暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一

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第二章 冒険、始めます

幕間十  示威行為は突然に

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 面倒な問題が片付いた次の日。
 俺はルークに告げられた一言によって、重大な問題に直面していた。

『なぁ、ドラゴンはいつ食えるんだ?』

「あっ」

 魔力の回復量が少ないなと感じていたが、疲れからくる勘違いだと思っていた。
 だが、上空倉庫を発動している状態なら納得できる。
 発動後は魔力消費量が少なく済むが、上空に浮遊させている状態を維持するための魔力が少量必要なのだ。

「下ろすところがないからなぁ……」

『土地は自分のものになったんだから、いっそのこと平らにしてしまえ。精霊樹も早々に植える必要があるんだからな』

「そうかなぁー。植えないっていう選択肢はないのかな?」

『ルイーサに言ってみろ」

「……植えるに決まってるじゃん。冗談だって」

 燃やすって冗談を言ったときの圧は、一生忘れない。
 だから、植えないって言ったときの反応は容易に想像できる。

「よしっ。パシリを連れてこよう」

『それが一番だな』

 ということで、朝食後に子虎たちと戯れているテオを呼びに向かう。

「もしもし、テオ様ー?」

「……なんだよ、気持ち悪いな」

「子虎ちゃんたちと戯れているところ申し訳ないんだけど、ルイーサさんのためのお手伝いをしてくれないかな?」

「……お姉様の?」

「そうそう。きっと笑顔で褒めてくれること間違いなし」

「ふーん……。子虎ちゃんたち、お兄ちゃんはお仕事に行ってくるな」

「「「「ナァァァァァァァッ」」」」

 大合唱で送り出す子虎ちゃんたちが可愛い。
 それにしても、近くに子虎ちゃんの両親がいるのに近づけるなんて、テオの度胸というか図々しさというか、メンタルの強さが半端ない。

