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第二章~Re: start~
☆ 誰のものだと思う?
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シリウスがお風呂に入っている間に着替えて、シリウスの夜食や着替えを準備する。
ロアンは帰宅していた為、フルーツやハムなどを拝借して簡単なサンドイッチを用意した。
テーブルに用意された軽食を見て小さく笑ったシリウスは、私を膝に乗せたまま適当につまんでお腹を満たす。
まるであの日々のような優しい時間に私はドキドキしてしまう。
「…そういえば、邸にアストラス神聖国の次期教皇が滞在しているんだよね?」
「はい、そうです。よくご存知ですね…?」
警備の都合上、トライオスが伯爵邸に滞在していることは非公開となっているはずだった。
「非公開にしていても行程を把握出来れば、ある程度予想もつくからね。そう…アイリスのことを見てどんな反応だった?」
私はトライオスが来てからの三日間を大まかにシリウスへ話した。
シリウスは私の話を黙って聞きながら、深く考え込んでいるようだった。
ふと膝の上に置いていた手にシリウスの指が絡む。
厨房に異動してからすっかり荒れてしまったことを思い出してシリウスの手から逃れるべく手を引っ込めようとしたが、その前にシリウスがしっかりと掴んでしまう。
「………」
無言で手を見下ろしながら弄っていたシリウスは私を一度下ろすと、勝手にドレッサーの引き出しからハンドクリームを取り出してくる。
なぜドレッサーの引き出しにハンドクリームがあるのをシリウスが知っているのだろう、と思いついじとっと見てしまう。
シリウスは戻ってくると律儀にも私を膝に置き直して、勝手にハンドクリームを塗り込んでいく。
ロアンを見ていて男の人はこういう香り付きのクリーム類は嫌がるかと思っていたのだが、どうやらシリウスはそうでも無いらしい。
まぁロアンは料理人なので、元々香りには敏感なのかもしれない。
私の手にしっかりとクリームを塗り込んでくれたあと、香りを楽しむように鼻を近づけて嗅いでいる。
「………」
どこか手慣れているようなシリウスの雰囲気に、再び私の中で疑念が持ち上がる。
もちろん口には出せないが…
「……まぁ猊下がそういうつもりでアイリスを見ているのなら、アイリスが誰のものか…きちんと教えてあげないとだね」
「………」
顎を掴まれ面と向かって言われてしまい、先程まで疑っていた自分が恥ずかしくなってつい俯いてしまう。
今世で私がシリウスと肌を重ねたのは一度だけ…
仲直りをしたあの日以来、私達は正しい主従関係であり続けている。
とはいえ、シリウスから恋人になって欲しいと言われたわけでもないので、私達の関係は言葉では表現出来ないものなのだが。
それでも…
シリウスの瞳は私への想いをまっすぐに伝えてくれているし、そんなシリウスに私は誠実であろうと決めていた。
「アイリスはアストラス神聖国に行きたい…?」
「いいえ…!」
「アイリスは…自分が誰のものだと思う?」
「………それ、は…」
侍女としての所有権ならばマクレーガン家にあるはずだ。
「?……もしかして僕以外の人に肌を許すつもりなの?」
「いえ!それは……シリウス様、だけです…」
じとっと見つめてくるシリウスに耐えかねて私が答えると、シリウスは褒めるようにおでこにキスを落としてくれる。
それは回帰前のシリウスの癖だった。
嬉しい時、満足した時、シリウスは私のおでこにキスを落としていた。
懐かしいようなこそばゆいような気持ちになる。
シリウスはそのままおでこだけでなく、頬や首筋胸元にまでキスを落としていく。
「…んっ…───」
突然始まった求愛のキスに全身が熱くなってしまう。
軽々と抱きかかえられベッド寝かされると、太ももの敏感なところにまでたくさんの痕を残されてしまう。
与えられるがまま快感に耐える私を一人残して、身体を起こしてしまうシリウス。
そのまま離れてしまいそうなシリウスの手に指を絡めてつい潤んだ瞳でじっと見上げると、シリウスは笑いながら眉尻を下げる。
「………困ったな…」
部屋の中をキョロキョロを見回し後、シリウスはキャビネットの上に置いてあるカレンダーをじっと見つめて逡巡しているようだった。
日付は既に変わっていた。
…もしかしたら朝までに学校へ帰らなければいけないのかもしれない。
休暇の取得には厳しい規定があったことを思い出して私も慌てて身体を起こす。
「───…すみません、予定もあるのに私が引き止めてしまって…」
「?……あぁ、学校ならちゃんと休暇の申請をして帰ってきてるから大丈夫だよ」
「そうなのですか…?」
ならば何故カレンダーを見たのだろう。
建国祭が始まるのは三日後なのでまだ余裕がある。
他に何かイベントでもあっただろうか?と首を捻っていると、シリウスに押し倒されてしまった。
「シ、シリウス様…?」
「ん?せっかくアイリスが可愛くおねだりしてくれたのに…そのまま眠れるわけがないだろう?」
手馴れた様子でネグリジェを脱がそうとするシリウスにギョッとして、思わず手首を掴んでしまう。
「どうしてネグリジェの扱いを知っているのですか…?」
「?」
「私以外の女性とも…このような事をされていらっしゃるのですか?」
「……あぁ、それはないから安心して。アイリスだけだよ…」
そう言って頬にキスされても、ちっとも安心出来る要素がない。
だがいち使用人なだけの今の私にはシリウスを追求する資格もないので、大人しく諦めることにする。
回帰前のシリウスも、他の女性には興味がないと言いつつも結構な経験を積んでいたようだったし…
一気にテンションが下がってしまった私に気づいたのか、シリウスの手が止まる。
「………何か拗ねてる?」
「いいえ、拗ねてなどいません」
「じゃあ怒ってる?」
「いいえ、怒ってもいません」
「なら僕を見て…」
「………」
ちらり、とシリウスに視線を移す。
視線を絡ませたまま、シリウスがコツンとおでこをくっつけてくる。
「こればっかりは証明が難しいけど…信じて欲しい。僕は、本当にアイリスだけだよ…?」
「………」
私だけだとこうして目を見て言ってくれている以上、シリウスに求めすぎるのも良くないだろう。
私は、ふふっ…と笑ってシリウスに口付けする。
これが今の私たちの仲直りの方法だった。
「「───」」
深くなるシリウスのキスに応えながら、私はネグリジェのリボンに手をかけようとしたが何故かシリウスに止められてしまう。
「……今は来客が多いようだからね。念の為…」
そう言ってシリウスは私を壁に押し付けると下着だけを脱がして中を解してくる。
あの頃のように大きくなったシリウスの手に翻弄されながら必死に声を抑えていると、シリウスはぐいっと私の左足を持ち上げて自身をあてがう。
熱の籠った瞳で見つめながらも私の許可を求めるように何度かこすりつけられて…
堪らず私の方からシリウスの首に腕を回して了承のキスをする。
「……────」
初体験の記憶よりずっと大きなそれがゆっくりと侵入してくる恐怖に耐えきれず…
シリウスから離れようともがいてしまう。
だが、背中を壁に押し付けられている私に逃げ場はなく…当然シリウスを押し退けることも出来ない。
「───……っ!!」
シリウスの全てを飲み込まされた結果、奥まで届く刺激に耐えきれず私は全身を震わせて達してしまう。
そうしてようやく離された唇から必死に酸素を取り込んでいると、シリウスに左足を抱えなおされていることに気づいた。
「………待っ…!」
「無理、待てない…もう何年も待ってたんだから…」
「…少しだけ…お願いです…!」
「ははっ…大丈夫、ちゃんとアイリスが満足するまで可愛がってあげるから…」
私の嘆願も虚しくおでこにキスを落としたシリウスが腰を引いていく。
「ちが………ぁ…ぁ…────!!」
刺激が強すぎてとても右足だけでは立っていられずに崩れ落ちそうになる。
だがシリウスが支えてくれているおかげで座り込むことも出来ない。
「はぁっ……はぁっ…────!!」
息つく間もなく再び押し込まれる苦しさと恐怖に耐えていると、お腹の奥を突かれた拍子に溢れた愛液が床に滴ってしまう。
