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第33話

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「ああっ、ヴィクトルっ、駄目っ!」

「何がダメなんだ? 言わなきゃわからないな」

「……やぁっ!」

 ヴィクトルの舌が、俺の乳首を弄ぶ。

 強く吸われるたび、自分の腰が跳ねるのがわかった。


「どうした? 誘っているようだぞ、お前の淫らな身体は……」


 ヴィクトルの手のひらが俺の上半身を撫でまわす。

 湿った感触がへそから下へと降りていくのがわかった。

「嫌だっ……!」


「初めてなら優しくしてやろうと思っていたが……、
そんな必要はもともとないようだな」

 冷たい声とともに、俺の腰のベルトが外される。


「ヴィクトル、やめてっ!」

「……アルベルトなら、いいのか?」

 低い問いに、俺の身体が硬直する。


「……っ」

「身体は素直だな。驚きだ……。血はつながらないとはいえ、弟のアルベルトとそういう関係になっていたとは……」

「違う! 誤解だっ!」

 俺は、自由の利く足で、ヴィクトルの身体を蹴り上げようとする。


 ……だが、俺の足は空を蹴っただけだった。


 ヴィクトルが含み笑いを漏らす。


「誤解かどうかは、お前の身体に聞いてやろう」

「嫌だっ!!!」

 もう一度、目の前にいるはずのヴィクトルを蹴ろうとするが、逆にその脚を押さえつけられる。


「俺は反抗的な態度は好きではない」

「……くっ!!!」

 体の自由が急に奪われる。


 ――魔力を行使されたのだ。


「アントン、これはお前のためなんだ。わかるだろう?
アルベルトは所詮弟だ。どんなに執着されたとしても、いずれ別れる時が来る……」


 ヴィクトルは、下着とともに俺のズボンを脱がせた。

「……っ!」

「惜しいな。お前のことは信じていたのに、裏切られた気分だ。
ほら見てみろ、乳首を弄られただけで、お前のものはすでにすっかりその気になっているぞ。
男の手で、弄ってほしいんだろう……? ほら……」

「あっ、ああっ……」


 俺の先端を指先でつつかれ、俺は声を漏らす。


「ああ、先走りで濡らして……。アントン、お前がそこまで堕落していたとは思いもしなかった……。
こうして、アルベルトにしてもらったんだろう……?
魔力譲渡のときに、いつもしてもらっていたのか? 兄弟で、こうして……、お互いを慰め合って…‥」

 緩く握りこまれると、嫌でも息があがった。


「ああっ、やめ……、やめて……」

「弟のアルベルトにはよくて、王族の俺には駄目というのは道理が通らないな。
アルベルトにはどうやってしてもらうんだ? 俺も同じようにしてやろうか?」

「誤解だっ! アルベルトとはっ……」

 俺は叫ぶ。だが、同時にあの時に触れあったアルベルトの感触が鮮やかによみがえってくる。


「大丈夫だ、アントン。俺がアルベルトを忘れさせてやる……」

「んっ……」

 唇が重なる。

 深いキスをしながら、ヴィクトルは巧みな手つきで、俺自身をねっとりと愛撫してきた。


「腰が物欲しげに動いているぞ……」


 下腹部が、熱い…‥‥。


「やっ……、んんっ……」

 俺に聞かせるようにくちゅくちゅと音を立てながら、ヴィクトルが俺自身を摺り上げていく。


「感じていいんだ。我慢するな……」

「んっ、はあっ……」

 強く舌を吸われると、我を忘れそうになってしまう。



 視界を奪われ、身体の自由も奪われた俺は、圧倒的な力の前になすすべもない……。


「イキたいだろうが、もう少し我慢するんだ……」

 ヴィクトルは俺をベンチに横たえると、俺の両脚を開かせたまま固定した。


「嫌だ……、見るな……」


「変な趣味はないはずだが……、拘束されたお前の姿は、かなりそそられるな」


 ヴィクトルは、開かせた俺の太ももを撫で上げる。


「やっ、もう……、やめて……、お願い、だっ!」


「両脚をもっと開いて、手で押さえておくんだ。……そう、いい子だ。
お前のいいところが良く見える…‥」

 魔力を使った命令に、俺は従うしかない。



「ここは、もうアルベルトは知っているのか?」

 ヴィクトルの指が、俺の後ろの窄まりに触れる。


「やめろっ!!!!」

「ここを、アルベルトは味わったのか?
確かめてやろう……」

 くるりと周りを円を描くように一周すると、そのままツプリと指を差し込まれた。



「んんっ!!!」

「まだ、固く閉ざされているな……」

 ヴィクトルは再び俺自身に手を伸ばし、愛撫を始める。


「ふぁっ、あっ、ああっ、もうやめろっ! ヴィクトルっ!! あっ!!!」

 愛撫されて緩んだ身体に、もう一度ヴィクトルは指を差し入れた。


 今度は、奥、深く。


「あああああっ!」


「お前の中は、熱いな……」



「嫌だっ、痛いっ!!!」



 そしてゆっくりと出し入れを始める。

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