46 / 56
第三章 始まりと報復
第三十九話 森は仮想ダンジョン
しおりを挟む
「今日はよろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いします!」
「お願いしまーす!」
「ガルルゥゥゥ!」
お互いがあいさつをし終わると、【異空間倉庫】の空き枠三つのうち一つにお弁当をしまい、もう一つを鉱石用の樽と採掘道具を入れた。これで荷車は空になり、ヴェイグさんが同行する言い訳はポーターであるため、その準備が整ったというわけだ。
ちなみにリアたちとブルーノさん的には、この荷車の中にアーマードディアが入ることを期待しているそうだ。そういえばまだ討伐できていなかったな。鹿は獲っていたが、一つランクを落としたサーベルディアだったことをこのとき思い出した。ということで俺は植物図鑑と鉱物図鑑の他に、以前購入した本物の方のモンスター図鑑を読み直していた。
ヴェイグさんも図鑑を買う人は珍しいらしく興味がありそうな感じだったため、荷車は交代で引きながら図鑑を回し読みしていた。
そして気づいたことがある。本能系のスキルは無意識で発動しているパッシブスキルであり、同時にアクティブスキルでもあるらしい。【感知EX】と【探知EX】のどちらもじんわりと発動しているのだが、意識的に使おうとするとはっきりと認識できるようになる。顕著なのが【探知EX】で、普段はただレーダーのように全体的に周囲を把握しようとしているだけだが、それそれの探知方法を意識することでチャンネルが切り替わったような感じになる。
慣れないとかなり違和感を覚えるが、慣れたらかなり強力な武器の一つになること間違いなしだ。特にフォレストバイパーのような性格の悪い敵にも対応できるだろう。そこで俺は荷車を引いている間、ずっと無意識に発動しているときと意識的に発動しているときの違いや、探知のチャンネル切り替えや複数同時チャンネルの使用などを練習していた。
俺もホーンブルのように矢を切り落とせるようになりたいと目標を持ち、ひたすら練習に励んでいると早速探知に引っかかった者たちがいた。
「何か用ですか?」
俺と同時にヴァルが気づき、そのすぐあとリアも気づき、声をかけたことでヴェイグさんも気づいた。ヴェイグさんが遅れたのは仕方がない。ヴァルはよく分からん不思議生物の本能があるし、リアは勘も補正されるスキルがある上、図鑑に見入っていたのだから。それでも全員が攻撃態勢を取り、待ち伏せしていた者たちと対峙した。
「まさかバレるとはな。新人のくせに昇格試験を受けるっていうのは嘘じゃないようだ」
「何事も加入したばかりは新人ですよ。最近誰かにも言った気がしますが? それに待ち伏せが下手でしたので」
「言ってくれるじゃねぇか!」
五人の男が俺たちが進む方向の森の入口から少し入ったところで待ち伏せをしていて、待ち伏せが上手か下手かは知らないが近づけば艶消ししていない金属部分が輝いたことだろう。
「それでなんの用ですか? 初対面ですよね?」
「アルマ、初対面じゃないよ」
「その通り! 初対面じゃねぇよ!」
「……誰でしたっけ?」
「リリーの兄だよ!」
だから誰だよ! しかもリリーも分からんし、あの豚三人娘のようにキャラが濃ければ覚えていたんだけどな。
「アルマ、ビッグボアの依頼を受けたときに面白がっていた人に、妹を売ったとかって教えてあげてた人だよ」
まだ分かっていなそうにしていた俺に、リアがそっと教えてくれたことでようやく思い出した。
「あぁ! ビッグボアの依頼を豚三人娘に教えたヤツらか! そういえば妹さんどうなりました!?」
「お前のおかげで事実だと判明したよ!」
「もしかしてお礼ですか? いいのにー!」
「んなわけねぇだろ! これから稼いで買い戻そうとしたら、いきなりモンスターが激減するし隣の上級者用の森に移動するしで稼げなくなったんだよ! それもこれもお前のせいだっていうじゃねぇか!」
はぁぁぁ? 豚三人娘に何か吹き込まれたのかは知らんが、モンスターがいなくなったのは間違いなく、あのヤバい巨大鳥のせいだよ。巨大蛇を見ても何とも思わなかったが、本能的にあの鳥はヤバいと思って即時撤退を選んだくらいだからな。
「じゃあ隣に行けばいいのでは? そもそも言いがかりをつけて金をむしろうと考えていたんでしょうが、俺に責任を押しつけようとしている阿呆はモンスターの移動法まで教えてくれたんですか? その方法を国に売ればすぐに買い戻せますよ。世紀の大発見でしょうからね。ってか隣に犯人いたのに気づけないようじゃ森の危険に気づけなくて、稼ぐ前に死んでしまうと思いますよ」
俺が話している途中から顔が赤くなり始めたリリーの兄は、その顔をオーガに変えていた。その顔を見てそろそろ限界かなと思った瞬間、俺たちから見てリリーの兄の左にいた男のこめかみに一本の矢が刺さった。
確かに遠くに守護者らしき人物の気配を感じていたし、目視もしていた。あわよくば目撃者になってもらおうかなって思っていたのだが、まさか攻撃してくるとは思わず防御態勢を取った。
「ふえぇぇぇぇえーーー! すみませぇぇぇぇんっ! 誤射しちゃいましたぁぁあぁ! お怪我はないですかぁぁぁぁ?」
……死んだけど? 怪我どころの話じゃないよ。即死だよ、即死。もしかしてサイコパスか? これは早速【看破】の使いどころが来たな。隙があったら《読取》も使って詳しく調べよう。
「おいおい! 何してくれるんだ!? 死んだぞ!!!」
トテトテと走って来るショートボブの幼女に見える女の子は、背負い籠を背負って弓を手に持ってきた。防具は初心者っぽい革鎧でショートパンツをはいていたのだが、俺は違和感を覚えた。女の子にしては股間が膨らみすぎなのだ。もしかして男の娘ってやつなのかもしれない。そして馬鹿そうに見えても隙がない。リアたちも気づいたようで警戒レベルが上がったが、男たちはなかなかの美少女っぷりにドギマギしていた。
「死んでしまいましたかーー! それではドロップアイテムGETですね! 剥ぎ取りをするのは面倒くさいですが、仕方ありませんねーー! ハギハギ! ハギハギハギ!!!」
マジか……、コイツ。ここダンジョンじゃないんですけど。しかも絶対わざと殺したじゃん。誤射じゃ片づかんだろ!
「ちょっと待て! 死亡した場合の装備は遺族に渡されるかパーティーに引き取られる! お前に権利はないぞ!」
「えぇぇぇぇぇーーー! ドロップアイテムは倒した人に権利があります!」
「それはダンジョンでの話で、ここは森の中だ!」
「んーーー、森型ダンジョン?」
「違ーーーう!」
リリーの兄とサイコ野郎が言い合っているが、勝手にやって欲しい。俺たちは先に進みたいだけだ。
「そもそもコイツはモンスターじゃねぇだろ!?」
「モンスターですよ? 人を襲ってお金を取ろうとした時点で人間の敵です。そこに種族は関係ないのでは? ただ一言だけ。『敵』です!」
微妙に真面なことを言っているが、俺たちからしたらお前もその『敵』なんだけどな。まぁ余計な事は言わないけど。
「それにお金が欲しいなら提案があります。山分けしましょう。私は武器集めが趣味なので、武器をもらえれば十分です。それ以外の現金はそちらにお渡しします。あなたたちはどうします?」
やっと俺たちに話が振られたので、心の底からの希望を言わせてもらおう。
「俺たちはいらないし関わり合いたくないから、お互いに会わなかったことにして今後も接触して来ないで欲しい」
「私は構いませんよ。その方が趣味に没頭できそうですし」
「俺たちは納得できないって言ったらどうするんだ?」
「はぁ? そこで欲を掻くなよ。穏便に終わらせようとしているんだから素直に言うこと聞いとけよ。じゃなきゃ、この娘の取り分が増えて死体も増えるだけなんだからさ。元々襲ってきたモンスターなんだから覚悟もできてるよな?」
「じょ……冗談に決まってんだろ? 俺たちもそれで構わん」
このサイコ野郎に関わらずに済むなら普通に強盗を処理する方を選ぶ。それくらい頭がおかしいと思ったからだ。何故ならダンジョンのくだりでは嘘だと思っておらず、本気で森型ダンジョンだと思っているようだった。まだスキルに不慣れなせいもあるだろうが、この世界の人間で関わり合いになりたくない人物堂々の一位にランクインした人物と出会った瞬間である。
「じゃあコレを運ぶの手伝ってくださーい! それでは他の方々さようなら。約束お願いしますね!」
「お前もな!」
俺たちはサイコ野郎がいなくなってしばらくした後、ようやく警戒レベルをあげることができたのだった。
「こちらこそよろしくお願いします!」
「お願いしまーす!」
「ガルルゥゥゥ!」
お互いがあいさつをし終わると、【異空間倉庫】の空き枠三つのうち一つにお弁当をしまい、もう一つを鉱石用の樽と採掘道具を入れた。これで荷車は空になり、ヴェイグさんが同行する言い訳はポーターであるため、その準備が整ったというわけだ。
ちなみにリアたちとブルーノさん的には、この荷車の中にアーマードディアが入ることを期待しているそうだ。そういえばまだ討伐できていなかったな。鹿は獲っていたが、一つランクを落としたサーベルディアだったことをこのとき思い出した。ということで俺は植物図鑑と鉱物図鑑の他に、以前購入した本物の方のモンスター図鑑を読み直していた。
ヴェイグさんも図鑑を買う人は珍しいらしく興味がありそうな感じだったため、荷車は交代で引きながら図鑑を回し読みしていた。
そして気づいたことがある。本能系のスキルは無意識で発動しているパッシブスキルであり、同時にアクティブスキルでもあるらしい。【感知EX】と【探知EX】のどちらもじんわりと発動しているのだが、意識的に使おうとするとはっきりと認識できるようになる。顕著なのが【探知EX】で、普段はただレーダーのように全体的に周囲を把握しようとしているだけだが、それそれの探知方法を意識することでチャンネルが切り替わったような感じになる。
慣れないとかなり違和感を覚えるが、慣れたらかなり強力な武器の一つになること間違いなしだ。特にフォレストバイパーのような性格の悪い敵にも対応できるだろう。そこで俺は荷車を引いている間、ずっと無意識に発動しているときと意識的に発動しているときの違いや、探知のチャンネル切り替えや複数同時チャンネルの使用などを練習していた。
俺もホーンブルのように矢を切り落とせるようになりたいと目標を持ち、ひたすら練習に励んでいると早速探知に引っかかった者たちがいた。
「何か用ですか?」
俺と同時にヴァルが気づき、そのすぐあとリアも気づき、声をかけたことでヴェイグさんも気づいた。ヴェイグさんが遅れたのは仕方がない。ヴァルはよく分からん不思議生物の本能があるし、リアは勘も補正されるスキルがある上、図鑑に見入っていたのだから。それでも全員が攻撃態勢を取り、待ち伏せしていた者たちと対峙した。
「まさかバレるとはな。新人のくせに昇格試験を受けるっていうのは嘘じゃないようだ」
「何事も加入したばかりは新人ですよ。最近誰かにも言った気がしますが? それに待ち伏せが下手でしたので」
「言ってくれるじゃねぇか!」
五人の男が俺たちが進む方向の森の入口から少し入ったところで待ち伏せをしていて、待ち伏せが上手か下手かは知らないが近づけば艶消ししていない金属部分が輝いたことだろう。
「それでなんの用ですか? 初対面ですよね?」
「アルマ、初対面じゃないよ」
「その通り! 初対面じゃねぇよ!」
「……誰でしたっけ?」
「リリーの兄だよ!」
だから誰だよ! しかもリリーも分からんし、あの豚三人娘のようにキャラが濃ければ覚えていたんだけどな。
「アルマ、ビッグボアの依頼を受けたときに面白がっていた人に、妹を売ったとかって教えてあげてた人だよ」
まだ分かっていなそうにしていた俺に、リアがそっと教えてくれたことでようやく思い出した。
「あぁ! ビッグボアの依頼を豚三人娘に教えたヤツらか! そういえば妹さんどうなりました!?」
「お前のおかげで事実だと判明したよ!」
「もしかしてお礼ですか? いいのにー!」
「んなわけねぇだろ! これから稼いで買い戻そうとしたら、いきなりモンスターが激減するし隣の上級者用の森に移動するしで稼げなくなったんだよ! それもこれもお前のせいだっていうじゃねぇか!」
はぁぁぁ? 豚三人娘に何か吹き込まれたのかは知らんが、モンスターがいなくなったのは間違いなく、あのヤバい巨大鳥のせいだよ。巨大蛇を見ても何とも思わなかったが、本能的にあの鳥はヤバいと思って即時撤退を選んだくらいだからな。
「じゃあ隣に行けばいいのでは? そもそも言いがかりをつけて金をむしろうと考えていたんでしょうが、俺に責任を押しつけようとしている阿呆はモンスターの移動法まで教えてくれたんですか? その方法を国に売ればすぐに買い戻せますよ。世紀の大発見でしょうからね。ってか隣に犯人いたのに気づけないようじゃ森の危険に気づけなくて、稼ぐ前に死んでしまうと思いますよ」
俺が話している途中から顔が赤くなり始めたリリーの兄は、その顔をオーガに変えていた。その顔を見てそろそろ限界かなと思った瞬間、俺たちから見てリリーの兄の左にいた男のこめかみに一本の矢が刺さった。
確かに遠くに守護者らしき人物の気配を感じていたし、目視もしていた。あわよくば目撃者になってもらおうかなって思っていたのだが、まさか攻撃してくるとは思わず防御態勢を取った。
「ふえぇぇぇぇえーーー! すみませぇぇぇぇんっ! 誤射しちゃいましたぁぁあぁ! お怪我はないですかぁぁぁぁ?」
