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第3話
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俺は日之出陽太。名前だけ聞くと、陽キャの代名詞みたいな印象だが、俺は生まれついてのインドア派の文化系、そして陰キャを絵にかいたみたいなぱっとしない男だ。
この世界に来るまでは、俺はとあるブラックIT企業で、エンジニアとして働くいわゆる社畜だった。
無茶な納期を守るために、終電ギリギリまで働く毎日。クライアントからの突然の仕様変更に、会社に泊まり込んで徹夜することもしばしば……。
あと一ヶ月で29歳の誕生日というある日、いつものように日付がすでに変わった深夜、俺は最寄り駅から自宅アパートへの道のりを急いでいた。
いつもは人通りのほとんどない静まり返った一本道だが、その時は何故か俺の目の前に見事なブロンドの白いワンピース姿の美しい(後ろ姿だけど)女性が、ハイヒールを鳴らして歩いていた。
――もしかして、幻覚か?
俺は自分の目と脳みそを疑った。
働きすぎて、ついに見てはいけないものを見てしまったのかもしれない……。
そのころ俺は、パワハラ上司と迷惑クライアント、そして鬼ゲーのごとくクリア不可な納期に、押しつぶされそうな毎日だった……。
俺が目をこすったその時、その女性のもとから何かがひらりと一枚落ちた。
女性はそのことに気づく様子もなく、そのまま歩みを進める。
「あのっ、ちょっと、すみませんっ!」
俺は慌てて、それを拾い上げる。
それは一枚のカードだった。
白いカードに金色の文字で何か書かれている。
「えーっと、エクスキューズミー!!」
俺が顏を上げて、その女性にもう一度声をかけてると、すでにその場から女性の姿は忽然と消えていた。
――幽霊、やっぱり幻覚!?
俺は手にしたカードをまじまじと見る。
『あなたが神子に選ばれました。
あなたが己の真の使命に気づいたその時、世界のすべては明らかになり、永遠の幸せが訪れるでしょう』
「は? 神子?? 使命?」
何かのいたずらか、それともゲームの招待状とか?
俺がそのカードを手にして首をひねったその瞬間、
―ー世界がぐらりと傾いだ。
そして俺の足元には、深夜枠のファンタジーアニメで見たことのある円形の魔法陣のようなものが浮き上がった。
――ヤバイ、マジで頭がおかしくなってる!!!!
オカルト現象やUFOも信じていない根っから理系の俺は、まずは自分の脳機能が誤作動を起こしたのだと認識した。
だが……、
その緋色に浮かび上がる魔法陣が光り、俺の身体は問答無用に、まるで海の渦に巻き込まれるみたいにぐるぐるとその中心部に飲み込まれていったのだった。
俺は日之出陽太。名前だけ聞くと、陽キャの代名詞みたいな印象だが、俺は生まれついてのインドア派の文化系、そして陰キャを絵にかいたみたいなぱっとしない男だ。
この世界に来るまでは、俺はとあるブラックIT企業で、エンジニアとして働くいわゆる社畜だった。
無茶な納期を守るために、終電ギリギリまで働く毎日。クライアントからの突然の仕様変更に、会社に泊まり込んで徹夜することもしばしば……。
あと一ヶ月で29歳の誕生日というある日、いつものように日付がすでに変わった深夜、俺は最寄り駅から自宅アパートへの道のりを急いでいた。
いつもは人通りのほとんどない静まり返った一本道だが、その時は何故か俺の目の前に見事なブロンドの白いワンピース姿の美しい(後ろ姿だけど)女性が、ハイヒールを鳴らして歩いていた。
――もしかして、幻覚か?
俺は自分の目と脳みそを疑った。
働きすぎて、ついに見てはいけないものを見てしまったのかもしれない……。
そのころ俺は、パワハラ上司と迷惑クライアント、そして鬼ゲーのごとくクリア不可な納期に、押しつぶされそうな毎日だった……。
俺が目をこすったその時、その女性のもとから何かがひらりと一枚落ちた。
女性はそのことに気づく様子もなく、そのまま歩みを進める。
「あのっ、ちょっと、すみませんっ!」
俺は慌てて、それを拾い上げる。
それは一枚のカードだった。
白いカードに金色の文字で何か書かれている。
「えーっと、エクスキューズミー!!」
俺が顏を上げて、その女性にもう一度声をかけてると、すでにその場から女性の姿は忽然と消えていた。
――幽霊、やっぱり幻覚!?
俺は手にしたカードをまじまじと見る。
『あなたが神子に選ばれました。
あなたが己の真の使命に気づいたその時、世界のすべては明らかになり、永遠の幸せが訪れるでしょう』
「は? 神子?? 使命?」
何かのいたずらか、それともゲームの招待状とか?
俺がそのカードを手にして首をひねったその瞬間、
―ー世界がぐらりと傾いだ。
そして俺の足元には、深夜枠のファンタジーアニメで見たことのある円形の魔法陣のようなものが浮き上がった。
――ヤバイ、マジで頭がおかしくなってる!!!!
オカルト現象やUFOも信じていない根っから理系の俺は、まずは自分の脳機能が誤作動を起こしたのだと認識した。
だが……、
その緋色に浮かび上がる魔法陣が光り、俺の身体は問答無用に、まるで海の渦に巻き込まれるみたいにぐるぐるとその中心部に飲み込まれていったのだった。
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