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第88話
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「おい、アブドゥラ!」
俺を抱いたまま、ラドルが後ろを振り返る。
「いくらなんでも声まで出せないというのは、興ざめだ。喘ぎ声くらい、出せるようにしてほしいのだが」
ラドルの深緑の瞳が、楽し気に俺を覗き込んだ。
「まったく、注文の多い王じゃな!」
言いながらも、アブドゥラはもう一度杖を振る。
「……っ、くっ……」
急に喉のとおりが良くなり、声らしきものが出せるようにはなったが、言葉を発することはできなかった。
「これでお望みどおりじゃろうて」
ククッと忍び笑いを漏らすアブドゥラ。
「ああ、これはいい。罵詈雑言などは聞きたくないが、神子の感じる声は、たくさん聞きたいからな」
上機嫌で扉の前まで来ると、護衛騎士が隣の部屋へと続くその扉を開けた。
「……っ、あ!」
目の前には、天蓋付きの豪華な寝台。
部屋には甘ったるい香が焚き染められている。
部屋の真ん中あたりに来たところで、後ろで扉が静かに閉められた。
「ああ、こうも心躍るものだとはな! 息子の最愛を寝取るということは!」
ラドルは鼻歌交じりに、俺を寝台に横たえた。
「……っぐ」
呻く俺の頬をくすぐると、ラドルは俺の着ていた白いローブを手際よく脱がせていく。
「それに、神子を犯すというのは、禁忌を犯しているようで、なんともそそられる……」
「……っ!」
俺が思い切りラドルを睨みつけると、ラドルはますます相好を崩した。
「ああ、いいな、その目は……、すごくいい……、
だが、ヨータ、そんな顔をしていても、もうすぐお前は私のものになるのだ!」
「くっ、……あ!」
あっという間に裸に剥かれてしまう。
ラドルはゆっくりと俺の全身を視姦すると、俺の足元に目をとめた。
「おやおや、いったい何があったのかは知らないが、ナセルの贈ったアンクレットがいつの間にか消えているではないか。
……まあ、アイツは用済みだからもういい。……だが」
ラドルは、俺の二の腕に触れる。
「この腕輪はいただけない。この青い色の石……、なんとも禍々しいではないか!」
そう言って俺の腕輪に手をかけるが、ラドルが力を込めても腕輪は抜けることはなかった。
「……っ、まあ、いい……、ヨータ、こんなものよりもっと豪華な腕輪を私が贈ろう。
……この交わりが終わったら、すぐにでも」
ラドルの手が、俺の身体を撫でまわしていく。
「んっ……、くっ……」
俺は、歯を食いしばってその刺激に耐える。
「ふふっ、そう嫌そうな顔をするものではない。
しかし、そうだな……、お互い気持ちよくなった方が、楽しさも倍増する」
ラドルはどこからかガラスの小瓶を出すと、その中のとろりとした液体を手のひらに出した。
そしてそれを俺の身体にゆっくりと塗り込んでいく。
「……っ!!」
「ふふっ、怯えずとも大丈夫だ。毒などではない。これは正真正銘の媚薬だ。
どうだ、塗ったところから、熱くなってくるだろう。
じきに……、欲しくてたまらなくなる!」
ラドルの言う通り、媚薬を塗られた箇所からピリピリとした刺激が広がっていく。
「あっ、はあっ……」
身体が熱くて、ラドルから与えられる刺激が、たまらなくて!
「この滑らかなクリーム色の肌が桃色に上気していくのは、なんとも煽情的だな!」
ラドルは満足げに言うと、俺の乳首に手を伸ばした。
「あっ、あああああっ!」
「ああ、感じているのだな。ナセルもたいがいな奴だ。
すっかり、神子の身体をいやらしく開発しよって……」
両手で乳首を刺激されると、快感に吐息がもれてしまう。
「あ、ああっ……」
「コリコリと固くなってしまったぞ? どうだ、もっと欲しいだろう?」
「やあっ、あ、あ……!」
ラドルの指は的確に、俺を追い詰めていく。
「おやおや、うれしいことだ。こちらももうこんなに兆している!」
ラドルが半勃ちになってしまっている俺自身に手をのばす。
「ひっ、あ、あ!!」
「遠慮することはない。同じ男だからな……」
熱い息が俺の耳元にかかり、強い力で握りこまれた。
「やっ、やあっ、あああああ!!」
――嫌だ!!!!
俺の全身を嫌悪感が駆け巡り、俺はその時強く願った。
――セファーっ!!!!
喉奥から絞り出すように、力の限り俺は叫んだ。
「セ、ファー……、セファーっ!!!!」
俺を抱いたまま、ラドルが後ろを振り返る。
「いくらなんでも声まで出せないというのは、興ざめだ。喘ぎ声くらい、出せるようにしてほしいのだが」
ラドルの深緑の瞳が、楽し気に俺を覗き込んだ。
「まったく、注文の多い王じゃな!」
言いながらも、アブドゥラはもう一度杖を振る。
「……っ、くっ……」
急に喉のとおりが良くなり、声らしきものが出せるようにはなったが、言葉を発することはできなかった。
「これでお望みどおりじゃろうて」
ククッと忍び笑いを漏らすアブドゥラ。
「ああ、これはいい。罵詈雑言などは聞きたくないが、神子の感じる声は、たくさん聞きたいからな」
上機嫌で扉の前まで来ると、護衛騎士が隣の部屋へと続くその扉を開けた。
「……っ、あ!」
目の前には、天蓋付きの豪華な寝台。
部屋には甘ったるい香が焚き染められている。
部屋の真ん中あたりに来たところで、後ろで扉が静かに閉められた。
「ああ、こうも心躍るものだとはな! 息子の最愛を寝取るということは!」
ラドルは鼻歌交じりに、俺を寝台に横たえた。
「……っぐ」
呻く俺の頬をくすぐると、ラドルは俺の着ていた白いローブを手際よく脱がせていく。
「それに、神子を犯すというのは、禁忌を犯しているようで、なんともそそられる……」
「……っ!」
俺が思い切りラドルを睨みつけると、ラドルはますます相好を崩した。
「ああ、いいな、その目は……、すごくいい……、
だが、ヨータ、そんな顔をしていても、もうすぐお前は私のものになるのだ!」
「くっ、……あ!」
あっという間に裸に剥かれてしまう。
ラドルはゆっくりと俺の全身を視姦すると、俺の足元に目をとめた。
「おやおや、いったい何があったのかは知らないが、ナセルの贈ったアンクレットがいつの間にか消えているではないか。
……まあ、アイツは用済みだからもういい。……だが」
ラドルは、俺の二の腕に触れる。
「この腕輪はいただけない。この青い色の石……、なんとも禍々しいではないか!」
そう言って俺の腕輪に手をかけるが、ラドルが力を込めても腕輪は抜けることはなかった。
「……っ、まあ、いい……、ヨータ、こんなものよりもっと豪華な腕輪を私が贈ろう。
……この交わりが終わったら、すぐにでも」
ラドルの手が、俺の身体を撫でまわしていく。
「んっ……、くっ……」
俺は、歯を食いしばってその刺激に耐える。
「ふふっ、そう嫌そうな顔をするものではない。
しかし、そうだな……、お互い気持ちよくなった方が、楽しさも倍増する」
ラドルはどこからかガラスの小瓶を出すと、その中のとろりとした液体を手のひらに出した。
そしてそれを俺の身体にゆっくりと塗り込んでいく。
「……っ!!」
「ふふっ、怯えずとも大丈夫だ。毒などではない。これは正真正銘の媚薬だ。
どうだ、塗ったところから、熱くなってくるだろう。
じきに……、欲しくてたまらなくなる!」
ラドルの言う通り、媚薬を塗られた箇所からピリピリとした刺激が広がっていく。
「あっ、はあっ……」
身体が熱くて、ラドルから与えられる刺激が、たまらなくて!
「この滑らかなクリーム色の肌が桃色に上気していくのは、なんとも煽情的だな!」
ラドルは満足げに言うと、俺の乳首に手を伸ばした。
「あっ、あああああっ!」
「ああ、感じているのだな。ナセルもたいがいな奴だ。
すっかり、神子の身体をいやらしく開発しよって……」
両手で乳首を刺激されると、快感に吐息がもれてしまう。
「あ、ああっ……」
「コリコリと固くなってしまったぞ? どうだ、もっと欲しいだろう?」
「やあっ、あ、あ……!」
ラドルの指は的確に、俺を追い詰めていく。
「おやおや、うれしいことだ。こちらももうこんなに兆している!」
ラドルが半勃ちになってしまっている俺自身に手をのばす。
「ひっ、あ、あ!!」
「遠慮することはない。同じ男だからな……」
熱い息が俺の耳元にかかり、強い力で握りこまれた。
「やっ、やあっ、あああああ!!」
――嫌だ!!!!
俺の全身を嫌悪感が駆け巡り、俺はその時強く願った。
――セファーっ!!!!
喉奥から絞り出すように、力の限り俺は叫んだ。
「セ、ファー……、セファーっ!!!!」
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