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37.王女様の専属執事
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「あーっ、どうしよう! 王女様との約束なのに、遅刻なんかしたら、首を刎ねられるっ!!」
その日の正午過ぎ、俺は大急ぎで王宮内の指定された場所へと向かっていた。
あれからシヴァは、俺に抱き着いたまま全然離れなくなって、俺たちは裸のまま、狭いベッドの中で抱き合って寝た。
その夜はそれ以上のことはなかったのだが、朝目覚めたときにも、裸のまま二人で抱き合っていた俺たちは、早朝のまぶしい光の中にも関わらず、なんとなーくそういう雰囲気になってしまって、そのままベッドのなかでいちゃいちゃが始まってしまい、それからいつものコースでなし崩し的に俺はシヴァに、どろどろに全身気持ちよくさせられてしまったのだ!!
そんなこんなで気づいたらすっかり出勤時刻は過ぎていき、シヴァも大慌てで俺の森小屋を後にして、食堂ではチョ
待ち合わせ場所として指定された「星の泉」では、すでに一人の年配の男性が、背筋をピンと伸ばして立っていた。
この「星の泉」は宮廷庭園の中央に位置しており、天に向かって手を伸ばす天使の彫像で有名な、王宮内でも知らぬ人のない待ち合わせスポットだ。
「す、すみませんっ、お待たせしてしまいましたっ、俺……っ!!」
「イーサン・シャルマ様ですね。そんなに急がなくても大丈夫ですよ。ちょうど時間ぴったりです」
しわひとつない黒のスーツの胸元から懐中時計を取り出すと、白髪交じりの髪を後ろに綺麗になでつけたその男性は、俺に微笑みかけた。
整った口髭からは知性と品格が感じられる。磨き上げられた黒い革靴に、首元には濃紫のスカーフ。
「ハリスと申します。マヤ王女の執事をしております。今日はお忙しいところ、王女様の願いをかなえていただき、ありがとうございます」
ハリスと名乗ったその男性は、俺を王宮の奥まったところにあるキッチンスペースへ案内してくれた。
「すごい……」
そこは、キッチンと呼ぶには、あまりにも荘厳で美しかった。高い天井には豪華なシャンデリアが釣り下がり、昼間でも自然光をふんだんに取り込む大きな窓が並んでいる。
調理台はびっくりするほど広く、煌びやかな白い大理石でできており、その冷たさが心地よかった。
もちろんそこに並べられた調理道具も見たことがないほど高級なものばかりで、すべてが手入れの行き届いた整然とした輝きを放っていた。
「何か足りない材料がございましたら、なんなりとお申し付けください」
「いえ、足りないなんて……、これだけそろった調味料を初めて見ます」
感嘆のため息とともに、俺は言った。聞いたことはあるが初めて見る調味料や、他国の珍しいスパイスも揃っており、それぞれが色とりどりのガラス瓶に収められ、美しい棚に飾られている。
まさに圧巻!
かくいう俺は、さきほどハリスから特別に支給された宮廷料理人の服装に身を包んでいる!
首元の詰まった白いシャツはとても上品で清潔感があり、袖口と襟に銀色の刺繍が施されている。そして、シャツの上から着た白いエプロンは、丈夫な生地でできており、胸元には王宮の紋章が刺繍されている!!
まさに、気分は王女様専属の宮廷料理人!!
「出来上がったお菓子が配膳されましたら、ぜひイーサン様もお客様の前に顔を出してください」
「わかりました!」
マヤ王女の私的な茶会に呼ばれているのは、いったいどんなご令嬢たちなのだろう?
大理石のカウンターのまえでエプロンの腰紐をしっかりと結ぶと、俺の胸はますます期待で高まった!!
その日の正午過ぎ、俺は大急ぎで王宮内の指定された場所へと向かっていた。
あれからシヴァは、俺に抱き着いたまま全然離れなくなって、俺たちは裸のまま、狭いベッドの中で抱き合って寝た。
その夜はそれ以上のことはなかったのだが、朝目覚めたときにも、裸のまま二人で抱き合っていた俺たちは、早朝のまぶしい光の中にも関わらず、なんとなーくそういう雰囲気になってしまって、そのままベッドのなかでいちゃいちゃが始まってしまい、それからいつものコースでなし崩し的に俺はシヴァに、どろどろに全身気持ちよくさせられてしまったのだ!!
そんなこんなで気づいたらすっかり出勤時刻は過ぎていき、シヴァも大慌てで俺の森小屋を後にして、食堂ではチョ
待ち合わせ場所として指定された「星の泉」では、すでに一人の年配の男性が、背筋をピンと伸ばして立っていた。
この「星の泉」は宮廷庭園の中央に位置しており、天に向かって手を伸ばす天使の彫像で有名な、王宮内でも知らぬ人のない待ち合わせスポットだ。
「す、すみませんっ、お待たせしてしまいましたっ、俺……っ!!」
「イーサン・シャルマ様ですね。そんなに急がなくても大丈夫ですよ。ちょうど時間ぴったりです」
しわひとつない黒のスーツの胸元から懐中時計を取り出すと、白髪交じりの髪を後ろに綺麗になでつけたその男性は、俺に微笑みかけた。
整った口髭からは知性と品格が感じられる。磨き上げられた黒い革靴に、首元には濃紫のスカーフ。
「ハリスと申します。マヤ王女の執事をしております。今日はお忙しいところ、王女様の願いをかなえていただき、ありがとうございます」
ハリスと名乗ったその男性は、俺を王宮の奥まったところにあるキッチンスペースへ案内してくれた。
「すごい……」
そこは、キッチンと呼ぶには、あまりにも荘厳で美しかった。高い天井には豪華なシャンデリアが釣り下がり、昼間でも自然光をふんだんに取り込む大きな窓が並んでいる。
調理台はびっくりするほど広く、煌びやかな白い大理石でできており、その冷たさが心地よかった。
もちろんそこに並べられた調理道具も見たことがないほど高級なものばかりで、すべてが手入れの行き届いた整然とした輝きを放っていた。
「何か足りない材料がございましたら、なんなりとお申し付けください」
「いえ、足りないなんて……、これだけそろった調味料を初めて見ます」
感嘆のため息とともに、俺は言った。聞いたことはあるが初めて見る調味料や、他国の珍しいスパイスも揃っており、それぞれが色とりどりのガラス瓶に収められ、美しい棚に飾られている。
まさに圧巻!
かくいう俺は、さきほどハリスから特別に支給された宮廷料理人の服装に身を包んでいる!
首元の詰まった白いシャツはとても上品で清潔感があり、袖口と襟に銀色の刺繍が施されている。そして、シャツの上から着た白いエプロンは、丈夫な生地でできており、胸元には王宮の紋章が刺繍されている!!
まさに、気分は王女様専属の宮廷料理人!!
「出来上がったお菓子が配膳されましたら、ぜひイーサン様もお客様の前に顔を出してください」
「わかりました!」
マヤ王女の私的な茶会に呼ばれているのは、いったいどんなご令嬢たちなのだろう?
大理石のカウンターのまえでエプロンの腰紐をしっかりと結ぶと、俺の胸はますます期待で高まった!!
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