……死んだけど? 怪我どころの話じゃないよ。即死だよ、即死。もしかしてサイコパスか? これは早速【看破】の使いどころが来たな。隙があったら《読取》も使って詳しく調べよう。
「おいおい! 何してくれるんだ!? 死んだぞ!!!」
トテトテと走って来るショートボブの幼女に見える女の子は、背負い籠を背負って弓を手に持ってきた。防具は初心者っぽい革鎧でショートパンツをはいていたのだが、俺は違和感を覚えた。女の子にしては股間が膨らみすぎなのだ。もしかして男の娘ってやつなのかもしれない。そして馬鹿そうに見えても隙がない。リアたちも気づいたようで警戒レベルが上がったが、男たちはなかなかの美少女っぷりにドギマギしていた。
「死んでしまいましたかーー! それではドロップアイテムGETですね! 剥ぎ取りをするのは面倒くさいですが、仕方ありませんねーー! ハギハギ! ハギハギハギ!!!」
マジか……、コイツ。ここダンジョンじゃないんですけど。しかも絶対わざと殺したじゃん。誤射じゃ片づかんだろ!
「ちょっと待て! 死亡した場合の装備は遺族に渡されるかパーティーに引き取られる! お前に権利はないぞ!」
「えぇぇぇぇぇーーー! ドロップアイテムは倒した人に権利があります!」
「それはダンジョンでの話で、ここは森の中だ!」
「んーーー、森型ダンジョン?」
「違ーーーう!」
リリーの兄とサイコ野郎が言い合っているが、勝手にやって欲しい。俺たちは先に進みたいだけだ。
「そもそもコイツはモンスターじゃねぇだろ!?」
「モンスターですよ? 人を襲ってお金を取ろうとした時点で人間の敵です。そこに種族は関係ないのでは? ただ一言だけ。『敵』です!」
微妙に真面なことを言っているが、俺たちからしたらお前もその『敵』なんだけどな。まぁ余計な事は言わないけど。
「それにお金が欲しいなら提案があります。山分けしましょう。私は武器集めが趣味なので、武器をもらえれば十分です。それ以外の現金はそちらにお渡しします。あなたたちはどうします?」
やっと俺たちに話が振られたので、心の底からの希望を言わせてもらおう。
「俺たちはいらないし関わり合いたくないから、お互いに会わなかったことにして今後も接触して来ないで欲しい」
「私は構いませんよ。その方が趣味に没頭できそうですし」
「俺たちは納得できないって言ったらどうするんだ?」
「はぁ? そこで欲を掻くなよ。穏便に終わらせようとしているんだから素直に言うこと聞いとけよ。じゃなきゃ、この娘の取り分が増えて死体も増えるだけなんだからさ。元々襲ってきたモンスターなんだから覚悟もできてるよな?」
「じょ……冗談に決まってんだろ? 俺たちもそれで構わん」
このサイコ野郎に関わらずに済むなら普通に強盗を処理する方を選ぶ。それくらい頭がおかしいと思ったからだ。何故ならダンジョンのくだりでは嘘だと思っておらず、本気で森型ダンジョンだと思っているようだった。まだスキルに不慣れなせいもあるだろうが、この世界の人間で関わり合いになりたくない人物堂々の一位にランクインした人物と出会った瞬間である。
「じゃあコレを運ぶの手伝ってくださーい! それでは他の方々さようなら。約束お願いしますね!」
「お前もな!」
俺たちはサイコ野郎がいなくなってしばらくした後、ようやく警戒レベルをあげることができたのだった。
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~
暇人太一
ファンタジー
大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。
白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。
勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。
転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。
それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。
魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。
小説家になろう様でも投稿始めました。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる