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北の龍
慢心
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ペルソス街道の一部が雪に埋もれた。
勝ちを確信したスノーマンは、長い長い方向の後、ゆっくりとその場を後にしていた。
周囲には、崩れた雪の塊が押し寄せて留まっているだけ。
静寂が訪れ、何分が経っただろうか。
「……!!」
白銀の世界に、積もった雪から一本の腕が現れた。
その腕は、周囲の雪を払うように動いている。
そして、腕の主は「ぷはぁッ!!」と息をつき、何とか顔を出した。
「はぁ……はぁ……死ぬかと思った……」
銀髪の女性、フォリアだ。
水のベールの詠唱が間に合い、何とか身を守ることができた。
雪崩が収まってから、龍術を器用に使い、雪を少しづつ溶かしていた。
彼女の力では、その水を熱湯に還ることはできない。そのため、時間がかかってしまった。
「く……ふっ……」
雪から身体が抜けるよう悪戦苦闘するフォリア。
しばらくして、ようやく彼女は雪から脱出した。
「みんなは!?」
辺りを見回すが、人の気配はない。
一面銀世界。
そして、何となく。本当に何となく山を見上げた。
雪崩によって削れた雪の斜面。その更に上だ。フォリアの瞳が大きくなる。
「え……?」
嫌なものを見てしまった。
「ウソ……でしょ……!?」
魔物。魔物。魔物。
戦闘の音と雪崩により引き寄せられたのだろうか。
周囲の山には、魔物の群れがうろついていた。雪崩のことを気にしているのか、真っ直ぐには近づいてこない。
円を描くように歩いている。
「そんな……」
360°魔物に囲まれている。何回見回しても、状況は変わらない。
しかも、戦えるのは自分一人。それに、一刻も早く雪の下から彼らを出さなければならない。
頭を抱え、呆然としているフォリア。
(面白い通り過ぎて……絶望よ)
この状況は、笑いたくても笑えない。
今は距離があるが、魔物の群れは徐々にそれを詰めるように歩いている。
いつまでも突っ立ってばかりいられない。
「くっそ!」
剣を抜き、備える。
絶え間なく辺りを見回し、どこから襲ってくるか常時確認する。
龍力も高め、いつでも戦えるように準備する。
しかし、スノーマン戦で龍力体力を使いすぎたところはある。
戦えはするが、万全の状態ではない。だが、「はいどうぞ」とやられる必要はない。
強引に呼吸を整えるフォリア。
「ふ~~~~~……ふ~~~~~~~……」
心臓の音がうるさすぎてヤバいが、少しでも平常心に近づけなければ、満足に戦うことはできない。
彼女は覚悟を決め、自身を鼓舞するために叫んだ。
「……かかってきなさいよ!!」
ピタ、と魔物の歩みが止まる。悪手だったか!?マジ失敗したかも。
周囲の魔物全てが、ジッとこちらを見ている。
そして、一体の中型で、獣タイプの魔物が吠えた。
それが合図かのように、魔物の群れは円を描く歩みを止め、こちらに一直線に走り出してきた。
「……来た……!!」
フォリアはそれを確認し、屈む。
魔物の群れは、前列に図体がでかいヤツが固まっている。そして、金魚のフンのように付いてきている後列は、小型のヤツが多い。
(とにかく、中心から出る……!)
ここで戦うのは無理だ。
龍力を必要最小限に抑え、フォリアは足元に水龍の紋章を描く。
「スプラッシュ!!」
紋章から青色の光が溢れ、水の柱を生み出した。
フォリアはそれに乗り、空高く飛び上がる。今の龍術は、攻撃用ではない。
目指すは、群れの外側。中心部から脱出のために使用したそれだ。
「!!」
フォリアを目指し、中央に向かっていた魔物たちはぶつかり合い、自分たちが作った群れに揉まれる。
非戦闘時で、ただ群れているときにはいざこざは起こっていなかったが、今のように場が混乱した状況では、互いが邪魔のようだ。
中央では、魔物同士の闘争が起き始めた。そのまま潰し合ってくれ。
「……ざまぁみなさい」
ナイスコントロールで群れの中心から脱出したフォリア。
それにつられ、円の外側の魔物が振り返り始めた。流石に衝突は望めない。だから、こいつらの相手だ。
(……ちょっと使いすぎかしら)
スプラッシュで、かなりの距離飛んだ。飛ぶ必要があった。
必要最低限のつもりだったが、使用後の疲労感と言うか、反動と言うか、その辺りの硬直感がいつもよりも重たい。
激しい動揺で、無意識に無駄使いをしてしまったか。ヤバいぞ。龍力に余裕がない。
「けど、やってやるわよ!!」
植物のような魔物、イヌゾリのイヌのような魔物。スノーマンを小さくしたような魔物。昆虫型の魔物。
まだまだ種類が多い。そして、それら全員が気性が荒く、力も増していた。
「この……!」
スノーマンの件で予想はしていたため、驚きはしない。
ただ、数が多すぎる。
(数が減らない……!)
スノーマンの衝撃があったために、攻撃力はアイツより劣る。
だが、数の暴力が激しすぎる。一体一体は対処できても、それが十体二十体となれば、話は別。それに、こちらのコンディションも悪い。
(こんな龍で……!もっと基礎練しとけばよかったわ……!!)
戦いながら、フォリアは考えていた。退屈だと思っていた基礎練習がどれだけ大事だったのかを。
マジメに取り組んでいたのは、最初だけだ。もっと慎重だったら。もっと訓練していれば。全ては後の祭りだ。
また、こんな状態でどこまで戦えるのだろう?と。雪の下の彼らは無事なのだろうか?と。
……そして、自分はいつ散るのだろう……?と。
彼女の脳内には、死の文字がハッキリと浮かんでいた。
正直、最初に彼らと会った時、龍術で魔物を散らしたことで、調子に乗っていた部分はあった。実力が上のはずのレイラやリゼルを救ったことで、実力を勘違いしたのだと思う。
元々の性格と、その成功体験がこの結末になってしまった。
「あっ!!」
数体魔物を倒したところで、小さいアイスウルフに剣を吹き飛ばされた。
回転しながら飛んでいく剣を、フォリアは汗を垂らしながら見ていることしかできない。
追いかける気にすらならなかった。
それも当然。龍力・体力を使い果たしたのだ。全身の力が、抜けていく。
得物が離れたことで、スイッチが切れたかのように戦闘の意識が消える。
ここまでか。
「ごめんなさい。みんな……バージル……」
どさ、とフォリアは膝をついた。
力も入らない。立ち上がれない。
アイスウルフが跳躍し、口を開けた。口からは涎が溢れている。
フォリアはそれを見た後、目を閉じた。死を覚悟し、歯を強く噛み締めながら。
勝ちを確信したスノーマンは、長い長い方向の後、ゆっくりとその場を後にしていた。
周囲には、崩れた雪の塊が押し寄せて留まっているだけ。
静寂が訪れ、何分が経っただろうか。
「……!!」
白銀の世界に、積もった雪から一本の腕が現れた。
その腕は、周囲の雪を払うように動いている。
そして、腕の主は「ぷはぁッ!!」と息をつき、何とか顔を出した。
「はぁ……はぁ……死ぬかと思った……」
銀髪の女性、フォリアだ。
水のベールの詠唱が間に合い、何とか身を守ることができた。
雪崩が収まってから、龍術を器用に使い、雪を少しづつ溶かしていた。
彼女の力では、その水を熱湯に還ることはできない。そのため、時間がかかってしまった。
「く……ふっ……」
雪から身体が抜けるよう悪戦苦闘するフォリア。
しばらくして、ようやく彼女は雪から脱出した。
「みんなは!?」
辺りを見回すが、人の気配はない。
一面銀世界。
そして、何となく。本当に何となく山を見上げた。
雪崩によって削れた雪の斜面。その更に上だ。フォリアの瞳が大きくなる。
「え……?」
嫌なものを見てしまった。
「ウソ……でしょ……!?」
魔物。魔物。魔物。
戦闘の音と雪崩により引き寄せられたのだろうか。
周囲の山には、魔物の群れがうろついていた。雪崩のことを気にしているのか、真っ直ぐには近づいてこない。
円を描くように歩いている。
「そんな……」
360°魔物に囲まれている。何回見回しても、状況は変わらない。
しかも、戦えるのは自分一人。それに、一刻も早く雪の下から彼らを出さなければならない。
頭を抱え、呆然としているフォリア。
(面白い通り過ぎて……絶望よ)
この状況は、笑いたくても笑えない。
今は距離があるが、魔物の群れは徐々にそれを詰めるように歩いている。
いつまでも突っ立ってばかりいられない。
「くっそ!」
剣を抜き、備える。
絶え間なく辺りを見回し、どこから襲ってくるか常時確認する。
龍力も高め、いつでも戦えるように準備する。
しかし、スノーマン戦で龍力体力を使いすぎたところはある。
戦えはするが、万全の状態ではない。だが、「はいどうぞ」とやられる必要はない。
強引に呼吸を整えるフォリア。
「ふ~~~~~……ふ~~~~~~~……」
心臓の音がうるさすぎてヤバいが、少しでも平常心に近づけなければ、満足に戦うことはできない。
彼女は覚悟を決め、自身を鼓舞するために叫んだ。
「……かかってきなさいよ!!」
ピタ、と魔物の歩みが止まる。悪手だったか!?マジ失敗したかも。
周囲の魔物全てが、ジッとこちらを見ている。
そして、一体の中型で、獣タイプの魔物が吠えた。
それが合図かのように、魔物の群れは円を描く歩みを止め、こちらに一直線に走り出してきた。
「……来た……!!」
フォリアはそれを確認し、屈む。
魔物の群れは、前列に図体がでかいヤツが固まっている。そして、金魚のフンのように付いてきている後列は、小型のヤツが多い。
(とにかく、中心から出る……!)
