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第一章〜First end〜
…ありがとう
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「………どうして私が…」
ふらふらと歩きながらようやく見えてきた王城を見上げる。
療養の名目で母方の叔母が住んでいるアストラス神聖国へ送られて早二年…。
修道院での生活に耐えきれなくなったアネスティラは、とうとうダリアからの言いつけを破り修道院から脱走した末約一ヶ月をかけてこのシャダーリンの首都まで戻ってきていた。
持ち出せた貨幣は僅かで、道中の馬車にほとんど使ってしまった。
身を整える余裕もない事に口惜しさを感じ、せめてと郊外を流れる川の水で汚れを落として首都へと入る。
とりあえず邸宅へ戻って着替えてからお父様に相談しよう…。
昔からアネスティラにとって父は厳格な人だったので、このようなみすぼらしい格好で会うのは悪手に思えた。
「なんだか随分と使用人が少ないわね…?」
以前のような輝かしさを失ってしまった伯爵邸を見て違和感を覚える。
しかし、アネスティラを修道院へ送ったあと、ダリアもアストラス神聖国に滞在していた。
邸宅を管理する女主人が不在だったことを思い出してアネスティラはすぐに納得する。
何より今は使用人に見つかる訳にはいかなかったので、アネスティラにとっては都合が良かった。
シリウスはまだ士官学校に在籍していて不在だろうし、セドリックもこの時間ならまだ王城にいる可能性が高い。
使用人が居ないことを確認して、アネスティラは玄関から入るとそのまま急いで二階へ駆け上がっていく。
ふと人影に気づいて柱に隠れると、イーリスの部屋の前に人が立っているのが見えた。
「………まさか、イーリスが帰ってきているの?」
邸宅内にも関わらず堂々と腰に剣を差しているところから見るに、れっきとした騎士なのだろう。
アネスティラは気づかれないようメイドを装い、背すじを伸ばして自身の部屋へと向かう。
離れていたこともあり修道女の黒い服がメイド服に見えたのだろう。
騎士から声をかけられることもなく、部屋に入ることに成功する。
しかし部屋に入ったまま出てこないとなれば怪しまれるかもしれない。
アネスティラはすぐに必要なものを取り出すと同じように部屋を出て階下へと一旦降りて隠れることにするのだった。
日が暮れてセドリックが帰ってきたのだろう。
玄関ホールが騒がしくなる。
倉庫に身を隠していた為、様子を窺うことは出来なかったがイーリスが出迎えに出てきた様子はなかった。
再び静けさを取り戻した邸宅で、階段下の倉庫の扉がそっと開かれる。
アネスティラはセドリックに会うため、三階へ向かおうとしていた。
しかし、二階へ上がったところで、騎士が居なくなっていることに気づいた。
「………」
好奇心が勝ってしまい、騎士が戻る前に…と急いでイーリスの部屋へと向かう。
───コンコン…。
「……はい、どうぞ?」
確かにイーリスの声だった。
そっとドアノブを回して中を窺うと、ベッドの上に人影があった。
天蓋のカーテンに隠れておりこの位置では姿を確認することが出来ない。
廊下にいるよりは…と部屋の中に入ることを決めるアネスティラ。
ドアが閉まる音に天蓋のカーテンへと手が伸びて、その奥からイーリスが顔を覗かせていた。
「お父様への報告はもう終わったのです、か………アネスティラ…姉様?」
「───…イーリス」
綺麗な髪に綺麗な肌、ネグリジェだけで騎士の前に姿を現す天性の無防備さ。
相変わらず線は細くて、男の庇護欲を掻き立てる愛らしさを持った腹違いの妹…イーリス。
修道女の服で夜逃げのように飛び出して、ボロボロになりながらここまで帰ってきた。
そんな自分とのあまりの違いに怒りで血が沸騰するような感覚を覚える。
ふと違和感を覚える。
まるでイーリスが身を隠すように後ろへ下がったのだ。
アネスティラはベッドまで歩いていくと、カーテンを自身の手で押し退けてイーリスを見下ろす。
そして不自然に膨らんだお腹に気づいてしまう。
「───!」
「………あなた…まさか…?」
「……アネスティラ姉様」
「性懲りも無く…またシリウスの子を孕んだの…?」
「………」
部屋の前にいた騎士は父が護衛として置いているのだろうか。
私やお母様がイーリスに危害を加えることを恐れて…?
では、お父様は私生児であるイーリスとシリウスの子を認知したというの?
私はアストラスの修道院で下女のような扱いを受けていたというのに…どうしてイーリスばかりが…!!
思わず腕を振り上げてしまう。
そんなアネスティラの姿に、咄嗟にお腹を庇うような仕草を取るイーリス。
そしてアネスティラはそんなイーリスの姿に、あの日のダリアを思い出してしまう…。
「……ぁ…ゎ、私は…!!」
───コンコン…。
「イーリスお嬢様?どなたか部屋にいらっしゃるのですか?」
声からして外にいたのは女性の騎士だったらしくノックの音と共に無断で部屋の中に入ってくる。
イーリスが手を引っ張ってくれたお陰で、カーテンの陰に隠れることが出来たアネスティラは困惑してしまう。
「…ごめんなさい、お腹の子に話しかけていただけなの」
イーリスは落ち着いた様子で女性騎士に声をかけている。
「そうでしたか、当主様への定時報告は終了しております。何かありましたらお声がけ下さい」
信頼関係があるのか…
女性騎士の行動を咎めることなく見送るイーリスと、イーリスの言葉を信じて部屋の捜索を行わない女性騎士。
ドアが閉まるのを確認して、ベッドから慌てて離れる。
「……私はこの部屋から出ることはありません」
小さな声で説明するイーリスの足には足枷が付けられていた。
それだけで何があったのか想像に難くなかった。
ドアの前で待機している騎士を連れて自分は出て行くことが出来ないと言う意味なのだろう。
「ですが、間もなく騎士様が交代する予定なので、私が頼み事をして次の騎士様が一階へ行くようにします。アネスティラ姉様はその間に部屋へ戻られてください…」
「………いつからここに戻っていたの…」
「四ヶ月ほど前です…」
「その足枷はその時からずっと付けられているの?」
「はい、これはシリウスが戻るまでの間だけ付ける約束なんです…」
「…お父様もこのことはご存知なのでしょう?あなた、嫌にならないの?」
「……シリウスに黙って消えた私が悪いので…この程度は甘んじて受け入れるべきかと…」
イカれてるわ…。
その言葉をすんでのところでとどめる。
「もう…ここには来ないわ。シリウスも嫌がるだろうし…」
「……はい」
「お父様を説得出来る気はしないけれど…私を騎士に突き出さないでくれて…ありがとう」
「……はい」
その後…
騎士が交代したタイミングでイーリスがお水を頼んだことで、護衛騎士は目論見通りあっさりと扉の前から離れていった。
その隙にアネスティラは廊下へ出て自身の部屋で一旦身を隠す。
夕食の時間になり階下が騒がしくなるタイミングを見計らって、アネスティラはセドリックの書斎へと向かうのだった。
ふらふらと歩きながらようやく見えてきた王城を見上げる。
療養の名目で母方の叔母が住んでいるアストラス神聖国へ送られて早二年…。
修道院での生活に耐えきれなくなったアネスティラは、とうとうダリアからの言いつけを破り修道院から脱走した末約一ヶ月をかけてこのシャダーリンの首都まで戻ってきていた。
持ち出せた貨幣は僅かで、道中の馬車にほとんど使ってしまった。
身を整える余裕もない事に口惜しさを感じ、せめてと郊外を流れる川の水で汚れを落として首都へと入る。
とりあえず邸宅へ戻って着替えてからお父様に相談しよう…。
昔からアネスティラにとって父は厳格な人だったので、このようなみすぼらしい格好で会うのは悪手に思えた。
「なんだか随分と使用人が少ないわね…?」
以前のような輝かしさを失ってしまった伯爵邸を見て違和感を覚える。
しかし、アネスティラを修道院へ送ったあと、ダリアもアストラス神聖国に滞在していた。
邸宅を管理する女主人が不在だったことを思い出してアネスティラはすぐに納得する。
何より今は使用人に見つかる訳にはいかなかったので、アネスティラにとっては都合が良かった。
シリウスはまだ士官学校に在籍していて不在だろうし、セドリックもこの時間ならまだ王城にいる可能性が高い。
使用人が居ないことを確認して、アネスティラは玄関から入るとそのまま急いで二階へ駆け上がっていく。
ふと人影に気づいて柱に隠れると、イーリスの部屋の前に人が立っているのが見えた。
「………まさか、イーリスが帰ってきているの?」
邸宅内にも関わらず堂々と腰に剣を差しているところから見るに、れっきとした騎士なのだろう。
アネスティラは気づかれないようメイドを装い、背すじを伸ばして自身の部屋へと向かう。
離れていたこともあり修道女の黒い服がメイド服に見えたのだろう。
騎士から声をかけられることもなく、部屋に入ることに成功する。
しかし部屋に入ったまま出てこないとなれば怪しまれるかもしれない。
アネスティラはすぐに必要なものを取り出すと同じように部屋を出て階下へと一旦降りて隠れることにするのだった。
日が暮れてセドリックが帰ってきたのだろう。
玄関ホールが騒がしくなる。
倉庫に身を隠していた為、様子を窺うことは出来なかったがイーリスが出迎えに出てきた様子はなかった。
再び静けさを取り戻した邸宅で、階段下の倉庫の扉がそっと開かれる。
アネスティラはセドリックに会うため、三階へ向かおうとしていた。
しかし、二階へ上がったところで、騎士が居なくなっていることに気づいた。
「………」
好奇心が勝ってしまい、騎士が戻る前に…と急いでイーリスの部屋へと向かう。
───コンコン…。
「……はい、どうぞ?」
確かにイーリスの声だった。
そっとドアノブを回して中を窺うと、ベッドの上に人影があった。
天蓋のカーテンに隠れておりこの位置では姿を確認することが出来ない。
廊下にいるよりは…と部屋の中に入ることを決めるアネスティラ。
ドアが閉まる音に天蓋のカーテンへと手が伸びて、その奥からイーリスが顔を覗かせていた。
「お父様への報告はもう終わったのです、か………アネスティラ…姉様?」
「───…イーリス」
綺麗な髪に綺麗な肌、ネグリジェだけで騎士の前に姿を現す天性の無防備さ。
相変わらず線は細くて、男の庇護欲を掻き立てる愛らしさを持った腹違いの妹…イーリス。
修道女の服で夜逃げのように飛び出して、ボロボロになりながらここまで帰ってきた。
そんな自分とのあまりの違いに怒りで血が沸騰するような感覚を覚える。
ふと違和感を覚える。
まるでイーリスが身を隠すように後ろへ下がったのだ。
アネスティラはベッドまで歩いていくと、カーテンを自身の手で押し退けてイーリスを見下ろす。
そして不自然に膨らんだお腹に気づいてしまう。
「───!」
「………あなた…まさか…?」
「……アネスティラ姉様」
「性懲りも無く…またシリウスの子を孕んだの…?」
「………」
部屋の前にいた騎士は父が護衛として置いているのだろうか。
私やお母様がイーリスに危害を加えることを恐れて…?
では、お父様は私生児であるイーリスとシリウスの子を認知したというの?
私はアストラスの修道院で下女のような扱いを受けていたというのに…どうしてイーリスばかりが…!!
思わず腕を振り上げてしまう。
そんなアネスティラの姿に、咄嗟にお腹を庇うような仕草を取るイーリス。
そしてアネスティラはそんなイーリスの姿に、あの日のダリアを思い出してしまう…。
「……ぁ…ゎ、私は…!!」
───コンコン…。
「イーリスお嬢様?どなたか部屋にいらっしゃるのですか?」
声からして外にいたのは女性の騎士だったらしくノックの音と共に無断で部屋の中に入ってくる。
イーリスが手を引っ張ってくれたお陰で、カーテンの陰に隠れることが出来たアネスティラは困惑してしまう。
「…ごめんなさい、お腹の子に話しかけていただけなの」
イーリスは落ち着いた様子で女性騎士に声をかけている。
「そうでしたか、当主様への定時報告は終了しております。何かありましたらお声がけ下さい」
信頼関係があるのか…
女性騎士の行動を咎めることなく見送るイーリスと、イーリスの言葉を信じて部屋の捜索を行わない女性騎士。
ドアが閉まるのを確認して、ベッドから慌てて離れる。
「……私はこの部屋から出ることはありません」
小さな声で説明するイーリスの足には足枷が付けられていた。
それだけで何があったのか想像に難くなかった。
ドアの前で待機している騎士を連れて自分は出て行くことが出来ないと言う意味なのだろう。
「ですが、間もなく騎士様が交代する予定なので、私が頼み事をして次の騎士様が一階へ行くようにします。アネスティラ姉様はその間に部屋へ戻られてください…」
「………いつからここに戻っていたの…」
「四ヶ月ほど前です…」
「その足枷はその時からずっと付けられているの?」
「はい、これはシリウスが戻るまでの間だけ付ける約束なんです…」
「…お父様もこのことはご存知なのでしょう?あなた、嫌にならないの?」
「……シリウスに黙って消えた私が悪いので…この程度は甘んじて受け入れるべきかと…」
イカれてるわ…。
その言葉をすんでのところでとどめる。
「もう…ここには来ないわ。シリウスも嫌がるだろうし…」
「……はい」
「お父様を説得出来る気はしないけれど…私を騎士に突き出さないでくれて…ありがとう」
「……はい」
その後…
騎士が交代したタイミングでイーリスがお水を頼んだことで、護衛騎士は目論見通りあっさりと扉の前から離れていった。
その隙にアネスティラは廊下へ出て自身の部屋で一旦身を隠す。
夕食の時間になり階下が騒がしくなるタイミングを見計らって、アネスティラはセドリックの書斎へと向かうのだった。
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