすらと汗を浮かべる中、居並ぶ兵士に向かって作戦を伝えた。
「見ての通り、相手は城壁の上から退いた。これより、落とし穴に梯子を掛けて、正面から突っ切る! 梯子を用意しろ!」
「は!」
歴戦の将軍の言葉を受けて、先ずは半数の兵士が梯子を手にしようと林の中へと移動した。
「残りは、2隊に分ける! 落とし穴の左右から迂回して、城壁に取り付いて、なるべく中心に梯子を掛けろ。角度は厳しいが、風は味方している。梯子は倒されぬように、隣同士を固く結べ」
「はっ!」
続いて残りの隊列が、指示を仰いで二手に分かれた――
「俺たちが、手柄を上げるぞ!」
トゥーラの城外、東側で、長身の副将ベインズが叫んだ。
「目指すは南の城門だ。中に侵入して、内側から開けろ!」
「おう!」
西側に居る輜重隊から離れている為、投石器が東に回される事は無かった。
それでもベインズは、東に配置されたトゥーラの国王が自ら指揮する士気の高い兵士に対して、先ずは忠実に、弓矢で以って牽制をしていた。
「投石器、来ます!」
そんなところへ、援護の投石器がようやくやってきた。
東側では、都市城壁の上にトゥーラの弓兵が居座っている。
膠着状態の打開を図ろうと、南側からバイリーが回してくれたのだ。
「どこを狙いますか?」
「南側で良い!」
ベインズは、意図を持って明確な指示を与えた――
「退くか…」
東の都市城壁に設けた足場の上で、トゥーラの国王は投石器の姿を認めると、端正な顔つきに落胆の色を浮かべて、無念を呟いた――
「梯子?」
一方で、トゥーラ城の屋上では、リアの代役として南側を見下ろしていた監視役のラッセルが、細い目を更に細くして、薄い顔に意外そうな表情を浮かべていた。
向かってくる兵士の手にする梯子の長さが、明らかに短い。
10メートルもある都市城壁の上までは、到底届くとは思えなかった――
「あ…」
暫くの時間を置いて、相手の意図が明らかになると、ラッセルは慌てて西側の対処に向かっていたグレンに対して、大きく両腕を振って危険を知らせた。
「南?」
一時間ほど前に、西側の都市城壁に掛けられそうになった梯子にラッセルが気付いて助かった事もあり、彼の動きを注視していた総大将が、連れてきた近衛兵に対して戦闘の激しい西側にそのまま残るようにと指示を渡すと、自身は南へと単身で向かった。
「グレン様ぁ!」
南の都市城門まで進んだところで、城から伸びる一本道を、女中のマルマが快足を飛ばしてやってきた。
そこそこ肉付きの良い体型をしている彼女だが、見かけに寄らず、足は速いのだ。
「ラッセルさんからです!」
小さな石を重りとして、紙片で包んだものをマルマが手渡すと、都市城門の向こう側の状況を、グレンが知る事になる。
本来ならばリアが手旗を使い、ラッセルかロイズが受け取る予定だったのだが、今は不可能である。
ならばとラッセルが、マルマに伝達を託したのだ。
「ありがとう。ここは危ない。早く、城へ戻って!」
「はい」
グレンは投石器からの弾道を確認しつつ、四角い顔に緊張を含みながら感謝を述べると、南側の都市城壁及び、城門の手前で敵の侵攻に備えている兵士達に向かって、大声で指示を発した。
「南側にも、敵が来るぞ! 壁の下は死角になる。槍を持て!」
スモレンスクの兵士からすると、足場の悪い中、城壁の向こうから飛んでくる矢羽と砲弾を躱しつつ、長梯子を数人がかりで抱えて城壁へと取り付かなければならない。
そして重力に逆らって長梯子を立て掛けて、足元を掴み、人力で固定する。それから長いが故に安定しない、風に晒されて揺れ動く梯子を登るのだ。
