おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一

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第二章 一期一会

第六十四話 泥棒からのボロ儲け

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 朝の早い時間は、町の北側にある港の方に警備員の多くが割り当てられるらしく、この時間帯を狙った泥棒が多発しているそうだ。

 警備員が来るまでの間、近くの商人たちの情報交換に耳をそばだてていたことで知った。《聞き耳》スキルがいい仕事をしている。

 結論、対処しろや!

 多発を許すとか……勘ぐっちゃうよ? クソババアの仕業じゃないかって。

「お待たせしました! 賊はこちらで預かります。身柄を引き渡してもらってもよろしいでしょうか?」

「うん? 捕らえたものは奴隷としたいのだが?」

「――はっ? 一応……領民ですから、それは無理かと……」

「すまんな。田舎者ゆえ分からないのだが、犯罪者は犯罪奴隷になるのだろう? 捕縛した者に権利があると聞いたのだが、町では違うということか?」

 レニーさんが確認していることは、将来的に町の中で襲われたときに奴隷にできるかを聞いてもらっている。

 コウさん曰く、可能らしい。しかし、組合という組織や町の警備隊がいるのだから、金銭と引き換えに引き渡すのが普通だ。

 ただし、信用できる組織であるという前提条件が満たされた場合のみだ。引き渡した後に逃げられでもしたら、復讐されることは目に見えている。

 つまり、遠回しに対処を怠っている組織は信じられないと言っているようなもので、相手からしたら喧嘩を売られているようにしか感じられないだろう。

「……町の外や田舎では捕縛者に権利がありますが、町では私たち町の人間に権利があります。特にここは組合の敷地内です。私たちが責任を持って預かりますよ」

「ふむ。責任があったのに泥棒が多発しても放置していたと……。では、責任を持っている警備員の方々にお聞きしたい。此度の不始末の責任をどうとってくれるのかを。馬車を傷つけられ、馬にストレスを与え、吾輩たちを拐かそうとした責任をどう取る? 責任を持って対処をしてもらおう」

 レニーさん……。意外に怒ってる? 馬車のところを強調してたから、馬車を傷つけたことがムカついたのかな? 試作だからいいのに……。

「……見たところ商品は無事ですから、引き渡しの手数料だけになりますね」

「ほう……。そうか。大した組織だな」

 このままだとレニーさんがキレそうだ。いつも温厚なレニーさんがキレるとか……想像するだけでも恐ろしい。

 ここは阿呆の子作戦パートツー!

「クンクン、クンクン! あれれぇー? おっかしいぞー! おじさんからお酒と女の人の汗の臭いがするーー! 港にいたのに海の臭いがしないぞーー!」

「――なっ! なんだ!? このガキは!?」

「クンクン、クンクン! あっ! この泥棒と同じ臭いがするーー!」

「私を侮辱する気かっ!」

「ふぇっ? 侮辱って何ーー? 僕は査定してもらいに馬車に来たの! そしたら泥棒が襲ってきたって聞いて心配になっただけだよ? それに頻繁に起きてるんだって! 怖いところだね! 村に帰ったら、みんなに教えてあげないと! 泥棒に襲われるけど、補償はしてくれないよって!」

「なんだと!? 組合の評判を落とそうと言うことか!?」

「え? 違うよーー! 僕の村は【商神】様を信仰しているから、神様に報告しようと思ってるだけ! 神様に届きますようにって、そっちのお姉さんみたいに大きな声で報告するから、そのときにみんなに聞こえることになっても仕方がないよね? それに、僕みたいな子ども一人が言う言葉で評判が落ちるほど、小さな組織じゃないでしょ? もう! 変なこと言うおじさんだなーー!」

「……おじさん。クソガキが……」

 警備員もグルなら、泥棒たちは完全にクソババアの配下だな。この町の商業の発展はクソババアのおかげっていうのが、クソババアの第一夫人としての評価だ。

 しかし、商人としての評価は真逆の悪徳商人である。商人の間で知らない者はいないらしい。
 忠臣メイドが苦手だって愚痴っていたから、要注意人物として情報を集めていたのだ。そして判断は間違っていなかった。

『ラビくん、メルさんたちに指示して。泥棒の足を折ってしまえって。レニーさんが立たせた後、俺が近づいてメルさんたちの方に転ぶようにするから、ストレスによる興奮状態で通せる今、やってしまえって!』

『ラジャー!』

「ほれ、立て。優しいおじさんが迎えに来てくれたぞ?」

「クンカクンカ、クンカクンカ! あれれ? 泥棒さんたちオークの媚薬の匂いがするね! 女の人の汗の臭いも! あれを常備している娼館は限られているから、すぐに拠点が見つけられるね! 冒険部の受付に教えてあげなきゃ!」

「――っ! このクソガキがっ!」

「うわっ! 怖いよっ!」

 ドンッ! と、メルさんたちの方に突き飛ばす。

「うわっ!」

 突き飛ばされた泥棒たちは拘束されていることもあって、よろめきながら倒れ込み、メルさんたちの体にぶつかって倒れた。

「ヒヒーン!」

 驚いたような演技をしながら振り上げられた前足は、泥棒の膝を目掛けて振り下ろされる。

 言い表せない不愉快な音が鳴り響き、泥棒は恐怖と痛みにより泡を噴きながら気絶した。いろんなものを垂れ流し、異臭を辺りにまき散らしながら……。

「ほれ、連れて行け。ただし、度重なるストレスによって興奮状態の馬には近づかないことだ。まぁ同じようになりたいなら話は別だがな」

「こんなことしていいと思ってるのか?」

「驚いた! 仲間だったのか? こいつらは犯罪者なのだが? まだ御託を並べるなら、今回のことについての陳情を領主と組合の総本部に出そう。多くの目撃者を全て黙らせることができるなら、頑張って黙らせるがいい。吾輩は【法神】様の神殿がある村に赴き、今回のあらましについて報告しようではないか」

 この世界は神様が大精霊様ということもあって、前世よりも神様が身近な存在である。全ての願いに応えることはないが、興味が湧いたことについては聞き届けてくれることもある。

 各神様の神殿は上位精霊様が管理していたり、中位精霊様の家だったりするため、大精霊様に報告してもらえることがあるのだ。

 精霊について詳しいエルフの知識を取り込んだレニーさんに、精霊関係で言い合うのは分が悪い。

 いい加減分かれ、阿呆がっ!

「おじさん、早くしてくれないかな? 職業訓練って言っても暇じゃないんだよ? お姉さんも時間は有限だって言ってたよ! 門限もあるしさ! それとも警備員の上司さんを呼んで来た方がいい? おじさんは、お酒のせいでフラフラしてて仕事ができないみたいですって言えば来てくれると思うな!」

「……覚えてろよ」

 すれ違いざまにボソッと呟く警備員に……

「イヤでーす」

 と、小さく短く返した。

「さぁ、邪魔者はいなくなりました! お姉さん、査定をお願いします!」

「ええ……。この革を取ってもらってもいいかしら?」

 メルさんたちにビビってるのかな? 本来は優しい子たちなんだけどな。

「はい。こちらになります。木箱は全部で三十箱あります。商品は二種類だけで、それぞれ十五箱ずつです。クリーム状の方は、一箱に千五百個入っています。丸薬の方は、一箱に五百個入っています。丸薬は容器一つに六十五粒入っています」

「ま……まさか……。商品は……」

「はい。ご想像の通りかと。薬包の持ち合わせがなく、容器にまとめて持ってきました。そちらで包んでくれるのなら、多少買取額を減らしても良いと言われています。それでは査定をお願いします!」

『アーク! 阿呆の子の演技を忘れてるよ!』

『そうだった!』

「ふぅー……、練習通り言えたーー!」

 ……誤魔化せられただろうか? 一応演技を忘れたことで噴き出た汗を拭ったから、演技には見えないはず。

「少々お待ち下さい……」

 あまりの個数に焦ったお姉さんは大声を出すことも忘れ、大急ぎで助っ人を呼びに行った。

「もし、少しいいかね?」

「……どうしました?」

 早速来たか……。《害意察知》持ちを舐めんなよ? ずっと機会を窺っていたのは知っている。

「いやね、優秀な子どもだなと感心して、つい声をかけてしまったよ。……それでどうかね? うちに奉公に来ないかね?」

「せっかくの申し出ですが、すでに奉公に出ていますので……」

「おや? 今回は破談になるかもしれないというのに? これだけの商品を廃棄なんてことになったら、君の立場がないだろう? うちに来れば口を聞いてあげるよ?」

「結構です。破談になるということは需要がないということです。その情報を得られたことで、たとえ商品が廃棄になったとしても、完全な無駄にならずに済みます。今後はここではない別のところに卸せばいいだけです。――と、上司が言ってましたー!」

