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33.サンカルと約束
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「サンカル様、だと!? いやに親しげじゃないか。俺をはじめて呼んだときは、ただの家名だったというのに!
あのサンカルとはいったいどういう仲だ!?」
シヴァは大股で俺の部屋に入ってくると、俺を壁ぎわに追い詰めた。
「えっと、あの……」
どうしよう。サンカルにはさきほどきつく口止めされている。
ここに来たことも内緒だと言ってたのに、俺のバカバカバカバカ!!!!
「言えないような間柄なのか……?」
黙り込む俺の肩を掴むと、シヴァは俺にその美しい顔を近づけてくる。
「すみません、俺……」
「謝って欲しいわけじゃない。教えてくれ、イーサン。なぜ、サンカルがここに来た?」
翡翠の瞳が、俺を追及する。
「それは……、言えません、ごめんなさい!!」
「言えない……、そうか、なるほど……」
シヴァは淡い笑みを浮かべると、俺の顎をゆっくりと持ち上げた。
「でも、違うんです、俺……、んんっ!」
弁解しようとした言葉を、その唇で奪われた。
「あっ、んっ……!」
俺を壁に押し付けるようにすると、シヴァは貪るように俺に口づけてくる。
「ああ、これでようやくわかった。アイツなんだな、イーサン」
ひとしきり俺の咥内を舐めまわし終えると、シヴァはぺろりと自分の唇を舐めた。
「なんの、ことです……、ひゃあ、あ、や、やめ……っ」
肩を押さえつけられ、シヴァの冷たい指先が、俺の襟元から入ってくる。
「はっ……。いろいろなことがようやくこれで繋がった。
……初めてのあの日、お前はあのサンカルにそそのかされて、俺に声をかけてきたんだな!」
俺のガウンを落とし、シャツをはだけさせたシヴァが、俺を冷たい月のような目で見下ろした。
「違いますっ、俺は、サンカル様とは……っ、んっ、ああっ」
そんなわけはないと伝えたいが、あっという間に俺は、そのままシヴァに抱えられた。
「まあ、今となってはどうでもいいことだ。
それに、そうだとしても、俺はサンカルに感謝しないといけないな。
……このお前を、みすみす俺に差し出してくれたんだから!!」
ドサリとベッドに落とされた。
「シヴァ、様……」
「約束しただろう? イーサン。俺のことは何と呼ぶんだ?」
俺に覆いかぶさるシヴァが、優しい声で、何とも言えない不思議な表情で、俺の頬をくすぐる。
「……シヴァ、あの、聞いてください。俺、本当は……っ」
「イーサン、お前は俺に約束した。もう二度と他の男とは触れ合わないと。
それがどういう意味を持つことなのか、きちんとお前には教えなければいけないようだな……」
シヴァが、俺のズボンを下穿きごと強引に下ろした。
「あっ……」
「イーサン、お前のこと、わからなくなる……。
いったい何が本当で、なにが嘘なのか……」
シヴァは切なげに顔を歪ませた。
あのサンカルとはいったいどういう仲だ!?」
シヴァは大股で俺の部屋に入ってくると、俺を壁ぎわに追い詰めた。
「えっと、あの……」
どうしよう。サンカルにはさきほどきつく口止めされている。
ここに来たことも内緒だと言ってたのに、俺のバカバカバカバカ!!!!
「言えないような間柄なのか……?」
黙り込む俺の肩を掴むと、シヴァは俺にその美しい顔を近づけてくる。
「すみません、俺……」
「謝って欲しいわけじゃない。教えてくれ、イーサン。なぜ、サンカルがここに来た?」
翡翠の瞳が、俺を追及する。
「それは……、言えません、ごめんなさい!!」
「言えない……、そうか、なるほど……」
シヴァは淡い笑みを浮かべると、俺の顎をゆっくりと持ち上げた。
「でも、違うんです、俺……、んんっ!」
弁解しようとした言葉を、その唇で奪われた。
「あっ、んっ……!」
俺を壁に押し付けるようにすると、シヴァは貪るように俺に口づけてくる。
「ああ、これでようやくわかった。アイツなんだな、イーサン」
ひとしきり俺の咥内を舐めまわし終えると、シヴァはぺろりと自分の唇を舐めた。
「なんの、ことです……、ひゃあ、あ、や、やめ……っ」
肩を押さえつけられ、シヴァの冷たい指先が、俺の襟元から入ってくる。
「はっ……。いろいろなことがようやくこれで繋がった。
……初めてのあの日、お前はあのサンカルにそそのかされて、俺に声をかけてきたんだな!」
俺のガウンを落とし、シャツをはだけさせたシヴァが、俺を冷たい月のような目で見下ろした。
「違いますっ、俺は、サンカル様とは……っ、んっ、ああっ」
そんなわけはないと伝えたいが、あっという間に俺は、そのままシヴァに抱えられた。
「まあ、今となってはどうでもいいことだ。
それに、そうだとしても、俺はサンカルに感謝しないといけないな。
……このお前を、みすみす俺に差し出してくれたんだから!!」
ドサリとベッドに落とされた。
「シヴァ、様……」
「約束しただろう? イーサン。俺のことは何と呼ぶんだ?」
俺に覆いかぶさるシヴァが、優しい声で、何とも言えない不思議な表情で、俺の頬をくすぐる。
「……シヴァ、あの、聞いてください。俺、本当は……っ」
「イーサン、お前は俺に約束した。もう二度と他の男とは触れ合わないと。
それがどういう意味を持つことなのか、きちんとお前には教えなければいけないようだな……」
シヴァが、俺のズボンを下穿きごと強引に下ろした。
「あっ……」
「イーサン、お前のこと、わからなくなる……。
いったい何が本当で、なにが嘘なのか……」
シヴァは切なげに顔を歪ませた。
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