小さな国だった物語~

よち

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【40.援軍要請】

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矢羽を放てば当たる――

それほどまでに、トゥーラの都市城壁の東西は、スモレンスクの兵士で溢れかえっていた。

思惑通り、深く小さく掘った落とし穴が侵略者の歩みを遅らせて、負傷した兵士が新たな障害となり、彼らの進軍を更に遅鈍なものにしている。

「一部は、援護に回えぇ!」

唯一動きの無かった北側の城壁で、ラッセルの代役として指揮権を預ったルーベンが、拙い滑舌からでも明確な指示を送った。

トゥーラ側の視点では、一部の修正を除き、当初の作戦通りに事が運んでいた――

大将軍グレンが西側と南側の指揮を執り、若き美将軍ライエルは射撃の腕を披露している。
国王ロイズは東側を担当し、国王付きのラッセルは、各所の連絡役として走り回っていた――

「向こうからも、撃ってくるぞ!」

都市城壁の足場から、警戒の声が飛ぶ。壕を越えて足元を固めた敵軍が、新たに弓兵を送り込んできたのだ。
城壁の高さによって射程距離が勝る為、未だ、慌てる状況には無い。
それでも数に劣るトゥーラ側としては、弓兵による消耗戦は避けたい事態であった――


「そろそろだな…」

南側。頭髪を綺麗に剃ったスモレンスクの大将バイリーが、スッと右手を掲げながら呟くと、盾を両手に持った重装歩兵が横並びに林から現れた。
その背後には、強弩隊が並んでいる。

「行け!」

バイリーの号令に、重装歩兵が眼前に二つの盾を翳して進んでゆく。
落とし穴の手前で重装歩兵による小さな陣を築いて、その背後から強弩を放つというのが狙いであった。強弩であれば、都市城壁の向こう側にも、十分届く。

威力に勝る。射程距離は長い。しかしながら矢の装填には時間が掛かる。
静止したまま放つことになるので、狙われやすい。強弩とは、そういう武器だ。

東西で戦闘が始まり、側面から狙われる心配も減っている。トゥーラからの攻撃に強弩が少ない事を見切ったバイリーは、犠牲は覚悟の上で、この策を執ったのだ。


「来たぞ。放て!」

新たな敵の動きに、トゥーラの大将軍の声が飛ぶ。
二つの巨大な落とし穴を挟んだ、南門までの100メートル。
最重要地点を巡る攻防が、再び始まった――

「南側を攻めろ!」
「南の方が、薄くなるぞ!」

南側の都市城壁の両端で、それぞれ東西の進攻に抗っていた弓兵の対応が変化した。

長身の副将ベインズ、童顔の副将カプスの両名は、城壁に配置された弓兵の動きを予見して、東西でそれぞれに指示を叫んだ。

「重装歩兵と、強弩隊を用意!」

そして好機を逃がすまいと、バイリーに倣った部隊の編成を命じるのだった――


「あの壁に居る奴ら、ほんとに邪魔だな…」

南側の本陣。並び立つ大将のバイリー、副将ブランヒルの背後から、スモレンスクの総大将ギュースが呟いた。
都市城壁の上から注ぐ矢羽に意識が向かうあまり、城門の前、左右に設けられた防御壁から撃ってくる弓兵に、足を射貫かれて動きが止まる者が目立ってきたのだ。

