18 / 97
第18話
しおりを挟む
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はっ、はあっ、はあっ……」
ナセルの顔から、俺の胸に汗がしたたり落ちた。
「……っ、あ、あ、あ、あ……!」
揺さぶられるたびに、出てしまう高い声。
鼻にかかっていて、媚びるように、甘い声……。
――これは、俺の声なのか!?
そして俺は、自分の意識が飛びかけていることに気づく。
「ヨータ、ヨータ、ヨータっ……!」
うわごとのように、俺の上で繰り返すナセル。
いつの間にか俺の拘束は解かれており、その代わりに俺はナセルと向かい合うようにして、両脚を大きく開かされていた。
俺の足首を持ったナセルが、俺をがつがつと貪っている……。
――手早く終わらせるっていったの、どこの誰だよっ!
喘ぎながらも、シーツをつかんだ俺。
見上げると、ナセルの銀色の髪の下の薄緑色の瞳の色は、すでにいつもとは違っていた。
――コイツ、もう正気を失ってる……。
「ああ、奥が熱くうねっているぞ……、ヨータ……」
俺に顔を近づけ、噛みつくようなキスをするナセルの肩を、俺は掴んだ。
「ナセルっ、もうっ、いいだろっ!? 終わりにしよう……っ、っ、んっ……!」
「終わる……? 何を言ってるんだ、まだまだ、これからだろう、神子?」
「ひゃっ、あっ、痛っ……」
ナセルは俺の首筋に噛みついた。
「もうっ、目的は果たしたっ……、だろっ!?
もう何回も……っ、ん、あっ、ナセルっ、もう、やめ……!」
「駄目だっ! まだ、全然、足りない……っ」
言うとナセルは俺の片足を自分の肩にかけ、さらに接合を深めた。
「んああああっ!!」
「ほら、こんなに悦んで……! 私を、全部呑み込んでくれる。
ヨータ、ヨータ、ほら、離したくないと、お前の中が吸い付いてくるようだ!」
中をかき回すように腰を振られると、俺の中で熱いかたまりが蠢く。
「んんっ、ああっ、嘘だっ、ダメっ、もうっ、本当に……っ!」
「私を拒絶するなど、絶対に許さないぞ、ヨータ!」
俺の両肩を押さえつけるようにすると、ナセルがのしかかってきた。
「んぐっ、あ、はあっ……」
俺は顎を逸らせ、大きく息を吐く。
「ヨータ、お前は知らないだろう。
神子の加護を受けるのがどういうことか!?
私は、今こうしてお前と交合したことにより、生涯妃を娶ることができなくなった!」
ナセルの瞳が俺をまっすぐに見つめている。
「……っ、くっ……!」
「そうだ、私はこの先、子を為すことも許されない……、
ヨータ、神子のお前が私の子供を産んでくれるというなら、話は別だが」
にやりと笑うと、ナセルは全体重をかけて、俺の中に肉棒を埋めていく。
「ぐ、あ、ああああっ!」
衝撃にうめき声が漏れる。
「まだ朝までは時間があるな。ちょうどいい。このまま、お前を孕ませることとしよう」
耳たぶを噛まれ、俺の中に熱い飛沫が放たれる。
「ああ、あああああっ!」
狂気に濡れた瞳。
ーーそして、わかった。
このナセルもまた、この儀式の犠牲者なのだということが。
神子の加護を受けるものとして、ナセルはこの国に生贄として差し出されたのだと。
だから……、
「ごめん…‥、ナセル……」
俺は両手を、ナセルの背中に回した。
「なぜ、お前が謝る必要がある!?」
ナセルが息を呑む。
「ごめん、ナセル……、俺がここにきたばっかりに、君に……」
俺の言葉に、
「うるさい! 情けなど……、お前に憐れまれる筋合いなど、ないっ!」
ナセルは謝る俺をなじるように、さらに激しく腰を進めてくる。
「ぐっ、あ、あ、ああ、あああっ!」
「許さない、許さないぞ、ヨータ。
絶対に、お前は、私の……」
ナセルが、俺の奥深くを何度も穿つ。
「ああっ、ダメっ、ダメだっ、もうっ……、ああっ、ああああっ!!!!」
――結局、七夜の儀式が終わったのは、夜が明けてからのことだった……。
「はっ、はあっ、はあっ……」
ナセルの顔から、俺の胸に汗がしたたり落ちた。
「……っ、あ、あ、あ、あ……!」
揺さぶられるたびに、出てしまう高い声。
鼻にかかっていて、媚びるように、甘い声……。
――これは、俺の声なのか!?
そして俺は、自分の意識が飛びかけていることに気づく。
「ヨータ、ヨータ、ヨータっ……!」
うわごとのように、俺の上で繰り返すナセル。
いつの間にか俺の拘束は解かれており、その代わりに俺はナセルと向かい合うようにして、両脚を大きく開かされていた。
俺の足首を持ったナセルが、俺をがつがつと貪っている……。
――手早く終わらせるっていったの、どこの誰だよっ!
喘ぎながらも、シーツをつかんだ俺。
見上げると、ナセルの銀色の髪の下の薄緑色の瞳の色は、すでにいつもとは違っていた。
――コイツ、もう正気を失ってる……。
「ああ、奥が熱くうねっているぞ……、ヨータ……」
俺に顔を近づけ、噛みつくようなキスをするナセルの肩を、俺は掴んだ。
「ナセルっ、もうっ、いいだろっ!? 終わりにしよう……っ、っ、んっ……!」
「終わる……? 何を言ってるんだ、まだまだ、これからだろう、神子?」
「ひゃっ、あっ、痛っ……」
ナセルは俺の首筋に噛みついた。
「もうっ、目的は果たしたっ……、だろっ!?
もう何回も……っ、ん、あっ、ナセルっ、もう、やめ……!」
「駄目だっ! まだ、全然、足りない……っ」
言うとナセルは俺の片足を自分の肩にかけ、さらに接合を深めた。
「んああああっ!!」
「ほら、こんなに悦んで……! 私を、全部呑み込んでくれる。
ヨータ、ヨータ、ほら、離したくないと、お前の中が吸い付いてくるようだ!」
中をかき回すように腰を振られると、俺の中で熱いかたまりが蠢く。
「んんっ、ああっ、嘘だっ、ダメっ、もうっ、本当に……っ!」
「私を拒絶するなど、絶対に許さないぞ、ヨータ!」
俺の両肩を押さえつけるようにすると、ナセルがのしかかってきた。
「んぐっ、あ、はあっ……」
俺は顎を逸らせ、大きく息を吐く。
「ヨータ、お前は知らないだろう。
神子の加護を受けるのがどういうことか!?
私は、今こうしてお前と交合したことにより、生涯妃を娶ることができなくなった!」
ナセルの瞳が俺をまっすぐに見つめている。
「……っ、くっ……!」
「そうだ、私はこの先、子を為すことも許されない……、
ヨータ、神子のお前が私の子供を産んでくれるというなら、話は別だが」
にやりと笑うと、ナセルは全体重をかけて、俺の中に肉棒を埋めていく。
「ぐ、あ、ああああっ!」
衝撃にうめき声が漏れる。
「まだ朝までは時間があるな。ちょうどいい。このまま、お前を孕ませることとしよう」
耳たぶを噛まれ、俺の中に熱い飛沫が放たれる。
「ああ、あああああっ!」
狂気に濡れた瞳。
ーーそして、わかった。
このナセルもまた、この儀式の犠牲者なのだということが。
神子の加護を受けるものとして、ナセルはこの国に生贄として差し出されたのだと。
だから……、
「ごめん…‥、ナセル……」
俺は両手を、ナセルの背中に回した。
「なぜ、お前が謝る必要がある!?」
ナセルが息を呑む。
「ごめん、ナセル……、俺がここにきたばっかりに、君に……」
俺の言葉に、
「うるさい! 情けなど……、お前に憐れまれる筋合いなど、ないっ!」
ナセルは謝る俺をなじるように、さらに激しく腰を進めてくる。
「ぐっ、あ、あ、ああ、あああっ!」
「許さない、許さないぞ、ヨータ。
絶対に、お前は、私の……」
ナセルが、俺の奥深くを何度も穿つ。
「ああっ、ダメっ、ダメだっ、もうっ……、ああっ、ああああっ!!!!」
――結局、七夜の儀式が終わったのは、夜が明けてからのことだった……。
1,276
お気に入りに追加
2,101
あなたにおすすめの小説
奴の執着から逃れられない件について
B介
BL
幼稚園から中学まで、ずっと同じクラスだった幼馴染。
しかし、全く仲良くなかったし、あまり話したこともない。
なのに、高校まで一緒!?まあ、今回はクラスが違うから、内心ホッとしていたら、放課後まさかの呼び出され...,
途中からTLになるので、どちらに設定にしようか迷いました。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる