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第35話
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「じゃあ、まず始めに、お前のほうからキスしてもらおうかな。情熱的なヤツを頼むぜ」
テレンスは、僕に近づくと、僕の鼻先で目を閉じる。
「どうした? 俺にキスするくらいなら、アダムが死んでもいいってか」
戸惑う僕に、ちらりと片目を開く。蛇のように、獲物を捕らえて離さない目だ。
僕は、ゆっくり息を吐くと、自らテレンスに唇を重ねた。
触れ合ったままじっとしていると、しばらくして、すっとテレンスが身を引く。
「おい、子どもじゃないんだから、舌を入れて来いよ、さあ、やり直せ」
あくまで、自分は受身でいるつもりのようだ。
僕はもう一度テレンスに口付けると、今度は舌を差し入れた。
テレンスの歯列を舌でなぞっていくと、待ちかねたように、テレンスの舌が僕にからみついてくる。
「んっ……」
「なかなか、上手いじゃないか……」
そう言うと、テレンスは両手を僕の首の後ろに回す。
「んんっ……、あっ……」
お互いを食いつくすかと思うほど、深く、激しい口付け。
テレンスの息も、次第に上がっていく。
「相当手馴れてるな……、ハマりそうだ……」
唇を拭うと、テレンスは僕のシャツのボタンをはずしていく。
「男なのに、このいやらしさは何だ……」
責めるように言うと、はだけさせた僕の胸に手を這わす。
「……くっ」
「へえ、感じるか? ちょっと敏感すぎやしないか?」
「んっ……」
感情とは裏腹に、身体が、テレンスの手に反応してしまう。
脱がされたシャツは、拘束された手首のところでひっかかっている。
「もっと、気持ちよくしてやろうか?」
テレンスは、ズボンの前に手をかける。
「やめろっ!」
「遠慮するなよ。男同士だろ。わかってるんだよ、もう我慢できなくなってることくらい」
服の上から、まさぐられた。
「くっ……」
屈辱でたまらないのに、身体はしっかり反応していた。
「かわいいな、こんなになって……。お前の、もっと触ってほしいっていってるぜ」
そう言うと、ズボンを引っ張って落とし、僕の下半身をさらけ出した。
「やめっ……」
「いい顔だ……。たまらないよ」
「嫌だっ、う……っ」
僕自身を握りこまれ、息があがる。
「あっ……、ンッ」
「いい声出せるんじゃないか、もっと聞かせろよ」
僕自身を執拗に愛撫しながら、再びテレンスは噛み付くようにキスしてきた。
頭の芯が、蕩けそうだ。
熱くて、苦しくて、我慢できない……。
「んっ、はあ……」
気づくと、僕はテレンスと舌を絡めあっていた。
下半身が、溶けそうに熱い。
テレンスはからかうように、僕を手のなかで弄んでいる。
「あっ……、も……」
「限界か? ……早いな」
「も……、やめ……」
――悔しくてたまらない。
なのに、感じてしまう。
もっと欲しいと、腰が揺れる。
「気持ちよかったか」
高圧的な口調。
僕は、荒い息を繰り返していた。
テレンスは、自身の手についた僕の精を舐めとった。
「さあ、立て、これくらいで音を上げてもらっちゃ困るんだよ」
テレンスは僕の後ろに回ると、僕を椅子に拘束していた紐を外した。着ていた衣服が床に落ちた。
立ち上がった僕を、また縄紐で後ろ手に縛ると、テレンスは僕の前に立った。
「ひざまずけ」
僕は、床に膝をついた。
全裸で腕を縛られ、男にひれ伏した、この無様な姿。
テレンスは、恍惚の表情で僕を見下ろしている。
「ずっとこの日を夢見てきたんだ。ルイ……。
お前を屈服させ、目の前に従えるこの日を」
テレンスは、僕に近づくと、僕の鼻先で目を閉じる。
「どうした? 俺にキスするくらいなら、アダムが死んでもいいってか」
戸惑う僕に、ちらりと片目を開く。蛇のように、獲物を捕らえて離さない目だ。
僕は、ゆっくり息を吐くと、自らテレンスに唇を重ねた。
触れ合ったままじっとしていると、しばらくして、すっとテレンスが身を引く。
「おい、子どもじゃないんだから、舌を入れて来いよ、さあ、やり直せ」
あくまで、自分は受身でいるつもりのようだ。
僕はもう一度テレンスに口付けると、今度は舌を差し入れた。
テレンスの歯列を舌でなぞっていくと、待ちかねたように、テレンスの舌が僕にからみついてくる。
「んっ……」
「なかなか、上手いじゃないか……」
そう言うと、テレンスは両手を僕の首の後ろに回す。
「んんっ……、あっ……」
お互いを食いつくすかと思うほど、深く、激しい口付け。
テレンスの息も、次第に上がっていく。
「相当手馴れてるな……、ハマりそうだ……」
唇を拭うと、テレンスは僕のシャツのボタンをはずしていく。
「男なのに、このいやらしさは何だ……」
責めるように言うと、はだけさせた僕の胸に手を這わす。
「……くっ」
「へえ、感じるか? ちょっと敏感すぎやしないか?」
「んっ……」
感情とは裏腹に、身体が、テレンスの手に反応してしまう。
脱がされたシャツは、拘束された手首のところでひっかかっている。
「もっと、気持ちよくしてやろうか?」
テレンスは、ズボンの前に手をかける。
「やめろっ!」
「遠慮するなよ。男同士だろ。わかってるんだよ、もう我慢できなくなってることくらい」
服の上から、まさぐられた。
「くっ……」
屈辱でたまらないのに、身体はしっかり反応していた。
「かわいいな、こんなになって……。お前の、もっと触ってほしいっていってるぜ」
そう言うと、ズボンを引っ張って落とし、僕の下半身をさらけ出した。
「やめっ……」
「いい顔だ……。たまらないよ」
「嫌だっ、う……っ」
僕自身を握りこまれ、息があがる。
「あっ……、ンッ」
「いい声出せるんじゃないか、もっと聞かせろよ」
僕自身を執拗に愛撫しながら、再びテレンスは噛み付くようにキスしてきた。
頭の芯が、蕩けそうだ。
熱くて、苦しくて、我慢できない……。
「んっ、はあ……」
気づくと、僕はテレンスと舌を絡めあっていた。
下半身が、溶けそうに熱い。
テレンスはからかうように、僕を手のなかで弄んでいる。
「あっ……、も……」
「限界か? ……早いな」
「も……、やめ……」
――悔しくてたまらない。
なのに、感じてしまう。
もっと欲しいと、腰が揺れる。
「気持ちよかったか」
高圧的な口調。
僕は、荒い息を繰り返していた。
テレンスは、自身の手についた僕の精を舐めとった。
「さあ、立て、これくらいで音を上げてもらっちゃ困るんだよ」
テレンスは僕の後ろに回ると、僕を椅子に拘束していた紐を外した。着ていた衣服が床に落ちた。
立ち上がった僕を、また縄紐で後ろ手に縛ると、テレンスは僕の前に立った。
「ひざまずけ」
僕は、床に膝をついた。
全裸で腕を縛られ、男にひれ伏した、この無様な姿。
テレンスは、恍惚の表情で僕を見下ろしている。
「ずっとこの日を夢見てきたんだ。ルイ……。
お前を屈服させ、目の前に従えるこの日を」
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