「……後悔しないならいいんだよ。まだ子どもだから分からないこともあるかと思うが、慢心しないようにね」

 ニタニタ笑って組合の中に入っていった。どうせ根回ししに行ったんだろ。分かりやすすぎる……。

「あのおじさん、イムがムギュッってしようか?」

「プッ! ダメだよ……。すぐ死んじゃうからさ」

「ズルいぞ」

「え? 何がです?」

「それだ。吾輩たちには敬語というもので話しているだろう。イム殿にはラビ殿のように話している」

「あぁ……。まぁ格上ですし、話し方に引っ張られるんですよね」

「吾輩たちもイム殿と同様に話してもらいたい」

「「ヒヒーン!」」

「……善処します」

 そういえば、コウさんは何してるんだろう?

『ラビくん、コウさんは?』

『密告してるよ!』

『誰に?』

『【大老】……森の大精霊様に!』

『何で?』

『【総合職業組合】は森の大精霊様の管轄だし、この大陸は【法神】である氷の大精霊様と、【戦神】である雷の大精霊様の守護領域だからね! 森の大精霊様経由でチクってるんじゃないかな! 上空に氷の大精霊様の部下たちが来ているからね!』

『この大陸には二柱の大精霊様がいるの!? すごい!』

『五つの大陸のうち四つは二柱ずついるよ! 唯一無二の一柱だけで守護している大精霊様が、コウさんの上司の森の大精霊様なんだよ!』

『さすが! ラビペディア大先生! 詳しい!』

『うむうむ! 褒め称えよ!』

 可愛い……。いろいろ気になるけど、ラビくんの可愛さで全てが吹っ飛ぶ。

「お待たせしました……。量が量なので、半額ほどの買取価格になってしまいます」

「どちらも?」

「……はい」

 あの男がニタニタ笑っているが、俺としては在庫処分品だから値段がつくだけで十分だ。

「では、クリームは一つ銅貨三枚(三百フリム)で、丸薬の方は五粒で銅貨一枚と穴鉄貨五枚(百五十フリム)といことですね?」

「そうです」

「分かりました。それでお願いします!」

 こいつらは阿呆なのか? 量を考えろよ。

「ではこちらにサインを……」

「……対象商品が違います。クリーム状の媚薬と、丸薬状の精力剤が僕たちが持ってきた商品です。契約書には馬車含む全てと書かれています。組合は人身売買にも手を出したのですか? この契約書はもらっていきます。取引はなしで結構ですので。これを本部に届けます! 失礼します!」

「ちょっと困ります! 取引しないなら返してください!」

 さすがに可愛いペットたちを売れと言われ、我慢の限界に達した。

「お姉さん――調子に乗んなよ?」

「ふぇっ? ――あぁぁっぁぁぁぁ!」

 至近距離で呟きながら《威圧》を放っただけ。それもほんの少しだけ。

「どうしたの? お姉さん! 大丈夫!?」

「やめ……やめ……」

「え? 契約書を書き直す? しょうがないなー! チャンスは一回だけだよ?」

「は……はい……」

 二度目は《威圧》スキルの効果のおかげで、しっかりとした契約書だった。

 代金はクリームが、六百七十五万フリム。
 丸薬の方が、一千四百六十二万五千フリムとなり、金貨二百十三枚と銀貨七十五枚をもらった。

 これから材料費や人件費、運搬費などを引いて計算をするんだろうが、俺は全部自前だ。

 使ったとしても人件費や道具代くらいだろう。

『鏡餅の貯金くらいにはなったね!』

『ほぼ毎日採れるオークのおかげで、ボロ儲けだよ! これは爆買いしろとのお達しだね!』

『お酒も忘れないでよ!』

『もちろん!』

「いざ! 爆買いへ! 発進!」

「「ヒヒーン!」」

 さらば、お姉さん。また会う日まで。

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