そうして始まってしまった抽挿に私への慈悲は一切なくて…
シリウスが果てるまでの間、私は何度も達してしまうのだった。
ロアンは帰宅していた為、フルーツやハムなどを拝借して簡単なサンドイッチを用意した。
テーブルに用意された軽食を見て小さく笑ったシリウスは、私を膝に乗せたまま適当につまんでお腹を満たす。
まるであの日々のような優しい時間に私はドキドキしてしまう。
「…そういえば、邸にアストラス神聖国の次期教皇が滞在しているんだよね?」
「はい、そうです。よくご存知ですね…?」
警備の都合上、トライオスが伯爵邸に滞在していることは非公開となっているはずだった。
「非公開にしていても行程を把握出来れば、ある程度予想もつくからね。そう…アイリスのことを見てどんな反応だった?」
私はトライオスが来てからの三日間を大まかにシリウスへ話した。
シリウスは私の話を黙って聞きながら、深く考え込んでいるようだった。
ふと膝の上に置いていた手にシリウスの指が絡む。
厨房に異動してからすっかり荒れてしまったことを思い出してシリウスの手から逃れるべく手を引っ込めようとしたが、その前にシリウスがしっかりと掴んでしまう。
「………」
無言で手を見下ろしながら弄っていたシリウスは私を一度下ろすと、勝手にドレッサーの引き出しからハンドクリームを取り出してくる。
なぜドレッサーの引き出しにハンドクリームがあるのをシリウスが知っているのだろう、と思いついじとっと見てしまう。
シリウスは戻ってくると律儀にも私を膝に置き直して、勝手にハンドクリームを塗り込んでいく。
ロアンを見ていて男の人はこういう香り付きのクリーム類は嫌がるかと思っていたのだが、どうやらシリウスはそうでも無いらしい。
まぁロアンは料理人なので、元々香りには敏感なのかもしれない。
私の手にしっかりとクリームを塗り込んでくれたあと、香りを楽しむように鼻を近づけて嗅いでいる。
「………」
どこか手慣れているようなシリウスの雰囲気に、再び私の中で疑念が持ち上がる。
もちろん口には出せないが…
「……まぁ猊下がそういうつもりでアイリスを見ているのなら、アイリスが誰のものか…きちんと教えてあげないとだね」
「………」
顎を掴まれ面と向かって言われてしまい、先程まで疑っていた自分が恥ずかしくなってつい俯いてしまう。
今世で私がシリウスと肌を重ねたのは一度だけ…
仲直りをしたあの日以来、私達は正しい主従関係であり続けている。
とはいえ、シリウスから恋人になって欲しいと言われたわけでもないので、私達の関係は言葉では表現出来ないものなのだが。
それでも…
シリウスの瞳は私への想いをまっすぐに伝えてくれているし、そんなシリウスに私は誠実であろうと決めていた。
「アイリスはアストラス神聖国に行きたい…?」
「いいえ…!」
「アイリスは…自分が誰のものだと思う?」
「………それ、は…」
侍女としての所有権ならばマクレーガン家にあるはずだ。
「?……もしかして僕以外の人に肌を許すつもりなの?」
「いえ!それは……シリウス様、だけです…」
じとっと見つめてくるシリウスに耐えかねて私が答えると、シリウスは褒めるようにおでこにキスを落としてくれる。
それは回帰前のシリウスの癖だった。
嬉しい時、満足した時、シリウスは私のおでこにキスを落としていた。
懐かしいようなこそばゆいような気持ちになる。
シリウスはそのままおでこだけでなく、頬や首筋胸元にまでキスを落としていく。
「…んっ…───」
突然始まった求愛のキスに全身が熱くなってしまう。
軽々と抱きかかえられベッド寝かされると、太ももの敏感なところにまでたくさんの痕を残されてしまう。
与えられるがまま快感に耐える私を一人残して、身体を起こしてしまうシリウス。
そのまま離れてしまいそうなシリウスの手に指を絡めてつい潤んだ瞳でじっと見上げると、シリウスは笑いながら眉尻を下げる。
「………困ったな…」
部屋の中をキョロキョロを見回し後、シリウスはキャビネットの上に置いてあるカレンダーをじっと見つめて逡巡しているようだった。
日付は既に変わっていた。