都市城壁を登った先では、トゥーラの弓兵と投石兵が狙いを定めて待ち構えている。
背負った盾を翳して矢羽や投石を防ぎながら城壁を越えたとしても、足場の先には落差10メートルが控えていて、城壁を降りる時には弓兵に狙われ、地面に降りたところを槍で襲われる。
いくら数で勝ろうとも、簡単に成し遂げられる任務ではないのだ。
「そろそろ来るぞ!」
侵略軍の援護の砲弾と矢羽が減ってきたのを察すると、グレンが大声で叫んだ――
グレンが、ライエルが、ロイズが、それぞれに指揮を執り、或いは鼓舞をする。
スモレンスクが持ち込んだ投石器は全て配備され、南側、都市城門付近の攻防はいよいよ激しいものとなっていた。
東側からの投石器の砲弾は、長身の副将ベインズの指示により、唯一存在する南側の都市城門付近を標的にされ、左右に対して無防備なトゥーラの兵士は対応に窮していた。
重ねて南側からは、高い弾道を描いて投石器の砲弾がやってくる。更には梯子を掛けられたなら、それを登って来る兵士とも対峙しなければならない――
持ち堪えていた東の城壁も同様で、梯子が一つ、また一つと掛けられていった。
それでも投石器による攻撃が穏やかな分、他よりはマシである。
射撃塔を兼ねた住居の二階や三階で配置に就いていた弓兵が、手ぐすねを引いてスモレンスクの兵士が姿を現すのを待っていた。
一方で、朝から激しい攻防が続く西側は、数に劣るトゥーラの兵士にはっきりと疲労の色が見て取れた。それを悟ったルーベンが、北側から援護に出向く――
そんな情勢を、ラッセルは城の屋上の南側に立ち、手に汗を握りながら観察をし、都市城壁に向かってくる敵兵の動きなどに注意を払っていた。
中でも国王であるロイズは、絶対に見失ってはならない。ロイズもまた、そこは理解していて、東側で指示を送りながらも最前線に立つような真似はせず、屋上から姿が分かるようにと、意識を保って立ち回っていた。
本来であれば、リアの大きな瞳が捉えられるように――
(ロイズ様?)
眼下のロイズが、ふっと振り向いた。
ラッセルは、彼の視線が自身に向けられている事を悟った。
(え?)
視線が合って、大きく口を開けている。右方向へ右腕を伸ばしながら、何かを叫んでいるようだ。
(キ…タ…)
理解に及んだ刹那、薄い顔の尚書は自身のこめかみ付近から、血の気がさぁっと引いて行くのを感じた――
夜明け前。トゥーラ城の地階の螺旋階段の手前でロイズに呼び止められた細身の尚書は、薄い顔に載せた平坦な唇を、意外そうに開いた。
「弓兵が退いた後は、城壁の向こうが見えなくなる。あいつの代わりに、監視役を頼む」
「…わかりました」
他の誰でもない。
憧れすら抱く王妃の無念を、彼は目の前に立つ男の次に知っている。
細い瞳に覚悟を宿したラッセルは、渡された使命を短い言葉で受け取った。
「あ、一つだけ」
「なんでしょう?」
前線へと向かおうとしたロイズが振り向いて、最後に一つを伝えた。
「今は静かだけど、アイツは北を気にしてた」
「…分かりました」
動きの鈍い北側は、本来彼の担当であった。
薄い顔立ちの尚書は、確かにそれを心に留めるのだった――
「屋上で、指示を送っている奴が居るな…」
南から北西の林の奥へと移動した、北からの侵攻を担当するスモレンスクの副将ブランヒルが、都市城壁の上に浮かんでいるトゥーラ城の屋上で、大きな手振りで指示を送っている人影に気が付いた。
(昨日も、居たのか?)
ふと、そんな思考が頭を過ぎった――
しかし記憶の中では、青い旗が4本、四方で靡いているだけであった――
「……」
スモレンスクの策士、ブランヒルがしばしの時間を使った。
それは概ね順調に時を稼いでいたトゥーラにとって、初めて訪れた小さな綻びであった――
「ベインズとカプスに連絡を取れ!」
「は」
ナラの大木に登ってトゥーラの様子を観察していたブランヒルは、東西を担当する二人の弟分を呼ぶ事にした――
「ギュース将軍、西側のカプス隊より伝達です!」
ブランヒルの作戦が、南側で戦況を窺っていた直属の上司であるバイリーと、総大将ギュースへと伝わった。
「ワシも、北へ向かう」
伝令からの内容に、ギュースは肩まで伸ばした赤髪を揺らして立ち上がり、切っ先の太い特製の槍を手にすると、100キロを超える体躯ながら、易々と馬に跨って、北へと向かって駆け出して行った。
「南の城門を、内から開ける!」
巨大な落とし穴の出現により、城門を外からぶち破るような工作機は使えない。
スモレンスク軍の主力、南側を担当するバイリーが、頭髪を綺麗に剃った頭にうっすらと汗を浮かべる中、居並ぶ兵士に向かって作戦を伝えた。
「見ての通り、相手は城壁の上から退いた。これより、落とし穴に梯子を掛けて、正面から突っ切る! 梯子を用意しろ!」
「は!」
歴戦の将軍の言葉を受けて、先ずは半数の兵士が梯子を手にしようと林の中へと移動した。
「残りは、2隊に分ける! 落とし穴の左右から迂回して、城壁に取り付いて、なるべく中心に梯子を掛けろ。角度は厳しいが、風は味方している。梯子は倒されぬように、隣同士を固く結べ」
「はっ!」
続いて残りの隊列が、指示を仰いで二手に分かれた――
「俺たちが、手柄を上げるぞ!」
トゥーラの城外、東側で、長身の副将ベインズが叫んだ。
「目指すは南の城門だ。中に侵入して、内側から開けろ!」
「おう!」
西側に居る輜重隊から離れている為、投石器が東に回される事は無かった。
それでもベインズは、東に配置されたトゥーラの国王が自ら指揮する士気の高い兵士に対して、先ずは忠実に、弓矢で以って牽制をしていた。
「投石器、来ます!」
そんなところへ、援護の投石器がようやくやってきた。
東側では、都市城壁の上にトゥーラの弓兵が居座っている。
膠着状態の打開を図ろうと、南側からバイリーが回してくれたのだ。
「どこを狙いますか?」
「南側で良い!」
ベインズは、意図を持って明確な指示を与えた――
「退くか…」
東の都市城壁に設けた足場の上で、トゥーラの国王は投石器の姿を認めると、端正な顔つきに落胆の色を浮かべて、無念を呟いた――
「梯子?」
一方で、トゥーラ城の屋上では、リアの代役として南側を見下ろしていた監視役のラッセルが、細い目を更に細くして、薄い顔に意外そうな表情を浮かべていた。
向かってくる兵士の手にする梯子の長さが、明らかに短い。
10メートルもある都市城壁の上までは、到底届くとは思えなかった――
「あ…」
暫くの時間を置いて、相手の意図が明らかになると、ラッセルは慌てて西側の対処に向かっていたグレンに対して、大きく両腕を振って危険を知らせた。
「南?」
一時間ほど前に、西側の都市城壁に掛けられそうになった梯子にラッセルが気付いて助かった事もあり、彼の動きを注視していた総大将が、連れてきた近衛兵に対して戦闘の激しい西側にそのまま残るようにと指示を渡すと、自身は南へと単身で向かった。