ここで戦うのは無理だ。
龍力を必要最小限に抑え、フォリアは足元に水龍の紋章を描く。
「スプラッシュ!!」
紋章から青色の光が溢れ、水の柱を生み出した。
フォリアはそれに乗り、空高く飛び上がる。今の龍術は、攻撃用ではない。
目指すは、群れの外側。中心部から脱出のために使用したそれだ。
「!!」
フォリアを目指し、中央に向かっていた魔物たちはぶつかり合い、自分たちが作った群れに揉まれる。
非戦闘時で、ただ群れているときにはいざこざは起こっていなかったが、今のように場が混乱した状況では、互いが邪魔のようだ。
中央では、魔物同士の闘争が起き始めた。そのまま潰し合ってくれ。
「……ざまぁみなさい」
ナイスコントロールで群れの中心から脱出したフォリア。
それにつられ、円の外側の魔物が振り返り始めた。流石に衝突は望めない。だから、こいつらの相手だ。
(……ちょっと使いすぎかしら)
スプラッシュで、かなりの距離飛んだ。飛ぶ必要があった。
必要最低限のつもりだったが、使用後の疲労感と言うか、反動と言うか、その辺りの硬直感がいつもよりも重たい。
激しい動揺で、無意識に無駄使いをしてしまったか。ヤバいぞ。龍力に余裕がない。
「けど、やってやるわよ!!」
植物のような魔物、イヌゾリのイヌのような魔物。スノーマンを小さくしたような魔物。昆虫型の魔物。
まだまだ種類が多い。そして、それら全員が気性が荒く、力も増していた。
「この……!」
スノーマンの件で予想はしていたため、驚きはしない。
ただ、数が多すぎる。
(数が減らない……!)
スノーマンの衝撃があったために、攻撃力はアイツより劣る。
だが、数の暴力が激しすぎる。一体一体は対処できても、それが十体二十体となれば、話は別。それに、こちらのコンディションも悪い。
(こんな龍で……!もっと基礎練しとけばよかったわ……!!)
戦いながら、フォリアは考えていた。退屈だと思っていた基礎練習がどれだけ大事だったのかを。
マジメに取り組んでいたのは、最初だけだ。もっと慎重だったら。もっと訓練していれば。全ては後の祭りだ。
また、こんな状態でどこまで戦えるのだろう?と。雪の下の彼らは無事なのだろうか?と。
……そして、自分はいつ散るのだろう……?と。
彼女の脳内には、死の文字がハッキリと浮かんでいた。
正直、最初に彼らと会った時、龍術で魔物を散らしたことで、調子に乗っていた部分はあった。実力が上のはずのレイラやリゼルを救ったことで、実力を勘違いしたのだと思う。
元々の性格と、その成功体験がこの結末になってしまった。
「あっ!!」
数体魔物を倒したところで、小さいアイスウルフに剣を吹き飛ばされた。
回転しながら飛んでいく剣を、フォリアは汗を垂らしながら見ていることしかできない。
追いかける気にすらならなかった。
それも当然。龍力・体力を使い果たしたのだ。全身の力が、抜けていく。
得物が離れたことで、スイッチが切れたかのように戦闘の意識が消える。
ここまでか。
「ごめんなさい。みんな……バージル……」
どさ、とフォリアは膝をついた。
力も入らない。立ち上がれない。
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