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騎士団
結果発表
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「ん……」
バージルが目が覚めると、目の前には天井が見えた。
(え~と……?)
寝起きで頭が回るまでに時間を要しているが、これだけは分かる。見慣れない天井だ。
視線を下ろすと、布団が胸辺りまで掛かっているのが見える。
ここは、ベッドの上のようだ。
そうか。負けたのか。
(あ~……何か思い出したかも)
リゼルと戦ったことや、かなり強力な技を食らったことも。
そして、自分も強引な力の使い方をしたことも。
(……やっちまったか)
あの時の自分は、冷静ではなかった。
それなりに自信がある技をことごとく受けられてしまい、合格は絶望的。
それでもなんとか食らいつこうとし、普段なら退くところを、前に出た。
そのせいで、余計なダメージ&疲労を被ることになったのだ。
「いてて……」
痛みに耐えながら辺りを見回すが、誰もいない。
カーテンが半開きで、そこから穏やかな風が流れている。
オレンジ色の日も相まって、心地良い空間を演出していた。
「で、ここは……」
医務室だろうか。同じようにベッドが数台並んでいる。
先ほどまで人がいたのか、ベッド脇に椅子が置かれていた。
状況が何となく整理できた時、バージルは半ば呆れながら頭をかいた。
出てくるのは、どでかいため息。
「はぁ……リゼルのヤロォ、やりやがったな」
痛みはあるが、動けないほどではない。
体を見ても、大きな傷口はない。治療済みか、レプリカ故の結果か。
「足切りラインが高すぎやしねぇか?ったく……」
他の受験者も、同じようにリゼルと戦ったのだろうか。
だとしたら、試験は絶望的だ。
試験官なら、実力を見る程度の戦いにするはずだ。しかし、あの戦いは、マジのマジだったように思う。
得物こそレプリカだが、龍力が乗っかれば攻撃力は絶大。
龍力による防御アップ―龍力オーラの防御壁―が拙ければ、大ダメージを受けてしまう。自分のように。
ただ、他のベッドは空である。それはつまり、医務室に運ばれるレベルのダメージを食らったのが自分だけ?
(……マジか)
完全見た目と佇まいのイメージだが、あの部屋の中で目ぼしい龍力者はいなかったように思うが……
終わったことを考えていても仕方がない。
……待て。オレンジ色の日……ということは、今何時だ?
「夕方、か……何時間寝てたんだよ……?」
朝一で試験会場に行って、レイズと別れて……順番待ちしたとはいえ、昼飯は食えていない……
5時間以上は寝ていたのか。
ヨタヨタ歩きで、窓の外を見る。
シフトを終えた団員だろうか。帰路についている団員もチラホラ見える。
夕方は夕方でも、夜が目前の時間帯だ。
(負けて、気絶で、こんだけ寝て……久しぶりだな)
少しだけ感傷に浸っていると、後ろで声がした。
「起きたか」
「……あぁ?何だ、お前か」
振り向くと、騎士団の格好のままのリゼルが立っていた。
そして、その後ろにはアーロンも。表情はなぜか嬉しそうだ。
「よォ、昼間はひどくやられたな」
こっちは大ダメージを受けているのに、よくそんな面ができるな。
「アーロンさん……嬉しそうですね。(この状態)見えてます?」
バージルは、さっそく彼に抗議する。
「試験厳しすぎないですか?こいつが相手とか、無理でしょう」
班笑いを意識して喋ったが、笑えていただろうか。ちょっと自信ないな。
「あぁ……推薦状がアダになったかもな。そこは申し訳ねぇ」
「アダに……?」
「騎士からの推薦状ってことは、それなりに腕があるってことだ。だから、お前だけリゼルが相手をすることになったんだ。急遽、な……」
呼び出された僕の気分にもなれ、と言いたげに、リゼルは鼻を鳴らす。
「え……マジすか」
それで自分が最後に回され、時間もかかったのか、と理解する。
「他の受験者も、お前たちの戦いっぷりを見ていたぞ」
「え゛!?マジか……」
自分が最後だった理由が分かった気がした。
受験者の試験が終わり、試験内容が分かったところで、「本当の」戦いを見せる。
合格ラインに届いていても、実際に待ち受けるのは、あのレベルの戦い。
それを見て、自分の思い描く団員像とのギャップはあるのか。そこで退くか、進むかも受験者次第。
「性格悪いな。上も」
「気を落とすな。いい勝負だったぞ。まぁ、コイツは力を抑えられていたが」
「……?」
力を抑えられる。それの意味が分からず、リゼルを見る。
「……封龍鎖。龍の力を抑える鎖だ。龍力を抑えたり、出せなくしたりする」
「あの時の、か……」
特殊合金。封龍鎖。
ミナーリンで、レイズが付けられていたもののことか。
「配合によって、力の封じ具合が変わる。騎士団は何種類か持っているからな。一応のハンデだ」
「……なるほどな」
封龍鎖には、そんな器用なこともできるのか。名前のニュアンス的に、完全に龍力を封じる道具かと思ったが。
(って、ハンデありであのレベルかよ!?)
