【完結】前世の記憶が転生先で全く役に立たないのだが?! ~逆チートの俺が異世界で生き延びる方法~

.mizutama.

文字の大きさ
上 下
50 / 95

第50話

しおりを挟む
「兄さんっ、兄さんっ、兄さんっ……!」

 アルベルトは俺の上に乗ってくると、そのまま俺の首筋にキスを落とす。


 口づけは優しく、ダンに残された痕をたどるようにゆっくりと降りていく。


「ああ……、アルベルトっ……」

 アルベルトのシャツを肩に引っ掛けただけの、ほとんど全裸の状態で、俺はアルベルトに絡みつく。


「……兄さんっ、あの男にも、こんなふうに積極的だったわけじゃないよね!?」

 疑うアルベルトの唇を、自分の唇でふさぐ。


「アルベルト……、アルベルトだけだよっ、好きっ……、もっとっ……」


「……っ!」

 アルベルトは、身体を起こすとバスローブの帯を解いた。



「兄さん……、俺ももう、我慢の限界……っ」

 アルベルトは荒々しくバスローブを脱ぎ捨てると、俺に覆いかぶさってくる。


 素肌が触れ合うと、俺の中にゾクリとした感覚が生まれる。



 ――アルベルトが欲しい……!



 俺はアルベルトの下腹部に手を伸ばす。

 これ以上なく力強く反応しているそれに、俺は喜びを感じてしまう。


 ――アルベルトが、俺に感じてくれてる……。


「あっ、兄さんっ……」

 俺がそれをさばくと、アルベルトが艶めいた声を上げる。


「アルベルト……っ、もっと気持ちよくしてあげる」

 俺は身体を下ずらすと、そそり立ったアルベルトの剛直に、唇を寄せた。

 そして、アルベルトが反応するより先に、それを口にくわえる。


「んっ、アルベルトのっ、おっきいっ……」


「兄さんっ、なんてことをっ……」

 アルベルトが俺を制止しようとするが、俺はその手を払いのけ、さらにその剛直を強く吸った。


 途端にアルベルトの力が抜ける。

「んっ、はあっ……、兄さんっ……」


 ――アルベルトが俺に感じてくれてる……。


 俺は必死でそれに舌を這わせ、手も使ってアルベルトを慰めた。

 鈴口をすすると、アルベルトの身体が震えた。


「兄さんっ、駄目だっ、あっ……」

 アルベルトの声に耳を貸さず、俺は夢中でアルベルトを舐め続ける。


「んっ……、アルベルトっ、気持ちいいっ?」

 俺がアルベルトを見上げると、

「んっ、くぅっ……、兄さんっ、駄目だって、早く放してっ!」

 アルベルトが低く呻くと、俺の顔に熱い飛沫がかかった。


「あっ……」

「ごめんっ、兄さん、早く拭いてっ!」

 アルベルトの吐き出した精がかかった俺の顔を、アルベルトが拭う。


「大丈夫、だよ、アルベルト」

 俺は言うと、唇にかかったそれをぺろりと舐めた。


「おいしい……、アルベルトの……」



「兄さんっ!!!!!!!!!!!!」


 アルベルトはすごい勢いで俺を押し倒してきた。


「兄さんっ、もしかして、もしかして、あの男に教えられたんですかっ?
無理やりあの男のものを咥えさせられて、あんな淫らな舌使いをっ……。
だとしたら、俺はっ、俺はっ……、あの男を殺しそこねてしまったことを一生後悔しますっ!!!!」

 俺の首を締めんばかりの勢いのアルベルトに、俺は顔をしかめる。

「っんな、わけ、ないだろーがっ! なんで、俺がっそんなこと……っ、
俺はっ、俺はっ、アルベルトのだからっ、……したんだっ」

 最後の方は声が尻すぼみになってしまう。

 だが、しっかり最後まで聞いていたらしいアルベルトは、ぱあっと顔を輝かせた。


「じゃあ、俺が兄さんのお口のはじめての相手、なんですねっ!! よかったっ!!」

「は、はじめての……って……、んっ」

 アルベルトが唇を重ねてくる。


「兄さん、ありがとう! 俺っ、すごく嬉しいっ!」
今度は俺が兄さんを気持ちよくしてあげるからね!」

 アルベルトはチュッと俺に軽いキスを落とすと、反応しきっている俺自身に手を伸ばす。


「んっ、アルベルト……っ」

「兄さんっ、教えて……、それから、あの男に何されたのか」

 アルベルトの青紫色の瞳が、妖しい光を帯びる。


「あっ、アルベルトっ、やあっ、だめっ」

 アルベルトが俺自身を捌く手をどんどん早めていく。

「ほら、教えて。教えてくれたら、もっと気持ちいいことを俺がしてあげるよ」

「んっ、全身っ、舐められてっ、吸われてっ、噛まれてっ……」


「あのド変態がっ」

 アルベルトは凶悪な顔つきになると、俺の乳首に舌を這わせた。


「んっ、そこっ、やぁっ!」

「ここにも噛み跡がついてる。あの男……っ、俺の兄さんに……っ!」

 アルベルトは、俺がダンにつけられた噛み跡を全身くまなくたしかめると、消毒だと言って、ひとつひとつ丁寧に舐めて俺を感じさせた。


「あっ、あっ……、気持ちいいっ、アルベルト……」


「俺が助けに入ったとき……」

 アルベルトは俺の両足を広げると、昏い目をして言った。


「兄さんは犯されそうになってたよね、もしかして、ここ、触られたりしたの?」


 アルベルトの繊細な指先が、俺の後ろの孔に触れた。

しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

ある日、人気俳優の弟になりました。

雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。 「俺の命は、君のものだよ」 初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……? 平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨
BL
前世を思い出した俺。 外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。 愛が重すぎて俺どうすればいい?? もう不良になっちゃおうか! 少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。 説明は初めの方に詰め込んでます。 えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。 初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。 ※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?) ※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。 もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。 なるべく全ての感想に返信させていただいてます。 感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます! 5/25 お久しぶりです。 書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~

荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。 弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。 そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。 でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。 そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います! ・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね? 本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。 そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。 お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます! 2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。 2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・? 2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。 2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。

弟が兄離れしようとしないのですがどうすればいいですか?~本編~

荷居人(にいと)
BL
俺の家族は至って普通だと思う。ただ普通じゃないのは弟というべきか。正しくは普通じゃなくなっていったというべきか。小さい頃はそれはそれは可愛くて俺も可愛がった。実際俺は自覚あるブラコンなわけだが、それがいけなかったのだろう。弟までブラコンになってしまった。 これでは弟の将来が暗く閉ざされてしまう!と危機を感じた俺は覚悟を持って…… 「龍、そろそろ兄離れの時だ」 「………は?」 その日初めて弟が怖いと思いました。

処理中です...