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第35話
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そして、それから数時間後。
俺は、まんまと魔法騎士団のカフェテリアに潜入することに成功していた。
ーーもちろん、給仕のメイドとして!!
魔法騎士団御用達のメイド服は、騎士団すぐそばの制服専門店であっさり手に入った。
そして、ネリーの女学校時代の友人のつてをたどり、俺は情報収集のため、ランチタイムで盛況を極める魔法騎士団のカフェテリアに、助っ人メイドとして採用されることになったのだ!
「ククリ様ぁ、ククリ様がメイドになる必要なんて、あるんでしょうか?
もし必要とあらば、私が代わりに……」
「いいんだよ、ネリー! ネリーを危険な目に遭わせるわけにはいかない!!」
俺は、制服専門店のとなりのメガネ屋で購入した分厚い瓶底メガネをかけ、頭にちょこんと乗せたホワイトブリムを確認した。
髪はもちろんウィッグ! ネリーとおそろいの暗褐色のお下げ髪。
よしっ、我ながら完璧な変装だ!
「はあ……。でもここがいくら魔法騎士団といえども、危険などないと思いますが……。ここへはみなさん、食事をしに来られるだけですから……」
「いや、当事者は俺だ。やはり、俺自身が身を投じてこそ、きっと手に入れたい情報も手に入るはずだ!」
そう、決して俺は邪な気持ちからメイド姿になったわけではない。
以前、両親と兄貴たちとの夕食時に、ジェノ兄様が『魔法騎士団のカフェテリアの給仕の子って可愛い子ばかりだよな!』とアスランに話を振った時、アスランが『ええ、とても可愛らしい制服ですね』と、当たり障りのない返事をしたことをずっと覚えていて、『クソっ、その可愛い制服は俺が着たほうが、絶対、絶対似合うのにぃい!!』と内心面白くなく思っていたことなど、一切関係がない! 断じて!!
俺は、今の自分の仮説が正しいものであると証明するため、俺が決して知ることのできない魔法騎士団内の情報を得る必要があるのだ!!
ここは騎士団員たちの憩いの場。
任務の合間のホッとした一時、気心知れた同僚たちと美味しいランチを愉しめば、つい日頃の不満や、騎士団員たちの噂話にも花が咲くことだろう!
「じゃ、新入りさん、さっそくオーダー取りに行ってくれる?」
「ハイっ!!」
俺は先輩メイドさんに元気よく返事をする。
前世を思い出した俺。学生時代に、カフェでのバイト経験もある!!
ーーさて、任務開始っ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~CASE1~ 先輩騎士と後輩騎士(ともに男性)
「いらっしゃいませ~! 本日のサービスランチはチーズinハンバーグです」
俺はできるだけ甲高い声で、愛想よく言った。
「ああ、じゃあ、それ、2つね!
カルロさん見ました? 今日アスラン様が元気ないのって、多分ルカ様がおやすみだからですよね!?」
ーーさっそく耳寄りな情報がっ!
俺は注文を取って、下がるふりをしながらも、素早く柱の陰に身を隠して、耳を澄ませた。
「ああ、多分な」
先輩騎士であるひげの男が、若干面倒くさそうに答える。
「アスラン様とルカ様が並ぶと、美の共演って感じですよねー。
あの二人って、不思議ですよね。お互いツンケンしてる割に、すっごいお互いのこと意識してる感じ」
後輩騎士の言葉に、先輩騎士はニヤリと笑った。
「知ってるか? バディを選ぶ時、二人ともお互いが第一希望だったらしいぜ」
「ヒュー! それって、いわゆる両思いってやつですか?」
ーー両思い!!!!
「まあ、アスラン様の剣と、ルカ様の魔法を合わせれば最強ってのもあるけどさ。
なんか、意味深ではあるよな、あの二人」
「確かに! あの二人が顔寄せて話してるところみると、なんか、いけないもの見たみたいな気持ちになりますよね!」
「女騎士たちもいっつも噂してるぜ、あの二人は絶対デキてるって!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、まんまと魔法騎士団のカフェテリアに潜入することに成功していた。
ーーもちろん、給仕のメイドとして!!
魔法騎士団御用達のメイド服は、騎士団すぐそばの制服専門店であっさり手に入った。
そして、ネリーの女学校時代の友人のつてをたどり、俺は情報収集のため、ランチタイムで盛況を極める魔法騎士団のカフェテリアに、助っ人メイドとして採用されることになったのだ!
「ククリ様ぁ、ククリ様がメイドになる必要なんて、あるんでしょうか?
もし必要とあらば、私が代わりに……」
「いいんだよ、ネリー! ネリーを危険な目に遭わせるわけにはいかない!!」
俺は、制服専門店のとなりのメガネ屋で購入した分厚い瓶底メガネをかけ、頭にちょこんと乗せたホワイトブリムを確認した。
髪はもちろんウィッグ! ネリーとおそろいの暗褐色のお下げ髪。
よしっ、我ながら完璧な変装だ!
「はあ……。でもここがいくら魔法騎士団といえども、危険などないと思いますが……。ここへはみなさん、食事をしに来られるだけですから……」
「いや、当事者は俺だ。やはり、俺自身が身を投じてこそ、きっと手に入れたい情報も手に入るはずだ!」
そう、決して俺は邪な気持ちからメイド姿になったわけではない。
以前、両親と兄貴たちとの夕食時に、ジェノ兄様が『魔法騎士団のカフェテリアの給仕の子って可愛い子ばかりだよな!』とアスランに話を振った時、アスランが『ええ、とても可愛らしい制服ですね』と、当たり障りのない返事をしたことをずっと覚えていて、『クソっ、その可愛い制服は俺が着たほうが、絶対、絶対似合うのにぃい!!』と内心面白くなく思っていたことなど、一切関係がない! 断じて!!
俺は、今の自分の仮説が正しいものであると証明するため、俺が決して知ることのできない魔法騎士団内の情報を得る必要があるのだ!!
ここは騎士団員たちの憩いの場。
任務の合間のホッとした一時、気心知れた同僚たちと美味しいランチを愉しめば、つい日頃の不満や、騎士団員たちの噂話にも花が咲くことだろう!
「じゃ、新入りさん、さっそくオーダー取りに行ってくれる?」
「ハイっ!!」
俺は先輩メイドさんに元気よく返事をする。
前世を思い出した俺。学生時代に、カフェでのバイト経験もある!!
ーーさて、任務開始っ!!
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~CASE1~ 先輩騎士と後輩騎士(ともに男性)
「いらっしゃいませ~! 本日のサービスランチはチーズinハンバーグです」
俺はできるだけ甲高い声で、愛想よく言った。
「ああ、じゃあ、それ、2つね!
カルロさん見ました? 今日アスラン様が元気ないのって、多分ルカ様がおやすみだからですよね!?」
ーーさっそく耳寄りな情報がっ!
俺は注文を取って、下がるふりをしながらも、素早く柱の陰に身を隠して、耳を澄ませた。
「ああ、多分な」
先輩騎士であるひげの男が、若干面倒くさそうに答える。
「アスラン様とルカ様が並ぶと、美の共演って感じですよねー。
あの二人って、不思議ですよね。お互いツンケンしてる割に、すっごいお互いのこと意識してる感じ」
後輩騎士の言葉に、先輩騎士はニヤリと笑った。
「知ってるか? バディを選ぶ時、二人ともお互いが第一希望だったらしいぜ」
「ヒュー! それって、いわゆる両思いってやつですか?」
ーー両思い!!!!
「まあ、アスラン様の剣と、ルカ様の魔法を合わせれば最強ってのもあるけどさ。
なんか、意味深ではあるよな、あの二人」
「確かに! あの二人が顔寄せて話してるところみると、なんか、いけないもの見たみたいな気持ちになりますよね!」
「女騎士たちもいっつも噂してるぜ、あの二人は絶対デキてるって!」
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