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第58話 愛しています
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ディラン様から告白されてからというもの、屋敷のガゼボで私達はハーブティーを一緒に飲むようになった。
アリスとジークさんは気を利かせて、私達から離れたところで待機している。
「ミリーが淹れてくれたハーブティーはとても美味しい。心がこもっているからかな」
彼は事あるごとに褒めてくるし、髪に触れたり手を握ってくる。
恥ずかしい気持ちはあるが、悪い気はしないし心地良い。
触られる度に鼓動が早くなり、まともに顔を見るのも照れるが、心がじんわりと温かくなるのを感じる。
「ふふ。ありがとうございます。短い時間でもこうして毎日来て下さるので、用意するのが楽しみになりました。ディラン様はカモミールがお好きなようですので、今日はレモンバームをブレンドしました。心身を落ち着ける効果がありますので、是非飲んでください」
どんなに忙しくても毎日短時間でも、必ず会いに来る彼が心配だった。
そんな彼のために体調に合わせたハーブを選ぶことが楽しくなっていた。
「ああ。頂こう」
そう言うと一口飲んでふぅと安堵の息を零した。
「先程のハーブティーより味に深みがあって旨いな。いくらでもいける」
「それは良かったです。それにしても毎日いらしてますが、お疲れではありませんか?無理はなさらないでくださいね」
「無理なんて。そんなことはないよ。ミリーに会えれば疲れなんて吹き飛ぶさ」
事もなげに甘い言葉をサラッと言われた私は、一瞬で顔に熱が上がる。
両手で頬をおさえて俯いた。
「ところでミリー。一度リオーレスト王国に戻るのだが、その前に貴女のご両親に改めて挨拶をしたいと思っている。正式な婚姻の申し込みは国に戻ってからになるが、貴女の気持ちを聞かせてほしい」
頬をおさえていた手が彼の大きな手に包まれ、視線が合う。
ゆっくりと片膝をついた彼は、私を見上げて告げた。
「ミリアーナ嬢。私はずっと貴女に出会える日を心待ちにしていた。貴女と過ごしたこの数日は私の心を満たしてくれた。貴女以外考えられない。どうか私と一生を共に歩んでほしい」
真摯な言葉と真っ直ぐに私を見つめる瞳は、不安そうに揺れている。
「はい。承知いたしました。私でよろしければお受けいたします。ディラン様のお傍に置いてください」
「あ、ありがとう!ミリー!愛している。愛しているよ」
愛の言葉と共に彼の腕に包まれて温もりを感じる。
私は背中にそっと手を回して抱きしめ返した。
「私も…愛しています」
私達から離れた場所では、アリスとジークさんが微笑ましく見守っていた。
アリスとジークさんは気を利かせて、私達から離れたところで待機している。
「ミリーが淹れてくれたハーブティーはとても美味しい。心がこもっているからかな」
彼は事あるごとに褒めてくるし、髪に触れたり手を握ってくる。
恥ずかしい気持ちはあるが、悪い気はしないし心地良い。
触られる度に鼓動が早くなり、まともに顔を見るのも照れるが、心がじんわりと温かくなるのを感じる。
「ふふ。ありがとうございます。短い時間でもこうして毎日来て下さるので、用意するのが楽しみになりました。ディラン様はカモミールがお好きなようですので、今日はレモンバームをブレンドしました。心身を落ち着ける効果がありますので、是非飲んでください」
どんなに忙しくても毎日短時間でも、必ず会いに来る彼が心配だった。
そんな彼のために体調に合わせたハーブを選ぶことが楽しくなっていた。
「ああ。頂こう」
そう言うと一口飲んでふぅと安堵の息を零した。
「先程のハーブティーより味に深みがあって旨いな。いくらでもいける」
「それは良かったです。それにしても毎日いらしてますが、お疲れではありませんか?無理はなさらないでくださいね」
「無理なんて。そんなことはないよ。ミリーに会えれば疲れなんて吹き飛ぶさ」
事もなげに甘い言葉をサラッと言われた私は、一瞬で顔に熱が上がる。
両手で頬をおさえて俯いた。
「ところでミリー。一度リオーレスト王国に戻るのだが、その前に貴女のご両親に改めて挨拶をしたいと思っている。正式な婚姻の申し込みは国に戻ってからになるが、貴女の気持ちを聞かせてほしい」
頬をおさえていた手が彼の大きな手に包まれ、視線が合う。
ゆっくりと片膝をついた彼は、私を見上げて告げた。
「ミリアーナ嬢。私はずっと貴女に出会える日を心待ちにしていた。貴女と過ごしたこの数日は私の心を満たしてくれた。貴女以外考えられない。どうか私と一生を共に歩んでほしい」
真摯な言葉と真っ直ぐに私を見つめる瞳は、不安そうに揺れている。
「はい。承知いたしました。私でよろしければお受けいたします。ディラン様のお傍に置いてください」
「あ、ありがとう!ミリー!愛している。愛しているよ」
愛の言葉と共に彼の腕に包まれて温もりを感じる。
私は背中にそっと手を回して抱きしめ返した。
「私も…愛しています」
私達から離れた場所では、アリスとジークさんが微笑ましく見守っていた。
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