「どうしますかね…」

頭髪を綺麗に剃ったバイリーが、振り向きながら総大将ギュースに尋ねた。

「歩兵を突っ込ませるか、騎馬で突っ込むか…」

それに対して、ぼわっとした赤髪を肩まで伸ばしたギュースが、100キロを超える体躯から伸びる丸太のような右腕を、頭上に張り出した大木の枝に預けながら呟いた。

「騎馬では、生きて帰れないでしょう…」

ギュースの安易な発言に、微動だにする事なく、ブランヒルが背中で反応をした。

発言には、命令とあれば従うが、下される前に反対の意思表示だけはさせてもらうという、彼なりの矜持が見て取れた。

「そうだな…」

騎馬で中央突破を図っても、馬が射貫かれたら道を塞ぐ。
防御壁まで辿り着く可能性は、極めて低い。

「歩兵で崩すしかないか…」

右手で赤髪を掻きながら、スモレンスク軍の総大将は溜め息交じりに吐き出した。

「そうですね…ですが、指示を出さなくても良さそうですよ?」

嘆息に、ブランヒルは平たく言いながら左右を見やると、ギュースとバイリーも視線を左右に移した――

視線の先には、重装歩兵と強弩隊。
巨大な落とし穴の存在しない東西なら、城壁まで辿り着くのはそれほど難しくは無さそうだ。

「側面からの攻撃が始まったら、それに合わせて突撃しましょう」

ブランヒルは二人の弟分を頼もしく思いながら、明るい見通しを発するのだった――



 ヒュン

トゥーラの西側で、外から放たれた一本の矢羽が、都市城壁の内側で跳ね落ちた――

「射手の入れ替わりを! 女性は、後方へ下がって下さい!」

若き美将軍ライエルが、城内に向かってすかさず叫んだ。

足場の上は、横一列。対する侵略軍は、形骸化した壕を渡って続々とやってくる。
したくなかった消耗戦は、もはや避けられない――

軽装の兵を下げ、鎧を纏った射手に替えるのは、犠牲を減らす為である。
しかしながら、鎧を纏っては、どうしたって射撃の間隔が空いてしまう。

「ぐあっ」

開戦から8時間。
ついに侵略者の放った矢羽が、トゥーラの兵士を捉えた――

刹那、呻き声に膝を折る――

「撃たれた者は、場所を空けるように!」

甲高いライエルの指示が飛び出すと、控えの弓兵がスッと前衛へと足を進めた。

ライエル自身も鎧を纏い、引き続き射手として残るつもりだ。
若い将軍が自ら敢然と立ちはだかる姿は、味方の士気を否応なく高めた――

「将軍に頼るな!」
「おう!」

鍛え上げた年上の部下が発する掛け声に、若き美将軍は弓を引きながら、誇らしくなって思わず頬を緩めるのだった――



「西…」

四方のうち、唯一平穏な北側。
都市城壁の下で細身の尚書ラッセルは、薄い顔に備わった細い瞳で、城の屋上を見やって呟いた。

開戦前、城の屋上には四方に青い旗が靡いていたが、今では西側の旗が黄色へと変わっている――

これらの旗は、戦いを唯一俯瞰して見る事のできる小さな王妃が、状況に応じて旗を差し替えて、各方面の戦況を共有できるようにしているのだ。

「ルーベンさん。西側の援護、向かって良いですか?」

階級は上だが、指揮権はルーベンに預けてある。難しい立場に身を置くラッセルが、都市城壁の上で指揮を執る、少し滑舌の悪い細身の近衛兵に指示を仰いだ――

「……」

敵が目指すのは、南側の都市城門。
包囲戦を仕掛けてくるにしては、動きが鈍い。
東西からの攻勢が順調ならば、敢えて一番遠い北側は、攻め手から外すこともあり得るか…

「はい。お願ぃすます」

ルーベンが城壁の外側を確認すると、東西に流れるウパ川の手前では、連絡役として騎兵が動くことはあっても、多数の兵団の姿は窺えなかった。

滑舌の良くない人の多くは、サ行の発声が難しい。
例えば「お願いします」が「お願い『す』 ます」に聴こえるのだが、人は普段の会話でも、前後の言葉から意味の通じる言葉へと脳内変換しているのである。

聞き手によって音の捉え方が違うのは、日本では概ねワンだが、他国ではバウだったりワウだったりする、犬の鳴き声でも証明する事ができる――

「では、予備兵をお借りします」

ラッセルは得意気になってルーベンを見上げると、続いて都市城壁の斜めに築かれた石壁に背中を預けつつ、上からの指令を待っている10数名の兵士に向かって叫んだ。

「これから、西側の援護に向かう!」
「……」
「あ、あれ?」

しかし、反応が鈍い。ラッセルの掛け声に対して、殆どの兵士は微動だにしなかった。
手前にいる数人が、ふっと顔を覗かせたくらいである。

「おい、おまぇら!」

頭上から、ルーベンの大声が響いた。

「その方は、国王様の補佐官だ。付いてぃけ!」
「は、はい!」

言われてみると、列の先頭で馬に跨った華奢な男は、ルーベンが付けていない部隊長の青い腕章を付けていた――

(この人が、部隊長?)

指揮を執る自信の無さが、威厳の無さとなって表れている。
肩幅の広い兵士は走り出しながら、改めて目の前の華奢な丸い背中と腕章を見比べて、首を傾げた。

「伝えておくべきだったか…」

指揮権を預かった事により、率先して指示を飛ばした――
それが今となっては、一部の困惑を生んでいる。

遠ざかる背中たちを眺めたルーベンは、今更ながら尚書の存在を伝えていなかった事を悔やんだ――


「ライエル将軍! 北から、援護に来ました!」
「あ、ありがとうございます。鎧を着ている者は、射手の交代をお願いします」

南西まで駆けてきて、少し得意気になって口を開いたラッセルに、見張り台の上で弓を引きながら、ライエルが感謝を伝えた。

「……」

美将軍との会話を認めると、やっと同行した一団は、目の前の華奢な男が自分達の部隊長なのだと納得をした――



スモレンスク軍の勢いが、ジリジリと増していた。

東西の都市城壁を巡る攻防は、既に消耗戦へと突入している。
開戦当初は雲に向かって放たれていた矢羽たちが、今や眼下の敵にのみ向けられていた――

「……」

トゥーラの一番高い場所で、赤みの入った癖毛を背中に回した王妃が、空一面に拡がる薄い雲の向こうにある太陽を眺めた。
雲を突き抜けんとする白い輝きが、初日の残り時間を表している――

(今日は、大丈夫そう…)

同盟を結ぶリャザン公国からの援軍が、明後日には着く筈だ。

スモレンスクの軍勢がトゥーラとの中間地点、カルーガに姿を現したとの報せを受けた日、リアは早急な援軍を要請したが、それからもう一度早馬を出したのだ。

追加の内容は、スモレンスクの陣容を伝えるものであったが、これにより、速いが脆い、騎馬による先遣隊がやってくる事は、期待できなくなっていた――


「また、早馬を出すのですか?」

姿を現した軍勢が想像以上だった事を受け、小さな王妃が再び早馬を命じると、尚書のラッセルは疑問を口にした。

「出すわよ。最後にね」
「最後…」
「最後よ。東にも兵が回る筈。伝令に伝えて。『敵多数。陣容整えて、参戦願う』 ってね」
「え? 『至急、助けを請う』 じゃないのですか?」

耳に届いた内容に、ラッセルが再び疑問を発した。

リャザン向こうから、犠牲を出すつもりは無いから」
「…分かりました」

援軍の到着は、例え少数でも早い方が良い。
王妃の指示に納得のいかないラッセルであったが、議論を交わす時間は皆無である。黙って従うしかなかった――

(ワルフ、頼んだわよ…)

居住区から姿を消す細い背中を見送ると、リアは幼い頃に遊んだ同盟国の重臣を想いながら、目線を高くした窓越しに、リャザンの方向、東の方を見やるのだった――



「そろそろ…でしょうか?」

スモレンスク軍の本陣、南側の林の中で、利発な副将ブランヒルがうかがいの声を発した。

東を担う長身の副将ベインズ。西側を担当する童顔の副将カプス。
東西からの侵攻によって、城門前に造られた二つの防御壁に配置されたトゥーラの弓兵に、焦りの色が窺える――

幾多の戦闘で最前線にいたブランヒルが、放たれる矢羽の精度の劣化を見逃す筈が無かった――

「よし、突撃の用意を!」

信頼する部下の観察眼に応えると、バイリーの指示で重装歩兵の一団が林の中で配置に就いた。

「旗を掲げろ!」

続いて総大将ギュースの力強い声が轟くと、熊を模した紋章が描かれた、スモレンスクの赤い二本の巨大な旗が掲げられた。

「突撃!」
「おおー!」
「撃て! 撃て!」

バイリーの号令に、二本の旗の間から、重装歩兵の一団が喚声を上げながら飛び出した。
同時に東西からの弓隊は、防御壁に配置された弓兵だけに狙いを定めた――



「退け! 城門を開けろ!」

敵の動きを察知して、トゥーラの総大将グレンが叫ぶ。

精鋭の近衛兵とはいえ、三方向から攻められては分が悪い。貴重な戦力を全滅させる訳にはいかないと、やむなく撤退命令を下した。

「城門が開いたぞ! 一気に城内へ突っ込め!」
「おおー!」

壕の上に架けた梯子を渡ると、目標とする城門までの距離は100メートル。
そのまま城門を突破する事が出来れば、勝利は揺るぎないものとなる。

一番乗りの名誉に預かろうと、勢いを増したスモレンスクの重装歩兵の一団は、城門へと続く幅3メートルの一本道を突き進んだ――

「こっちも行くぞ!」
「おう!」

勢いに乗じて、弓隊の前で壁になっていた、東西の重装歩兵が一斉に立ち上がった。
先ずは城壁に向かって真っすぐ駆けた後、大穴を回避する形で壁に沿って南の城門を目指すのだ。


「よしよし」

スモレンスク軍の本陣で、立ったまま腕組みをして、ぼわっと生えた赤髪を満足そうに揺らして頷いたのは、総大将のギュースである。

このままいけば、何れかの城壁に梯子が掛かる。
南側の攻防が激しくなれば、相手は南に戦力を割くだろう。そうなれば、東西の軍の勢いが増す――

「変だ…」
「どうした?」

そんな時、ギュースの前で立ったまま黙して戦況を眺めていたブランヒルが違和感を呟くと、予想外の発言に、彼の前で木組みの椅子に座っていた上司のバイリーが振り返った。

「いや、なんか…」

果たして、彼の違和感の正体は、スグに明かされる事となる――

数時間前に見たものと同じ光景が、再び起こったのだ――

すなわち突撃する重装歩兵の銀色の背中達が、うわあという悲鳴と共に、滑るように消えていった――

『またか!』

ギュースとバイリーが、同時に声を発した。目の前では、行き場を失った兵士達が、都市城壁の上から降ってくる矢羽の雨に、これでもかと晒されている。

「退却!」

堪らずにギュースが大声で叫ぶと、方々で金属音が鳴り出した。
石を手にした待機の兵が、盾をガンガンと叩き、これでもかと音を発している。即ち、退却の合図だ。

「誘われましたね…」
「……」

違和感の正体は、閉まることの無かった城門だ。

利発なブランヒルが称賛すら込めて呟くと、スモレンスクの総大将ギュースは悔しさに奥歯を噛み、わなわなと丸太のような腕を震わせて、潰れるほどに拳を握り締めた――
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