そこで、バージルはリゼルを見る。力を抑えられていて、あの規模の龍力を扱えるのか。
どの程度抑えられていたかは分からないが、彼の凄さの片鱗を見た気がした。
実際、位は高そうだし、当然か。
「負けたし……俺は、不合格か?」
「いや、合格だ。面接も免除。まぁ、ミナーリンのアレが面接替わりみたいなモンだ。他にも合格者はいたが、お前たちの戦いを見て、気が変わったみたいだな」
気が変わったということは、つまり、辞退したという意味になる。
「マジか?もったいない気もするけど」
「……鍛え直すそうだ。そんなことは騎士団に入ってからでもできるだろうに……ま、それだけあの戦いで価値観が変わったんだろ」
「……僕はこれで失礼する」
会話の途中だが、リゼルは部屋を出ていく。
大移動に戦闘にで疲れたのだろう。アーロンは微笑みながら見送る。
「さて、戦いを見ても気が変わらなかったのは、たった一人だ」
バージルは、無意識に頭の中で受験者を思い出す。
「フォリアっていう女だ。年も近い。良かったな」
「女ぁ!?てか、何で『良かった』って……」
最も意外だった。良かったな、の意味は不明だが、アーロンは嬉しそうだ。
あの紅一点は、フォリアという名前だったか。銀髪の女性。
悪戯が好きそうなクール系……緊張しているのか、つまらなそうにしているのか分からない、そんな顔で座っていた気がする。
外見で決めるのはアレだが、一番落ちそうな印象だった。
「で、だ。レイズも合格しているから、安心しろ。数日後に入団式だ」
「!!」
良かった。ここまで来て、片方だけ不合格だったら、笑えない話だ。
別れた先で何があったかは聞かせてくれなかったが、ひとまず安心。
と、丁度若い団員が入ってきた。
「失礼します。アーロンさん」
「お、サンキュな」
団員から何か受け取るアーロン。それを、そのままパスしてきた。
「……悪いが、お前さんが目覚めるか分からなくて、宿を取ってなかったんだ。急遽手配はしたが、レイズとは別の宿になっちまった」
そうか。自分の意識が戻らない限り、宿の手配ができない。
どんな日だったか共有はできなさそうだな。
でも、アーロンが手配した宿か……
「あ、ありがとうございます」
「……ホテルのランクは期待するなよ」
表情から気持ちを読み取られたか、アーロンは釘を刺しに来た。
「分かってますよ。アレは特殊だって」
「あぁ。詳しい日程は親展で行くはずだ。活躍してくれよな。じゃ、俺は帰るぜ。久しぶりに、いい出張だった」
「色々、ありがとうございました」
お辞儀をし、アーロンを見送るバージル。
また、一人になった。ここの管理者に挨拶的なのは必要ないのか?
それを把握する意味でも、もう少しだけ休んでから動くか。
(よし……また関門突破だ)
バージルの目的が、一つずつ達成されていくのだった。
バージルが目が覚めると、目の前には天井が見えた。
(え~と……?)
