【完結】前世の記憶が転生先で全く役に立たないのだが?! ~逆チートの俺が異世界で生き延びる方法~

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ナイトメア シリーズ【IFルート……のようなストーリー】

エリアス編 〜アデラside〜 後編

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「嫌だっ!!!!」

 もちろんアントンの抗議になど耳を貸さず、エリアスはアントンを横抱きにすると、そのまま寝室へと向かった。

 ――これは……、従姉としてどうなるか見届けなければっ!!

 アデラは、とっさに姿を隠す呪文を唱えた。これは、多数の男性と同時に付き合うためにもとても役立つ魔法で、何度も練習して習得したものだ。




「脱いで。それとも僕に脱がされたい?」

 エリアスが愉悦の表情で、ベッドに沈められたアントンを眺める。


 ――エリアス様にこんな下種な一面があるなんてっ!

 アデラは胸の高鳴りを抑えることができない。



 唇を噛み締め、反抗的な顔つきのアントン。その襟元に、エリアスは手を伸ばした。

「わかった。脱がされたいんだね」

「触るなっ!」

 アントンは追い詰められた野生の獣のような瞳を、エリアスに向ける。

 そして悔しげに顔を歪めると、自ら上着を取りさり、一枚ずつ服を脱いでいった。


「とても綺麗だよ。アントン……」

 下穿き一枚になったアントンの逃げ道を塞ぐように、エリアスもベッドにあがる。

「……っ」

「さあ、いつもみたいに、香油で全身をマッサージしてあげる。あれ、どうしたの?
全部脱いでって言ったよね?」

 浮かべる微笑みですら、恐怖を誘う。


「死ねっ、変態!」

 悪態をつきながらも、アントンはその最後の下穿きを取り去った。


「ふふっ、口では反抗てきでも、身体はとっても素直だね。ずっと欲しかったのに、我慢してたんだね。
アントンの可愛いの、もう反応してるよ」

 アントンの太ももを持ち、大きく脚を開かせると、エリアスはその中心部に顔を寄せた。

「やめろっ!!!」

「大丈夫……、ここは後でゆっくり触ってあげるね」

 ツンと人差し指でつつくと、自らの手のひらにたっぷりと香油を垂らした。

「ああっ……」

「さあ……、力を抜いて。リラックスだよ、アントン……」

 エリアスの両手が、アントンの身体を滑っていく。


「ああああああああああっ!!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「はあっ、あっ、ああっ……」

 裸の胸を大きく上下させているアントン。
 身体中が香油でぬらぬらと光っていて、目眩がしそうなほど淫猥な姿だ。


「いい子だね。アントン、さあ、ゆっくり息を吐いて……」

 エリアスがその指を、アントンの後孔に差し入れ始める。

「ああっ、あっ、嫌っ、嫌だっ……!」

「嫌じゃないでしょう? ほら、こんなにも感じてる。アントンの好きなところ、いっぱい刺激してあげるね」

 クイッと指を押し曲げると、同時にアントンの身体がビクビクと反応した。

「あああああっ!!!!」


「ああ、こっちもマッサージしてあげるね」

 右胸の突起を、エリアスがつまむ。

「はっ、あっ、駄目だっ!」

「ほら、ピンと固くなってる。しっかりもんであげようね」


「ああっ、嫌だっ、エリアス……、もうっ、指っ、いらないっ! お願いだから、もう、触らないで!」

 アントンの上気した顔……。与えられる快楽に抗いきれないのか、反抗的な口調が懇願に変わっている……。


「駄目だよアントン。しっかりほぐさなきゃ、僕の大きいのが入らないでしょ?」

 エリアスは、アントンの頬にキスを落とすと、後孔に入れる指を増やした。

「はあああああっ、ああああっ!!!」

 ぐちゅぐちゅと淫猥な音をたてながら、エリアスが指を出し入れする。


「どんな感じ? 僕に教えて。素直になったらもっと気持ちよくしてあげる」

 うっとりとした表情で、エリアスはアントンの乳首を指で弾いた。

「あっ、んっ、うわっ……」

 アントンの陰茎から、先走りの蜜がだらだらとこぼれ落ちている。


「さあ、教えて、アントン……、我慢しないで、いつもみたいに、僕におねだりしてごらん?」

 愛おしむような声。だが、アントンに向けるその視線はぞっとするほど酷薄だった。


「あっ、ああっ……、こんなことっ、いいたくないっ、のにっ……、くっ……、気持ちっ、いいっ……、エリアスっ……、もっと……」

 アントンが目を閉じると、涙がその頬を伝った。


「アントン……、なんて君は可愛いんだ……」

 エリアスはアントンから指を引き抜くと、大きくそそり立った怒張を、アントンの後ろに押し当てた。


「ああ……、もう、やだっ……、エリアス……、来てっ、俺の中に……、いっぱい、ちょうだいっ」


「素直ないい子にはご褒美をあげないとね。さあ、腰を上げて……」


「あっ、だめっ、エリアスっ、エリアスっ……、早くっ!」


「力を抜いて、アントン……、入れるよっ!」

 エリアスは後ろから、アントンを一気に貫いた。


「あああああああああああああああっっ!!!!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 寮の自室への帰り道。アデラは未だ興奮が冷めやらなかった。


 ――エリアス様ってば、なんて、なんて、なんて……!!!!!!

 いますぐエリアスの足元にすがりついて、謝罪したい気分だ。


 ――私が間違っておりました。私が浅はかでした。

 あのアントンとの昼食時の諍いも、アントンの部屋の前でのお仕置きも、その他のアントンの反抗的な物言いも、すべて……。


 あのセックスのための、壮大な前戯だったのですね!!!!




 アデラはポッと頬を赤らめる。

 ――さすがはエリアス様だわ。意気込みがまるで違う。私も見習わなくては……。



 その時、誰かと肩がぶつかった。

「あら、申し訳ありま……」

「まあ、アデラ様、お元気そうですわね、相変わらず」

 クリスティーナ・ストランド。ピンクのブリブリしたドレスに身を包んでいる。

 アデラと並ぶ学園の3大美女として誉れ高い女性の一人……。いわば、アデラのライバルである。


「どうも。そちらもお元気そうで」

「ところでアデラ様。いくら婚約者が決まらず焦っていらっしゃるからって、誰彼構わず誘惑されるのは、おやめになったほうがよろしいのでは?」

「どういう意味です?」

「他の方の婚約者に手を出すのはおやめください、と申しておりますの。殿方からも怖がられていますわよ。取って食われそうだって!」

 オーホホホッとクリスティーナは高笑いする。

「失礼な物言いはおやめください。だいたい私にはれっきとした婚約者が……」

 言いかけてアデラは口をつぐむ。


 ――私には確かに婚約者がいる。でも、それが誰なのか、全然思い出せない!!



 その時、目の前が突然ぐるぐると回り始めた。


 ――あれ?? でも、私なにか最初から大きな勘違いをしていたような気がするわ。

 ――そうよ。だって、エリアス様の婚約者がアントンであるわけないじゃない。

 ――アントンには……そう、あの銀髪で、吸い込まれそうな青紫色の瞳の……、超絶ブラコンの、アントン以外の他人には無関心な、冷淡で、まるで血の通っていない、鉄面皮の……。




「そうよっ、アルベルトよっ!!!!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 



「どうした、アデラっ?」

 肩を揺さぶられ、目を覚ます。

 目の前にいるのは……。

 ――誰だっけ?


 金茶の髪に、薄灰色の瞳……。まあまあの造作の顔の男。

 ――あーそうそう、ヴィクトル殿下の取り巻きの一人、だったわね。ソフィア王女の奸計のため、私も一役買ってこの男と舞踏会に出たんだっけ?
 それで、意気投合して、こうして一夜をともにした……って感じ?

 ここは寮の自室。メールボックスを見てみると、いつものようにたくさんの手紙と、入り切らなかった贈り物が、いくつも床にこぼれ落ちていた。

 ――よかった。いつもどおりだわ。


「アデラ、今度の日曜、一緒に出かけないか?」

 さっそくアデラに惚れてしまった男からの誘い。

「ええ、そうね。まずはお手紙をくださる? お返事するわ」


 ――こんな男にかまけている暇はない。

 さっそくアデラは届いている手紙をチェックし始める。


 ――でも、気づかなかったわ。婚約者がいないと、あんなにモテなくなるなんて!!

 アデラは身を震わせる。



 ――エリアス様の婚約者であることも、私の重要な魅力の一つってことよね!


 たくさんの贈り物に囲まれながら、アデラはしみじみと思った。



 ――アルベルトがいてくれて、良かった。




(了)













・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

❤次はダン編です~😃

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