35 / 88
<やまねこのふえ>のお話
13 古の森
しおりを挟む
古の森は、
緑の深い森です。
そこには、太古からある、
さまざまな種類の植物が生息しています。
そして、古の森で育ち、突然変異した固有の植物もあり、
まだ知られていない種類もたくさんあるのです。
うさぎの楽器やさんは、カラスたちと共に、
古の森にやってきました。
北の森からは、南西の方角にあり、
銀色の森からみると、西の方角になります。
北の森のカラスが、
カア、カア、カア、と鳴くと、
「カア、カア、カア、」
と返事がありました。
「便利だなぁ。」
うさぎには、遠くまで届く鳴き声がないので、
うさぎの楽器やさんは、うらやましく思います。
鳴き声と同じく、遠くまで届くのは、
楽器の音です。
「ふえのひとつくらい、
持ってくれば良かったなぁ。」
そうだ。ふえをふけば、
もし、ニノくんだったら
答えてくれるかもしれない。
そんなことを考えているうちに、
青い湖のある森のカラスが、飛んできました。
「やまねこが、やってきて、3日目だ。」
古の森の植物は、青い湖の森の植物に比べて、生命力が強く、
まだ、持ちこたえているようです。
「さあ、うさぎ、どうする?」
と、青い湖のある森のカラスがいいましたが、
どうするったって、まだ、わからないのです。
とにかく、確認しなければ。
「やまねこを、見たい。」
うさぎの楽器やさんが、言うと、
青い湖のある森のカラスは、
「今は、どこにいるかわからない。
夜になると、ふえを吹くから、
その時だ。」と言って、
ひとまず、うさぎの楽器やさんたちを、仲間がいるところへ案内しました。
古の森の道を通っていく途中、
うさぎの楽器やさんは、あまり見たことのない植物を見かけました。
透きとおった水色の花びらをもつ、小さな花。
動きは遅いが、つるを好きなところに動かすことができる食虫植物。
甘い香りの巨大な花を咲かせている多肉植物。
こんな、固有の植物たちが、枯れてしまったら、もう、二度と見られなくなってしまう。
うさぎの楽器やさんは、もし、やまねこがニノくんでなかったとしても、
できることなら、なんとかしてやりたいと思いました。
相手は誰であれ、ふえを吹いているのだから。
楽器やとして、知らん顔はできない。
楽器が、迷惑をかけているなら、
可能な限り手を尽くすことが、楽器やの仕事だ。
夜まで、
カラスたちとうさぎの楽器やさんは、別行動することになりました。
時間があるので、もっと古の森の植物を見たいと、うさぎの楽器やさんが言ったのです。
集まっているカラスたちも、
思い思いに羽根を休めています。
夜に活動するのは得意ではありませんが、
今回は、やらねばなりません。
カラスの自警団のリーダーは、今、
青い湖のある森のカラスが務めています。
リーダーは、事象と場所によって変わります。
ここでは、青い湖のある森のカラスが、適任と認められ、
前回のリーダーから引き継ぎました。
北の森のカラスも、ふざけているようで、
実力のあるカラスです。
ただ、体が少し小さいのが残念なところ。
しかし、みなさんの知り合いの中にも、
少年の頃は小さかったのに、
時がたって再会したときには、見違えるほど大きくなっていた人が、
きっと、いますよね!
北の森のカラスは、まだ若いカラスですから、まだまだ、体が大きくなる可能性は、ありますよ!
さて、北の森のカラスは、ここまでうさぎの楽器やさんについて来て、
不思議に思っていたことを、青い湖のある森のカラスにききました。
「いったい、あのうさぎの、
何に期待しているんだ?
