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第27話 未来へ(最終話)
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「じゃあ、アムル、俺たちの子供を迎えに行こう!」
アミードがアムルの手を取る。
マイイとルゥルゥのいる部屋を訪れると、二人はびっくりしたようにアミードを見た。
「お母様、この人、誰……?」
不安げな表情でアムルを見上げるマイイ。
「わあ、妖精しゃん、きれい!」
小さいルゥルゥは、アミードの使役する精霊に目を奪われている。
「ちょっと、私は精霊よ! あんな下等なものと一緒にしないで頂戴!」
ぶんぶんと頬を膨らませる金の精霊に、ルゥルゥは手を伸ばす。
「せいれい、しゃん? きれい、とってもきれいね……こっちに来て!」
「……まあ、美的感覚が正常であることだけは認めてあげるわ。フンっ、仕方がないわね。
せっかくだからよく見ておきなさいっ!」
姿を褒められた精霊はまんざらでもないのか、ルゥルゥの周りとくるくると飛び回る。
「マイイ、あのね、この人は……」
「マイイ、初めまして、だね。俺はマイイの家族だよ。これから一緒にアムルと暮らすんだ。マイイも一緒に俺と来てくれる?」
アミードはマイイににっこりと笑いかける。
「……お母様、どこかに行くの?」
マイイはアムルの袖をつかむ。
「マイイ……」
「君のその赤い髪と青い瞳、とっても素敵だね。次の代の魔法国の女王様にぴったりだよ!」
アミードはマイイに優しいまなざしを向ける。
「女王様……、魔法国の?」
マイイの顔色が変わる。
「そうだよ。マイイは魔王国の次の女王様に、なりたくない?」
「だって、女は王にはなれないのよ! みんなそう言ってるもん」
マイイが強い口調で言い返す。
「この国では、そうかもしれないね。でも俺の治める魔法国は、男も女も関係ない。魔力が一番強いものを、俺が次の王に指名するんだ。マイイはとっても賢くて、しかも魔力も強そうだね。どうだろう、俺と一緒に魔法を勉強して、女王にならないかな?」
「……なりたい。魔法の勉強も、したい」
マイイの言葉に、アムルは驚いた。
「マイイ、いいの?」
「お母様、私、女王になりたい! ここでは女は偉くなれないもの! 私、この人と一緒に行く!」
「マイイ……」
娘の強い意志を持った瞳に、アムルは驚いていた。
「お姉しゃま、女王しゃまになるの? いいなあ、ルゥルゥもなりたい!」
ルゥルゥが、アミードの漆黒のマントを引っ張った。
「いいね! ルゥルゥもとっても魔力が強そうだ! マイイと一緒に女王様になればいいよ!」
アミードがルゥルゥの頭を撫でた。
「何を言ってるの? 女王様は一つの国に一人だけよ!」
マイイが反論する。
「大丈夫。俺の国には女王様が二人いたって、まったく問題ないよ! それに、女王様が一人だけなんていったい誰がいつ決めたの? 俺の国では、なんでも自分の好きに決めていいんだ」
「そう……、なの……?」
「わーい、ルゥルゥも女王さしゃまになるー!」
幼いルゥルゥは、意味も分からず女王になれると喜んでいる。
「アミード、そんなこと、簡単に約束して、いいの?」
アムルがアミードを見上げると、アミードは顔をほころばせた。
「マイイもルゥルゥも、魔力は十分。この国にいても、どこかの国の王族に嫁ぐ未来しかないんだったら、魔法国の女王になるっていうのは、二人にとってもいい選択だと思うよ。それに……」
アミードは、ルゥルゥの手のひらの上で誇らしげにポーズをとっている金の精霊を見た。
「あの傲慢な精霊をすっかり手なずけているじゃないか。さすが、次代の女王の器だ」
「……」
「おい、精霊! お前の次のご主人様たちだ。せいぜい今のうちに媚を売っておけ!」
アミードが言い放つと、精霊はあわててアミードの側に戻った。
「魔王様っ、違うんですっ。ちょっと、あの娘たちに私のこの姿を見せてあげていただけであって……!」
「そんなことより、行くぞ。……もう、すべては終わった」
アミードは漆黒のマントを広げると、その中にアムルとマイイ、ルゥルゥを包み込んだ。
「では、魔王様、戻りましょう。魔法国へ――」
金の精霊が、金の粉を降らせると、そこにはぽっかりと丸い空間があいた。
アミードが、しっかりとアムルを抱き寄せる。
「帰ろう、俺たちの場所へ――」
アムルは大きく息を吸い込む。
すぐ近くに誰よりも愛しいアミードの息遣いを感じる。アムルはアミードの手を握った。
――マーリク、さよなら……。
側室アムルと子供たちは、その日以降この国から永遠に姿を消した……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~epilogue~
国王・マーリクが目を覚ますと、傍らにはもうすっかり用意を整えた正妃カミーラがいた。
「相変わらず、早いお目覚めだこと」
カミーラの嫌味には慣れっこのマーリクは、寝台の上で大きく伸びをした。
「ああ、なんだか今日はすごく長い夢を見ていた気がする……」
「よく眠れたということだ。良いことじゃな。さあ、もう朝食の準備をさせても良いか? 今朝はターヒルの剣の稽古があるのじゃ」
「ずいぶん熱心なことだな。わかった準備しよう」
夜着のまま寝台から下りると、マーリクはテーブルの上に置かれた白い手巾に目を止めた。
「これは……?」
「ああ、女官長が持ってきたのじゃ。陛下の服の中に入っていたものらしいが、大切なものなのか?」
「私の服の中に? ……なんだろう、思い出せない……」
手巾を広げてみると、王家の紋章が刺繍されていた。
「服の中に忍ばせるとは、よほど大切なものなのではないのか?
これは手刺繍じゃろう……、もしや若い頃にどこぞの令嬢から贈られたものでは?」
カミーラが揶揄する。
「そんな令嬢に覚えはないが……、なんだろう、でも、なにか知っているような気もする……」
「どれ、この刺繍、途中から手が変わっているぞ。おおかた、刺繍の苦手な令嬢が途中までやって放り出して、残りの部分を器用なメイドにやらせたのじゃろうな」
マーリクはカミーラの手から、その手巾を取り返した。
「……よくわかるな。それにしても……、この刺繍、なんだか……」
「やはり大切なものなのか? 捨ててもいいのかと女官長は聞いていたが……、やはり若い頃の……」
「カミーラが嫉妬とは珍しいな」
マーリクの言葉に、カミーラは唇をゆがませた。
「嫉妬などするような関係ではないのは、お互い承知の上であろう……?」
マーリクはしげしげとその刺繍を眺める。
「ああ、思い出せない。なにか、ここまで出かかっているのに!」
しかめっ面になっているマーリクに、カミーラは思いのほか優しいまなざしを向けた。
「しかし陛下、この世には忘れていたほうが幸せだということもあると聞いたぞ……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔女・ワアドの後を継いだ新しい魔法国の魔王は、そののち、すべての国交を断絶した。
魔王は、20年後に姉妹の女王二人にその座を譲るまで、魔法国をすべての国から秘匿したため、歴史上においてその内情について記された文献は今もほとんど残っていない……。
(了)
ーーーーーお知らせーーーーーー
これにて本編は完結しました。これから、ちょっとだけ番外編を予定しています。
面白かった、番外編もぜひ、と思っていただけましたらお気に入り登録・エールで応援よろしくお願いいたします!!!
アミードがアムルの手を取る。
マイイとルゥルゥのいる部屋を訪れると、二人はびっくりしたようにアミードを見た。
「お母様、この人、誰……?」
不安げな表情でアムルを見上げるマイイ。
「わあ、妖精しゃん、きれい!」
小さいルゥルゥは、アミードの使役する精霊に目を奪われている。
「ちょっと、私は精霊よ! あんな下等なものと一緒にしないで頂戴!」
ぶんぶんと頬を膨らませる金の精霊に、ルゥルゥは手を伸ばす。
「せいれい、しゃん? きれい、とってもきれいね……こっちに来て!」
「……まあ、美的感覚が正常であることだけは認めてあげるわ。フンっ、仕方がないわね。
せっかくだからよく見ておきなさいっ!」
姿を褒められた精霊はまんざらでもないのか、ルゥルゥの周りとくるくると飛び回る。
「マイイ、あのね、この人は……」
「マイイ、初めまして、だね。俺はマイイの家族だよ。これから一緒にアムルと暮らすんだ。マイイも一緒に俺と来てくれる?」
アミードはマイイににっこりと笑いかける。
「……お母様、どこかに行くの?」
マイイはアムルの袖をつかむ。
「マイイ……」
「君のその赤い髪と青い瞳、とっても素敵だね。次の代の魔法国の女王様にぴったりだよ!」
アミードはマイイに優しいまなざしを向ける。
「女王様……、魔法国の?」
マイイの顔色が変わる。
「そうだよ。マイイは魔王国の次の女王様に、なりたくない?」
「だって、女は王にはなれないのよ! みんなそう言ってるもん」
マイイが強い口調で言い返す。
「この国では、そうかもしれないね。でも俺の治める魔法国は、男も女も関係ない。魔力が一番強いものを、俺が次の王に指名するんだ。マイイはとっても賢くて、しかも魔力も強そうだね。どうだろう、俺と一緒に魔法を勉強して、女王にならないかな?」
「……なりたい。魔法の勉強も、したい」
マイイの言葉に、アムルは驚いた。
「マイイ、いいの?」
「お母様、私、女王になりたい! ここでは女は偉くなれないもの! 私、この人と一緒に行く!」
「マイイ……」
娘の強い意志を持った瞳に、アムルは驚いていた。
「お姉しゃま、女王しゃまになるの? いいなあ、ルゥルゥもなりたい!」
ルゥルゥが、アミードの漆黒のマントを引っ張った。
「いいね! ルゥルゥもとっても魔力が強そうだ! マイイと一緒に女王様になればいいよ!」
アミードがルゥルゥの頭を撫でた。
「何を言ってるの? 女王様は一つの国に一人だけよ!」
マイイが反論する。
「大丈夫。俺の国には女王様が二人いたって、まったく問題ないよ! それに、女王様が一人だけなんていったい誰がいつ決めたの? 俺の国では、なんでも自分の好きに決めていいんだ」
「そう……、なの……?」
「わーい、ルゥルゥも女王さしゃまになるー!」
幼いルゥルゥは、意味も分からず女王になれると喜んでいる。
「アミード、そんなこと、簡単に約束して、いいの?」
アムルがアミードを見上げると、アミードは顔をほころばせた。
「マイイもルゥルゥも、魔力は十分。この国にいても、どこかの国の王族に嫁ぐ未来しかないんだったら、魔法国の女王になるっていうのは、二人にとってもいい選択だと思うよ。それに……」
アミードは、ルゥルゥの手のひらの上で誇らしげにポーズをとっている金の精霊を見た。
「あの傲慢な精霊をすっかり手なずけているじゃないか。さすが、次代の女王の器だ」
「……」
「おい、精霊! お前の次のご主人様たちだ。せいぜい今のうちに媚を売っておけ!」
アミードが言い放つと、精霊はあわててアミードの側に戻った。
「魔王様っ、違うんですっ。ちょっと、あの娘たちに私のこの姿を見せてあげていただけであって……!」
「そんなことより、行くぞ。……もう、すべては終わった」
アミードは漆黒のマントを広げると、その中にアムルとマイイ、ルゥルゥを包み込んだ。
「では、魔王様、戻りましょう。魔法国へ――」
金の精霊が、金の粉を降らせると、そこにはぽっかりと丸い空間があいた。
アミードが、しっかりとアムルを抱き寄せる。
「帰ろう、俺たちの場所へ――」
アムルは大きく息を吸い込む。
すぐ近くに誰よりも愛しいアミードの息遣いを感じる。アムルはアミードの手を握った。
――マーリク、さよなら……。
側室アムルと子供たちは、その日以降この国から永遠に姿を消した……。
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国王・マーリクが目を覚ますと、傍らにはもうすっかり用意を整えた正妃カミーラがいた。
「相変わらず、早いお目覚めだこと」
カミーラの嫌味には慣れっこのマーリクは、寝台の上で大きく伸びをした。
「ああ、なんだか今日はすごく長い夢を見ていた気がする……」
「よく眠れたということだ。良いことじゃな。さあ、もう朝食の準備をさせても良いか? 今朝はターヒルの剣の稽古があるのじゃ」
「ずいぶん熱心なことだな。わかった準備しよう」
夜着のまま寝台から下りると、マーリクはテーブルの上に置かれた白い手巾に目を止めた。
「これは……?」
「ああ、女官長が持ってきたのじゃ。陛下の服の中に入っていたものらしいが、大切なものなのか?」
「私の服の中に? ……なんだろう、思い出せない……」
手巾を広げてみると、王家の紋章が刺繍されていた。
「服の中に忍ばせるとは、よほど大切なものなのではないのか?
これは手刺繍じゃろう……、もしや若い頃にどこぞの令嬢から贈られたものでは?」
カミーラが揶揄する。
「そんな令嬢に覚えはないが……、なんだろう、でも、なにか知っているような気もする……」
「どれ、この刺繍、途中から手が変わっているぞ。おおかた、刺繍の苦手な令嬢が途中までやって放り出して、残りの部分を器用なメイドにやらせたのじゃろうな」
マーリクはカミーラの手から、その手巾を取り返した。
「……よくわかるな。それにしても……、この刺繍、なんだか……」
「やはり大切なものなのか? 捨ててもいいのかと女官長は聞いていたが……、やはり若い頃の……」
「カミーラが嫉妬とは珍しいな」
マーリクの言葉に、カミーラは唇をゆがませた。
「嫉妬などするような関係ではないのは、お互い承知の上であろう……?」
マーリクはしげしげとその刺繍を眺める。
「ああ、思い出せない。なにか、ここまで出かかっているのに!」
しかめっ面になっているマーリクに、カミーラは思いのほか優しいまなざしを向けた。
「しかし陛下、この世には忘れていたほうが幸せだということもあると聞いたぞ……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔女・ワアドの後を継いだ新しい魔法国の魔王は、そののち、すべての国交を断絶した。
魔王は、20年後に姉妹の女王二人にその座を譲るまで、魔法国をすべての国から秘匿したため、歴史上においてその内情について記された文献は今もほとんど残っていない……。
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