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第32話 ポーション作り
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無事魔力をコントロールすることに成功した私は、次の段階に入った。
ポーション作りである。
コツは掴めたが、どの程度魔力を込めれば良いのかは、これから手探りで試していくほかない。
毎日厨房の片隅で、魔力を調整して感覚を身体に覚えさせる。
当然、毎日のことだから、魔力切れを起こしたこともあった。
血相を変えて部屋に飛び込んで来た両親の顔を私は忘れない。
心配かけてごめんなさい。
何度か魔力切れを経験したことで、倒れる手前で魔法の行使を止めることも出来るようになった。
「凄いわ。短期間でそこまで扱えるなんて。飲み込みが早いのね」
カルラさん曰く、魔力量をきちんと把握して魔法を使えるようになるまで、早い人で半月から数か月、遅いと数年掛るという。
私の場合は、日本人としての記憶があることで、情報量は純粋にこの世界で生まれ育った人達より多少多い、というのがあるからだろう。
何だかズルをしているようで、申し訳ない気持ちになる。
「後はひたすら作って慣れること。ミリーさんなら、大丈夫よ」
カルラさんに励まされて、俄然やる気が出てきた。
習うより慣れよ、ということか。
「はい、頑張ります」
試行錯誤の末、低級、中級ポーションがようやく完成して、そちらは屋敷と工場で使用するように分けた。
最初の頃に作ったポーションは、魔力を込め過ぎたせいで上級ポーションでも特に品質が良いらしく、父に保管をお願いしようと決めた。
「……ミリー、また偉いものを作ったな」
呆れた表情の父に、笑って誤魔化しながら説明をする。
「へへ、その上級ポーションはね、高品質過ぎて値段が付けられないから、万が一知られると厄介なんですって。だからお父さまに保管してほしいのですが、お願いしても良いでしょうか?」
王族や貴族に目を付けられたら、飼い殺しにされる、なんて言われたら全力で隠すよ。
困っている人にこそ、ポーションを使ってほしいんだから。
「……それは、恐ろしいな。…もう少し護衛が必要かもな」
腕を組むと真剣な表情で悩み始める父に、申し訳ない気持ちで反省の言葉を述べた。
「…ごめんなさい。お父さま」
「ああ、いや、謝る必要はない。ミリーが私達のため、領民のためにしていることはよく理解している。…だが、ここまでとは思わなかったから驚いただけだ。ミリーは心配しなくて良い。私が責任を持って預かろう」
「ありがとうございます!」
父の頼もしい言葉に、ホッと胸を撫で下ろし満面の笑みで感謝の気持ちを伝えた。
ポーション作りである。
コツは掴めたが、どの程度魔力を込めれば良いのかは、これから手探りで試していくほかない。
毎日厨房の片隅で、魔力を調整して感覚を身体に覚えさせる。
当然、毎日のことだから、魔力切れを起こしたこともあった。
血相を変えて部屋に飛び込んで来た両親の顔を私は忘れない。
心配かけてごめんなさい。
何度か魔力切れを経験したことで、倒れる手前で魔法の行使を止めることも出来るようになった。
「凄いわ。短期間でそこまで扱えるなんて。飲み込みが早いのね」
カルラさん曰く、魔力量をきちんと把握して魔法を使えるようになるまで、早い人で半月から数か月、遅いと数年掛るという。
私の場合は、日本人としての記憶があることで、情報量は純粋にこの世界で生まれ育った人達より多少多い、というのがあるからだろう。
何だかズルをしているようで、申し訳ない気持ちになる。
「後はひたすら作って慣れること。ミリーさんなら、大丈夫よ」
カルラさんに励まされて、俄然やる気が出てきた。
習うより慣れよ、ということか。
「はい、頑張ります」
試行錯誤の末、低級、中級ポーションがようやく完成して、そちらは屋敷と工場で使用するように分けた。
最初の頃に作ったポーションは、魔力を込め過ぎたせいで上級ポーションでも特に品質が良いらしく、父に保管をお願いしようと決めた。
「……ミリー、また偉いものを作ったな」
呆れた表情の父に、笑って誤魔化しながら説明をする。
「へへ、その上級ポーションはね、高品質過ぎて値段が付けられないから、万が一知られると厄介なんですって。だからお父さまに保管してほしいのですが、お願いしても良いでしょうか?」
王族や貴族に目を付けられたら、飼い殺しにされる、なんて言われたら全力で隠すよ。
困っている人にこそ、ポーションを使ってほしいんだから。
「……それは、恐ろしいな。…もう少し護衛が必要かもな」
腕を組むと真剣な表情で悩み始める父に、申し訳ない気持ちで反省の言葉を述べた。
「…ごめんなさい。お父さま」
「ああ、いや、謝る必要はない。ミリーが私達のため、領民のためにしていることはよく理解している。…だが、ここまでとは思わなかったから驚いただけだ。ミリーは心配しなくて良い。私が責任を持って預かろう」
「ありがとうございます!」
父の頼もしい言葉に、ホッと胸を撫で下ろし満面の笑みで感謝の気持ちを伝えた。
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