今までの様子を見ても、大したことはやってないぞ。」
青い湖のある森のカラスは、自分でも、よくわからないといって、笑いました。
「ただ、その時、
そうしたほうがいいと思っただけだ。」
その頃、うさぎの楽器やさんは、
森の中を、散策していました。
緑の深い森です。
そこには、太古からある、
さまざまな種類の植物が生息しています。
そして、古の森で育ち、突然変異した固有の植物もあり、
まだ知られていない種類もたくさんあるのです。
うさぎの楽器やさんは、カラスたちと共に、
古の森にやってきました。
北の森からは、南西の方角にあり、
銀色の森からみると、西の方角になります。
北の森のカラスが、
カア、カア、カア、と鳴くと、
「カア、カア、カア、」
と返事がありました。
「便利だなぁ。」
うさぎには、遠くまで届く鳴き声がないので、
うさぎの楽器やさんは、うらやましく思います。
鳴き声と同じく、遠くまで届くのは、
楽器の音です。
「ふえのひとつくらい、
持ってくれば良かったなぁ。」
そうだ。ふえをふけば、
もし、ニノくんだったら
答えてくれるかもしれない。
そんなことを考えているうちに、
青い湖のある森のカラスが、飛んできました。
「やまねこが、やってきて、3日目だ。」
古の森の植物は、青い湖の森の植物に比べて、生命力が強く、
まだ、持ちこたえているようです。
「さあ、うさぎ、どうする?」
と、青い湖のある森のカラスがいいましたが、
どうするったって、まだ、わからないのです。
とにかく、確認しなければ。
「やまねこを、見たい。」
うさぎの楽器やさんが、言うと、
青い湖のある森のカラスは、
「今は、どこにいるかわからない。
夜になると、ふえを吹くから、
その時だ。」と言って、
ひとまず、うさぎの楽器やさんたちを、仲間がいるところへ案内しました。
古の森の道を通っていく途中、
うさぎの楽器やさんは、あまり見たことのない植物を見かけました。
透きとおった水色の花びらをもつ、小さな花。
動きは遅いが、つるを好きなところに動かすことができる食虫植物。
甘い香りの巨大な花を咲かせている多肉植物。
こんな、固有の植物たちが、枯れてしまったら、もう、二度と見られなくなってしまう。
うさぎの楽器やさんは、もし、やまねこがニノくんでなかったとしても、
できることなら、なんとかしてやりたいと思いました。
相手は誰であれ、ふえを吹いているのだから。
楽器やとして、知らん顔はできない。
楽器が、迷惑をかけているなら、
可能な限り手を尽くすことが、楽器やの仕事だ。
夜まで、
カラスたちとうさぎの楽器やさんは、別行動することになりました。
時間があるので、もっと古の森の植物を見たいと、うさぎの楽器やさんが言ったのです。
集まっているカラスたちも、
思い思いに羽根を休めています。
夜に活動するのは得意ではありませんが、
今回は、やらねばなりません。
カラスの自警団のリーダーは、今、
青い湖のある森のカラスが務めています。
リーダーは、事象と場所によって変わります。
ここでは、青い湖のある森のカラスが、適任と認められ、
前回のリーダーから引き継ぎました。
北の森のカラスも、ふざけているようで、
実力のあるカラスです。
ただ、体が少し小さいのが残念なところ。
しかし、みなさんの知り合いの中にも、
少年の頃は小さかったのに、
時がたって再会したときには、見違えるほど大きくなっていた人が、
きっと、いますよね!
北の森のカラスは、まだ若いカラスですから、まだまだ、体が大きくなる可能性は、ありますよ!
さて、北の森のカラスは、ここまでうさぎの楽器やさんについて来て、
不思議に思っていたことを、青い湖のある森のカラスにききました。
「いったい、あのうさぎの、
何に期待しているんだ?
今までの様子を見ても、大したことはやってないぞ。」
青い湖のある森のカラスは、自分でも、よくわからないといって、笑いました。
「ただ、その時、
そうしたほうがいいと思っただけだ。」
その頃、うさぎの楽器やさんは、
森の中を、散策していました。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる