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【番外編】

ソラルの里帰り 〜その7〜(終)

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「レオン、おろしてっ! 俺、歩けるからっ!」

「駄目」

 レオンは俺を横抱きにしたまま、結婚式の会場を後にして、村の大通りをずんずん進んでいく。

 村の人たちは一様に驚いた顔で、レオンに運ばれる俺を見ていた……。


「レオンっ!」

「ここだな……」

 見上げると『ル・パティオ』と書かれたとてもお洒落な宿屋と思わしき看板があった。

 でもこれ、たしか昔『エズラの定宿』っていう名前だったオンボロ宿屋じゃん! 古い木造が、白いタイル張りの建物になってるし!
 うちの村、宿屋まで知らないうちにこんなにグレードアップしてるの!?
 なんで名前までそんなオシャな感じになってるわけ!!??

 俺の疑問をよそに、レオンは俺を抱えたまま受付に進んでいく。

 受付にいたエズラは、黒いスーツでばっちり決めていた。俺の知っているエズラはこんなすましたヤツじゃなかった!!!

「お客様っ!」

 さすがになにか鬼気迫るものを感じたのか、俺たちを見たエズラはとがめるような声を出した。
 だが、レオンが受付に鍵と一緒に金貨を一枚置くと、エズラはあっさりとその態度を変えた。

「ようこそ、お客様、どうぞごゆっくり」

 にっこり笑って、揉み手を始める始末……。

「朝まで起こすな」

「はい、おっしゃるとおりに」

「エズラ、おいっ……!」

 俺がエズラを睨むが、エズラはもちろん見て見ぬふり。

「最上階の最高クラスのお部屋でございます。朝まで誰にも邪魔されずゆっくりお過ごしくださいませ!」

「エズラっ!!!!」

「いくぞ、ソラル!」

 ――この裏切り者っ!!!!!


 最高クラスの部屋というだけあって、部屋はとても広く、綺麗だった。

 レオンは一番奥の寝室のドアを乱暴に足で開けると、俺を寝台の上に落とした。

「レオンっ、ちょっと……、まだパーティの途中だったのに……」

「これ以上は、我慢、できない……」

 ハアハアと肩で息をするレオン。顔にかかる黒髪の隙間から除く瞳は、ぎらぎらと光っていて……。


 ――やばい、これは、相当に、相当にキている!



「レオン、ちょっといったん落ち着こうか、俺がお茶でも入れて……」

「脱いで」

「は!?」

「脱いで、全部、見せて。……ソラルの、全部が、見たい……」

「レオン、何言って……」

「あの変態男に、言われただろ。ソラルは、俺がいなかったら、あの男の前で裸になって、絵を描かせた?」

 俺は眉を顰める。

「何を言ってるんだ。なるわけないし、描かせるわけ……」

「俺、見たい……、ソラル、脱いで……」


 レオンの怨念がこもったみたいになってる目を見て、俺はため息をついた。

 ――駄目だこりゃ。何を言っても無駄だ。こうなったら、レオンの好きにさせるしかない。



「わかった。いいよ……。じゃあ、レオンが、俺の全部、見て……」

 俺はベッドのすぐ横に立つと、上着を脱いだ。


「……っ」

 シャツのボタンを全部外して、ベッドの上に脱ぎ捨てる。

 ベルトを外すと、ズボンを床に落とした。

「ソラル、全部、脱いで……」

 熱のこもった瞳で見つめられ、俺の身体も熱くなる。

 俺は下着も全部脱いで、全裸でレオンの目の前に立った。

「これで、いいだろ……っ」


「綺麗だ……、ソラル……」

 レオンはため息をつく。

「じゃあ、ベッドに上がって。それから、脚を広げて俺に見せて……」

「っ……!」

 レオンとは何度もセックスしてるし、裸を見られたところで今更恥ずかしがるなんておかしいってわかってるのに、レオンにこうして視姦された俺は、たまらなく身体の奥が疼いた。

 俺はベッドに上がった。綺麗なシーツが素肌に当たる感触も、何か隠微なものに思える。

「レオン、見て……、俺の……」

 ベッドに座りレオンに向き直ると、俺は誘うようにゆっくりと脚を開いて見せた。

「ソラルっ、ああ、なんて……格好だ……、たまらないっ!」

 レオンは息を荒げながらも、俺には近づこうとしない。

「レオン……、俺をもっと見て……」

 俺は後ろ向きになり、四つん這いになると、レオンに尻を突き出した。

「レオン、早く来て……、俺、レオンが欲しいっ……」

 自分の尻たぶをつかむと、そこを開いてレオンに見せつける。

「ソラルっ!!!」

 レオンが襲い掛かるように、俺の上に覆いかぶさってきた。


「レオン、駄目、だよっ、今日は俺がレオンを気持ちよくしてあげる」

 ズボンの前をくつろげて、すぐにでも繋がろうとするレオンを俺は制した。


 体の向きをかえ、レオンをベッドに押し倒す。

 俺がレオンの身体の上に乗る体制になると、俺はレオンにキスを落とした。

 驚いているレオンに構わずその唇に舌を差し入れると、わざとくちゅくちゅと音をたてて舌を絡ませる。

「あっ、ソラル……、俺っ、俺……」

「しっ、レオンは今日は何もしなくていいよ……」


 ゆっくりと唇を離し、レオンの唇に人差し指を押し当てると、俺はレオンの上着をゆっくり脱がしていった。

 レオンのシャツのボタンを外すと、レオンの心臓が早鐘を打っているのがわかる。

「レオン、ドキドキしてるね……。可愛い……」

 俺はレオンの裸の胸に手のひらを這わせる。

「ソラル……、俺っ、すごくヤバいっ……」

「いいよ、今日は俺が全部気持ちよくしてあげる」

 レオンのシャツを脱がせると、ズボンの中からいきり立ったレオンのペニスを取り出した。

「ソラル……、そんなことっ、しなくて、いいから……」

「駄目、レオンはじっとしてて」

 俺は一気に、喉奥までレオンのペニスを飲み込んだ。


「うっ、ぐ、あ……、ソラルっ…‥」

 喉の最奥で締め付けるようにして、頭を上下に動かすと、レオンがうめき声をあげる。

「気持ち、いいっ!?」

「ああっ、ソラル、駄目だっ、そんなことしたら、すぐにっ!」

 レオンが俺の髪をつかむ。

「いいよっ、全部俺が飲むから。出して」

「あっ、ふっ、イクっ、あああっ!」

 ぶるっと身体を震わせて、レオンは俺の口の中に精を吐き出した。

「気持ちよかった……? レオン、見て? ほら、全部飲んだよ」

 俺はレオンに見せつけるように、口を開け、舌を出す。


 レオンはそんな俺を見て、身を震わせた。

「レオン、好きだよ。俺でもっと気持ちよくなって……」

 俺はレオンの身体に、自分の身体を擦りつけるように絡ませていく。

 首筋から、鎖骨、胸、臍まで丁寧に舌でたどっていくと、さっき吐き出したばかりだというのに、レオンの陰茎はすでに十分な固さを取り戻して、天井を向いていた。

「ふふっ、もう元気になってる。ガチガチだね」

 俺は軽くレオンのそれを捌く。

「くっ、はあっ、ソラルっ、俺っ……、俺っ……」

 レオンが俺の腰に手をまわす。


「レオン、俺の中に入りたいっ?」

 俺の息も上がっている。

「あっ、はあっ、ソラルっ、早くっ……」

「いいよ。レオン、俺の中にきてっ!」

 俺はサイドボードに置いてあった香油を手に取ると、そのまま自分の後孔に塗り込んだ。

 紅潮した頬で俺を見つめるレオンに微笑みかけてレオンの首に手をまわすと、そのままレオンの剛直目指して腰を落としていく。


「んっ、あっ、レオンのっ、太いっ……」

 ぬぷぬぷと俺の後ろがレオンを飲み込んでいく。俺自身ももうすっかり立ちあがって、鈴口からは蜜が流れている。

「ああっ、ソラルっ、ソラルっ、なかっ、あったかい……っ」

 レオンが艶めかしく呻く。

「あっ、もうちょっとで、入るっ、からっ、んっ!!」

 全部埋め込むと、俺ははあはあと息をついた。

「見て、レオンの、全部、入ってるよ…‥、んくっ!」

 突然、レオンが下から俺を激しく突上げてきた。


「あっ、だめっ、動かない、でっ! あああああっ!」

「ソラル、ソラル、ソラルっ……!」

 レオンが、俺の腰を持ち、ぐんっと引き寄せる。

「んお、お、おおっ!!!!!」

「ほら、ソラル、ソラルの大好きな奥まで入ったよ」

 レオンの不思議な色の瞳に情欲の焔がともった。


「あっ、だめっ、そんなに奥っ、駄目っ!」
 
 思わず腰を浮かそうとする俺を、レオンはぐっと引き寄せる。

「ここまで俺を煽っておいて、お預けは、ないだろ!?」

 レオンの動きはさらに激しさを増すと、繋がったまま俺をベッドにあおむけにして、大きく脚を引かせた。

「あっ、くはっ、あ、あ、あ、お、おおっ、んっ、ああああああ!!!」

 そのまま容赦なく一番奥まで貫かれて、ガンガンと腰を打ち付けられる。

「ああっ、たまらないよっ、ソラルっ……、あんなに俺を惑わせて、俺を淫らに誘って……、
こんなこと、他の誰かにしたら……、わかってるよな!?」

「あっ、いやっ、駄目ッ、もう、おかしくなるっ、お願い、止めて、止めてっ!!!」

 俺はレオンの背中に爪を立て、懇願する。

「何言ってるんだよ、ソラル。今日はお仕置きの日、だろ?
今日はアンタがイキ狂うまで、ずっと嵌めててやるからなっ!!!」


「ああああああああっ!!!!」


 もちろん有言実行のレオン。

 俺とレオンが高級宿屋『ル・パティオ』を出たのは、それから2日も経った後だった……。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ――そして。

 王都に戻った俺たちのもとには、レオンの母・テオドアから結婚祝いとして一対のピアスが届いた。

 綺麗な緑色をしていたピアスは、レオンが手にした途端、レオンの瞳と同じ、青と緑の中間色に変わった。


「あのババア、たまには役に立つじゃねーか」

 にやりと笑うレオン。

 その後も、テオドアからはちょくちょく手紙などが来て、レオンと母親が和解したことを知った俺はとても喜んだ。



 ――だが、俺とレオンの耳にそれぞれ仲良くつけられたこのピアス……。その詳しい性能については、いまだ怖くてレオンに確かめられずにいる……。



(了)

 









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これでこの物語は完結です❤

今まで読んでいただきありがとうございました。

「面白かった」、「次作も読みたい」、と思っていただけましたら
ぜひ、お気に入り登録・エールよろしくお願いいたします!感想もいただけるととても喜びます!!
作者の更新へのモチベーションアップにつながります!!ぜひよろしくお願いします❤


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みんなの感想(37件)

まきまき
2024.08.06 まきまき

あーやはりこの作品が本当にだいすきです〜♡何回読んでも面白い!主人公が前向きで性格が良くてかわいいし!周りの主人公を愛するキャラが魅力的!何度見ても楽しいです〜

.mizutama.
2024.08.27 .mizutama.

感想ありがとうございます!!
気づくが遅くなって、めちゃくちゃ返信が遅くなり申し訳ありません!!

何度もこの作品を読んで頂き本当にうれしいです!!
今後も楽しんでいただける作品を書いていきたいです❤ありがとうございます😄

解除
なぁ恋
2024.06.08 なぁ恋

どうしてこう幸せな気持ちになるのか
愛される要素しかない主人公にどうしようもなく癒される周りの人達
もちろん魅了された男たちもどうしたって後ろ髪ひかれるよね
既婚者たちだけど多分その伴侶たちもまあ仕方ないかなって感じなのかなぁ

なんか癒された
全てに癒された⟡.*

ありがとうございました!!

.mizutama.
2024.06.08 .mizutama.

なぁ恋サマ❤

とってもうれしい感想ありがとうございます!
しかも、癒やされていただき光栄です!!

お話を読んで楽しんでいただけるのが何より嬉しいです〜!!
私も癒やされました!

ありがとうございます❤

解除
ちー
2024.04.21 ちー

とても面白くて全話いっきに読ませていただきました。
素晴らしい作品でした!!
私的にはユーゴ様がちょっと切なくてお気に入りですw
これからmizutamaさんの他作品を読むのが楽しみです♪

.mizutama.
2024.04.21 .mizutama.

ちー様❤

一気読み!ありがとうございます。
気に入っていただけてよかったです!
ユーゴ、意外に人気がありますね!大人の魅力でしょうか??(既婚者だけど・・・笑)

また他の作品も気に入っていただけるものがあればすごく嬉しいです❤
感想ありがとうございます!!

解除

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