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42.二人で暮せば
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「しばらく世話になる。当面の費用はこれでまかなってほしい」
ドンっと木のテーブルに置かれたのは、見るからに重そうな革袋。恐る恐る中を開けてみると、うわっ、眩しいっ!!
金貨がぎっしりと詰まっていた!!
俺はあわてて革袋の口を閉じて、シヴァの前に押し戻した。
「こんなのどう考えたって多すぎます!
俺は金貨1枚あれば、ゆうに3ヶ月は暮らせますし……」
「余ったぶんは好きなものでも買えばいい、もちろん何もかもイーサンに任せきりにするつもりはない。
炊事や掃除、洗濯も俺ができることは何でも……」
「いえ、そういうことを、言っているわけでは……」
そもそもこれだけ金貨があれば、ここに住まずとも王都に大豪邸が建てられると思うのだが!
もちろん、メイドや執事付きで!!
「俺がここにいては、迷惑だろうか」
急にしおらしい表情になるシヴァ。
俺はぐっとつまった。
「いえっ、迷惑だなんて、とんでもない!
でもここはどう考えても、二人では狭すぎますし、それにベッドも」
俺が奥にあるベッドに目をやると、シヴァはにやりと笑った。
「問題ないだろう? 昨夜だって、あそこで二人で寝たんだから」
「!!!!」
直截的な物言いに、思わず真っ赤になる俺。
「俺がここで暮せば、他の男が訪ねてくることもない。いちいち周りを見張る必要もなくなる。
側にいてくれるんだろう? 騎士との約束は、絶対だ」
いや周りなど見張らなくても、そもそもここには他の男など来ないのだが!?
「でも……」
「イーサン、お願いだ……」
シヴァは、テーブルの上で俺の手を取った。
「シヴァ……」
もうっ、もうっ、もうーーーーっ!!
そんなキュルンとした瞳で見つめられたら!!
「イーサン……、俺はもうこれ以上、イーサンと離れたくないんだ」
そして、シヴァの真剣な瞳に、俺はついに折れた。
「わかりました。でも……、本当にここは狭いですよ」
「狭いからいいんだ」
にっこりと笑うシヴァ。
「……」
絶対、絶対、わかってやってるよね!?
俺がシヴァの「お願い」を断れないって……!!
「夕食はまだだろう? さっき市場で獅子肉の炎焼きを買ってきたんだ!」
そう言うと、うまそうな匂いが漂ってくる紙包みを、嬉しそうに俺に見せてくる。
「じゃあ俺、スープでも作ります」
こうして俺は、なぜかシヴァと森小屋で一緒に暮らすことになってしまったのだった。
――これって、つまりは同棲ってこと!?
ドンっと木のテーブルに置かれたのは、見るからに重そうな革袋。恐る恐る中を開けてみると、うわっ、眩しいっ!!
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「こんなのどう考えたって多すぎます!
俺は金貨1枚あれば、ゆうに3ヶ月は暮らせますし……」
「余ったぶんは好きなものでも買えばいい、もちろん何もかもイーサンに任せきりにするつもりはない。
炊事や掃除、洗濯も俺ができることは何でも……」
「いえ、そういうことを、言っているわけでは……」
そもそもこれだけ金貨があれば、ここに住まずとも王都に大豪邸が建てられると思うのだが!
もちろん、メイドや執事付きで!!
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急にしおらしい表情になるシヴァ。
俺はぐっとつまった。
「いえっ、迷惑だなんて、とんでもない!
でもここはどう考えても、二人では狭すぎますし、それにベッドも」
俺が奥にあるベッドに目をやると、シヴァはにやりと笑った。
「問題ないだろう? 昨夜だって、あそこで二人で寝たんだから」
「!!!!」
直截的な物言いに、思わず真っ赤になる俺。
「俺がここで暮せば、他の男が訪ねてくることもない。いちいち周りを見張る必要もなくなる。
側にいてくれるんだろう? 騎士との約束は、絶対だ」
いや周りなど見張らなくても、そもそもここには他の男など来ないのだが!?
「でも……」
「イーサン、お願いだ……」
シヴァは、テーブルの上で俺の手を取った。
「シヴァ……」
もうっ、もうっ、もうーーーーっ!!
そんなキュルンとした瞳で見つめられたら!!
「イーサン……、俺はもうこれ以上、イーサンと離れたくないんだ」
そして、シヴァの真剣な瞳に、俺はついに折れた。
「わかりました。でも……、本当にここは狭いですよ」
「狭いからいいんだ」
にっこりと笑うシヴァ。
「……」
絶対、絶対、わかってやってるよね!?
俺がシヴァの「お願い」を断れないって……!!
「夕食はまだだろう? さっき市場で獅子肉の炎焼きを買ってきたんだ!」
そう言うと、うまそうな匂いが漂ってくる紙包みを、嬉しそうに俺に見せてくる。
「じゃあ俺、スープでも作ります」
こうして俺は、なぜかシヴァと森小屋で一緒に暮らすことになってしまったのだった。
――これって、つまりは同棲ってこと!?
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