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第1章 転生からの逃亡
第18話 茶番寸劇
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クソメイドのテントに駆け込み、クソメイドと騎士のお見合いを成功させたおかげか、俺は騎士の眼中から消え去ったようだ。
代わりに、現在進行形でクソメイドが騎士に襲われている。
――ざまぁみろ。
いけない、いけない。
他人の不幸を喜ぶなんて不謹慎だ。
たとえ蜜の味だったとしても。
「死ねっ! 死ね死ね死ねっ!」
……弱くね?
全然当たってないし、何ならクソメイドは一歩も動いてないけど……。
これはちょっと鑑定案件では?
ということで失敬して、【鑑定】。
ほうほう。クソメイドのヤツ、毒を使っていたのか。それもお香タイプの。
騎士が興奮したせいで呼吸が荒いことも作用して、通常よりも多く吸ってしまっているようだ。
俺が平気な理由は分からないけど、テントの布をめくって風を送っているおかげかな?
すぐに出られるようにめくっていたおかげで、毒から回避できたのか。
ラッキー!!!
「……そろそろですかね」
クソメイドがスカートをまくってナイフを取り出し、騎士の装備の隙間を正確に突き、首から血を噴き出させた。
――チッ。残念だ。かぼちゃかよ。
何がって?
俺は転んだままの体勢なんだぜ?
しゃがんでいるってことは分かるだろ?
それなのに……かぼちゃって……。
クロッチが作れないなら、せめて紐だろ?
この世界の住人ってすごいな。尊敬するわ。
アレを見せられた日にゃ……冷める。
すまんな。
「それで、いつまでそうしているつもりですか? 地面に這いつくばって、まるで虫みたいですよ?」
「……僕? 僕に言っていますか?」
「当然でしょう」
「当然ですか? まぁいいでしょう。勇者が王国の騎士に斬り殺されそうになっているところを多くの民に見られたけど、まぁいいでしょう」
「……処罰しました」
「まぁいいでしょう。勇者の待遇が倉庫暮らしで、食事も出されていないと騎士が宣言したところを、多くの民に聞かれましたが……まぁいいでしょう」
「――何ですって!?」
「そちらで居眠りしている騎士がそのように宣言しましたよ。死人に口なし。弁明する術はなさそうですね。ここで勇者が違うと証言しても、『言わされているんじゃないか?』という疑念は拭えませんよ。……まぁいいでしょう」
「このっ!!!」
「僕に怒られましても。僕は、僕を教材にしようとしていたことを気にしないようにいてあげてるんですよ? 人をはめようとしたんだ。多少の損害くらい目を瞑った方がいいことを学べてよかったですね。……今更欲なんか出すから」
おかげで、ご主人様や先輩と早めにお別れすることになったんだぞ。
少しくらい悪口言われるくらい我慢しろ。
「……強がっていられるのも今の内ですよ」
「その言葉、そっくりそのままお返しします。暴動が起こっても同じ事が言えるなら、僕から拍手を送りましょう」
「そのようなことは起こりませんし、あなたが拍手を送っても私には届きません。あなたは北部に行ってもらいますからね」
「……北部ですか?」
チッ。やってくれたわ。
個人的に一番行きたくないところに派遣されるとは……。
「まぁ知らないのも無理はありませんね。そこそこいいところですよ」
よく言うわ。
「でしたら、同行者に指名して差し上げますよ。ともに行けば、拍手を届けられそうです」
「遠慮しておきます。私には『王女殿下の助手』という、誇り高き素晴らしい使命がありますから」
胸で両手を組んで祈りを捧げているけど、王女からしたらそれは女神様に対する背信にはならないのか?
「まぁ最後の言葉くらい聞いてあげましょう」
「では僭越ながら、あなたの代わりくらい腐るほどいますよ。そのホコリっぽい使命の担い手は――」
「それ以上言ったら……殺しますよ?」
「おっと! 意外にも狭量ですね。自分で聞いてあげると言っていたのに。しかも、使命だから指揮を執って捜索していたのに……殺すの? まともに使命も果たせない助手って、必要?」
「…………」
「これじゃあ騎士殿も浮かばれないね。癇癪で任務を放り出す指揮官に意見具申したら殺されるって……不憫でたまらん。まぁいいでしょう。最後に愉快な表情を拝めましたからね」
「…………あなたの訃報を楽しみにしています」
「あぁ。誰が言ったのか知らんけど、馬鹿なヤツもいたもんだ。アレは隠蔽されている部分だよ? 女神様が、わざわざ、隠蔽している部分を、ペラペラ話したりして」
細かく区切って強調して不安を煽っていく。
「ステータスの内容を話さないように教えられていますから、自分から見せることはほとんどないと思います。それでも誘導したり無理矢理聞いたりした場合、それは明確に女神様の意思に反していると考えられるわけですけど……何も起こらないといいですね?」
「……そ、そんなことはしてません」
「そうですか? 隠蔽している部分を知ってるのに? 見えてないんですよ? 鑑定でも見えない部分ですよ? 大丈夫ですか? 僕は心配ですっ!」
「――大丈夫と言っていますっ」
「そんなに興奮しなくても……。まぁいいでしょう。どうせ女神様の意思を無視する馬鹿どものことだし、どんどん不幸になれ。恩を仇で返す者はほとんど犯罪者だからさ。ねっ?」
「衛兵っ! さっさと連れて行きなさいっ!」
「「はっ!」」
俺の両側に立って、脇を抱えて連れて行こうする衛兵。
物みたいな扱いにムカついたから、一言二言言ってあげようと思う。
「――おい。この国の兵士は神罰が怖くない猛者しかいないんですね? 王女様が信仰している女神様が頭を下げてお願いした者たちへの扱いが、コレですか? 感心します」
「「…………」」
「あぁ。あと、謝罪という言葉を知らない人しかいないみたいですね。先ほどの騎士もそうでした。で、結局どうなりましたっけ?」
「「……すみませんでした」」
「まぁいいでしょう。案内してくれれば自分で歩いて行きますよ。そこの騎士と違ってね。あなた方も歩いて家に帰りたいでしょう?」
「「…………」
「アレ? 何も聞こえないな?」
「はい」
「……はい」
「では、行きましょうか。さよなら、クソメイド」
「チッ」
お互い最後ということで、被っていた猫を脱ぎ捨てメッキを剥がし、言葉の殴り合いを行った。
ちょっとだけスッキリしたし、装備もそのまま持って来れた。
「それで、僕は何故北部に行くのですか?」
「「…………」」
迷宮に来たときに通った逆の道を辿って駐車場を目指しているわけだが、途中には当然のようにキャラバンがあるわけだ。
「それで、勇者である僕はどうして北部に捨てられるのでしょうか?」
各種取引で騒がしい市場でも声が通るように、声に魔力を載せて再度質問をする。
先ほどは省略しすぎたからか、伝わらず無視されてしまった。だから、今回は詳細な説明突きで質問してみたのだが……。
「――おい、捨てるとは言っていないっ」
効果抜群だ!
「では、どうして予定を変更してまで北部行きを決めたのか教えてもらえますか?」
「……」
「ふぅ……。どうして死に直面させる教材にしようとした僕を、北部に捨てることに変更したのかを教えてもらえますか?」
どうやらこの国の兵士は頭が弱いらしく、詳細に聞かないと教えてくれないらしい。
「やめろと言っているっ」
手で止めようとしてきた兵士の動きに合わせて体を近づけ、あたかも突き飛ばされたかのように自分で跳ぶ。
「うわっ! いってぇーーっ!」
「おい、突き飛ばすことないだろっ」
注意している衛兵は、神罰が怖くて即効で返事をした方だ。
今までは言葉や行動だけだったが、今回は暴力である。神罰が下る確率がグッと高くなる行為にあせらないはずない。
ちなみに、コイツら程度の動きに合わせるくらい朝飯前で、魔眼は使用せずに済んでいる。
「お、俺は突き飛ばしてなんか……」
「だが、突き飛ばしたのは事実だっ!」
「いってぇーー」
地面を転がって痛がっているフリをしつつ周囲をうかがうと、キャラバンについている何人かの護衛が笑いを堪えていた。
俺の寸劇が面白かったようだ。
気づく人もいるけど、そこそこ年を重ねている熟練ばかりだな。
ご主人様が言っていた通り、普人族にはあまり強い人がいないのかも。油断は駄目だけどね。
「ほら、少年。起きてくれ」
「――は? なんて? 勇者だろ? あと謝罪は?」
「……」
こっちの神罰を恐れていない衛兵の態度も相変わらずだな。
「あぁ。そうかそうか。この国の兵士は謝罪の言葉を持ち合わせていなかったよね。しかも、勇者を倉庫暮らしにした上でメシを抜いているような待遇だもん。言葉遣いなんかどうやっても無理か。おかげで、さっき騎士が一人死んだのにね? 確か、勇者を殺そうとした騎士だっけ? 暴力を振るった結果、先に死んじゃったね?」
「……」
それでも無言の衛兵に嫌がらせ第二弾決行。
起き上がるフリをした瞬間、俺を起こそうと近づいてきた。
そこでまた動きを合わせて、衛兵が一歩踏み出したところに顔を移動させ、顔面で膝蹴りを受ける。
これには流石に周囲の人からも悲鳴が上がった。
「ち、違うっ」
「いい加減謝れよっ! 一度ならず二度までもっ! もういいっ! 私だけで連れて行く! このことは報告しておくからなっ!」
「そんなっ」
態度が悪い方とはここでお別れして、神罰が怖い方と駐車場に向かうことに。
その途中、キャラバンの方から近づいてくる女性に声をかけられた。
「面白い物を見せてもらった。またどこかで会ったらよろしく。餞別に持って行きな」
「ありがとうございます。またどこかで」
「達者でな」
「はい」
なんと観客の一人が、携帯食と干し肉を渡してくれたのだ。
これから山越えする身としてはありがたい。
「それで? どうしてか言う気になりましたか?」
「……はい」
「では、聞きましょうか」
代わりに、現在進行形でクソメイドが騎士に襲われている。
――ざまぁみろ。
いけない、いけない。
他人の不幸を喜ぶなんて不謹慎だ。
たとえ蜜の味だったとしても。
「死ねっ! 死ね死ね死ねっ!」
……弱くね?
全然当たってないし、何ならクソメイドは一歩も動いてないけど……。
これはちょっと鑑定案件では?
ということで失敬して、【鑑定】。
ほうほう。クソメイドのヤツ、毒を使っていたのか。それもお香タイプの。
騎士が興奮したせいで呼吸が荒いことも作用して、通常よりも多く吸ってしまっているようだ。
俺が平気な理由は分からないけど、テントの布をめくって風を送っているおかげかな?
すぐに出られるようにめくっていたおかげで、毒から回避できたのか。
ラッキー!!!
「……そろそろですかね」
クソメイドがスカートをまくってナイフを取り出し、騎士の装備の隙間を正確に突き、首から血を噴き出させた。
――チッ。残念だ。かぼちゃかよ。
何がって?
俺は転んだままの体勢なんだぜ?
しゃがんでいるってことは分かるだろ?
それなのに……かぼちゃって……。
クロッチが作れないなら、せめて紐だろ?
この世界の住人ってすごいな。尊敬するわ。
アレを見せられた日にゃ……冷める。
すまんな。
「それで、いつまでそうしているつもりですか? 地面に這いつくばって、まるで虫みたいですよ?」
「……僕? 僕に言っていますか?」
「当然でしょう」
「当然ですか? まぁいいでしょう。勇者が王国の騎士に斬り殺されそうになっているところを多くの民に見られたけど、まぁいいでしょう」
「……処罰しました」
「まぁいいでしょう。勇者の待遇が倉庫暮らしで、食事も出されていないと騎士が宣言したところを、多くの民に聞かれましたが……まぁいいでしょう」
「――何ですって!?」
「そちらで居眠りしている騎士がそのように宣言しましたよ。死人に口なし。弁明する術はなさそうですね。ここで勇者が違うと証言しても、『言わされているんじゃないか?』という疑念は拭えませんよ。……まぁいいでしょう」
「このっ!!!」
「僕に怒られましても。僕は、僕を教材にしようとしていたことを気にしないようにいてあげてるんですよ? 人をはめようとしたんだ。多少の損害くらい目を瞑った方がいいことを学べてよかったですね。……今更欲なんか出すから」
おかげで、ご主人様や先輩と早めにお別れすることになったんだぞ。
少しくらい悪口言われるくらい我慢しろ。
「……強がっていられるのも今の内ですよ」
「その言葉、そっくりそのままお返しします。暴動が起こっても同じ事が言えるなら、僕から拍手を送りましょう」
「そのようなことは起こりませんし、あなたが拍手を送っても私には届きません。あなたは北部に行ってもらいますからね」
「……北部ですか?」
チッ。やってくれたわ。
個人的に一番行きたくないところに派遣されるとは……。
「まぁ知らないのも無理はありませんね。そこそこいいところですよ」
よく言うわ。
「でしたら、同行者に指名して差し上げますよ。ともに行けば、拍手を届けられそうです」
「遠慮しておきます。私には『王女殿下の助手』という、誇り高き素晴らしい使命がありますから」
胸で両手を組んで祈りを捧げているけど、王女からしたらそれは女神様に対する背信にはならないのか?
「まぁ最後の言葉くらい聞いてあげましょう」
「では僭越ながら、あなたの代わりくらい腐るほどいますよ。そのホコリっぽい使命の担い手は――」
「それ以上言ったら……殺しますよ?」
「おっと! 意外にも狭量ですね。自分で聞いてあげると言っていたのに。しかも、使命だから指揮を執って捜索していたのに……殺すの? まともに使命も果たせない助手って、必要?」
「…………」
「これじゃあ騎士殿も浮かばれないね。癇癪で任務を放り出す指揮官に意見具申したら殺されるって……不憫でたまらん。まぁいいでしょう。最後に愉快な表情を拝めましたからね」
「…………あなたの訃報を楽しみにしています」
「あぁ。誰が言ったのか知らんけど、馬鹿なヤツもいたもんだ。アレは隠蔽されている部分だよ? 女神様が、わざわざ、隠蔽している部分を、ペラペラ話したりして」
細かく区切って強調して不安を煽っていく。
「ステータスの内容を話さないように教えられていますから、自分から見せることはほとんどないと思います。それでも誘導したり無理矢理聞いたりした場合、それは明確に女神様の意思に反していると考えられるわけですけど……何も起こらないといいですね?」
「……そ、そんなことはしてません」
「そうですか? 隠蔽している部分を知ってるのに? 見えてないんですよ? 鑑定でも見えない部分ですよ? 大丈夫ですか? 僕は心配ですっ!」
「――大丈夫と言っていますっ」
「そんなに興奮しなくても……。まぁいいでしょう。どうせ女神様の意思を無視する馬鹿どものことだし、どんどん不幸になれ。恩を仇で返す者はほとんど犯罪者だからさ。ねっ?」
「衛兵っ! さっさと連れて行きなさいっ!」
「「はっ!」」
俺の両側に立って、脇を抱えて連れて行こうする衛兵。
物みたいな扱いにムカついたから、一言二言言ってあげようと思う。
「――おい。この国の兵士は神罰が怖くない猛者しかいないんですね? 王女様が信仰している女神様が頭を下げてお願いした者たちへの扱いが、コレですか? 感心します」
「「…………」」
「あぁ。あと、謝罪という言葉を知らない人しかいないみたいですね。先ほどの騎士もそうでした。で、結局どうなりましたっけ?」
「「……すみませんでした」」
「まぁいいでしょう。案内してくれれば自分で歩いて行きますよ。そこの騎士と違ってね。あなた方も歩いて家に帰りたいでしょう?」
「「…………」
「アレ? 何も聞こえないな?」
「はい」
「……はい」
「では、行きましょうか。さよなら、クソメイド」
「チッ」
お互い最後ということで、被っていた猫を脱ぎ捨てメッキを剥がし、言葉の殴り合いを行った。
ちょっとだけスッキリしたし、装備もそのまま持って来れた。
「それで、僕は何故北部に行くのですか?」
「「…………」」
迷宮に来たときに通った逆の道を辿って駐車場を目指しているわけだが、途中には当然のようにキャラバンがあるわけだ。
「それで、勇者である僕はどうして北部に捨てられるのでしょうか?」
各種取引で騒がしい市場でも声が通るように、声に魔力を載せて再度質問をする。
先ほどは省略しすぎたからか、伝わらず無視されてしまった。だから、今回は詳細な説明突きで質問してみたのだが……。
「――おい、捨てるとは言っていないっ」
効果抜群だ!
「では、どうして予定を変更してまで北部行きを決めたのか教えてもらえますか?」
「……」
「ふぅ……。どうして死に直面させる教材にしようとした僕を、北部に捨てることに変更したのかを教えてもらえますか?」
どうやらこの国の兵士は頭が弱いらしく、詳細に聞かないと教えてくれないらしい。
「やめろと言っているっ」
手で止めようとしてきた兵士の動きに合わせて体を近づけ、あたかも突き飛ばされたかのように自分で跳ぶ。
「うわっ! いってぇーーっ!」
「おい、突き飛ばすことないだろっ」
注意している衛兵は、神罰が怖くて即効で返事をした方だ。
今までは言葉や行動だけだったが、今回は暴力である。神罰が下る確率がグッと高くなる行為にあせらないはずない。
ちなみに、コイツら程度の動きに合わせるくらい朝飯前で、魔眼は使用せずに済んでいる。
「お、俺は突き飛ばしてなんか……」
「だが、突き飛ばしたのは事実だっ!」
「いってぇーー」
地面を転がって痛がっているフリをしつつ周囲をうかがうと、キャラバンについている何人かの護衛が笑いを堪えていた。
俺の寸劇が面白かったようだ。
気づく人もいるけど、そこそこ年を重ねている熟練ばかりだな。
ご主人様が言っていた通り、普人族にはあまり強い人がいないのかも。油断は駄目だけどね。
「ほら、少年。起きてくれ」
「――は? なんて? 勇者だろ? あと謝罪は?」
「……」
こっちの神罰を恐れていない衛兵の態度も相変わらずだな。
「あぁ。そうかそうか。この国の兵士は謝罪の言葉を持ち合わせていなかったよね。しかも、勇者を倉庫暮らしにした上でメシを抜いているような待遇だもん。言葉遣いなんかどうやっても無理か。おかげで、さっき騎士が一人死んだのにね? 確か、勇者を殺そうとした騎士だっけ? 暴力を振るった結果、先に死んじゃったね?」
「……」
それでも無言の衛兵に嫌がらせ第二弾決行。
起き上がるフリをした瞬間、俺を起こそうと近づいてきた。
そこでまた動きを合わせて、衛兵が一歩踏み出したところに顔を移動させ、顔面で膝蹴りを受ける。
これには流石に周囲の人からも悲鳴が上がった。
「ち、違うっ」
「いい加減謝れよっ! 一度ならず二度までもっ! もういいっ! 私だけで連れて行く! このことは報告しておくからなっ!」
「そんなっ」
態度が悪い方とはここでお別れして、神罰が怖い方と駐車場に向かうことに。
その途中、キャラバンの方から近づいてくる女性に声をかけられた。
「面白い物を見せてもらった。またどこかで会ったらよろしく。餞別に持って行きな」
「ありがとうございます。またどこかで」
「達者でな」
「はい」
なんと観客の一人が、携帯食と干し肉を渡してくれたのだ。
これから山越えする身としてはありがたい。
「それで? どうしてか言う気になりましたか?」
「……はい」
「では、聞きましょうか」
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