寝起きで頭が回るまでに時間を要しているが、これだけは分かる。見慣れない天井だ。
視線を下ろすと、布団が胸辺りまで掛かっているのが見える。
ここは、ベッドの上のようだ。
そうか。負けたのか。
(あ~……何か思い出したかも)
リゼルと戦ったことや、かなり強力な技を食らったことも。
そして、自分も強引な力の使い方をしたことも。
(……やっちまったか)
あの時の自分は、冷静ではなかった。
それなりに自信がある技をことごとく受けられてしまい、合格は絶望的。
それでもなんとか食らいつこうとし、普段なら退くところを、前に出た。
そのせいで、余計なダメージ&疲労を被ることになったのだ。
「いてて……」
痛みに耐えながら辺りを見回すが、誰もいない。
カーテンが半開きで、そこから穏やかな風が流れている。
オレンジ色の日も相まって、心地良い空間を演出していた。
「で、ここは……」
医務室だろうか。同じようにベッドが数台並んでいる。
先ほどまで人がいたのか、ベッド脇に椅子が置かれていた。
状況が何となく整理できた時、バージルは半ば呆れながら頭をかいた。
出てくるのは、どでかいため息。
「はぁ……リゼルのヤロォ、やりやがったな」
痛みはあるが、動けないほどではない。
体を見ても、大きな傷口はない。治療済みか、レプリカ故の結果か。
「足切りラインが高すぎやしねぇか?ったく……」
他の受験者も、同じようにリゼルと戦ったのだろうか。
だとしたら、試験は絶望的だ。
試験官なら、実力を見る程度の戦いにするはずだ。しかし、あの戦いは、マジのマジだったように思う。
得物こそレプリカだが、龍力が乗っかれば攻撃力は絶大。
龍力による防御アップ―龍力オーラの防御壁―が拙ければ、大ダメージを受けてしまう。自分のように。
ただ、他のベッドは空である。それはつまり、医務室に運ばれるレベルのダメージを食らったのが自分だけ?
(……マジか)
完全見た目と佇まいのイメージだが、あの部屋の中で目ぼしい龍力者はいなかったように思うが……
終わったことを考えていても仕方がない。
……待て。オレンジ色の日……ということは、今何時だ?
「夕方、か……何時間寝てたんだよ……?」
朝一で試験会場に行って、レイズと別れて……順番待ちしたとはいえ、昼飯は食えていない……
5時間以上は寝ていたのか。
ヨタヨタ歩きで、窓の外を見る。
シフトを終えた団員だろうか。帰路についている団員もチラホラ見える。
夕方は夕方でも、夜が目前の時間帯だ。
(負けて、気絶で、こんだけ寝て……久しぶりだな)
少しだけ感傷に浸っていると、後ろで声がした。
「起きたか」
「……あぁ?何だ、お前か」
振り向くと、騎士団の格好のままのリゼルが立っていた。
そして、その後ろにはアーロンも。表情はなぜか嬉しそうだ。
「よォ、昼間はひどくやられたな」
こっちは大ダメージを受けているのに、よくそんな面ができるな。
「アーロンさん……嬉しそうですね。(この状態)見えてます?」
バージルは、さっそく彼に抗議する。
「試験厳しすぎないですか?こいつが相手とか、無理でしょう」
班笑いを意識して喋ったが、笑えていただろうか。ちょっと自信ないな。
「あぁ……推薦状がアダになったかもな。そこは申し訳ねぇ」
「アダに……?」
「騎士からの推薦状ってことは、それなりに腕があるってことだ。だから、お前だけリゼルが相手をすることになったんだ。急遽、な……」
呼び出された僕の気分にもなれ、と言いたげに、リゼルは鼻を鳴らす。
「え……マジすか」
それで自分が最後に回され、時間もかかったのか、と理解する。
「他の受験者も、お前たちの戦いっぷりを見ていたぞ」
「え゛!?マジか……」
自分が最後だった理由が分かった気がした。
受験者の試験が終わり、試験内容が分かったところで、「本当の」戦いを見せる。
合格ラインに届いていても、実際に待ち受けるのは、あのレベルの戦い。
それを見て、自分の思い描く団員像とのギャップはあるのか。そこで退くか、進むかも受験者次第。
「性格悪いな。上も」
「気を落とすな。いい勝負だったぞ。まぁ、コイツは力を抑えられていたが」
「……?」
力を抑えられる。それの意味が分からず、リゼルを見る。
「……封龍鎖。龍の力を抑える鎖だ。龍力を抑えたり、出せなくしたりする」
「あの時の、か……」
特殊合金。封龍鎖。
ミナーリンで、レイズが付けられていたもののことか。
「配合によって、力の封じ具合が変わる。騎士団は何種類か持っているからな。一応のハンデだ」
「……なるほどな」
封龍鎖には、そんな器用なこともできるのか。名前のニュアンス的に、完全に龍力を封じる道具かと思ったが。
(って、ハンデありであのレベルかよ!?)
