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~番外編~
王の休日(前編)
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【あらすじ!?】
エドガー×セシルのその後のお話
新婚のふたりのいちゃラブ。ただそれだけのお話。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
セシルが目を覚ましたとき、エドガーはすでにブリーチズとウエストコートを身に着け、金糸の刺繍が施された青いコートを羽織ろうとしているところだった。
「ああ、起こしてしまったか、すまない……」
エドガーは、セシルと目が合うと、寝台に近づきセシルの銀色の髪をそっと撫でた。
「エドガー様……」
「貴方はまだゆっくり寝ていて。身体は綺麗にしたつもりだが、起きたら湯を浴びた方がいい。その……、まだ中に残っているかもしれないから」
「……はい……」
エドガーの言葉に、セシルは昨晩の情熱的な交わりを思い出し、赤くなった。
身体はまだ重だるく、下半身にはエドガーの感触が生々しく残っている。おそらく全身には、エドガーにつけられた赤い痕が点々と残っているはずだ。
「無理をさせたか……? すまない……、途中から歯止めがきかなくなった」
エドガーの指がセシルの裸の肩に触れる。
ほんの少しの接触なのに、そこから電気が走ったかのような刺激が走る。
「……っ、大丈夫、です……」
「しばらく忙しくなる……、なるべく早く訪ねるようにするが……」
エドガーの深い青の瞳が、セシルの銀の瞳をのぞき込む。
だから昨晩あれほど激しかったのかと、セシルは一人で納得した。
「わかりました。私のことは気にせず……」
「逢えない間、できればセシルから手紙が欲しい」
エドガーは恥ずかしいとき、なぜか怒ったような顏になる。
「……はい、毎日お送りします、必ず」
セシルがほほ笑むと、エドガーも頬を緩めた。
「ありがとう。待っている。私も必ず、手紙を書くから……」
「無理しないでください、私の方は……」
言いかけて、セシルは口をつぐむ。
離宮と王宮はかなりの距離がある。公務で忙しいというのに、それに加えてそこを往復するのは大変なことなので、毎日のように離宮に通って来ようとするエドガーをセシルは以前やんわりと制したことがある。
もちろんエドガーと会いたくないはずがなく、エドガーの体調を慮ってのことだったが、エドガーはセシルの言葉にものすごく不機嫌になってしまった。なのでそれ以降、セシルはエドガーに会いたいという気持ちをなるべく隠さないようにしている。
「いえ、私もエドガー様からのお返事を楽しみにしています。でも無理はしない…‥んっ」
塞がれる唇。
触れるだけで離れる唇を惜しむように、セシルはエドガーの袖を引いた。
「エドガーさまっ……」
「ああ、そんな顔をしないで……、ますます離れがたくなってしまう」
エドガーはくすりと笑うと、セシルの背に手をまわし、もう一度口づけを落とす。
「んっ、あっ…‥」
今度は深い口づけとなり、熱い舌が絡み合う。
「セシル、セシル……っ」
エドガーの息も荒い。
エドガーの指が、背中を滑り、そのままセシルの臀部に伸びる。
「っ、エドガー様っ!?」
「煽った貴方が悪い」
エドガーが、青い上衣を脱ぎ捨て、寝台に乗ってくる。
そしてそのままセシルが身体に巻き付けている白い敷布をはぎ取る。
「駄目っ、です…‥、もう、時間がっ……」
「時間ぐらいなんとでもなる。セシル……、貴方が欲しい、今すぐ」
「ああ……、エドガー様……」
アルファの若き王に組み敷かれ、その青い瞳で見つめられるとセシルにはもう何も考えられなくなってしまった。
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エドガー×セシルのその後のお話
新婚のふたりのいちゃラブ。ただそれだけのお話。
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セシルが目を覚ましたとき、エドガーはすでにブリーチズとウエストコートを身に着け、金糸の刺繍が施された青いコートを羽織ろうとしているところだった。
「ああ、起こしてしまったか、すまない……」
エドガーは、セシルと目が合うと、寝台に近づきセシルの銀色の髪をそっと撫でた。
「エドガー様……」
「貴方はまだゆっくり寝ていて。身体は綺麗にしたつもりだが、起きたら湯を浴びた方がいい。その……、まだ中に残っているかもしれないから」
「……はい……」
エドガーの言葉に、セシルは昨晩の情熱的な交わりを思い出し、赤くなった。
身体はまだ重だるく、下半身にはエドガーの感触が生々しく残っている。おそらく全身には、エドガーにつけられた赤い痕が点々と残っているはずだ。
「無理をさせたか……? すまない……、途中から歯止めがきかなくなった」
エドガーの指がセシルの裸の肩に触れる。
ほんの少しの接触なのに、そこから電気が走ったかのような刺激が走る。
「……っ、大丈夫、です……」
「しばらく忙しくなる……、なるべく早く訪ねるようにするが……」
エドガーの深い青の瞳が、セシルの銀の瞳をのぞき込む。
だから昨晩あれほど激しかったのかと、セシルは一人で納得した。
「わかりました。私のことは気にせず……」
「逢えない間、できればセシルから手紙が欲しい」
エドガーは恥ずかしいとき、なぜか怒ったような顏になる。
「……はい、毎日お送りします、必ず」
セシルがほほ笑むと、エドガーも頬を緩めた。
「ありがとう。待っている。私も必ず、手紙を書くから……」
「無理しないでください、私の方は……」
言いかけて、セシルは口をつぐむ。
離宮と王宮はかなりの距離がある。公務で忙しいというのに、それに加えてそこを往復するのは大変なことなので、毎日のように離宮に通って来ようとするエドガーをセシルは以前やんわりと制したことがある。
もちろんエドガーと会いたくないはずがなく、エドガーの体調を慮ってのことだったが、エドガーはセシルの言葉にものすごく不機嫌になってしまった。なのでそれ以降、セシルはエドガーに会いたいという気持ちをなるべく隠さないようにしている。
「いえ、私もエドガー様からのお返事を楽しみにしています。でも無理はしない…‥んっ」
塞がれる唇。
触れるだけで離れる唇を惜しむように、セシルはエドガーの袖を引いた。
「エドガーさまっ……」
「ああ、そんな顔をしないで……、ますます離れがたくなってしまう」
エドガーはくすりと笑うと、セシルの背に手をまわし、もう一度口づけを落とす。
「んっ、あっ…‥」
今度は深い口づけとなり、熱い舌が絡み合う。
「セシル、セシル……っ」
エドガーの息も荒い。
エドガーの指が、背中を滑り、そのままセシルの臀部に伸びる。
「っ、エドガー様っ!?」
「煽った貴方が悪い」
エドガーが、青い上衣を脱ぎ捨て、寝台に乗ってくる。
そしてそのままセシルが身体に巻き付けている白い敷布をはぎ取る。
「駄目っ、です…‥、もう、時間がっ……」
「時間ぐらいなんとでもなる。セシル……、貴方が欲しい、今すぐ」
「ああ……、エドガー様……」
アルファの若き王に組み敷かれ、その青い瞳で見つめられるとセシルにはもう何も考えられなくなってしまった。
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