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第141話 溶け合う
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして夜……。
「叔父様、準備はできましたか?」
「……うん……」
湯浴みを終えたばかりのテオドールの黒髪は、まだ濡れていた。
薄い夜着を羽織っただけのテオドールが、俺の寝台に乗ってくる。
テオドールの均整の取れた美しい身体は、その薄い衣の上からでも十分にその存在を感じることができた。
「緊張、されていますか?」
テオドールの指がそっと俺の肩に触れる。
「……してる。だって……!」
「俺も、緊張して、います……、それも、ものすごくっ!」
その言葉が決して嘘ではないことが、テオドールのこわばった指先から伝わってきた。
「本当、なのかな? 俺が、テオと……、結ばれれば、この淫紋が解けるって……」
不安げな俺の頬に、テオドールはその温かい手のひらをあてた。
「大丈夫です。魔法において、この世界でシャルロット殿下の右に出るものはいません。
殿下の言葉は、真実なのだと思います」
あのあと、魔力切れから少し回復したシャルロット王女は、俺とテオドールにこう告げていた。
――俺の淫紋は「真実の愛」の相手と心身ともに結ばれることで、解呪される……。
マリユスがそんな甘美で情緒的な淫紋を俺に刻んでいたことに、俺は驚きを隠せなかった。
「真実の愛」など、享楽的な彼には一番そぐわない言葉だったのではないのだろうか?
……マリユスお得意の淫らなお遊びの一環だったのだろうか、それとも……。
そして、マリユスとの交合では、俺の淫紋が解呪されなかったことについて、マリユスはいったいどんな想いを抱いていたのか……。
今となっては、もう俺に知る手段はない。
「でも、もし……、駄目だったら……」
「ジュール叔父様……」
テオドールが俺に頬を寄せる。
「テオ……」
「もし俺が叔父様の「真実の愛」の相手ではなく、淫紋が解呪されなかったとしても……、俺はもう、叔父様を誰にも渡しません。
俺が淫紋についてもすべて責任を取ります。叔父様には申し訳ありませんが……、未来永劫、叔父様は俺から逃れられないと覚悟してください……」
強い言葉とはうらはらに、不安げに揺れるテオドールの瞳に、俺はくすりと笑った。
「テオ……、俺だってもうテオから離れるつもりなんて、絶対にないよ。
それに……。きっと、この淫紋は消えると思う。わかるんだ。だって、俺は……、こんなにも君を愛してる……」
俺はテオドールの美しい唇に、自分の唇を重ねた。
テオドールは、震えていた……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっ、あっ、あああっ!」
「くっ、はっ、ああ……、叔父様、叔父様っ……」
ナイムであったテオドールとは、初めて身体を重ねるわけではない。
でも……。
「あ、気持ち、いい……、テオ、感じるっ、あっ、そんなに……、ああああっ!」
身体中を優しく丁寧に愛撫され、香油でじっくりと後孔をほぐされた。
テオドールが俺の中に入ってきたときには、俺はすでにもう待ちきれなくて……!
ぎしぎしと寝台が鳴っているのを、俺はなかば夢うつつの状態で聞いていた。
「叔父様っ……、すごく……いいっ、良すぎて……、くっ……」
テオドールが俺の膝裏を押して脚を広げさせ、さらに結合を深めた。
「あ、ああ、ああああっ!!」
テオドールのそれは、俺の身体の中心部まで着実に貫いていく。
「ああ、叔父様の中は……熱くて……っ」
つながったところから、テオドールと俺は溶けて一つになっているような感覚があった。
テオドールの逞しい身体に揺すぶられるたびに、俺は自分でも信じられないくらい高い声をあげていた。
全部が気持ちよくて、よすぎて、幸せすぎて……!!
「テオ、キスしたいっ…‥、キスして……っ!」
ねだるように手を広げれば、テオドールは美しい笑みとともに、俺の唇をふさぐ。
「んあ、あ……っ!」
熱い舌が絡み合う。
すべてが、熱くて、なにもかも、切なくて……。
――俺の全身で、テオドールが欲しいと言っている。
「叔父様、愛しています……、愛しているという言葉くらいでは、足りないくらい……」
「愛してる、テオっ! やっとテオと一つになれて、うれしい……っ!」
俺はテオドールの背中に手を回して、ぎゅっと抱き着いた
俺の言葉に反応するように、俺の中にいるテオドールの重量が増した。
「くっ、あんまりっ、煽らないでっ! 優しく、したい、ので……」
テオドールの長めの前髪が、俺の額にかかる。
彼の熱い息遣いが、愛おしい。
「あ、ああ、テオ、もっと、もっといっぱい、欲しい……、好きっ、大好きっ、
愛してる、愛してる……」
「俺も、大好きです。ジュール、叔父様……っ」
ぐん、っと奥を突かれると俺の身体は弓なりに反り、自然と涙があふれた。
体の奥に熱い飛沫がほとばしる。
――俺とテオドールはこの日、ついに結ばれた……。
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そして夜……。
「叔父様、準備はできましたか?」
「……うん……」
湯浴みを終えたばかりのテオドールの黒髪は、まだ濡れていた。
薄い夜着を羽織っただけのテオドールが、俺の寝台に乗ってくる。
テオドールの均整の取れた美しい身体は、その薄い衣の上からでも十分にその存在を感じることができた。
「緊張、されていますか?」
テオドールの指がそっと俺の肩に触れる。
「……してる。だって……!」
「俺も、緊張して、います……、それも、ものすごくっ!」
その言葉が決して嘘ではないことが、テオドールのこわばった指先から伝わってきた。
「本当、なのかな? 俺が、テオと……、結ばれれば、この淫紋が解けるって……」
不安げな俺の頬に、テオドールはその温かい手のひらをあてた。
「大丈夫です。魔法において、この世界でシャルロット殿下の右に出るものはいません。
殿下の言葉は、真実なのだと思います」
あのあと、魔力切れから少し回復したシャルロット王女は、俺とテオドールにこう告げていた。
――俺の淫紋は「真実の愛」の相手と心身ともに結ばれることで、解呪される……。
マリユスがそんな甘美で情緒的な淫紋を俺に刻んでいたことに、俺は驚きを隠せなかった。
「真実の愛」など、享楽的な彼には一番そぐわない言葉だったのではないのだろうか?
……マリユスお得意の淫らなお遊びの一環だったのだろうか、それとも……。
そして、マリユスとの交合では、俺の淫紋が解呪されなかったことについて、マリユスはいったいどんな想いを抱いていたのか……。
今となっては、もう俺に知る手段はない。
「でも、もし……、駄目だったら……」
「ジュール叔父様……」
テオドールが俺に頬を寄せる。
「テオ……」
「もし俺が叔父様の「真実の愛」の相手ではなく、淫紋が解呪されなかったとしても……、俺はもう、叔父様を誰にも渡しません。
俺が淫紋についてもすべて責任を取ります。叔父様には申し訳ありませんが……、未来永劫、叔父様は俺から逃れられないと覚悟してください……」
強い言葉とはうらはらに、不安げに揺れるテオドールの瞳に、俺はくすりと笑った。
「テオ……、俺だってもうテオから離れるつもりなんて、絶対にないよ。
それに……。きっと、この淫紋は消えると思う。わかるんだ。だって、俺は……、こんなにも君を愛してる……」
俺はテオドールの美しい唇に、自分の唇を重ねた。
テオドールは、震えていた……。
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「あっ、あっ、あああっ!」
「くっ、はっ、ああ……、叔父様、叔父様っ……」
ナイムであったテオドールとは、初めて身体を重ねるわけではない。
でも……。
「あ、気持ち、いい……、テオ、感じるっ、あっ、そんなに……、ああああっ!」
身体中を優しく丁寧に愛撫され、香油でじっくりと後孔をほぐされた。
テオドールが俺の中に入ってきたときには、俺はすでにもう待ちきれなくて……!
ぎしぎしと寝台が鳴っているのを、俺はなかば夢うつつの状態で聞いていた。
「叔父様っ……、すごく……いいっ、良すぎて……、くっ……」
テオドールが俺の膝裏を押して脚を広げさせ、さらに結合を深めた。
「あ、ああ、ああああっ!!」
テオドールのそれは、俺の身体の中心部まで着実に貫いていく。
「ああ、叔父様の中は……熱くて……っ」
つながったところから、テオドールと俺は溶けて一つになっているような感覚があった。
テオドールの逞しい身体に揺すぶられるたびに、俺は自分でも信じられないくらい高い声をあげていた。
全部が気持ちよくて、よすぎて、幸せすぎて……!!
「テオ、キスしたいっ…‥、キスして……っ!」
ねだるように手を広げれば、テオドールは美しい笑みとともに、俺の唇をふさぐ。
「んあ、あ……っ!」
熱い舌が絡み合う。
すべてが、熱くて、なにもかも、切なくて……。
――俺の全身で、テオドールが欲しいと言っている。
「叔父様、愛しています……、愛しているという言葉くらいでは、足りないくらい……」
「愛してる、テオっ! やっとテオと一つになれて、うれしい……っ!」
俺はテオドールの背中に手を回して、ぎゅっと抱き着いた
俺の言葉に反応するように、俺の中にいるテオドールの重量が増した。
「くっ、あんまりっ、煽らないでっ! 優しく、したい、ので……」
テオドールの長めの前髪が、俺の額にかかる。
彼の熱い息遣いが、愛おしい。
「あ、ああ、テオ、もっと、もっといっぱい、欲しい……、好きっ、大好きっ、
愛してる、愛してる……」
「俺も、大好きです。ジュール、叔父様……っ」
ぐん、っと奥を突かれると俺の身体は弓なりに反り、自然と涙があふれた。
体の奥に熱い飛沫がほとばしる。
――俺とテオドールはこの日、ついに結ばれた……。
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