そこで、バージルはリゼルを見る。力を抑えられていて、あの規模の龍力を扱えるのか。
どの程度抑えられていたかは分からないが、彼の凄さの片鱗を見た気がした。
実際、位は高そうだし、当然か。
「負けたし……俺は、不合格か?」
「いや、合格だ。面接も免除。まぁ、ミナーリンのアレが面接替わりみたいなモンだ。他にも合格者はいたが、お前たちの戦いを見て、気が変わったみたいだな」
気が変わったということは、つまり、辞退したという意味になる。
「マジか?もったいない気もするけど」
「……鍛え直すそうだ。そんなことは騎士団に入ってからでもできるだろうに……ま、それだけあの戦いで価値観が変わったんだろ」
「……僕はこれで失礼する」
会話の途中だが、リゼルは部屋を出ていく。
大移動に戦闘にで疲れたのだろう。アーロンは微笑みながら見送る。
「さて、戦いを見ても気が変わらなかったのは、たった一人だ」
バージルは、無意識に頭の中で受験者を思い出す。
「フォリアっていう女だ。年も近い。良かったな」
「女ぁ!?てか、何で『良かった』って……」
最も意外だった。良かったな、の意味は不明だが、アーロンは嬉しそうだ。
あの紅一点は、フォリアという名前だったか。銀髪の女性。
悪戯が好きそうなクール系……緊張しているのか、つまらなそうにしているのか分からない、そんな顔で座っていた気がする。
外見で決めるのはアレだが、一番落ちそうな印象だった。
「で、だ。レイズも合格しているから、安心しろ。数日後に入団式だ」
「!!」
良かった。ここまで来て、片方だけ不合格だったら、笑えない話だ。
別れた先で何があったかは聞かせてくれなかったが、ひとまず安心。
と、丁度若い団員が入ってきた。
「失礼します。アーロンさん」
「お、サンキュな」
団員から何か受け取るアーロン。それを、そのままパスしてきた。
「……悪いが、お前さんが目覚めるか分からなくて、宿を取ってなかったんだ。急遽手配はしたが、レイズとは別の宿になっちまった」
そうか。自分の意識が戻らない限り、宿の手配ができない。
どんな日だったか共有はできなさそうだな。
でも、アーロンが手配した宿か……
「あ、ありがとうございます」
「……ホテルのランクは期待するなよ」
表情から気持ちを読み取られたか、アーロンは釘を刺しに来た。
「分かってますよ。アレは特殊だって」
「あぁ。詳しい日程は親展で行くはずだ。活躍してくれよな。じゃ、俺は帰るぜ。久しぶりに、いい出張だった」
「色々、ありがとうございました」
お辞儀をし、アーロンを見送るバージル。
また、一人になった。ここの管理者に挨拶的なのは必要ないのか?
それを把握する意味でも、もう少しだけ休んでから動くか。
(よし……また関門突破だ)
バージルの目的が、一つずつ達成されていくのだった。
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