おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一

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第二章 一期一会

第六十八話 同居からの救助要請

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 人化を果たした従魔たちとの関係性も変化した。普通に話せるようになったことで、彼女たちの積極性が増し、今まで我慢してきたことも解禁になった。

 その最たるものが、洞窟での同居である。

 レニーさん含めて戦闘型従魔全員が人化したことで、わざわざ外で暮らす必要はなくなり、お客さんが来ない限りは洞窟内で食事をしたりお風呂に入ったり。

 お風呂は洞窟に来た当初から大浴場を作ってあったからということと、入り方を知らない子たちのために一緒に入ったら、それが普通になってしまった。まぁ家族みんなでお風呂に入っていると思えば大丈夫だろう。未成年だしね。

 タマさんたちにイジられる前に言い訳はしておいた。

 あと魔獣の人化でも女性らしいところはあり、髪の毛やアクセサリーのことも気にする子たちだから、下着も教本とスキルを駆使して前世と遜色ないものを作り上げた。

 タマさんが特許登録がまだだから、女性陣に秘密にするように言っていた。自慢したくなるだろうけど、許可が出る前に話したら嫌われるかもよ? と脅していた。

 さすがに嫌いはしないけど、彼女たちはタマさんの言葉を信じたみたいだ。俺のところに「絶対言わない!」と言いに来た。

 夜は一緒に寝るのだが、一緒に寝るためにベッドから布団に変更して雑魚寝している。
 寝る前の時間はおもちゃで遊んだり、教本や図鑑で勉強したりしている。
 最近分かったのだが、従魔契約していたり召喚したりと、俺と魔力的に繋がっている者はおもちゃの恩恵を受けられるらしい。

 俺よりは多少習得習熟速度は遅いが、元々が魔物や魔獣の従魔たちが人間のスキルを習得できることは奇跡とも言える。

 彼女たちは魔術教本や武術教本を中心に、自分の理想や希望のスキルを習得しようと日々努力している。特にアイラさんは巴御前が好きで、薙刀を使えるスキルや《刀術》スキルに興味が尽きないらしい。

 イムさんは忍者が好きで《双剣術》を習得したいと言い、教本で勉強したりタマさんに聞いたりしている。

 頑張っているからグラスセットを贈ろうかという話になったが、彼女たちはリムくんだけ仲間外れにになるのは可哀想だから、我慢すると言っていた。どこぞの呑兵衛たちに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ。

 リムくんは感動して女性陣に飛びついていた。そのときにアイラさんたちが、「これが主が言うモフモフか……。いいものだ!」と、モフモフにハマっていた。

 モフモフはいいものです。

 しかし勝手に触ってはいけないルールがあると教えておく。親分に勝手に触って死んだとかになったら、またペットロスで病気になりそうだ。

 そして努力をしているのは彼女だけではなく、俺も当然している。オークちゃんとも約束しているし、親分が指導してくれるようになったからだ。

 しかも子分の新人エースを連れて。

 新人エースくんはワータイガーの亜種で、二足歩行のジャガーである。【紅蓮豹虎】という二つ名付きの種族らしい。

 この子分を連れてきたときに俺は衝撃の言葉を親分から聞き、卒倒しかけたのだ。

 それは、俺が子分でなかったという事実だ。

 正確には子分見習いという扱いらしいが、ジャガーくんも似たようなものの中では有望株だから、組手相手に連れてきたと言っていた。

 つまりは、今世初のライバルが登場した瞬間だった。

 この瞬間から、今まで逃げていたことから目を逸らしてはいけないと気づき、人化した従魔たちに訓練の手伝いを頼んだ。

 ジャガーくんは【紅蓮豹虎】と呼ばれている通り、火属性魔法の攻撃も使う。
 火属性攻撃耐性を習得することから逃げていたけど、心を入れ替えた俺はイムさんにお願いした。

 最初は相当嫌がっていたけど、何でもすると言ったら、喜んで引き受けてくれることに。
 何をやらされるんだろうと思っていたが、ただの添い寝だった。ラビくんが毎晩顔面に貼り付いている以外は、人工神金属を作って気絶している。

