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しおりを挟むそんなことを決心したこともありました。
でもね、所詮は無謀な考えてだったよ。ただでさえ口下手なのに、恥ずかしくて素直になんて言えるはずがなかった。
「ごめんね、大丈夫?のぼせちゃった?」
目隠しだったアイマスクを外してもらった俺は、ソファに寝転んでいた。
すばるくんが持ってきてくれたミネラルウォーターを受け取って、ゆっくりと身を起こすと喉を潤した。
冷たい水が喉を通って気持ちいい。
「もう大丈夫」
俺がそう言うと、すばるくんはホッとした表情を浮かべてからぎゅっと抱きしめてくれたので応えるように、抱きしめてくれる腕に手をそえた。
そう、さっきは汚れてしまった服を着替えるのと、念にためにシャワーをということで目隠ししたまま風呂場でシャワーというチャレンジャーな体験をしたのだが、当然一人ではできるはずもなくすばるくんにお願いして…軽くシャワーで流す予定だった俺とは違い、しっかりと丸洗いされるはめになり…まあ、案の定色々気持ちよくなってしまった俺は、のぼせるほどすばるくんのお世話になってしまった。
もう、俺どうしちゃったんだろう。
性欲はどっちかっていうとあまりない方だったのに、友達の前で欲情してしまって、しかもイっちゃうなんて、俺って世に言う淫乱ってやつなのかな…やっぱり俺なんかアイドル向いてないのかも。
しょんぼりしていると、すばるくんは微笑んで慰めるように頭を撫でてくれるので、受け入れるように身を任せると、髪にキスをしてくれた。
「何考えてたの?」
「俺、アイドル向いてないんじゃないかって…」
「なんで?ナナはアイドルでしょ。ファンの子たちだってナナを求めてるし、SSRにナナがいなきゃだめだよ。一緒じゃなきゃ、僕が嫌。ナナじゃなきゃだめなの、わかる?」
すばるくんの手で顔を向けるように促され、すばるくんを見るとじっと見つめられる。
反らしたいのに、反らすことが許されなくてすばるくんを見つめることしかできない。
「で、でもなんか俺、おかしいんだ。体が急にえっちになったみたいで、感じてばかりだし、淫乱ってやつになってしまったのかもしれない」
すばるくんの目を見てこんなこと言わなきゃいけないのはすごくなんか恥ずかしい!!!
羞恥心がムクムクと湧いてきて、顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
どんな顔をしたらいいのかわからないけど、とにかく見ないで欲しい、と思うとちょっとだけ目が潤んだ。
そしたらすばるくんにも移ったのか、顔を赤くして困ったように目を反らしてから、何かを考えるような仕草で手で口を覆った。
解放されたけど、こんなすばるくんは新鮮でまじまじと見てしまう。
いつもキラキラしてて、爽やかな笑顔で、余裕があるすばるくんが、なんだかいつもとは違う可愛さがあって、すごくキュンとする。
ハッ、これまた萌えってやつか。
食い入るように見つめていると「ちょっと待って、ちょっと待ってね…」と、すばるくんは何かに葛藤するように俺に待つように言う。
待つよ!いつまでも待つよ!!
いつまでも見てれるくらいすばるくんが可愛くて、堪能するように見ながらコクコクと頷く。
これがあれだ、萌え萌えキュンキュンってやつだね!!!
ひたすらすばるくんを見つめていたら、すばるくんもようやく落ち着いたようで、いつものすばるくんに戻ってニコッと俺を見て笑ってくれた。
いつものすばるくんもいいよね!キラキラしてる!
「ナナ、いいんだよ。えっちでも感じちゃう体でも、淫乱でも、うん。すごくいいよ、だって今僕の前でそうなってくれてるってことだよね?恋人としているんだから、それはちゃんと勉強できてるってことなんだよ。えらいね、僕はすごく嬉しいよ」
すばるくんになでなでされて褒められると、なんだかとても嬉しくなって、ふにゃっと頬が緩んだ。
そっか、俺ちゃんと勉強できてたのか!これで正解なのか!淫乱でも大丈夫なのか!
良かった良かった、と思っていると、ふいにすばるくんの綺麗な瞳が近づいていた。
綺麗だなぁ、と吸い寄せられるように見ていたら、柔らかいものが唇に優しく触れて、ハッとするとすばるくんがキスをしてくれたことに気がついた。
「ねえ、ナナ。キスしたい、いい?」
それは触れるだけのキスじゃなくて、深いキスがしたいという意味だとわかり、ドキドキと心臓がうるさくなる。
俺はどこか期待してしまうような気持ちで見つめると
「して、欲しい」
と、ねだる声が小さくこぼれた。
思わず言ってしまった言葉に、恥ずかしくなってしまって体が熱くなって目を反らそうとしたら、それを阻むように両手で顔を持ち上げられると奪うように口づけをされた。
「ん…っぁふ」
強引に感じてしまうほどの激しいキスは濃厚で、体が芯から痺れてしまうくらいに刺激的で甘くて、気持ち良くて溺れそう。
酸素が上手く吸えなくてくらくらしてるのか、気持ち良すぎてくらくらしてるのかわからないくらい快感に体が支配されて、何も考えられない。
貪欲に求めるように舌を絡ませて、快感をねだると、すばるくんはふっと笑ったような気がしたけど、応えるように舌を絡ませてくれるとそんなことはすぐに忘れてしまうくらい気持ちがよくて…
また、勃ってしまった。
もう!なんて我慢できない体なんだ!!!
