5 / 5
プロローグ
5
しおりを挟む
門限の6時を大きく破って8時ごろに、瑠夏は帰って来た。
「瑠夏!遅いじゃないか!」
父の怒号が食卓に響く。
「…」
瑠夏はそれを無視し、私の座る席を通り過ぎて自室に向かおうとする。
「瑠夏…心配になるから、出来るだけ早く帰ってきなさい」
「…っせーな。心配してぇなら勝手にしとけよ。俺がいつ帰って来てもてめーらには関係ねぇだろ」
無表情で瑠夏が吐き捨てる。
「関係ないとはどういう事だ!その口調もどうにかできないのかお前は!」
怒りが最高潮になった父が叫ぶ。
「ねえ。うっさいんだけど」
「ちょっと瑠乃!」
「母さんも黙っときなよ。私は静かにご飯が食べたいの。これ以上静かにしてもらえないなら私あっちで食べるから」
私がそう言っている間に、隙を乗じて瑠夏が自室に向かい、ドアの鍵をかける。
「全く本当に!どういう育て方をしたらこんな奴とあんな奴になるんだ!少なくとも私がいた頃にはまだよかったぞ!おい!」
「あなた…ごめんなさい…」
父は母に八つ当たりを始め、静かとは真反対の騒がしさになる。
これが我が家の日常。家族団欒一致団結とは似ても似つかない、家族とは言い難いほどまとまりのない私達。
「瑠夏!遅いじゃないか!」
父の怒号が食卓に響く。
「…」
瑠夏はそれを無視し、私の座る席を通り過ぎて自室に向かおうとする。
「瑠夏…心配になるから、出来るだけ早く帰ってきなさい」
「…っせーな。心配してぇなら勝手にしとけよ。俺がいつ帰って来てもてめーらには関係ねぇだろ」
無表情で瑠夏が吐き捨てる。
「関係ないとはどういう事だ!その口調もどうにかできないのかお前は!」
怒りが最高潮になった父が叫ぶ。
「ねえ。うっさいんだけど」
「ちょっと瑠乃!」
「母さんも黙っときなよ。私は静かにご飯が食べたいの。これ以上静かにしてもらえないなら私あっちで食べるから」
私がそう言っている間に、隙を乗じて瑠夏が自室に向かい、ドアの鍵をかける。
「全く本当に!どういう育て方をしたらこんな奴とあんな奴になるんだ!少なくとも私がいた頃にはまだよかったぞ!おい!」
「あなた…ごめんなさい…」
父は母に八つ当たりを始め、静かとは真反対の騒がしさになる。
これが我が家の日常。家族団欒一致団結とは似ても似つかない、家族とは言い難いほどまとまりのない私達。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

斎藤先輩はSらしい
こみあ
青春
恋愛初心者マークの塔子(とうこ)が打算100%で始める、ぴゅあぴゅあ青春ラブコメディー。
友人二人には彼氏がいる。
季節は秋。
このまま行くと私はボッチだ。
そんな危機感に迫られて、打算100%で交際を申し込んだ『冴えない三年生』の斎藤先輩には、塔子の知らない「抜け駆け禁止」の協定があって……
恋愛初心者マークの市川塔子(とうこ)と、図書室の常連『斎藤先輩』の、打算から始まるお付き合いは果たしてどんな恋に進展するのか?
注:舞台は近未来、広域ウィルス感染症が収束したあとのどこかの日本です。
83話で完結しました!
一話が短めなので軽く読めると思います〜
登場人物はこちらにまとめました:
http://komiakomia.bloggeek.jp/archives/26325601.html


切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
痔END
もじゃもじゅ
青春
とある少年が痔になった。帰宅途中、信号待ちをしている少年に少女が話しかけてきた。
「あなた痔ですか?」
突然の質問に固まる少年。男子校に通う少年は久しぶりの異性に困惑してしまう。痔が原因で、謎の少女と接点を持つ、とある少年の物語。
現役男子校の男子高生が描く、全く新しい世界観をお届けします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる