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第3話 認識の違い
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執務室には父と私、向かい合わせでソファに座っていた。
いつもの穏やかで優しげな表情とは違い、真剣な眼差しで呼吸を整えると話し始めた。
「ミリー、この世界ではハーブは薬草という認識で、食材として使うことはない」
「そうなんですか?私の居た世界では普通に使ってましたよ?」
何が違うのか分からない私は、首を傾げて答えた。
「普通…。そうなのか……」
理解出来ないとでも言うように、眉間に皺を寄せて返事をする父。
それはそうだろうと思う。
世界が違えば考え方や常識も違う。
理解しろと言う方が難しい。
それでも父は私の話しを理解しようと努力してくれてる。
本当に良い父親だ。
そこで私はチャンスだとばかりに話しを切り出した。
「お父さま。ハーブティーとクッキーを商品化して売り出してみてはどうでしょう。元手は殆ど掛かっていませんし、多少ではありますが、収入を得ることが出来ます」
少し前のめりになって提案する私を、父はしばらく考え込んでいる様子で見つめていた。
お仕事モードの父は若干イケメン度が上がる。
初めて見る表情に内心盛り上がりながら、私は更に話しを進めた。
「ハーブを乾燥させれば長期保存も可能ですし、安価で販売すれば平民でも気軽に購入可能です。ハーブの種類も沢山揃えておけば、それぞれに合った好みのハーブが見つかりますし、楽しめるはずです」
うろ覚えではあるが、材料は豊富にあるから何とかなるだろう。
目の前の父も、身を乗り出して私の説明に耳を傾けていた。
「…なるほど」
「はい。私はその日の気分で、ハーブティーを変えて飲んでいました」
「…その日の気分か。それは良さそうだな」
父の表情を見ても、感触は悪くなさそうで寧ろ興味津々な様子に笑みを浮かべる。
「よし。商品化しよう。軌道に乗るまで大変だろうが、ミリーに頼めるか?」
眉尻を下げて頼んできた顔は申し訳なさが滲んでいた。
「はいっ!商品開発はお任せください!後のことはお父さまに丸投げしますので!」
父を励まそうと、殊更明るく返事したら、ようやく父に笑顔が戻った。
「薬草にそんな利用方法があったなんて知らなかったよ。ミリーの居た世界は凄いな」
「魔法が存在しませんから、科学技術が発達したのだと思います。それに先人たちの知恵や努力もありますが」
「…かがくぎ…?それは何だ?」
科学技術というワードに興味を示した父は、更に体を乗り出すような勢いで問いかけた。
口頭で説明するのは難しいため、紙に図を描いて例を出してなるべく分かりやすく説明した。
父から質問責めに合い、説明に悪戦苦闘して語彙力のなさに落ち込んだ私であった。
いつもの穏やかで優しげな表情とは違い、真剣な眼差しで呼吸を整えると話し始めた。
「ミリー、この世界ではハーブは薬草という認識で、食材として使うことはない」
「そうなんですか?私の居た世界では普通に使ってましたよ?」
何が違うのか分からない私は、首を傾げて答えた。
「普通…。そうなのか……」
理解出来ないとでも言うように、眉間に皺を寄せて返事をする父。
それはそうだろうと思う。
世界が違えば考え方や常識も違う。
理解しろと言う方が難しい。
それでも父は私の話しを理解しようと努力してくれてる。
本当に良い父親だ。
そこで私はチャンスだとばかりに話しを切り出した。
「お父さま。ハーブティーとクッキーを商品化して売り出してみてはどうでしょう。元手は殆ど掛かっていませんし、多少ではありますが、収入を得ることが出来ます」
少し前のめりになって提案する私を、父はしばらく考え込んでいる様子で見つめていた。
お仕事モードの父は若干イケメン度が上がる。
初めて見る表情に内心盛り上がりながら、私は更に話しを進めた。
「ハーブを乾燥させれば長期保存も可能ですし、安価で販売すれば平民でも気軽に購入可能です。ハーブの種類も沢山揃えておけば、それぞれに合った好みのハーブが見つかりますし、楽しめるはずです」
うろ覚えではあるが、材料は豊富にあるから何とかなるだろう。
目の前の父も、身を乗り出して私の説明に耳を傾けていた。
「…なるほど」
「はい。私はその日の気分で、ハーブティーを変えて飲んでいました」
「…その日の気分か。それは良さそうだな」
父の表情を見ても、感触は悪くなさそうで寧ろ興味津々な様子に笑みを浮かべる。
「よし。商品化しよう。軌道に乗るまで大変だろうが、ミリーに頼めるか?」
眉尻を下げて頼んできた顔は申し訳なさが滲んでいた。
「はいっ!商品開発はお任せください!後のことはお父さまに丸投げしますので!」
父を励まそうと、殊更明るく返事したら、ようやく父に笑顔が戻った。
「薬草にそんな利用方法があったなんて知らなかったよ。ミリーの居た世界は凄いな」
「魔法が存在しませんから、科学技術が発達したのだと思います。それに先人たちの知恵や努力もありますが」
「…かがくぎ…?それは何だ?」
科学技術というワードに興味を示した父は、更に体を乗り出すような勢いで問いかけた。
口頭で説明するのは難しいため、紙に図を描いて例を出してなるべく分かりやすく説明した。
父から質問責めに合い、説明に悪戦苦闘して語彙力のなさに落ち込んだ私であった。
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