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第13話

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「やっぱりお風呂は親友と入るのが一番だよね~」


「ちょ、エリアス! 近いって!」



 湯舟はこんなにも広いのに、当然のように密着してくるエリアスを押しのける。


 その固い弾力に俺は、はっと手を離した。


「え、エリアス……、なんか身体すごい固いけど……、最近鍛えてるの?」


 ちょっと見ないうちに、エリアスの身体がさらに引き締まっている気がする! なんか腹筋も割れてるし!

 ぴちぴちしたお肌が水滴をはじいて……、美しい!!!!



「わかる~? めちゃくちゃ鍛えてるんだ! 毎日素振り千回だよ~!」


 とっても美しいお顔に、引き締まった肉体美! なぜ俺の周りは、俺の劣等感を刺激する奴らばかりなのだ!?



「やっぱりさ~、愛する人を守るためには、魔法だけじゃだめだって気づいたんだよね!
いざっていうときのためにも、身体も仕上げとかないと!」


「そう……、なんだ……」


 俺はうすっぺらい自分の身体を見下ろす。



 魔法もなければ体力もない……。

 ないないづくしの俺…‥!




「さ、アントン、身体が楽になるように、マッサージしてあげる! あがって!」


 当たり前のように俺をうながすと、エリアスは棚に置いていたガラスの瓶を取り出した。


 それは香水が入っているみたいな小瓶で、キラキラして中にはピンク色の液体が入っていた。



「これ、言ってた新しい香油だよ! リラックス効果があるんだって~。
きっとすっご~く、気持ちいいよ! ね!?」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「あっ、っ……」


「気持ちいい? アントン?」



「ちょっ! 近いって、耳元で話さないでっ、あっ…‥」


「ここでしょ? アントンの気持ちいいところ」




 大浴場の洗い場で、風呂用の椅子に座る俺。


 エリアスは香油を使って俺の背中をもみ砕いてくれている。



「痛っ、痛いって、強すぎ……っ!」


「これくらいかな?」



「んっ……、気持ちいい……」



「はあ……っ、アントン……!!」


 エリアスは、ヒーリングの魔法も使えるらしく、押されていったところからじんわりと温かくなって
コリがほぐされているのがわかる。




 ――これはまさに、ゴッドハンド!



 そういえば、俺は前世でも肩こりがひどかった。


 もし前世でこんなマッサージ師がいたら、一般人の俺はぜったい一生予約が取れなかっただろう……。


 まさに至福の時……。





 にしても……、


 さっきから、背後にいるエリアスの息遣いがはあはあと荒い。




「エリアス、疲れてるんだったら無理しなくていいから。俺、別にそんなにこってないし!」


「何言ってるんだよ? 背中ガッチガチだよ!? 僕がちゃんと治してあげるから~」


 わけのわからない使命感にとらわれたエリアスは、さらに俺をほぐす指に力を入れる。



「んっ、そこっ!」


「ここだね? もっと強く?」



「あっ……!!!」


「あ~、その声、クルっ!!!!」



 エリアスが意味不明なことをつぶやいたその時、俺の腰あたりにゴリっとした固い感触があたった。




 ――膝? だよな……?



 コリをほぐすことに気を取られすぎているのか、エリアスは俺に膝を押し付けたまま、ゴリゴリと左右に動かした。


 その感触は、なぜかそのまま俺の尻の割れ目に沿っておりていくようで……。




「エリアスっ、膝があたって……」


「ちょっとだけ我慢、ね? 今いいところだから……」



 そういってエリアスは、背中を押していた指をつるりとすべらせ……、




「んあっ! ちょっ! そこ違う!!! だめっ!」




 あろうことか、エリアスの指は俺の乳首をつまんでコリコリともみ始めた。


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