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<うさぎの楽器やさん>のお話
8 キングダム・コンサート その2
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黒ひょうさんは、長方形のトランクケースから、バイオリンと弓を出しました。
黒ひょうさんが、動くたびに、
ビロードのような黒い毛なみが、青紫に光ります。
バイオリンを弾き始めると、
その音は、吸いつくような艶があって、
一瞬で聴く者の耳をとらえました。
ニノくんにも、「すごい」とわかります。
ひょうさんは、大きなケースから、
チェロと弓を出して、弾きました。
ひょうさんは、きっと、気さくで楽しい性格なのでしょう。
チェロを弾く姿や、音が、そう感じさせます。
ときおり、黒ひょうさんのバイオリンの音と、重なると、
絶妙なバランスがとれているのが、わかります。
ライオンさんは、おしゃれです。
たてがみは、毛先をあそばせながらも、
無造作に見えるように、作り込まれています。
ライオンさんは、準備の整ったピアノを、ひととおり触るように弾いて、言いました。
「いい調律、してあるな。」
うさぎの楽器やさんが、整えた、ピアノです。
調律は、音を整えるだけでは、ありません。
演奏家が、気持ちよく演奏できるように、弾きごこちや、響き具合まで、調節するのです。
ニノくんは、うれしくなって、
うさぎの楽器やさんの姿を、探しました。
どこかに、いるはずです。
広場の、どこかに、
…!。
いました。
うさぎの楽器やさんは、広場の客席の後ろの方に、
きき耳を立てて、座っていました。
なにひとつ、聞き漏らさないといった様子で、
さっきの、ライオンさんの言葉も、ちゃんと聞いていたようです。
感動して、ちょっと、泣いていましたから。
ニノくんは、そんな、うさぎの楽器やさんのために、ちょっとくらい怖くても、
がんばって、役目を果たすことに決めました。
リハーサルは、夢のような時間でした。
演奏家が、音を作り上げていく様子を、
ニノくんは、すぐ近くで、見ていました。
お客さんが、会場に入り、超満員で、コンサートが始まった時には、
黒ひょうさんと、ひょうさんと、ライオンさんの、リハーサル以上に息のあった演奏が、かっこよくて、
ニノくんも、うさぎの楽器やさんも、大、大、大感動でした。
もちろん、お客さんも、大盛り上がりで、
途中から黒ひょうさんが立ち上がってバイオリンを弾きはじめたときには、
もう、たまらなくなって、
一緒に立ち上がって、リズムにのって楽しみました。
森の広場のコンサート会場は、うさぎの楽器やさんがつるした、明かりに照らされて、ステキに輝いていました。
黒ひょうさんが、動くたびに、
ビロードのような黒い毛なみが、青紫に光ります。
バイオリンを弾き始めると、
その音は、吸いつくような艶があって、
一瞬で聴く者の耳をとらえました。
ニノくんにも、「すごい」とわかります。
ひょうさんは、大きなケースから、
チェロと弓を出して、弾きました。
ひょうさんは、きっと、気さくで楽しい性格なのでしょう。
チェロを弾く姿や、音が、そう感じさせます。
ときおり、黒ひょうさんのバイオリンの音と、重なると、
絶妙なバランスがとれているのが、わかります。
ライオンさんは、おしゃれです。
たてがみは、毛先をあそばせながらも、
無造作に見えるように、作り込まれています。
ライオンさんは、準備の整ったピアノを、ひととおり触るように弾いて、言いました。
「いい調律、してあるな。」
うさぎの楽器やさんが、整えた、ピアノです。
調律は、音を整えるだけでは、ありません。
演奏家が、気持ちよく演奏できるように、弾きごこちや、響き具合まで、調節するのです。
ニノくんは、うれしくなって、
うさぎの楽器やさんの姿を、探しました。
どこかに、いるはずです。
広場の、どこかに、
…!。
いました。
うさぎの楽器やさんは、広場の客席の後ろの方に、
きき耳を立てて、座っていました。
なにひとつ、聞き漏らさないといった様子で、
さっきの、ライオンさんの言葉も、ちゃんと聞いていたようです。
感動して、ちょっと、泣いていましたから。
ニノくんは、そんな、うさぎの楽器やさんのために、ちょっとくらい怖くても、
がんばって、役目を果たすことに決めました。
リハーサルは、夢のような時間でした。
演奏家が、音を作り上げていく様子を、
ニノくんは、すぐ近くで、見ていました。
お客さんが、会場に入り、超満員で、コンサートが始まった時には、
黒ひょうさんと、ひょうさんと、ライオンさんの、リハーサル以上に息のあった演奏が、かっこよくて、
ニノくんも、うさぎの楽器やさんも、大、大、大感動でした。
もちろん、お客さんも、大盛り上がりで、
途中から黒ひょうさんが立ち上がってバイオリンを弾きはじめたときには、
もう、たまらなくなって、
一緒に立ち上がって、リズムにのって楽しみました。
森の広場のコンサート会場は、うさぎの楽器やさんがつるした、明かりに照らされて、ステキに輝いていました。
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