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第一章 隠遁生活
第二十九話 神器からのドM勇者
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神子派兵士から横取りした神子の祝福つきナイフだ。見た目はマットないぶし銀色に、紫色の狼と深緑色の世界樹っぽい大樹の飾りがついている。
一度抜いたときに見たのだが、刀身は黒地にほのかに金色に光るダマスカス風の刃文がある。
ナイフの種類はドロップポイントのシースナイフだが、小烏丸のように峰の半分くらいまでは両刃造りになっており、ダガーとしても使用できそうな代物だった。
でも見た目が気になったわけではなく、抜いたときに刀身から感じた魔力濃度と密度が尋常ではなく、一介の兵士が持つには分不相応に感じたのだ。どこかの国の国宝ですと言われても信じてしまうほどに。
さらに刀身の傷のなさが際立っていた。ナイフだというのに使用せずに飾っていたかのような綺麗さに、金色の刃文の輝きも相まってついつい見とれてしまっていた。
思わず金色を濃くしようと大量の魔力を込めてしまったが、いくら込めても器の底が見えず、怖くなってすぐに鞘にしまうことにした。それから今までの半日ほど放置している状態だ。
「このナイフって何か分かります?」
「それって……」
「それは……」
おや? ラビくんも知っているみたいだ。
「どこでそれを?」
「神子派の兵士が持っていたので、餞別にいただいてきました」
「……そうですか。何かを話す前に、ナイフに魔力を込めましたか?」
「はい。底が見えなくて怖くなったので、鞘に戻して放置しています」
そう、みんなで見れば怖くない。
この機会に全員で確認してしまおうという考えを持って質問してみたのだ。
「……遅かったようですね。では洞窟の外に出て抜いてみましょう。何が出るか楽しみですね」
「え? 何か出るの?」
「えぇ」
ラビくんは最初は驚いていたが、魔力を込めたと聞いた後はワクワクした顔をして大人しく待っている。
「と言っても、狼しか出てきませんけどね」
「……狼? どんな?」
「それはいろんなだよ。魔力の量や質によって変わるの」
ラビくんが少し興奮気味に話す。
「毎回?」
「アルファは最初に決定するっていうのは知ってるけど、毎回魔力を込めていなかったから詳しくは分かんないかな。そもそも狼を出すためのナイフじゃないしね」
じゃあどんなナイフなのかということと、狼の役割を教えて欲しい。
「まずはナイフの説明をお願いします」
「分かりました。このナイフは回収されていなかった【神器】です。過去最強の勇者と名高い狼獣人のために用意されたものです。彼は勇者としては普通の能力でしたが、アルテア様への信仰心と霊王や精霊への信仰心が強く、勇者の鑑のような性格をされていました。それを評価したアルテア様が、彼の能力を高めるための道具を用意したのです。結果、彼は最強と呼ばれるに至ったわけです」
神器……。返さなくていいのか?
「魔力を込める前なら回収をしたのですが、込めた後では不可能なんです」
「もしかして……狼のせい?」
「そうです。込めた魔力量や属性などの情報を基に生まれた狼は、登録者が死ぬまで付き添います。どちらか片方だけというのは不可能なんです。狼の誕生は神器を使える魔力量があることと、使用者制限の登録のためです」
「他の人に盗られずに済むってこと?」
「盗られても狼の姿になってナイフを咥えて戻ってきます。狼は、ナイフという道具を媒介にした召喚獣だと思っていただければ良いです」
じゃあ狼の召喚獣のおかげで最強だったのか? ナイフの意味ある?