長い間抜かなくても全然平気ー!なんて思っていたことが信じられないくらい反応してしまって、逆に反応に困る!!アクション的な意味で!!!!!
でも、しょうがない気もする。あんな気持ちいいことしちゃったら我慢できないよな…誰でも勃つよ。例え抜いた後だったとしても…たぶん。
涙目ですばるくんに借りた服が伸びない程度に引っ張って、足の間のモノを隠して、バレてないか確認するように見上げると、荒い息を整えていたすばるくんと目が合う。
流し目みたいな視線はめちゃくちゃ色っぽくて、控えめに言ってすごくすごくすごくかっこいい。
キュンってした瞬間に、下のモノもグンッと大きくなってしまって、ものすごくいたたまれない。
すばるくんに欲情しちゃってますって体に教えられたみたいですごく恥ずかしい。
「ナナ、一緒に気持ちよくなっちゃおっか」
「へ?」
さっきのでもかなりかーなーり気持ちよくってこんなになっちゃってるんだけど!!!
「脱がすね」
「へ?」
すばるくんはそう言うと、俺の返事も待たずにズボンに手をかけると、一気に脱がすと俺が懸命に隠していたものをさらけ出してしまう。
「す、すばるくん…」
オロオロもじもじしていると、すばるくんは動じる様子もなく自分のズボンもサラッと脱ぎ捨てた。
すばるくんのも勃って…勃ってるー!!!!!
驚いて目を見開いていると、すばるくんはこっちに視線を向けると「そんなに見ないでよ、ナナのえっち」と、微笑まれて、何故かそこでもキュンキュンとしてしまい、どうしたらいいのか戸惑っていると、すばるくんはスマートにソファに腰をかけると両手を広げた。
「おいで」
と、言われたものの…どうすれば…?
固まる俺を見かねてか、すばるくんは自分の膝をポンポンと叩くと「ナナ、ここ。ここに座って?」と、ニコニコと言った。
「わかった」
とりあえず言われるがままに、すばるくんの膝に跨がるように座ると、俺の背中を片腕で支えるように抱かれると、すばるくんのと俺のモノがちょんっと触れ合う。
「…っ」
「一緒に抜こうね」
「ひゃあっ」
「ほら、ナナも一緒に触って?」
すばるくんに言われて、恐る恐る手を伸ばすと、すばるくんは優しく微笑んで「動かすよ」と、握るとゆっくりと動かした。
「ぁ…っ、ん」
「ナナ、可愛い…もっと聞きたい。すごく興奮する」
「やぁ…はずかし…」
「僕しか見てないから、ね?いいでしょ?」
すばるくんに聞かれてるのも見られてるのも恥ずかしいんだよ!!!!
でも、抗うこともできないくらい直接的な刺激はすごく気持ちいい。
自分の手も動かすけど、自分じゃない手に触られて与えられるがままの快感は自分でするのとは比べ物にならないくらい気持ちいい。
しかも、あのすばるくんが…!キラキラのアイドルの為に生まれてきたような誰もが憧れるすばるくんが、俺のモノとすばるくんのモノを握ってシコシコしてるなんて…!正直、背徳感がすごい。
俺の手で汚してしまってるみたいで、なんだか変にゾクゾクしてしまう。
「ナナ、可愛い…もっと、もっと聞きたい。声を聞かせて」
すばるくんに呪文を唱えるように言われると、なんだか魔法にかかったみたいに、嫌がって抵抗していたことが嘘みたいに、自然に声が手でしまう。
「すばるくんのと…っいっしょに擦れてぇ…っ、ぁ、気持ちいぃ」
「うん、僕も…っ」
「あッ!それ…っ、そこ、指…きもちっ、ぁ、よくてぇ…だめっ、すばるくんっ、すばるくんっ、だめっだめっ」
「気持ちいいなら…っ、だめじゃない、よね?なんて言うの…?」
「ぅ…ふ、ぁ、うう…っ、すきぃ…」
「うん、そうだね。んん…っ、はっ…。うそ、ついちゃだめだよ?ちゃんと言えてえらいね…ナナ」
「そこばっかり…っ、ぁっ、う…っ、きもちよすぎるからぁ…っ、すきだけどっ、んんっ、だめっ、きもちよすぎて俺、へんになる…っ」
「大丈夫、変じゃないよ…気持ちいいのはナナだけじゃないよ、僕もすごく気持ちいい。ナナ、いつも無口なのに、いっぱいえっちな声が出てるね…嬉しい。それにすごく興奮する。えっちなナナ、最高だよ…」
「すばるくんの、言葉っ、恥ずかしいのに…っ、なんか、興奮…するっ、あぁっ、すきっ、あっあっ、それっ、きもちいいっ、すきっすきっすきっっ」
「…っ、もう、ナナってばエロすぎ…ほんと、可愛い…もう我慢するだけでいっぱいいっぱいだよ…ナナ、イかせてあげるね。僕の名前言ってイける?」
「あぁっ、あっ、あっ、それすぐ出ちゃうっ、なんで知って…っ、ぁ、すばるくんっすばるくんっすばるくんーっっ」
「ずっとさっき見てたからね…っ、ぁは、さいっこう…!ナナ、好きだよ、ナナ…っ」
「すばるくんッ、すばるくん、すばるくん、すばるく…っ、ぁっ、ああぁッ」
「ナナ…っ、ぁ」
俺は頭が真っ白になるような快感に包まれて射精した。
すばるくんも同時に達したみたいで二人でお互いの体に飛ばして、べっとりと汚して、せっかくさっき着替えたと言うのに結局また新しい服を借りることになってしまったのだった。
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