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66.夢幻の傀儡
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俺はじりじりとロハンの前から後ずさった。
「どういうつもりですか? 俺はあなたの人形になんてなるつもりはありません!」
「シヴァのどこがそんなにいいというんだ?
剣術など、魔法に比べれば粗野で野蛮だ! 見せてあげよう。私の魔法がどれほど美しいか」
ロハンは青白い光を宙にぽっかり浮かせると、その手のひらを俺に向けた。
「ロハン様っ、やめてください。こんなことをしても、何も……!」
「アレスト!」
ロハンの手のひらから、白い波動が発せられた。それをまともにくらった俺は、突然身動きができなくなった。
「……」
「ふふ、イーサン、これから私と楽しい遊びをしよう。さあ、私をよく見て」
ロハンの瞳が一瞬銀色に光った。
それを見た俺は、ロハンから目をそらすことが全くできなくなった。
「――織り紡ぎし妙なる糸よ、我が意思を伝えよ。夢幻の傀儡となれ」
ロハンの指先から細い糸のような銀色の光が幾筋も現れ、あっという間に俺にまとわりついた。
「……っ!」
「夢幻の傀儡……、この古代魔法は、魔力の消耗が激しいからめったに使うことはないが……。
イーサン、君には特別だよ」
「なに、を……?」
銀の糸はすぐに見えなくなったが、俺はなにかに絡み取られたかのように、動きを制限されているような感覚に陥った。
「じゃあ、イーサン、服を脱いで」
ロハンの言葉に、俺の頭は混乱した。
「ロハン様っ、いったい何を……っ、あっ、な、なにっ!?」
なんと俺の意思に反して、俺の手は着ていた淡いブルーのシャツのボタンを次々に外していく。
「この魔法は、自我を保ちつつも、術者の指示にしたがわせることができる高度な魔法なんだ。
どうだい、イーサン? ああ、あまり抵抗しないほうがいい。深層心理に強すぎる抵抗が生じると、精神に支障をきたす恐れがあるからね」
「くっ……」
シャツがばさりと床に落ちる。
「ああ、やっぱり想像通り、すごく綺麗な身体だ……」
俺の裸の上半身を見てうっとりするように言うと、ロハンは俺に人差し指を向けた。
「イーサン、何をしているんだ? 下も脱ぐんだ!」
「ロハン様っ、もうこんなことやめてくださいっ、どうかっ……」
言いながらも、魔法にかかった俺は、ベルトを外し、黒いズボンを足元に落とす。
「さあ、こっちにきて、よく見せて」
「……もうっ、嫌です……っ、ロハン様っ……」
言いながらも、俺は下履き一枚の姿で、ロハンのもとへふらふらと歩いていった。
「ああ、イーサン、すごく素敵だ。
屋敷にきたら、この綺麗なおへその下に、私が淫紋を刻んであげよう。
何色がいいかな?」
ロハンは上機嫌で、俺のへその下をなぞる。
「やめっ……」
「ああ、許せないよ。この君の裸体をほかの男にも見せていたなんて」
ロハンは言うと、銀色の髪をかき上げた。
「じゃあ、イーサン、旦那様に見せておくれ。君の、すべてを。
全部、脱ぐんだ!」
銀色に光る瞳の前に、俺はなすすべもなかった。
「いや、だ……」
俺が下履きに手をかけたその時……、
「ぐぶぅ……っ!」
突然目の前のロハンが、うめき声をあげて崩れ落ちた。
「どういうつもりですか? 俺はあなたの人形になんてなるつもりはありません!」
「シヴァのどこがそんなにいいというんだ?
剣術など、魔法に比べれば粗野で野蛮だ! 見せてあげよう。私の魔法がどれほど美しいか」
ロハンは青白い光を宙にぽっかり浮かせると、その手のひらを俺に向けた。
「ロハン様っ、やめてください。こんなことをしても、何も……!」
「アレスト!」
ロハンの手のひらから、白い波動が発せられた。それをまともにくらった俺は、突然身動きができなくなった。
「……」
「ふふ、イーサン、これから私と楽しい遊びをしよう。さあ、私をよく見て」
ロハンの瞳が一瞬銀色に光った。
それを見た俺は、ロハンから目をそらすことが全くできなくなった。
「――織り紡ぎし妙なる糸よ、我が意思を伝えよ。夢幻の傀儡となれ」
ロハンの指先から細い糸のような銀色の光が幾筋も現れ、あっという間に俺にまとわりついた。
「……っ!」
「夢幻の傀儡……、この古代魔法は、魔力の消耗が激しいからめったに使うことはないが……。
イーサン、君には特別だよ」
「なに、を……?」
銀の糸はすぐに見えなくなったが、俺はなにかに絡み取られたかのように、動きを制限されているような感覚に陥った。
「じゃあ、イーサン、服を脱いで」
ロハンの言葉に、俺の頭は混乱した。
「ロハン様っ、いったい何を……っ、あっ、な、なにっ!?」
なんと俺の意思に反して、俺の手は着ていた淡いブルーのシャツのボタンを次々に外していく。
「この魔法は、自我を保ちつつも、術者の指示にしたがわせることができる高度な魔法なんだ。
どうだい、イーサン? ああ、あまり抵抗しないほうがいい。深層心理に強すぎる抵抗が生じると、精神に支障をきたす恐れがあるからね」
「くっ……」
シャツがばさりと床に落ちる。
「ああ、やっぱり想像通り、すごく綺麗な身体だ……」
俺の裸の上半身を見てうっとりするように言うと、ロハンは俺に人差し指を向けた。
「イーサン、何をしているんだ? 下も脱ぐんだ!」
「ロハン様っ、もうこんなことやめてくださいっ、どうかっ……」
言いながらも、魔法にかかった俺は、ベルトを外し、黒いズボンを足元に落とす。
「さあ、こっちにきて、よく見せて」
「……もうっ、嫌です……っ、ロハン様っ……」
言いながらも、俺は下履き一枚の姿で、ロハンのもとへふらふらと歩いていった。
「ああ、イーサン、すごく素敵だ。
屋敷にきたら、この綺麗なおへその下に、私が淫紋を刻んであげよう。
何色がいいかな?」
ロハンは上機嫌で、俺のへその下をなぞる。
「やめっ……」
「ああ、許せないよ。この君の裸体をほかの男にも見せていたなんて」
ロハンは言うと、銀色の髪をかき上げた。
「じゃあ、イーサン、旦那様に見せておくれ。君の、すべてを。
全部、脱ぐんだ!」
銀色に光る瞳の前に、俺はなすすべもなかった。
「いや、だ……」
俺が下履きに手をかけたその時……、
「ぐぶぅ……っ!」
突然目の前のロハンが、うめき声をあげて崩れ落ちた。
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更新ありがとうございます!!
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感想ありがとうございます😊
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コメントありがとうございます!
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更新ありがとうございます!
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イーサン頑張ってー!
mizutamaさんも頑張ってー!
まめ様ーーー!!!
コメントありがとうございます❤
そうなんです。イーサンがピンチなのです!!でもきっと大丈夫!
ハッピーエンドに向かってまっしぐらになるようにがんばりますー!
応援ありがとうございます!!しっかりと届いております✨️