「行くぞっ」

「はーい」

 そしてルークが待っている宿屋の南側へ。

「それで、何するんだ?」

「えーと……解体工事って言えば良いのかな?」

「何の?」

「再開発のための基礎工事だね」

 決して、竜肉のためとは言わない。
 それに完全な嘘ではないからね。

「ふーん。再開発の構図って決まってるのか?」

「うん、まぁね。宿屋周辺含む工業区は【双竜区】と呼んで、スラム街含む居住区は【百獣区】と呼ばせようかなと」

「俺の別荘は?」

「宿屋関連の施設と別荘などは【双竜区】の東側に寄せて、残った西側の土地は全て農園にしようかなって。精霊樹とかも植えれば、モフモフたちも楽しく運動できそうじゃん」

「うんうん。いいないいな。じゃあこれからは農園用の工事か?」

「ううん。もっと大事なことだよ」

「はぁ? 精霊樹より大切なことがあるのか?」

「それはルイーサさんに失礼だよ」

「そうか? 精霊樹が楽しみすぎるって言ってたぞ」

 確かに。
 どこに植えるべきかとか、植えるときに儀式はあるかとか、楽しそうに色々調べていた。

「さぁ、着いたよ。今から【双竜区】の拡張工事を始めます。テオ様は、いつも通り荷運びをお願いしたいのです」

「…………騙した?」

「どこが? 拡張工事をして簡易的にも敷地を囲わないと、ルークの願いが聞き届けられないでしょう? その場合、どこかが平らになるけどいいのかな?」

「そうだった……。お姉様が交渉してたわ。じゃあ荷車は?」

「重いものを運ぶとデッドマン号が死ぬかもしれないので、デッドマン号はお休みしてもらいます」

「えっ? 人力?」

「まぁ脇に寄せるだからさ。まとめておいてくれれば、僕がエルフの神秘で運ぶからね」

「それなら……まぁ。というか、狼公たちにやらせろよ。本職だし」

「いや~、あんまり信用出来ないというか……ね。テオ様の家に苦情を出したいくらいだよ」

「それは子爵に任せとけって」

「じゃあ荷運びはテオ様に任せるよ」

「……任せろ」

 チラッと子虎ちゃんたちの方に目を向け、モフモフ欲を断ち切ったテオは渋々返事をした。

「じゃあ解体したあと錬金術でまとめていくから、分類しながら脇に寄せていって」

「はいよ」

『テオよ、頑張れ。早く終わらせて子虎たちと昼寝をすると良いぞ』

「おぉっ! 楽しみだっ!」

 残念ながら、それは叶わないだろう。
 解体工事の次は、上空倉庫の仕分け作業や魔物解体が待っているからね。

「危ないから少し下がってて」

「はいよ」

 まずは被害者を出さないために安全確認をする。

 ──〈魔力感知〉
 ──〈魔力掌握〉
 ──【念動】
 ──《無属性魔法:探知》
 ──〈生命感知〉
 ──【神字:処理】

「うん、大丈夫」

 安全確認をしたから、多少派手に解体しても大丈夫だろう。

 ──〈身体強化〉
 ──【念動:装甲】
 ──【念動:波動】

「そぉれっ」

 宿屋の塀を越えてすぐの建物の壁に正拳突きを繰り出す。

「うおっ」

『安心しろ。こちらに飛んできた破片は結界で防いでいる』

「それはいいけどよ、破壊力が異常だろっ。音で人が集まるぞっ」

『ディルっ』

「はいはーい」

 ──【念動:障壁】

 周辺一帯を《障壁》で封鎖し、野次馬の侵入を防ぐ。
 ルイーサさんが近づいて来るのが見えるけど、それはルークたちに任せよう。

 俺はここ数日のストレスをぶち撒けるように、解体作業を続ける。
 主に狼公やシルフォード商会に対してなど、処せなかった相手の顔を思い出しては殺気を乗せた攻撃を建物に繰り出す。同時に殺気のコントロールも練習しているのだが、少々のめり込みすぎたみたいで、後ろを振り返ったときに般若を見つけてしまった。
 俺はすぐさま反転し、般若から視線を逸らしつつ、こっそり自分の後ろ側にも《障壁》を展開した。

「触らぬ神に祟りなし、だ」

 その後も解体作業を続けていたのだが、少し面倒になってきてしまった。

 ──〈心眼〉
 ──〈気配遮断〉
 ──〈隠形〉
 ──〈悪路走破〉
 ──《無属性魔法:障壁》
 ──〈空歩〉
 ──《無属性魔法:浮遊》
 ──《無属性魔法:探知》
 ──〈生命感知〉

 錬金術での処理は後回しにして、解体工事を優先させることにした。
 いつも通り上空に向かい、改めて【双竜区】の安全確認をする。孤児院の被害者たちは、すでに孤児院の隣の教会に移されているからいない。
 その他の勝手に住んでいる人を【念動】で敷地の外に出し、ルークの子分たちをまとめてルークの下に送った。

『ルーク、全員いる?』

『いるぞ』

 一応確認はしているけど、見落としがないことが確認できた。

 ──【神字:理体】
 ──〈多重魔法〉
 ──【念動:障壁】
 ──《闇属性魔法:暗幕》

 封鎖区域を所有地いっぱいまで広げ、《障壁》に《暗幕》を重ねて目隠しを行う。

 ──【念動:魔弾】

「おぉぉぉっ! 気分爽快だっ!」

『おいっ! ルイーサがお怒りだぞっ!』

『僕は何もしてませんって伝えて』

『む、無理に決まってるだろっ』

『あと少しで終わるからさ』

 後日同じことをすることは叶わなそうだから、今のうちにまとめて【百獣区】の解体工事も行うことにした。
 同じ手順で【百獣区】を囲い、上空から《魔弾》の雨を降らす。

『おぉいっ! 増やしてどうするっ!』

『今のうちにやらないと二度目はなさそうじゃん』

『野次馬の数が異常だぞっ?』

『ぶっちゃけ自分の土地で何をやってもいいと思う』

『自分でルイーサに言うんだな』

『……この後、しばらく外出しようかと思うんだ』

『逃げたらオレが追うからな』

『……逃げるわけないじゃん』
 
 どうしよう……。
 まもなく解体作業が終わってしまう。
 そしたら般若と相対さなくてはいけないわけだ。

 ──《水属性魔法:驟雨》

 土埃を消すためと、水属性の適性を持っていると印象付けるための偽装工作で、最後の仕上げに水属性魔法を使う。

「ついに来てしまったか……。──んっ? エイダンさんだっ!」

 幸いなことにルイーサさんから離れた場所にいる。
 般若の下に向かう前に、エイダンさんの下に向かおう。

「エイダンさん」

「おぉぉっ。これはいったい……」

「解体工事が面倒でまとめて処理をしたんですが、仮の外壁をこの黒い障壁沿いに設置して欲しいんですよ」

「それは良いが、中に入れるのか?」

「もちろんです。こちらへどうぞ」

 よしっ。延命措置と説得要員確保だ。

「……おぉっ。すごいな。排水はギリギリか」

「そちらはこれから対応しますよ。では、お願いしますね」

「おう」

 エイダンさんに外壁を任せ、俺は先日工事をした水路に流すための排水溝を開けた。

 ──《土属性魔法:掘削》

「次は【百獣区】の排水溝か」

『おいっ! 終わったんだろっ?!』

『まだだよ。エイダンさんと会ってさ、仮の外壁を設置してもらってるんだ。【双竜の楽園亭】とも繋げたいから、ルークが楽園亭の外壁を壊してよ』

『嫌に決まってるだろっ!?』

『提案だけでもしておいてよ』

『無理だ』

『……それなら仕方ないかな。もう少ししたら終わると思うから、先に帰っててくれていいんだよ?』

『オレも帰れるなら帰りたい』

 すまん。もう少し堪えてくれ。

 時間が多少できたので、錬金術で石材の再構成を行い、再利用ができるものとできないものを分けていく。
 地面も石材を使われているところと、地面がむき出しているところがあり、建設工事のときに邪魔になりそうだから石材を剥がして再構成する。

 今回は錬金盤を使わずに、錬金盤に描かれている魔法陣を地面に描いて、周辺の瓦礫を【念動】を使って移動して錬成していた。
 本当は専用のインクを使う必要があるらしいけど、今回は自分の血液で代用した。

 ルイーサさんのところに戻る前に回復しないと、また折檻期間が延びそうだ。

「おーい。終わったぞ」

「じゃあ次はスラムの方をお願いします」

「はいよ」

 エイダンさんを【百獣区】側に送り届け、再び錬成を続ける。
 速度を上げるために複数の魔法陣を用意し、同時に再構成の錬成を行う。

 作業を続けていれば当然終わりが近づいて来るわけで、【百獣区】の外壁工事を終えたエイダンさんを楽園亭の両隣の工事現場に移動させ、ついでにルイーサさんへの説得要員にした。

「お、俺が言うのか?」

「お願いします。猫ちゃんがいますよ。かっこいいところを見せましょう」

「いや、分からんだろっ」

「賢い子ですから、きっと分かると思いますよ」

「うぅぅぅっ……。嫌すぎる……」

「終わったら戻ってきてくださいね」

「あぁ」

 魔法陣の数を増やしたおかげで錬成の速度が速まり、なんとか【双竜区】の三分の一の瓦礫を片付けられた。

「あっ。戻ってきた。……ルイーサさんがついてるけど」

 無事に説得できたようで楽園亭の外壁はなくなり、野次馬たちも新しく作った外壁の外に移動させることができた。
 ルイーサさんを説得したエイダンさんは本当にすごい。
 しかし、ルイーサさんを連れてくるのは止めて欲しい。
 俺はエイダンさんを【念動】で浮かせて、上空経由で《障壁》の中に入れることにした。

「お、おいっ。あからさまなことをするとあとが怖いぞ」

「まだ覚悟が決まっていないんです……」

「いや、そこに俺を送り込んだだろ」

「すぐに会いますから、とりあえずこの空いた空間の地面を石畳のようにしてもらえませんか? ここを仮の解体作業場にしたいのです」

「というと、空の上に浮かせているってことか?」

「そうです。早く降ろしたいのです」

「マジか……。まぁすぐに施工しよう」

「ありがとうございます」

 そして、終わってしまった解体工事。
 ついに般若との御対面だ。

 ──《闇属性魔法:暗幕》

 仮の解体作業場から上空に向かって筒状の目隠しを伸ばし、その中を通ってコンテナやコンテナに入り切らなかった巨大素材を解体作業場に降ろした。

「──マジかっ」

「これが僕の秘密兵器です。これがあれば、きっと怒られないでしょう」

「そうかもな。ドラゴンの血液は滅多に入手できないから、もしかしたら褒められるかもしれないぞ」

 ふふふっ。多分それはない。
 説教と称賛は切り離して行う人だからね。
 般若への変身時間が多少短くなるくらいだろう。
 それでも十分だ。

「では、解除」

 全ての魔法を解除する。

「任務完了ですっ」

「──ディル、少しお話をしましょうか」

「……はい」

 この後叱られたのは言うまでもないだろう。
 でも、ルイーサさんができるだけ新鮮な竜血を採取したい欲求に駆られたおかげで、意外なほど短い時間の説教タイムだった。

「助かった……」



 ◆ ◆ ◆


 すみません。
 遅くなりました。



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