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<森のオルガン>のお話
8 お披露目コンサート その1
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秋の風が、気持ちよく吹いています。
いよいよ、コンサートが開催される日がきました。
うさぎの楽器やさんがつくったオルガンと、ニノくんのふえの、2つの楽器をお披露目するコンサートです。
会場は、銀色トウヒの森のオルガン広場です。
オルガンの木のまわりは、いつのまにか客席が作られて、銀色トウヒに、おおわれた、音楽堂のようになっていました。
「楽器やさんが、がんばったんだな。」と、ニノくんには、すぐにわかりました。
客席は、満席になり、コンサートは、おまちかねの、森のオルガンから、披露されます。
演奏家は、ドレスを着た、白いうさぎです。
1番前の席に、リンとランとレンがすわっています。
「だれかしら?」
と、ニノくんが思っていると、
となりに来ていたオークが、おしえてくれました。
「うさぎの楽器やさんの、奥さんだよ。
彼女、楽器やさんと結婚する前は、街で、ちょっと有名なオルガン弾きだったんだ。」
きっと、人気のあるオルガン弾きだっただろうな。と、思わせる、チャーミングなうさぎです。
ああ、うさぎの楽器やさんたら、奥さんのために、オルガンを作っていたのか!
「なんだか、ステキだなぁ…」と、ニノくんは、うさぎの楽器やさんの姿を探しましたが、見あたりません。
きっと、後ろの空気ペダルのところで、スタンバイしているのでしょう。
うさぎの奥さんは、客席におじぎをして、オルガンを弾き始めました。
あの後、うさぎの楽器やさんが、さらに調整したオルガンの音は、バランスがとれていて、まろやかに和声を響かせ、
客席の動物たちから、「ほぅ!」という、感心のためいきが、もれました。
うさぎの奥さんの演奏は、
しばらくの間、子育てをしていたブランクが、どうしても感じられますが、
懸命に、オルガンに向き合っている姿は、そのチャーミングな姿からは、考えられないほど、力強く、いさぎよいものでした。
演奏中に、うさぎの楽器やさんが、後ろでペダルを踏んでいたかどうかは、わかりません。
ただ、森の動物たちは、ときおり吹き抜ける風とともに、心地よく、
森に新しく出来た楽器の音色に、ききいりました。
そうして、森のオルガンは、銀色の森と、そこに住む動物たちの心に、しっくりと受け入れられたのです。
ひとしきりの拍手がおさまり、
次は、ニノくんのふえのお披露目です。
いよいよ、コンサートが開催される日がきました。
うさぎの楽器やさんがつくったオルガンと、ニノくんのふえの、2つの楽器をお披露目するコンサートです。
会場は、銀色トウヒの森のオルガン広場です。
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「楽器やさんが、がんばったんだな。」と、ニノくんには、すぐにわかりました。
客席は、満席になり、コンサートは、おまちかねの、森のオルガンから、披露されます。
演奏家は、ドレスを着た、白いうさぎです。
1番前の席に、リンとランとレンがすわっています。
「だれかしら?」
と、ニノくんが思っていると、
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「うさぎの楽器やさんの、奥さんだよ。
彼女、楽器やさんと結婚する前は、街で、ちょっと有名なオルガン弾きだったんだ。」
きっと、人気のあるオルガン弾きだっただろうな。と、思わせる、チャーミングなうさぎです。
ああ、うさぎの楽器やさんたら、奥さんのために、オルガンを作っていたのか!
「なんだか、ステキだなぁ…」と、ニノくんは、うさぎの楽器やさんの姿を探しましたが、見あたりません。
きっと、後ろの空気ペダルのところで、スタンバイしているのでしょう。
うさぎの奥さんは、客席におじぎをして、オルガンを弾き始めました。
あの後、うさぎの楽器やさんが、さらに調整したオルガンの音は、バランスがとれていて、まろやかに和声を響かせ、
客席の動物たちから、「ほぅ!」という、感心のためいきが、もれました。
うさぎの奥さんの演奏は、
しばらくの間、子育てをしていたブランクが、どうしても感じられますが、
懸命に、オルガンに向き合っている姿は、そのチャーミングな姿からは、考えられないほど、力強く、いさぎよいものでした。
演奏中に、うさぎの楽器やさんが、後ろでペダルを踏んでいたかどうかは、わかりません。
ただ、森の動物たちは、ときおり吹き抜ける風とともに、心地よく、
森に新しく出来た楽器の音色に、ききいりました。
そうして、森のオルガンは、銀色の森と、そこに住む動物たちの心に、しっくりと受け入れられたのです。
ひとしきりの拍手がおさまり、
次は、ニノくんのふえのお披露目です。
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