 だから記憶は全くないが、彼女たちがいいならいいのだろう。

 そう。彼女たちなのだ。

 気絶中の何かが気に入ったのか、全員が立候補している。
 訓練の光景を目撃したエルフは気絶し、親分たち訪問者には正気を疑われた。ラビくんやタマさんには、すでに諦めていると言われている。

 死んでもジャガーくんには負けない。

 その気持ちだけで異常な訓練を続けている。全ては親分やオークちゃんに褒められるために。

 それにこの行動は親分を動かし、俺は子分見習い卒業試験を受けることになった。
 試験内容は、自分の魔力や闘気で自分の化身を具現化すること。自分の本当の姿に近いものしか具現化できないらしく、「最近の若造でできたやつはいない」と言っていた。

 これはやるしかない。

 毎日瞑想して魔力を練っているおかげで少しずつだが、形になってきた。

 具現化は分身のようなもので、武具のようなものでもあるらしい。タマさんが、「六歳児に何をやらせているのよ……」と言っていた。

 さらに驚いてたことがもう一つ。

 樹の高位精霊様と綿花の高位精霊様から精霊契約の打診があり、俺は断る理由もないので受けることに。

 契約に踏み切った理由は、綿花の高位精霊様の事を可愛いと言ったかららしい。
 契約前に大きい姿も見せてもらったが、可愛いと思う気持ちは変わらなかった。もっとモフモフになっていて、背中で寝たいと思ったくらいだ。

 ラビくんは背中によじ登っていたしね。

 契約方法は従魔契約と同じで名前をつける。樹の高位精霊様は前世の世界三大銘木から、「カリュオン」と名付けた。
 綿花の高位精霊様には白くてフワフワということと、『くも』をかけて「ネポス」と名付ける。

 契約完了と同時に《精霊視》が覚醒し、高位精霊様たちに付き従っている精霊たちの姿が確認できるようになった。

 高位精霊様たちは「これでもう隠れられないな」と、周囲の精霊たちに向かって言い放ち、精霊たちは蜘蛛の子を散らすように四方に散らばっていった。

 それと、今までネーミングセンスのなさを発揮していたのに、高位精霊様たちはカッコいい名前だと、ラビくんやリムくんから抗議を受けたのだが、愛称を聞いた後のラビくんたちは満面の笑みを浮かべることに。

 カリュオンさんは「カーさん」、ネポスさんは「ネーさん」だ。

 ネーさんはともかく、カーさんは落ち込んでいた。「俺は男だ……」と呟きながら。

 彼らは同じ森で領域も近ければ転移みたいなことができるらしいから、夜に来てはご飯を食べたり教本を読んだりしてから帰宅する生活を送っている。

 カーさんは侍に興味を持ち、俺が買った特上模造刀も気に入っていた。
 そこでカーさんやレニーさんたちから要望を聞いて、旅立ちの日に合わせて装備を用意し始めるのだった。

 ◇

 三年で大きく変わったが、今日は久しぶりにお休みをいただき、みんなで遠足に行くことに。

 神子の成人式と職業授与の儀式をするために、村人総出で町に行き祝うんだと。まぁ村人のほとんどは兵士や使用人の家族だから、全員参加するだろうよ。
 タマさんが託宣すると憂鬱そうに言っていたから、ようやく授かるのかと思った。

「ねぇ、アーク! 今日はどこに行くの?」

「この前イムさんたちが見つけた秘密の場所と、伯爵の村を挟んで反対側の湖に行きたいなと思ってるよ」

「この寒い中、湖まで行くの?」

「最高の素材を唐揚げで食べてみたくはないかい?」

「唐揚げ! タマさんも疲れて帰ってくるだろうから、是非とも唐揚げを用意してあげなきゃね!」

「そうでしょ、そうでしょ!」

 エルフたちは逃亡の恐れはないが、中層の森を移動するくらいなら農園にいるそうだ。
 さすがに彼女たちも心が砕け、今では食事も一緒に取っている。でも隷属の首輪を使用しているから、おもちゃの効果はない。ただただ、リバーシで遊んでいる。ハマったとも言う。

 ちなみエルフたちには言っていないが、これから行く秘密の場所は深層である。
 三年で親分の道案内がなくても行けるようになり、オークちゃんの領域になった岩場にも行っている。