「グレン様ぁ!」
南の都市城門まで進んだところで、城から伸びる一本道を、女中のマルマが快足を飛ばしてやってきた。
そこそこ肉付きの良い体型をしている彼女だが、見かけに寄らず、足は速いのだ。
「ラッセルさんからです!」
小さな石を重りとして、紙片で包んだものをマルマが手渡すと、都市城門の向こう側の状況を、グレンが知る事になる。
本来ならばリアが手旗を使い、ラッセルかロイズが受け取る予定だったのだが、今は不可能である。
ならばとラッセルが、マルマに伝達を託したのだ。
「ありがとう。ここは危ない。早く、城へ戻って!」
「はい」
グレンは投石器からの弾道を確認しつつ、四角い顔に緊張を含みながら感謝を述べると、南側の都市城壁及び、城門の手前で敵の侵攻に備えている兵士達に向かって、大声で指示を発した。
「南側にも、敵が来るぞ! 壁の下は死角になる。槍を持て!」
スモレンスクの兵士からすると、足場の悪い中、城壁の向こうから飛んでくる矢羽と砲弾を躱しつつ、長梯子を数人がかりで抱えて城壁へと取り付かなければならない。
そして重力に逆らって長梯子を立て掛けて、足元を掴み、人力で固定する。それから長いが故に安定しない、風に晒されて揺れ動く梯子を登るのだ。
都市城壁を登った先では、トゥーラの弓兵と投石兵が狙いを定めて待ち構えている。
背負った盾を翳して矢羽や投石を防ぎながら城壁を越えたとしても、足場の先には落差10メートルが控えていて、城壁を降りる時には弓兵に狙われ、地面に降りたところを槍で襲われる。
いくら数で勝ろうとも、簡単に成し遂げられる任務ではないのだ。
「そろそろ来るぞ!」
侵略軍の援護の砲弾と矢羽が減ってきたのを察すると、グレンが大声で叫んだ――
グレンが、ライエルが、ロイズが、それぞれに指揮を執り、或いは鼓舞をする。
スモレンスクが持ち込んだ投石器は全て配備され、南側、都市城門付近の攻防はいよいよ激しいものとなっていた。
東側からの投石器の砲弾は、長身の副将ベインズの指示により、唯一存在する南側の都市城門付近を標的にされ、左右に対して無防備なトゥーラの兵士は対応に窮していた。
重ねて南側からは、高い弾道を描いて投石器の砲弾がやってくる。更には梯子を掛けられたなら、それを登って来る兵士とも対峙しなければならない――
持ち堪えていた東の城壁も同様で、梯子が一つ、また一つと掛けられていった。
それでも投石器による攻撃が穏やかな分、他よりはマシである。
射撃塔を兼ねた住居の二階や三階で配置に就いていた弓兵が、手ぐすねを引いてスモレンスクの兵士が姿を現すのを待っていた。
一方で、朝から激しい攻防が続く西側は、数に劣るトゥーラの兵士にはっきりと疲労の色が見て取れた。それを悟ったルーベンが、北側から援護に出向く――
そんな情勢を、ラッセルは城の屋上の南側に立ち、手に汗を握りながら観察をし、都市城壁に向かってくる敵兵の動きなどに注意を払っていた。
中でも国王であるロイズは、絶対に見失ってはならない。ロイズもまた、そこは理解していて、東側で指示を送りながらも最前線に立つような真似はせず、屋上から姿が分かるようにと、意識を保って立ち回っていた。
本来であれば、リアの大きな瞳が捉えられるように――
(ロイズ様?)
眼下のロイズが、ふっと振り向いた。
ラッセルは、彼の視線が自身に向けられている事を悟った。
(え?)