…もしかしたら朝までに学校へ帰らなければいけないのかもしれない。
休暇の取得には厳しい規定があったことを思い出して私も慌てて身体を起こす。
「───…すみません、予定もあるのに私が引き止めてしまって…」
「?……あぁ、学校ならちゃんと休暇の申請をして帰ってきてるから大丈夫だよ」
「そうなのですか…?」
ならば何故カレンダーを見たのだろう。
建国祭が始まるのは三日後なのでまだ余裕がある。
他に何かイベントでもあっただろうか?と首を捻っていると、シリウスに押し倒されてしまった。
「シ、シリウス様…?」
「ん?せっかくアイリスが可愛くおねだりしてくれたのに…そのまま眠れるわけがないだろう?」
手馴れた様子でネグリジェを脱がそうとするシリウスにギョッとして、思わず手首を掴んでしまう。
「どうしてネグリジェの扱いを知っているのですか…?」
「?」
「私以外の女性とも…このような事をされていらっしゃるのですか?」
「……あぁ、それはないから安心して。アイリスだけだよ…」
そう言って頬にキスされても、ちっとも安心出来る要素がない。
だがいち使用人なだけの今の私にはシリウスを追求する資格もないので、大人しく諦めることにする。
回帰前のシリウスも、他の女性には興味がないと言いつつも結構な経験を積んでいたようだったし…
一気にテンションが下がってしまった私に気づいたのか、シリウスの手が止まる。
「………何か拗ねてる?」
「いいえ、拗ねてなどいません」
「じゃあ怒ってる?」
「いいえ、怒ってもいません」
「なら僕を見て…」
「………」
ちらり、とシリウスに視線を移す。
視線を絡ませたまま、シリウスがコツンとおでこをくっつけてくる。
「こればっかりは証明が難しいけど…信じて欲しい。僕は、本当にアイリスだけだよ…?」
「………」
私だけだとこうして目を見て言ってくれている以上、シリウスに求めすぎるのも良くないだろう。
私は、ふふっ…と笑ってシリウスに口付けする。
これが今の私たちの仲直りの方法だった。
「「───」」
深くなるシリウスのキスに応えながら、私はネグリジェのリボンに手をかけようとしたが何故かシリウスに止められてしまう。
「……今は来客が多いようだからね。念の為…」
そう言ってシリウスは私を壁に押し付けると下着だけを脱がして中を解してくる。
あの頃のように大きくなったシリウスの手に翻弄されながら必死に声を抑えていると、シリウスはぐいっと私の左足を持ち上げて自身をあてがう。
熱の籠った瞳で見つめながらも私の許可を求めるように何度かこすりつけられて…
堪らず私の方からシリウスの首に腕を回して了承のキスをする。
「……────」
初体験の記憶よりずっと大きなそれがゆっくりと侵入してくる恐怖に耐えきれず…
シリウスから離れようともがいてしまう。
だが、背中を壁に押し付けられている私に逃げ場はなく…当然シリウスを押し退けることも出来ない。
「───……っ!!」
シリウスの全てを飲み込まされた結果、奥まで届く刺激に耐えきれず私は全身を震わせて達してしまう。
そうしてようやく離された唇から必死に酸素を取り込んでいると、シリウスに左足を抱えなおされていることに気づいた。
「………待っ…!」
「無理、待てない…もう何年も待ってたんだから…」
「…少しだけ…お願いです…!」
「ははっ…大丈夫、ちゃんとアイリスが満足するまで可愛がってあげるから…」
私の嘆願も虚しくおでこにキスを落としたシリウスが腰を引いていく。
「ちが………ぁ…ぁ…────!!」
刺激が強すぎてとても右足だけでは立っていられずに崩れ落ちそうになる。
だがシリウスが支えてくれているおかげで座り込むことも出来ない。
「はぁっ……はぁっ…────!!」
息つく間もなく再び押し込まれる苦しさと恐怖に耐えていると、お腹の奥を突かれた拍子に溢れた愛液が床に滴ってしまう。
そうして始まってしまった抽挿に私への慈悲は一切なくて…
シリウスが果てるまでの間、私は何度も達してしまうのだった。
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