 もちろん、オークちゃんに会うためだ。

 訓練のためでもあるが、お菓子を持って行ったりお酒を持っていったりしている。

 親分のところとは違い、オークちゃん以外のオークとは会ったことがない。多分認められていないのだろう。

 オークちゃんに迷惑をかけているかもと思ったが、めちゃくちゃ怒られたから二度と考えないようにしている。

「イムの上に乗る?」

「お馬さんでってこと?」

「そう!」

「今日は走って行こうかな。イムさんは道案内をして欲しいな」

「むー……」

「帰りに荷物が多かったら、お願いしようかな」

「うん!」

 全員が準備を整えると、イムさんを先頭にして走り出した。
 順番はイムさん、俺、ラビくんが乗ったリムくん、レニーさん、メルさん、アイラさんの順だ。

 俺とイムさんは木の上も平気だから、ほとんど一直線に駆けている。リムくんたちは後続の誘導係である。

 カーさんたちは日中は領域の仕事をしているから、遊びに来るのは夜だけだ。

 お休みと言われてても常に訓練のことを考えてしまい、知覚系のスキルを発動していたり、探知系のスキルを発動していたりしながら、身体系のスキルで樹上を走る。

 すると、あと少しで到着というところで、とてもか細い声が聞こえてきた。

 ――助けて! と。

「予定変更! 声の元に至急向かう!」

 イムさんと場所を変わり、魔力を放出しながら《魔力探知》の範囲を広げていった。

 場所は白虎さんの領域近くだ。

「幻獣狩りだ!」

「えぇぇーー! またぁぁぁーー!」

 ラビくんの言うとおりだ。クソババアよ、神子の大切な日なんだから大人しくしておけよ。

『やめてーー! 離してーー!』

 西洋模造剣を取り出して、《魔力圧縮》したあと《武器強化》を発動する。

 棍棒の代わりにするだけだから、刃は不要なのだ。牽制で投げっぱなしブーメランを投げ、護衛が防いだ隙に子熊を掴んでいる男の懐に入り込み、手首に模造剣を振り下ろす。

 以前、町で泥棒の足を砕いたときのような不愉快な音が聞こえたが、無視して護衛の方向に向かって蹴り飛ばす。

「もう大丈夫だからね。ラビくん、お願い!」

「任せてーー! リムくん、ゴーー!」

「ガウッ!」

「レニーさん、捕縛しておいて!」

「任せよ」

 別働隊がいないか俺とメルさん、アイラさんとイムさんに分かれて周囲を索敵する。
 アイラさんは元々蛇だったこともあり、索敵能力が高い。イムさんの獣人の能力と合わせれば見逃しはないだろう。

「こっちはいないね」

「本当に良かったです。でも話に聞いたとおりなら、これから親熊との攻防があるんですよね?」

「そうなんだよね。白虎さん来てくれないかな」

 とりあえず奴隷商と護衛の処分をどうするかとなり、念話でカーさんを呼ぶことにした。

『奴隷商が来たから白虎さんの領域近くまで来て欲しいんですが?』

『今行くわ!』

 《念話》のスキルが上がり、魔力的な繋がりがあれば多少遠くても話せるようになった。ただし、魔力を消費するけどね。

 奴隷商一人と護衛が二人。どちらも奴隷だ。実行犯は二人だった。もう一人はアイラさんの方にいて、逃亡を図ろうとしたらしく足を折られていた。

「待たせた!」

「待ってました!」

「道具だろ? 渡しておくって言ったじゃないか」

「カードも必要なら一緒に管理しておいて欲しいんですよ」

「それもそうか。それにしてもなかなか敬語が取れないな」

「年上で格上ですからね! すぐは無理です!」

「……年上で格上ね。微妙に納得しづらい……」

「そんなことよりもカードの回収と全裸の刑は終了したので、この子の親に事情を説明して欲しいんですが」

 ラビくんと子熊がいるところにカーさんを連れて行き、親熊との攻防を回避するため説明を頼む。

「――えぇえぇぇぇーーー!」

「どうしました!?」

「こ、この子は……【武帝獣】の姫じゃん……」

「え? 誰の姫ですって?」

「アーク! ぶーちゃんの孫だって!」

「えぇぇーーー!」

 今回は、運でどうにかなる相手ではないことが確定した瞬間だった。

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