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第58話
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「アントン様っ、ひどいですわっ! 私というものがありながら!!」
「何をおっしゃっているの? アントン様は私と将来の約束をしていますのよ!? アントン様、なんとか言ってくださらないっ?」
「いい加減にしてくださらない? 私こそアントン様の運命の相手なのですわっ!!! そうですわねっ、アントン様っ!!!」
3人のご令嬢に、凄まれる俺!
揃いも揃って般若のような形相だ!
っていうか……、
誰~~~~~~!!!!????
3人それぞれ特徴が違えど、それぞれがそれなりに魅力的で可愛らしいご令嬢たち。
しかし、揃いも揃って彼女たちに見覚えは全く無い!!!
「アントン……、知らなかったよ。すごいね~。モテモテなんだ~」
半ば呆れ気味のエリアス。彼女たちの剣幕にビビったのか、そっと俺の背中に隠れる。
え、もしかして俺、この世界でのモテ期来てる?
しかも、前世でモテなかった分のフィーバー来てる!!??
――って、そんなワケあるかーーーーー!!!!
「あの、落ち着いてください。俺にはなんのことだか、さっぱり……。
俺、あなた方とは、初対面ですよね、たぶん……」
どこかのパーティで会っていたりするかもしれないので、俺はちょっと自身なさげに言った。
そして……、もちろん俺のこの言葉は、お嬢さん方の怒りの炎に、油をなみなみと注ぐ結果となり……、
「なーにーが、初対面ですって!!?? そんな見え透いた嘘を付くなんて、その後ろのご令嬢がそんなに大事なんですのっ!?」
「はあっ!? 私だけを愛してるっていったじゃないですか? この嘘つき男!」
「私達を騙しただけでは物足りず、今度はそのご令嬢にさっそく乗り換えたってことですのね!? このサイッテー男!!!」
え? え? えっ!?
一体なんのこと? Why???
もしかして、この世界に俺ってもう一人いたりする?
俺とは似ても似つかない、ドン・ファン並みの色男で毎夜毎夜違う女性を虜にしたりする別のアントン・ソールバルグが……。
それとも、ジキルとハイドみたく、俺って別のモテモテ人格があったりするの!?
そして今の俺が寝てる間に、夜な夜なガールハントしてたりするの!?
もし……、もしそうだったら……、
俺にモテる秘訣を教えてくれーーーー!!!!
って、ち、が、う!!!
「これは……、違うんです、これは絶対、なにかの、誤解であって、その……」
俺の釈明に、ご令嬢たちは顔を歪ませると、
「サイッテー!!!」
「恥を知りなさい!!!!」
「地獄に落ちろ!!!」
バシャッ、バシャッ、バシャッ、とそれぞれが手にしていた色とりどりの飲み物を、容赦なく俺の顔に浴びせかけた。
――なんなの、俺……!?
――誰なの、あの子たち……!?
――これ、一体なんの罰ゲーム!?
髪と顔は甘い飲み物のせいでベトベトで、着ていた服は汚されて、これ以上なくみっともない姿の俺……。
「あーあ、大変な目に遭っちゃったね~。とりあえず、ここを出よう?」
エリアスがハンカチを取り出し、俺の顔を拭いてくれようとしたその時、
キャーーーっという、女の子たちの絶叫が響いた。
どうやら、舞踏会にとんでもないビッグカップルがやってきたようだ。
ざわ、ざわ、と会場全体が異様なざわめきに包まれる。
ふと会場の入り口に目をやった俺は、目を疑った。
あ、あれは……!!!!
「わー、アルベルトとヴィクトル王子だ!
へー、二人ってそういう関係だったんだ~!」
エリアスの朗らかな声が、やけに非現実的に聞こえた。
な、なんであの二人がここに……!!??
しかも、舞踏会のパートナーとして……!!!!
「何をおっしゃっているの? アントン様は私と将来の約束をしていますのよ!? アントン様、なんとか言ってくださらないっ?」
「いい加減にしてくださらない? 私こそアントン様の運命の相手なのですわっ!!! そうですわねっ、アントン様っ!!!」
3人のご令嬢に、凄まれる俺!
揃いも揃って般若のような形相だ!
っていうか……、
誰~~~~~~!!!!????
3人それぞれ特徴が違えど、それぞれがそれなりに魅力的で可愛らしいご令嬢たち。
しかし、揃いも揃って彼女たちに見覚えは全く無い!!!
「アントン……、知らなかったよ。すごいね~。モテモテなんだ~」
半ば呆れ気味のエリアス。彼女たちの剣幕にビビったのか、そっと俺の背中に隠れる。
え、もしかして俺、この世界でのモテ期来てる?
しかも、前世でモテなかった分のフィーバー来てる!!??
――って、そんなワケあるかーーーーー!!!!
「あの、落ち着いてください。俺にはなんのことだか、さっぱり……。
俺、あなた方とは、初対面ですよね、たぶん……」
どこかのパーティで会っていたりするかもしれないので、俺はちょっと自身なさげに言った。
そして……、もちろん俺のこの言葉は、お嬢さん方の怒りの炎に、油をなみなみと注ぐ結果となり……、
「なーにーが、初対面ですって!!?? そんな見え透いた嘘を付くなんて、その後ろのご令嬢がそんなに大事なんですのっ!?」
「はあっ!? 私だけを愛してるっていったじゃないですか? この嘘つき男!」
「私達を騙しただけでは物足りず、今度はそのご令嬢にさっそく乗り換えたってことですのね!? このサイッテー男!!!」
え? え? えっ!?
一体なんのこと? Why???
もしかして、この世界に俺ってもう一人いたりする?
俺とは似ても似つかない、ドン・ファン並みの色男で毎夜毎夜違う女性を虜にしたりする別のアントン・ソールバルグが……。
それとも、ジキルとハイドみたく、俺って別のモテモテ人格があったりするの!?
そして今の俺が寝てる間に、夜な夜なガールハントしてたりするの!?
もし……、もしそうだったら……、
俺にモテる秘訣を教えてくれーーーー!!!!
って、ち、が、う!!!
「これは……、違うんです、これは絶対、なにかの、誤解であって、その……」
俺の釈明に、ご令嬢たちは顔を歪ませると、
「サイッテー!!!」
「恥を知りなさい!!!!」
「地獄に落ちろ!!!」
バシャッ、バシャッ、バシャッ、とそれぞれが手にしていた色とりどりの飲み物を、容赦なく俺の顔に浴びせかけた。
――なんなの、俺……!?
――誰なの、あの子たち……!?
――これ、一体なんの罰ゲーム!?
髪と顔は甘い飲み物のせいでベトベトで、着ていた服は汚されて、これ以上なくみっともない姿の俺……。
「あーあ、大変な目に遭っちゃったね~。とりあえず、ここを出よう?」
エリアスがハンカチを取り出し、俺の顔を拭いてくれようとしたその時、
キャーーーっという、女の子たちの絶叫が響いた。
どうやら、舞踏会にとんでもないビッグカップルがやってきたようだ。
ざわ、ざわ、と会場全体が異様なざわめきに包まれる。
ふと会場の入り口に目をやった俺は、目を疑った。
あ、あれは……!!!!
「わー、アルベルトとヴィクトル王子だ!
へー、二人ってそういう関係だったんだ~!」
エリアスの朗らかな声が、やけに非現実的に聞こえた。
な、なんであの二人がここに……!!??
しかも、舞踏会のパートナーとして……!!!!
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