「そんなに強い狼だったのですか?」
「狼自体はそこら辺にいる普通の狼でしたよ。しいて言えば、前所有者の狼獣人の適性属性である雷属性を持った紫色の狼でした。属性色が紫なので」
「雷属性を持ってたのに普通の能力の勇者って……」
「獣人は魔力が少ないし、伸ばそうとしませんから宝の持ち腐れですね。しかし当時の魔王が物理攻撃無効の死霊系でしたので、【霊王】が便宜を図り神器を貸与することになったのです」
「さすがモフモフの王様! 優しい!」
なぜかラビくんが「いや~」と照れている。霊王様と知り合いなのかもな。詳しかったし。
「ですが、貸与です。神子である勇者はアルテア様の加護である【寵愛】を受けています。魔王討伐後に、三段階の加護の真ん中の【祝福】を受けることになっていました。そのときに返還されるはずだったのですが、欲をかいて返還する前に難関の大迷宮に潜ってナイフを使うということをし、彼は帰らぬ人になり神器も回収できずに遺されることになったのです」
ますます気になるな。ナイフの能力が。
敬虔な信者だから貸与を許されたナイフなのに、ナイフの能力を知って信仰心が薄れるとか、どんな能力のナイフだよ。
加護については、【加護】【祝福】【寵愛】と三段階になっていて、それぞれの効果が神様や精霊によって違うんだとか。
ということは、曲がりなりにも神子である我が兄上もアルテア様の【寵愛】を有しているということだ。
とてもそうは見えないけど……。
「では、どんなナイフだったかという説明をさせていただきます。ナイフの名前は【リムーブナイフ】といい、あらゆるものを切り取り移せる能力を持っています。召喚獣である狼も召還時と顕現中、神器の能力使用時に所有者の魔力を消費しますが、同様の能力を使用可能です。それに加えて成長型武器ですので、育成すれば狼が成長していきます。ナイフは変わりません。以上です」
「あらゆるものというと、魔力やスキルも?」
「そうですが、魔王討伐のために貸与された武器ですので人間を殺したり、人間の職業やスキルに対しては効果を発揮しません。魔物限定です。当然、神格を有する大精霊級の精霊や霊王などにも効果はありません」
「魔物や魔獣に対しては無制限なんですか?」
「んーーー……、個体によります。強い個体からは複数のスキルや魔法を切り取れますが、弱い個体からは一つだけの場合が多いです。共通していることは、個体一つに対して一回だけということです。
あと切りつけた場所に関係する能力を切り取りやすいです。魔法や魔力スキルが欲しいのなら、魔核に近いところを切りつけなければ確率は低いです」
俺の職業よりもチートでは?
「もしかしてその狼獣人はナイフの効果でスキルや魔力を増やしたのですか? 努力は?」
「そうです。努力がないことを嫌うアルテア様は、ナイフを使う上で重要な条件を付け加えることにしました。切り取った能力を移すときは、切り取った直後に自分の体にナイフを刺すということです。切り取ったものを破棄するか移動するか決めるまでは、通常のナイフとしてしか機能しないように封印されます」
「封印期間は?」
「丸一日です。超過すると切り取られたものは消滅します。一旦移してということも不可能です」
でも、そんなにためらうことか?
「人間を傷つけられないナイフなら痛くないんじゃないですか?」
「切り取ったものは自分以外にも移せるんですが、誰もが一回でやめてしまいましたよ。所有者以外は。理由は切り取ったものを移す場合に限り痛みが発生するのです。しかも希少性や能力の高さに比例して痛みが増すという、新しい扉を開きかねない凶悪性を有していたのです。所有者は見事に扉を開けることができたのです」
努力の苦痛を凝縮して一回にまとめて喰らったら、この痛みになりますってことかな。
「じゃあ死体はどうです?」
「……どういう意味です? 能力や魔力の切り取りは生きているとき限定ですよ」
「違います。たとえばボアの肉があって可食部分を切り取るって念じてナイフを入れたら、解体時に楽できるかと思うんですが」
「……ちょっと待ってください。資料を確認します。そのような使い方はされていませんでしたので……」
鑑定いらずでモツとか食べれるかもしれないじゃん。兎さんであるラビくんは野菜だろうけど、狼くんはお肉や内臓が食べたいだろうしね。
「……できるみたいですね。死体は試していませんでしたが、強力な個体なら鮮度によっては能力が残っていることもあるみたいです。それからものであれば解体と念じた上で、条件を複数つけられるので、個体一つに複数回の使用と似たようなことができるみたいです」
「やった! モツが食べられるのは嬉しい。毒の判別もできるようになるしね。そういえば鮮度で思い当たることが一つ。人間の死体は?」
「……魔物と同様です。死んだ時点で物として認識されるので……」
「じゃあアイテムとかの能力も移せるってことか」
「……そうですね。でも移動は一回だけですからね。能力の使い回しはできません」
それでも十分嬉しい仕様である。
「では狼くんの成長はどうやれば? ナイフを狼に突き刺すのはちょっと……」
「『吸収』といって切り取ったものを食べるように指示を出せばいいんですよ。前所有者は契約時以外は召喚することはありませんでしたので、吸収させず成長もありませんでした」
「なんて酷いことをっ! ソイツは狼獣人の恥だな。ソイツの本なら書斎で読んだけど、ソイツに憧れて従魔や召喚獣を持つのが獣人たちの憧れやステータスだって書いてあったのに……。とんだパチモン野郎じゃないか」
「で……でも、召喚獣は召還時と顕現中は契約主の魔力を消費するからね。魔力量が少ない獣人には大変だったのかもよ?」
ラビくんは優しすぎるよ……。
「ドM勇者は切り取りまくって魔力量を増やした後も召喚しなかったんだよ? クソ野郎じゃないか」
「……ドM……。彼の子孫がとある国の王族になっていますので、発言に気をつけてくださいね。紫の狼獣人の勇者とドM勇者を結びつけてはいけません」
「「え……?」」
なぜかラビくんも驚いていた。
「ラビくんもドM勇者のことを知ってるの?」
「……知らない。でも帰らぬ人なのに子孫はいたんだって思って」
「そういえばそうだね」
「政略結婚というもので、魔王討伐前にもしものことがあってもいいようにと、こしらえておいたのですよ」
「「なるほど……」」
説明を受け終え、早速マイ狼と対面するために洞窟の外へ向かうことにした。
一度抜いたときに見たのだが、刀身は黒地にほのかに金色に光るダマスカス風の刃文がある。
ナイフの種類はドロップポイントのシースナイフだが、小烏丸のように峰の半分くらいまでは両刃造りになっており、ダガーとしても使用できそうな代物だった。
でも見た目が気になったわけではなく、抜いたときに刀身から感じた魔力濃度と密度が尋常ではなく、一介の兵士が持つには分不相応に感じたのだ。どこかの国の国宝ですと言われても信じてしまうほどに。
さらに刀身の傷のなさが際立っていた。ナイフだというのに使用せずに飾っていたかのような綺麗さに、金色の刃文の輝きも相まってついつい見とれてしまっていた。
思わず金色を濃くしようと大量の魔力を込めてしまったが、いくら込めても器の底が見えず、怖くなってすぐに鞘にしまうことにした。それから今までの半日ほど放置している状態だ。
「このナイフって何か分かります?」
「それって……」
「それは……」
おや? ラビくんも知っているみたいだ。
「どこでそれを?」
「神子派の兵士が持っていたので、餞別にいただいてきました」
「……そうですか。何かを話す前に、ナイフに魔力を込めましたか?」
「はい。底が見えなくて怖くなったので、鞘に戻して放置しています」
そう、みんなで見れば怖くない。
この機会に全員で確認してしまおうという考えを持って質問してみたのだ。
「……遅かったようですね。では洞窟の外に出て抜いてみましょう。何が出るか楽しみですね」
「え? 何か出るの?」
「えぇ」
ラビくんは最初は驚いていたが、魔力を込めたと聞いた後はワクワクした顔をして大人しく待っている。
「と言っても、狼しか出てきませんけどね」
「……狼? どんな?」
「それはいろんなだよ。魔力の量や質によって変わるの」
ラビくんが少し興奮気味に話す。
「毎回?」
「アルファは最初に決定するっていうのは知ってるけど、毎回魔力を込めていなかったから詳しくは分かんないかな。そもそも狼を出すためのナイフじゃないしね」
じゃあどんなナイフなのかということと、狼の役割を教えて欲しい。
「まずはナイフの説明をお願いします」
「分かりました。このナイフは回収されていなかった【神器】です。過去最強の勇者と名高い狼獣人のために用意されたものです。彼は勇者としては普通の能力でしたが、アルテア様への信仰心と霊王や精霊への信仰心が強く、勇者の鑑のような性格をされていました。それを評価したアルテア様が、彼の能力を高めるための道具を用意したのです。結果、彼は最強と呼ばれるに至ったわけです」
神器……。返さなくていいのか?
「魔力を込める前なら回収をしたのですが、込めた後では不可能なんです」
「もしかして……狼のせい?」
「そうです。込めた魔力量や属性などの情報を基に生まれた狼は、登録者が死ぬまで付き添います。どちらか片方だけというのは不可能なんです。狼の誕生は神器を使える魔力量があることと、使用者制限の登録のためです」
「他の人に盗られずに済むってこと?」
「盗られても狼の姿になってナイフを咥えて戻ってきます。狼は、ナイフという道具を媒介にした召喚獣だと思っていただければ良いです」
じゃあ狼の召喚獣のおかげで最強だったのか? ナイフの意味ある?
「そんなに強い狼だったのですか?」
「狼自体はそこら辺にいる普通の狼でしたよ。しいて言えば、前所有者の狼獣人の適性属性である雷属性を持った紫色の狼でした。属性色が紫なので」
「雷属性を持ってたのに普通の能力の勇者って……」
「獣人は魔力が少ないし、伸ばそうとしませんから宝の持ち腐れですね。しかし当時の魔王が物理攻撃無効の死霊系でしたので、【霊王】が便宜を図り神器を貸与することになったのです」
「さすがモフモフの王様! 優しい!」
なぜかラビくんが「いや~」と照れている。霊王様と知り合いなのかもな。詳しかったし。
「ですが、貸与です。神子である勇者はアルテア様の加護である【寵愛】を受けています。魔王討伐後に、三段階の加護の真ん中の【祝福】を受けることになっていました。そのときに返還されるはずだったのですが、欲をかいて返還する前に難関の大迷宮に潜ってナイフを使うということをし、彼は帰らぬ人になり神器も回収できずに遺されることになったのです」
ますます気になるな。ナイフの能力が。
敬虔な信者だから貸与を許されたナイフなのに、ナイフの能力を知って信仰心が薄れるとか、どんな能力のナイフだよ。
加護については、【加護】【祝福】【寵愛】と三段階になっていて、それぞれの効果が神様や精霊によって違うんだとか。
ということは、曲がりなりにも神子である我が兄上もアルテア様の【寵愛】を有しているということだ。
とてもそうは見えないけど……。
「では、どんなナイフだったかという説明をさせていただきます。ナイフの名前は【リムーブナイフ】といい、あらゆるものを切り取り移せる能力を持っています。召喚獣である狼も召還時と顕現中、神器の能力使用時に所有者の魔力を消費しますが、同様の能力を使用可能です。それに加えて成長型武器ですので、育成すれば狼が成長していきます。ナイフは変わりません。以上です」
「あらゆるものというと、魔力やスキルも?」
「そうですが、魔王討伐のために貸与された武器ですので人間を殺したり、人間の職業やスキルに対しては効果を発揮しません。魔物限定です。当然、神格を有する大精霊級の精霊や霊王などにも効果はありません」
「魔物や魔獣に対しては無制限なんですか?」
「んーーー……、個体によります。強い個体からは複数のスキルや魔法を切り取れますが、弱い個体からは一つだけの場合が多いです。共通していることは、個体一つに対して一回だけということです。
あと切りつけた場所に関係する能力を切り取りやすいです。魔法や魔力スキルが欲しいのなら、魔核に近いところを切りつけなければ確率は低いです」
俺の職業よりもチートでは?
「もしかしてその狼獣人はナイフの効果でスキルや魔力を増やしたのですか? 努力は?」
「そうです。努力がないことを嫌うアルテア様は、ナイフを使う上で重要な条件を付け加えることにしました。切り取った能力を移すときは、切り取った直後に自分の体にナイフを刺すということです。切り取ったものを破棄するか移動するか決めるまでは、通常のナイフとしてしか機能しないように封印されます」
「封印期間は?」
「丸一日です。超過すると切り取られたものは消滅します。一旦移してということも不可能です」
でも、そんなにためらうことか?
「人間を傷つけられないナイフなら痛くないんじゃないですか?」
「切り取ったものは自分以外にも移せるんですが、誰もが一回でやめてしまいましたよ。所有者以外は。理由は切り取ったものを移す場合に限り痛みが発生するのです。しかも希少性や能力の高さに比例して痛みが増すという、新しい扉を開きかねない凶悪性を有していたのです。所有者は見事に扉を開けることができたのです」
努力の苦痛を凝縮して一回にまとめて喰らったら、この痛みになりますってことかな。
「じゃあ死体はどうです?」
「……どういう意味です? 能力や魔力の切り取りは生きているとき限定ですよ」
「違います。たとえばボアの肉があって可食部分を切り取るって念じてナイフを入れたら、解体時に楽できるかと思うんですが」
「……ちょっと待ってください。資料を確認します。そのような使い方はされていませんでしたので……」
鑑定いらずでモツとか食べれるかもしれないじゃん。兎さんであるラビくんは野菜だろうけど、狼くんはお肉や内臓が食べたいだろうしね。
「……できるみたいですね。死体は試していませんでしたが、強力な個体なら鮮度によっては能力が残っていることもあるみたいです。それからものであれば解体と念じた上で、条件を複数つけられるので、個体一つに複数回の使用と似たようなことができるみたいです」
「やった! モツが食べられるのは嬉しい。毒の判別もできるようになるしね。そういえば鮮度で思い当たることが一つ。人間の死体は?」
「……魔物と同様です。死んだ時点で物として認識されるので……」
「じゃあアイテムとかの能力も移せるってことか」
「……そうですね。でも移動は一回だけですからね。能力の使い回しはできません」
それでも十分嬉しい仕様である。
「では狼くんの成長はどうやれば? ナイフを狼に突き刺すのはちょっと……」
「『吸収』といって切り取ったものを食べるように指示を出せばいいんですよ。前所有者は契約時以外は召喚することはありませんでしたので、吸収させず成長もありませんでした」
「なんて酷いことをっ! ソイツは狼獣人の恥だな。ソイツの本なら書斎で読んだけど、ソイツに憧れて従魔や召喚獣を持つのが獣人たちの憧れやステータスだって書いてあったのに……。とんだパチモン野郎じゃないか」
「で……でも、召喚獣は召還時と顕現中は契約主の魔力を消費するからね。魔力量が少ない獣人には大変だったのかもよ?」
ラビくんは優しすぎるよ……。
「ドM勇者は切り取りまくって魔力量を増やした後も召喚しなかったんだよ? クソ野郎じゃないか」
「……ドM……。彼の子孫がとある国の王族になっていますので、発言に気をつけてくださいね。紫の狼獣人の勇者とドM勇者を結びつけてはいけません」
「「え……?」」
なぜかラビくんも驚いていた。
「ラビくんもドM勇者のことを知ってるの?」
「……知らない。でも帰らぬ人なのに子孫はいたんだって思って」
「そういえばそうだね」
「政略結婚というもので、魔王討伐前にもしものことがあってもいいようにと、こしらえておいたのですよ」
「「なるほど……」」
説明を受け終え、早速マイ狼と対面するために洞窟の外へ向かうことにした。
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