視線が合って、大きく口を開けている。右方向へ右腕を伸ばしながら、何かを叫んでいるようだ。
(キ…タ…)
理解に及んだ刹那、薄い顔の尚書は自身のこめかみ付近から、血の気がさぁっと引いて行くのを感じた――
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小童、宮本武蔵
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
兵法家の子供として生まれた弁助は、野山を活発に走る小童だった。ある日、庄屋の家へ客人として旅の武芸者、有馬喜兵衛が逗留している事を知り、見学に行く。庄屋の娘のお通と共に神社へ出向いた弁助は、境内で村人に稽古をつける喜兵衛に反感を覚える。実は、弁助の父の新免無二も武芸者なのだが、人気はさっぱりだった。つまり、弁助は喜兵衛に無意識の内に嫉妬していた。弁助が初仕合する顚末。
備考 井上雄彦氏の「バガボンド」や司馬遼太郎氏の「真説 宮本武蔵」では、武蔵の父を無二斎としていますが、無二の説もあるため、本作では無二としています。また、通説では、武蔵の父は幼少時に他界している事になっていますが、関ヶ原の合戦の時、黒田如水の元で九州での戦に親子で参戦した。との説もあります。また、佐々木小次郎との決闘の時にも記述があるそうです。
その他、諸説あり、作品をフィクションとして楽しんでいただけたら幸いです。物語を鵜呑みにしてはいけません。
宮本武蔵が弁助と呼ばれ、野山を駆け回る小僧だった頃、有馬喜兵衛と言う旅の武芸者を見物する。新当流の達人である喜兵衛は、派手な格好で神社の境内に現れ、門弟や村人に稽古をつけていた。弁助の父、新免無二も武芸者だった為、その盛況ぶりを比較し、弁助は嫉妬していた。とは言え、まだ子供の身、大人の武芸者に太刀打ちできる筈もなく、お通との掛け合いで憂さを晴らす。
だが、運命は弁助を有馬喜兵衛との対決へ導く。とある事情から仕合を受ける事になり、弁助は有馬喜兵衛を観察する。当然だが、心技体、全てに於いて喜兵衛が優っている。圧倒的に不利な中、弁助は幼馴染みのお通や又八に励まされながら仕合の準備を進めていた。果たして、弁助は勝利する事ができるのか? 宮本武蔵の初死闘を描く!
備考
宮本武蔵(幼名 弁助、弁之助)
父 新免無二(斎)、武蔵が幼い頃に他界説、親子で関ヶ原に参戦した説、巌流島の決闘まで存命説、など、諸説あり。
本作は歴史の検証を目的としたものではなく、脚色されたフィクションです。
蒼穹(そら)に紅~天翔る無敵皇女の冒険~ 四の巻
初音幾生
歴史・時代
日本がイギリスの位置にある、そんな架空戦記的な小説です。
1940年10月、帝都空襲の報復に、連合艦隊はアイスランド攻略を目指す。
霧深き北海で戦艦や空母が激突する!
「寒いのは苦手だよ」
「小説家になろう」と同時公開。
第四巻全23話
本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
御庭番のくノ一ちゃん ~華のお江戸で花より団子~
裏耕記
歴史・時代
御庭番衆には有能なくノ一がいた。
彼女は気ままに江戸を探索。
なぜか甘味巡りをすると事件に巡り合う?
将軍を狙った陰謀を防ぎ、夫婦喧嘩を仲裁する。
忍術の無駄遣いで興味を満たすうちに事件が解決してしまう。
いつの間にやら江戸の闇を暴く捕物帳?が開幕する。
※※
将軍となった徳川吉宗と共に江戸へと出てきた御庭番衆の宮地家。
その長女 日向は女の子ながらに忍びの技術を修めていた。
日向は家事をそっちのけで江戸の街を探索する日々。
面白そうなことを見つけると本来の目的であるお団子屋さん巡りすら忘れて事件に首を突っ込んでしまう。
天真爛漫な彼女が首を突っ込むことで、事件はより複雑に?
周囲が思わず手を貸してしまいたくなる愛嬌を武器に事件を解決?
次第に吉宗の失脚を狙う陰謀に巻き込まれていく日向。
くノ一ちゃんは、恩人の吉宗を守る事が出来るのでしょうか。
そんなお話です。
一つ目のエピソード「風邪と豆腐」は12話で完結します。27,000字くらいです。
エピソードが終わるとネタバレ含む登場人物紹介を挟む予定です。
ミステリー成分は薄めにしております。
作品は、第9回歴史・時代小説大賞の参加作です。
投票やお気に入り追加をして頂けますと幸いです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
鵺の哭く城
崎谷 和泉
歴史・時代
鵺に取り憑かれる竹田城主 赤松広秀は太刀 獅子王を継承し戦国の世に仁政を志していた。しかし時代は冷酷にその運命を翻弄していく。本作は竹田城下400年越しの悲願である赤松広秀公の名誉回復を目的に、その無二の友 儒学者 藤原惺窩の目を通して描く短編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる