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鬼のゆくえ
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† 不二丸side
ゴリ と、何か石の擦れる様な音が耳について目が覚めた。
一瞬どこに居るのか判らなくて戸惑って、桃の声が聞こえて完全に覚醒する。
―――……誰かを愛したい。
そう言った。
桃の声?
声にしては耳に聞こえる感覚とは少し違う気がする。
まるで呟いてるみたいな声。声?
ああ。と、突然理解する。
これは、ココロの声ってやつ?
鬼はテレパシーが使えるって言ってた。俺は蓋が出来てて、桃は蓋が出来ないから駄々漏れって言ってたな。
俺は能力の目覚めで鬼のテレパシーまでも使える様になったのかと、また嬉しくなって横目で桃を見遣る。
と、目に写ったその姿に懐かしさと悲しさがない交ぜになった複雑な感情が沸き起こる。
夕陽色の長い美しい髪を持つ、明らかに桃よりも大人びた誰かの姿が俺には視える。
その人が桃だと確信はあるのに、姿が違って見えるんだ。
けど、瞬きの間にそこに見えたのは桃だった。
そして、知らぬ間に流れた涙に戸惑う。
夕陽色の髪は、元気さんに似ていた。
元気さんの姿と重なったのなら理解出来る。
二人はおじと甥の関係だから。だけど、違う。
あれは、俺の知っている誰か、だ。
涙は頬を流れ落ち、唇を濡らした。
その塩味にまた、変な懐かしさを感じる。
何でだろう?
今思い起こせば、桃と出逢った時に遡る。不思議さと懐かしさを同時に覚え、傍に居たい。なんて生易しいもんじゃなく、手に入れたいと思ったんだ。
ソウジュ。
頭に浮かんだ言葉。
これは、人の名前。
ズクン。と、胸が痛んだ。
誰かの名前。
あの、夕陽色の髪を持つ美しい人。
あの方の御名前。
お傍で生きて行く。それだけで良かった。だけど、傍に居るだけで苦しくなった。
あの方を護りたかった。だけど、力ない俺には何も出来ず、ただ、憂いて行くあの方をお慰めする事しか出来なかった。
最期の時まで、傍に居ただけ。
そして、あの方の最期の言葉が、
“誰かを愛したい”
常々真剣な願いは叶うものだと、あの方は語って下さってた。
だから、俺は願ったんだ。
例え今この時の生を終えたとしても、次の世でもあの方に使え、そして、我慢などせず愛し抜くと。
俺が、何者かに生まれ変わったとしても、必ず探し出す。
これは、誓い。
あの方のココロに寄り添う“人間”に成りたいと。
人間に……成りたい。と、ずっと、願っていた。
あの方。
夕陽色の髪を持つ美しい人、宗寿様。
願いは叶うものだと、教えてくれたあの方の言霊は、俺に浸透し、その通りに未来を迎えた。
そして、見付けた。
宗寿様。
―――……桃太郎。
―――……ゴリ。
と、再び音が耳についた。
その音で我に返る。
俺は、何を思い出してた?
桃太郎との思い出?
宗寿……さま?
名前。懐かしい名前。
コリ。ゴリ。と、桃は石を転がす。
指の間から見え隠れする赤色の石。
確か、元気さんが言っていた呼び名は“朱色の珠”。
それは、まるで誘ってるみたいにキラリと宝石みたいに光っている。
羅刹の蛇たちが呑み込んだってのも判るくらいに綺麗で、目を惹くものがある。
摂取したら鬼に成れる。元気さんはそうも言っていた。自分も鬼に成る為に摂取した。と。
“鬼に成る”
それは、桃の傍に居るには理想的に思えた。
桃のこれからの事を考えたら、俺が傍に居る為には、どんな力もあって損は無い。
俺は桃の傍に居たいんだ。
これからも、ずっと。
ダンッ!
と、けたたましい音と共に飛び込んで来たのは羅刹。
これが、起きてるって知らせるタイミングだと起き上がろうとした。けど、次の瞬間にフリーズする。
羅刹が桃の上に乗かってた。
これは、始めて羅刹を見た時のデジャブーか??
腹が立ち、だけど、羅刹の言葉に留まる。
「ん―――……。やっぱり、ココロの蓋が閉まってる」
蓋が閉まってる?
俺には、聞こえた。
誰かを愛したい。って、桃の声。
「ふん。もう開く事ないからな!」
桃がふんぞり返って言い放つも、そんな言葉は聞きたくない。とばかりに羅刹がキスをしやがった。
今度こそ起きるぞ!
「キスはっ! これからは本当に好きな奴とするんだ」
羅刹を無理やり剥がすと桃が強めに言った。
「え? 私、桃ちゃんの事大好きだよ」
羅刹は解らないって真顔。
「そ―――……。だな。だけど、やっぱりもう子どもじゃない羅刹は軽々しくするもんじゃないよ」
その桃の言い方にドキッとした。
感情が籠ってる。
籠ってるのはココロが伴ってるって事。
俺には解る。
桃の小さな変化も。
「え―――! ん? 子どもじゃないって事は大人なの? 私、大人?」
羅刹は心底嬉しそうに復唱して、そして、目線が合わさった。
にんまりと黒い笑顔を浮かべて、
「黒の白の! 行けっ!」
どこまでも忠実な二匹の爬虫類が俺の顔に落ちて来た。
間髪入れずに悲鳴を上げた自分が情けないって判ってる。
だけど、苦手なもんは苦手なんだから仕方ないじゃん!
蛇、怖いんだもんっ!
昔から、怖くて……。
爬虫類は、蛇は、“死のイメージ”。
「取って喰わないよ」
耳元で囁く声?
「あんたは羅刹のご飯美味しいって言ってくれたから」
怖いから目は開けられない。
「それに、こちら側だった人間だからね」
交互に聞こえる声は不思議な事を言った。
蛇の、そもそも蛇は喋れないんだけどねっ! こちら側のって、どう言う意味?
仲間扱いされた?
意味が判らない。
解らないけど、何を言われようが怖いものは怖い。
今はっきりと自覚した。
爬虫類ってより“蛇”が、怖いんだ。
蛇は“死のイメージ”。それが頭から離れない。
怖くて、怖くて。
ぐるりと、左右の手首に張り付いて来た二匹の蛇に、もう耐えられず、思考が途切れた。
***
―――……
深い暗い夜。
宗寿様は、蛇に咬まれて死んだ。
だから俺は、蛇が怖い。
家屋には火が放たれ、
俺は宗寿様の亡骸と共に、炎に巻かれて死んだ。
“炎の能力”が目覚めたのは当然の成り行きなのかな?
判らないけど、解ってる。
不可思議な記憶。
それは、俺の記憶。
漠然とだけど理解して来たのは、多分、俺の前世。
宗寿様は、桃太郎の前世。
―――……
***
再び覚醒したのは、俺の上に降って来た羅刹の重みと「ご・は・んだってば!」の言葉。
ご飯。
羅刹の作るご飯は美味しいって解っちゃったから、まるでパブロフの犬みたいにお腹が鳴った。
それが聞こえたのか桃がくすりと笑った。
お腹が空いた。
この感覚は苦しくなる。
けど、食べた時の幸福感は半端なく……。
俺は、あの方に拾われて、本当に幸せだったんだって、今世でも思う。
桃が笑う。それだけで俺は、幸せなんだ。
桃が……宗寿様が笑って居てくれたら、俺はそれだけで幸せで、ココロ満たされる。
「ワンちゃん。行くぞ」
そう言って笑った桃が、俺に手を差し伸べた。
***
―――……
優しいあの方が俺の頭を撫でてくれた感触が今も残ってる。
俺の雨に濡れた冷たい体を、戸惑うことなく抱き上げてくれた。
寒さに震えていた俺は、その温もりに心底安心して「キューン」って鳴く事しか出来なかった。
お腹が空いて、お腹が空いて……死ぬ寸前だったんだと思う。
「そんな獣の子、捨て置けばいいのだ」
人間が言った。
「そう言う訳にはいかないよ。こんなに温かいんだ。それに、この子は“狼”だね。大きく育った時、私の“守護獣”になってくれますよ」
宗寿様が言った言葉は俺を奮い立たせた。
俺はこの方を護る為に生まれて来たんだ。と、ただの獣の子で在った俺は、その時から考える事を始めたんだ。人間よりに。
―――……
***
結局俺は、護れなかったんだ。
「おい?! どうしたんだ? 泣く程お腹が空いてたのか??」
困惑した桃が目の前に居た。
「いや……」
頬を伝う涙は、悔し涙。
守護獣で在る筈の俺は、その役目を全う出来なかった。
「丸は、変わらないなぁ」
桃の口から不意に溢れた言葉。
“丸”は、俺の名前。
獣の俺の名付け親は、宗寿様。
ゴリ と、何か石の擦れる様な音が耳について目が覚めた。
一瞬どこに居るのか判らなくて戸惑って、桃の声が聞こえて完全に覚醒する。
―――……誰かを愛したい。
そう言った。
桃の声?
声にしては耳に聞こえる感覚とは少し違う気がする。
まるで呟いてるみたいな声。声?
ああ。と、突然理解する。
これは、ココロの声ってやつ?
鬼はテレパシーが使えるって言ってた。俺は蓋が出来てて、桃は蓋が出来ないから駄々漏れって言ってたな。
俺は能力の目覚めで鬼のテレパシーまでも使える様になったのかと、また嬉しくなって横目で桃を見遣る。
と、目に写ったその姿に懐かしさと悲しさがない交ぜになった複雑な感情が沸き起こる。
夕陽色の長い美しい髪を持つ、明らかに桃よりも大人びた誰かの姿が俺には視える。
その人が桃だと確信はあるのに、姿が違って見えるんだ。
けど、瞬きの間にそこに見えたのは桃だった。
そして、知らぬ間に流れた涙に戸惑う。
夕陽色の髪は、元気さんに似ていた。
元気さんの姿と重なったのなら理解出来る。
二人はおじと甥の関係だから。だけど、違う。
あれは、俺の知っている誰か、だ。
涙は頬を流れ落ち、唇を濡らした。
その塩味にまた、変な懐かしさを感じる。
何でだろう?
今思い起こせば、桃と出逢った時に遡る。不思議さと懐かしさを同時に覚え、傍に居たい。なんて生易しいもんじゃなく、手に入れたいと思ったんだ。
ソウジュ。
頭に浮かんだ言葉。
これは、人の名前。
ズクン。と、胸が痛んだ。
誰かの名前。
あの、夕陽色の髪を持つ美しい人。
あの方の御名前。
お傍で生きて行く。それだけで良かった。だけど、傍に居るだけで苦しくなった。
あの方を護りたかった。だけど、力ない俺には何も出来ず、ただ、憂いて行くあの方をお慰めする事しか出来なかった。
最期の時まで、傍に居ただけ。
そして、あの方の最期の言葉が、
“誰かを愛したい”
常々真剣な願いは叶うものだと、あの方は語って下さってた。
だから、俺は願ったんだ。
例え今この時の生を終えたとしても、次の世でもあの方に使え、そして、我慢などせず愛し抜くと。
俺が、何者かに生まれ変わったとしても、必ず探し出す。
これは、誓い。
あの方のココロに寄り添う“人間”に成りたいと。
人間に……成りたい。と、ずっと、願っていた。
あの方。
夕陽色の髪を持つ美しい人、宗寿様。
願いは叶うものだと、教えてくれたあの方の言霊は、俺に浸透し、その通りに未来を迎えた。
そして、見付けた。
宗寿様。
―――……桃太郎。
―――……ゴリ。
と、再び音が耳についた。
その音で我に返る。
俺は、何を思い出してた?
桃太郎との思い出?
宗寿……さま?
名前。懐かしい名前。
コリ。ゴリ。と、桃は石を転がす。
指の間から見え隠れする赤色の石。
確か、元気さんが言っていた呼び名は“朱色の珠”。
それは、まるで誘ってるみたいにキラリと宝石みたいに光っている。
羅刹の蛇たちが呑み込んだってのも判るくらいに綺麗で、目を惹くものがある。
摂取したら鬼に成れる。元気さんはそうも言っていた。自分も鬼に成る為に摂取した。と。
“鬼に成る”
それは、桃の傍に居るには理想的に思えた。
桃のこれからの事を考えたら、俺が傍に居る為には、どんな力もあって損は無い。
俺は桃の傍に居たいんだ。
これからも、ずっと。
ダンッ!
と、けたたましい音と共に飛び込んで来たのは羅刹。
これが、起きてるって知らせるタイミングだと起き上がろうとした。けど、次の瞬間にフリーズする。
羅刹が桃の上に乗かってた。
これは、始めて羅刹を見た時のデジャブーか??
腹が立ち、だけど、羅刹の言葉に留まる。
「ん―――……。やっぱり、ココロの蓋が閉まってる」
蓋が閉まってる?
俺には、聞こえた。
誰かを愛したい。って、桃の声。
「ふん。もう開く事ないからな!」
桃がふんぞり返って言い放つも、そんな言葉は聞きたくない。とばかりに羅刹がキスをしやがった。
今度こそ起きるぞ!
「キスはっ! これからは本当に好きな奴とするんだ」
羅刹を無理やり剥がすと桃が強めに言った。
「え? 私、桃ちゃんの事大好きだよ」
羅刹は解らないって真顔。
「そ―――……。だな。だけど、やっぱりもう子どもじゃない羅刹は軽々しくするもんじゃないよ」
その桃の言い方にドキッとした。
感情が籠ってる。
籠ってるのはココロが伴ってるって事。
俺には解る。
桃の小さな変化も。
「え―――! ん? 子どもじゃないって事は大人なの? 私、大人?」
羅刹は心底嬉しそうに復唱して、そして、目線が合わさった。
にんまりと黒い笑顔を浮かべて、
「黒の白の! 行けっ!」
どこまでも忠実な二匹の爬虫類が俺の顔に落ちて来た。
間髪入れずに悲鳴を上げた自分が情けないって判ってる。
だけど、苦手なもんは苦手なんだから仕方ないじゃん!
蛇、怖いんだもんっ!
昔から、怖くて……。
爬虫類は、蛇は、“死のイメージ”。
「取って喰わないよ」
耳元で囁く声?
「あんたは羅刹のご飯美味しいって言ってくれたから」
怖いから目は開けられない。
「それに、こちら側だった人間だからね」
交互に聞こえる声は不思議な事を言った。
蛇の、そもそも蛇は喋れないんだけどねっ! こちら側のって、どう言う意味?
仲間扱いされた?
意味が判らない。
解らないけど、何を言われようが怖いものは怖い。
今はっきりと自覚した。
爬虫類ってより“蛇”が、怖いんだ。
蛇は“死のイメージ”。それが頭から離れない。
怖くて、怖くて。
ぐるりと、左右の手首に張り付いて来た二匹の蛇に、もう耐えられず、思考が途切れた。
***
―――……
深い暗い夜。
宗寿様は、蛇に咬まれて死んだ。
だから俺は、蛇が怖い。
家屋には火が放たれ、
俺は宗寿様の亡骸と共に、炎に巻かれて死んだ。
“炎の能力”が目覚めたのは当然の成り行きなのかな?
判らないけど、解ってる。
不可思議な記憶。
それは、俺の記憶。
漠然とだけど理解して来たのは、多分、俺の前世。
宗寿様は、桃太郎の前世。
―――……
***
再び覚醒したのは、俺の上に降って来た羅刹の重みと「ご・は・んだってば!」の言葉。
ご飯。
羅刹の作るご飯は美味しいって解っちゃったから、まるでパブロフの犬みたいにお腹が鳴った。
それが聞こえたのか桃がくすりと笑った。
お腹が空いた。
この感覚は苦しくなる。
けど、食べた時の幸福感は半端なく……。
俺は、あの方に拾われて、本当に幸せだったんだって、今世でも思う。
桃が笑う。それだけで俺は、幸せなんだ。
桃が……宗寿様が笑って居てくれたら、俺はそれだけで幸せで、ココロ満たされる。
「ワンちゃん。行くぞ」
そう言って笑った桃が、俺に手を差し伸べた。
***
―――……
優しいあの方が俺の頭を撫でてくれた感触が今も残ってる。
俺の雨に濡れた冷たい体を、戸惑うことなく抱き上げてくれた。
寒さに震えていた俺は、その温もりに心底安心して「キューン」って鳴く事しか出来なかった。
お腹が空いて、お腹が空いて……死ぬ寸前だったんだと思う。
「そんな獣の子、捨て置けばいいのだ」
人間が言った。
「そう言う訳にはいかないよ。こんなに温かいんだ。それに、この子は“狼”だね。大きく育った時、私の“守護獣”になってくれますよ」
宗寿様が言った言葉は俺を奮い立たせた。
俺はこの方を護る為に生まれて来たんだ。と、ただの獣の子で在った俺は、その時から考える事を始めたんだ。人間よりに。
―――……
***
結局俺は、護れなかったんだ。
「おい?! どうしたんだ? 泣く程お腹が空いてたのか??」
困惑した桃が目の前に居た。
「いや……」
頬を伝う涙は、悔し涙。
守護獣で在る筈の俺は、その役目を全う出来なかった。
「丸は、変わらないなぁ」
桃の口から不意に溢れた言葉。
“丸”は、俺の名前。
獣の俺の名付け親は、宗寿様。
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