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第一章 居候、始めます
第三一話 因縁の相手
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結局宝探しを続ける気分ではなくなり、荷車以外に欲しいものがなかったから、後日他のゴミ捨て場に行くことにして帰宅した。
帰った後も気が乗らず、今日は何もせずに休むことに。
連日休みなく動いていたから、今日ぐらいはルークたちと戯れて癒やされようと思ったのだ。
「どうしたの?」
そしてそこに現れるルイーサさん。
いつも絶妙なタイミングで現れるルイーサさんには、何も隠せないのではないかと思ってしまう。
「別に、何もありませんよ」
「そう? でも熊さんにキツく当たってたでしょ?」
「……思ったことを言っただけです」
「男の子は不器用ね。熊さんは貴族らしくないとは思っているんでしょ? それに、あの子はディルと友達になりたいだけなの。貴族特有の普通に接してくれて嬉しかったっていう単純な気持ちからかもしれないけど、だからこそディルにクズ貴族扱いされたのがとても悲しかったと思うの」
「…………」
「でも、ディルも分かったるのよね? 悪いこと言っちゃったって。悪いことしたらどうするかはママが教えたから、どうするのが一番いいか考えてみて。勇気のいることだけど、ディルならきっとできるわ」
いつもの迫力のある笑顔ではなく優しい顔で諭され、少しだけ頭を撫でて別館に向かっていった。
「はぁ……」
謝ろう。
王弟及びその取り巻きたちとは別の人間だと分かっているし、貴族でまとめた場合、ナディアさんやニアも含まれることも分かってる。
それなのに、一人だけに八つ当たりするのはフェアじゃない。
「どこにいるんだろ……」
宿の敷地内を探すも、結局夕方まで帰ってくることはなかった。
しかし、日も暮れようとしている夕方頃、思わぬところからテオドールの居場所が判明する。
「──うわぁぁぁっ! おかぁぁぁちゃまぁぁぁっ」
「──ニアっ! どうしたの!? ルークはっ!?」
「えっぐ、えっぐ……。かくれんぼ、してた……」
魔力を放出して自分の位置を知らせつつ、ルークを呼ぶ。
「ルークっ」
『──ここかっ』
ルークはニアが出てきた裏路地から駆けてきた。同時に、ニアの泣き声を聞きつけたナディアさんたちも宿屋の前に集まった。
ナディアさんはすぐにニアを抱きしめ、ルイーサさんが傷を確認している。
「ルーク、護衛は!?」
『してたけど、途中で匂いも魔力も消えたんだ。敷地内なら結界があるから分かるけど、敷地の外は法律があるからダメなんだろ?』
「じゃあ何で」
「えっぐ……わたちが、じぶんで、でちゃったの……。ルークは……わるくないの……。おこらないで」
「じゃあどうして出たの?
「おんなのひと……たおれてた……」
単独で女性が倒れていた場合は詐欺を疑えって言うのが、この世界の常識だ。
それもスラム街という治安が悪い場所なら、詐欺の確率もさらに高くなるだろう。まだ小さいから知らなくても無理はないけど、ニアの優しさに浸け込むなんて非道を許すことはできない。
「でも、よく無事だったわね」
「くまのおじちゃんが……たすけてくれたの……」
「え? じゃあ、おじちゃんはどこに行ったの?」
「えっぐ……つれていかれちゃった……」
「──出掛けて来ます」
「もう。そう言うと思ったわ。美味しいご飯を用意しておくから、無事に帰ってくるのよ」
「はい」
俺は武器を装備して、イムレを背負い袋に入れて宿を出た。
ルークには宿の守りと、ニアの精神安定を頼んだ。
──《無属性魔法:探知》
──〈索敵〉
──〈生命感知〉
宿を出た後、少しスラム側に進んで最大出力で《探知》を使用する。
この魔法の弱点は使用された側も気づき、技能次第で逆探知も可能である。もちろん、実力者は受け流して石木に偽装することで存在を隠蔽可能だ。
俺はこの弱点を利用して敵意を煽り、〈索敵〉に引っかかりやすくしている。詳細情報はいつもどおり〈生命感知〉と【神字:処理】の併用で入手し、テオドールの居場所や敵の配置に人員を把握した。
──〈心眼〉
──〈気配遮断〉
──〈隠形〉
──〈痛覚遮断〉
──〈身体強化〉
──〈魔力感知〉
いつもの暗殺モードに、魔法対策として知覚系技能を追加で発動しておく。
知覚系の同時発動は疲れるが、ニアを助けてくれた恩人を救出するために出し惜しみはしない。
◆
ここか。
スラムの奥、空き家のジャングルのような死角が多い場所が誘拐犯の拠点らしい。
技能〈聞き耳〉で犯人たちの話を聞くと、どうやら食い逃げ三人組の所属組織が【餓炎狼公】から別の組織に乗り換え、新しい後ろ盾とともに拉致して来たそうだ。
本当は目撃者として始末する予定だったが、後ろ盾のボスが人質として使えるからと計画を変更したそうだ。そこに盗賊ギルドで依頼を受注した者も加わり、盗賊ギルドの残党も加わることになったらしい。
まぁ盗賊ギルドも残党は火災による脅しにビビっている上、誘拐対象がルイーサさんたちの庇護下にあると聞いて「騙したなっ」と、激昂していたから本意ではないのだろう。
でももう遅い。
スリーアウトで、転生が確定したからな。
確かに、テオドールを人質に使った場合、子爵領の領兵も敵に回るかもしれない。単純に身代金を取ることもできるが、手配されるリスクがあるから本来の目的のために使った方が有効的だろう。
それに、武門の貴族子弟が誘拐されたというだけでも不名誉なことなのに、ハイエルフの誘拐に関わったなんてことになれば、本人だけでの問題で済まなくなるのは間違いない。
むしろ、それを狙ったのではないかと思う。
何故なら、視線の先に知った顔がいたからだ。
「教官……」
暗殺者時代の武術教官で、『常在戦場、常時死兵』というクソみたいな格言が口癖の、王弟の側近が後ろ盾のボスらしい。
本人は子爵家当主で、一応領地持ちの貴族だ。
王弟そっくりの思想の持ち主で、多種族国家の王国で人族至上主義を掲げたサイコパスである。
おそらくナディアさんを尾行してきた者はコイツだろう。
王弟の名前が使えるならできないことなんてないし、自分の領地の部下も使えるはず。
多分周囲にいるのが部下で、獣人の多い東部に拠点を置いて奴隷狩りでもしているのだろう。
昔は【念動】を隠してきたけど、全て使って確実に殺しておこう。
兎角投擲ナイフを数本抜き、フラガラッハのように宙に浮かせて体の後ろに待機させておく。
左手には大兎短剣を持ち、右手でフラガラッハとは別にナイフを投擲していく。
──〈投擲〉
──〈狙撃〉
狙いは、こめかみ。
または喉。
「──襲撃だあぁぁぁっ」
帰った後も気が乗らず、今日は何もせずに休むことに。
連日休みなく動いていたから、今日ぐらいはルークたちと戯れて癒やされようと思ったのだ。
「どうしたの?」
そしてそこに現れるルイーサさん。
いつも絶妙なタイミングで現れるルイーサさんには、何も隠せないのではないかと思ってしまう。
「別に、何もありませんよ」
「そう? でも熊さんにキツく当たってたでしょ?」
「……思ったことを言っただけです」
「男の子は不器用ね。熊さんは貴族らしくないとは思っているんでしょ? それに、あの子はディルと友達になりたいだけなの。貴族特有の普通に接してくれて嬉しかったっていう単純な気持ちからかもしれないけど、だからこそディルにクズ貴族扱いされたのがとても悲しかったと思うの」
「…………」
「でも、ディルも分かったるのよね? 悪いこと言っちゃったって。悪いことしたらどうするかはママが教えたから、どうするのが一番いいか考えてみて。勇気のいることだけど、ディルならきっとできるわ」
いつもの迫力のある笑顔ではなく優しい顔で諭され、少しだけ頭を撫でて別館に向かっていった。
「はぁ……」
謝ろう。
王弟及びその取り巻きたちとは別の人間だと分かっているし、貴族でまとめた場合、ナディアさんやニアも含まれることも分かってる。
それなのに、一人だけに八つ当たりするのはフェアじゃない。
「どこにいるんだろ……」
宿の敷地内を探すも、結局夕方まで帰ってくることはなかった。
しかし、日も暮れようとしている夕方頃、思わぬところからテオドールの居場所が判明する。
「──うわぁぁぁっ! おかぁぁぁちゃまぁぁぁっ」
「──ニアっ! どうしたの!? ルークはっ!?」
「えっぐ、えっぐ……。かくれんぼ、してた……」
魔力を放出して自分の位置を知らせつつ、ルークを呼ぶ。
「ルークっ」
『──ここかっ』
ルークはニアが出てきた裏路地から駆けてきた。同時に、ニアの泣き声を聞きつけたナディアさんたちも宿屋の前に集まった。
ナディアさんはすぐにニアを抱きしめ、ルイーサさんが傷を確認している。
「ルーク、護衛は!?」
『してたけど、途中で匂いも魔力も消えたんだ。敷地内なら結界があるから分かるけど、敷地の外は法律があるからダメなんだろ?』
「じゃあ何で」
「えっぐ……わたちが、じぶんで、でちゃったの……。ルークは……わるくないの……。おこらないで」
「じゃあどうして出たの?
「おんなのひと……たおれてた……」
単独で女性が倒れていた場合は詐欺を疑えって言うのが、この世界の常識だ。
それもスラム街という治安が悪い場所なら、詐欺の確率もさらに高くなるだろう。まだ小さいから知らなくても無理はないけど、ニアの優しさに浸け込むなんて非道を許すことはできない。
「でも、よく無事だったわね」
「くまのおじちゃんが……たすけてくれたの……」
「え? じゃあ、おじちゃんはどこに行ったの?」
「えっぐ……つれていかれちゃった……」
「──出掛けて来ます」
「もう。そう言うと思ったわ。美味しいご飯を用意しておくから、無事に帰ってくるのよ」
「はい」
俺は武器を装備して、イムレを背負い袋に入れて宿を出た。
ルークには宿の守りと、ニアの精神安定を頼んだ。
──《無属性魔法:探知》
──〈索敵〉
──〈生命感知〉
宿を出た後、少しスラム側に進んで最大出力で《探知》を使用する。
この魔法の弱点は使用された側も気づき、技能次第で逆探知も可能である。もちろん、実力者は受け流して石木に偽装することで存在を隠蔽可能だ。
俺はこの弱点を利用して敵意を煽り、〈索敵〉に引っかかりやすくしている。詳細情報はいつもどおり〈生命感知〉と【神字:処理】の併用で入手し、テオドールの居場所や敵の配置に人員を把握した。
──〈心眼〉
──〈気配遮断〉
──〈隠形〉
──〈痛覚遮断〉
──〈身体強化〉
──〈魔力感知〉
いつもの暗殺モードに、魔法対策として知覚系技能を追加で発動しておく。
知覚系の同時発動は疲れるが、ニアを助けてくれた恩人を救出するために出し惜しみはしない。
◆
ここか。
スラムの奥、空き家のジャングルのような死角が多い場所が誘拐犯の拠点らしい。
技能〈聞き耳〉で犯人たちの話を聞くと、どうやら食い逃げ三人組の所属組織が【餓炎狼公】から別の組織に乗り換え、新しい後ろ盾とともに拉致して来たそうだ。
本当は目撃者として始末する予定だったが、後ろ盾のボスが人質として使えるからと計画を変更したそうだ。そこに盗賊ギルドで依頼を受注した者も加わり、盗賊ギルドの残党も加わることになったらしい。
まぁ盗賊ギルドも残党は火災による脅しにビビっている上、誘拐対象がルイーサさんたちの庇護下にあると聞いて「騙したなっ」と、激昂していたから本意ではないのだろう。
でももう遅い。
スリーアウトで、転生が確定したからな。
確かに、テオドールを人質に使った場合、子爵領の領兵も敵に回るかもしれない。単純に身代金を取ることもできるが、手配されるリスクがあるから本来の目的のために使った方が有効的だろう。
それに、武門の貴族子弟が誘拐されたというだけでも不名誉なことなのに、ハイエルフの誘拐に関わったなんてことになれば、本人だけでの問題で済まなくなるのは間違いない。
むしろ、それを狙ったのではないかと思う。
何故なら、視線の先に知った顔がいたからだ。
「教官……」
暗殺者時代の武術教官で、『常在戦場、常時死兵』というクソみたいな格言が口癖の、王弟の側近が後ろ盾のボスらしい。
本人は子爵家当主で、一応領地持ちの貴族だ。
王弟そっくりの思想の持ち主で、多種族国家の王国で人族至上主義を掲げたサイコパスである。
おそらくナディアさんを尾行してきた者はコイツだろう。
王弟の名前が使えるならできないことなんてないし、自分の領地の部下も使えるはず。
多分周囲にいるのが部下で、獣人の多い東部に拠点を置いて奴隷狩りでもしているのだろう。
昔は【念動】を隠してきたけど、全て使って確実に殺しておこう。
兎角投擲ナイフを数本抜き、フラガラッハのように宙に浮かせて体の後ろに待機させておく。
左手には大兎短剣を持ち、右手でフラガラッハとは別にナイフを投擲していく。
──〈投擲〉
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