95 / 95
ベテルギウス編 〜合同〜
勇者蹴りの知名度
しおりを挟む
その後、もろもろの説明をして学園長は校舎の方へと戻って行った。
(説明の中にはAクラスとBクラスの面々はもうすでに基地の方へ行ってるって言ってたな。ってそれよりも)
話が終わって学園長もいなくなった所で俺はガーリックの方へ向かう。ニーナとライダークと一緒に。
話し方を気をつけながら聞く。
「あのー、ガーリック君? どうして私が参加する事黙ってたの?」
「今知ったろ」
なんでもないように済ました顔でそう答えられた。いやまあ確かに訓練開始直前の一日前に知れた事実はその通りなんだけど、もっと心構えできるタイミングで教えて欲しかった。
「はあ。こっちもお前の参加は昨日五芒星の奴らが集まった後に聞かされた。この時までタイミングがなかった。これでいいか?」
俺の不満がわかったのだろう。言い訳するように説明を付け加えられた。しかし内容は割と納得できるもので反論しにくかった。秘密の特訓として誰にも言わずにスクボトルさんとこで修行してんのは俺だし、タイミングが取りずらかったのはその通りだろう。
「わかった。でももう一個聞かせて」
「……なんだよ」
「なんでそんな機嫌悪いの?」
めんどくさそうに舌打ちされる。
「俺の機嫌悪い理由をお前が知ってどうするってんだ?」
「いや……」
「つまんねー心配してねーでお前は自分の心配をしろ。まず明日だ」
忠告いたみいる。
危険区域と言う場所がどう言う場所か、細かいところはまだわからないが学園長からの説明で注意事項の中に『死んだら責任は取るがそれだけだ』とあった。つまり死ねばそれまで、死ぬ可能性がある場所と言う意味だ。
死ぬかも知れない場所。そこに俺は明日行く。正直実感が湧かない。
「……うん、心してかかるよ。ありがとうガーリック、まずは明日の………ん? “まず”?」
まず、ってどう言う意味だ?
まず明日のことを心配しろ、と言うことは、まだ心配するべき事があると言うのか?
「後ろ」
ガーリックが指差したのは俺の背後。
振り向けばそこには———合同訓練のために集まった軍学校、騎士学校、魔法学校の面々が好奇な目でこちらを見ていた。
合計17名、計34個の目がこちらを見てきている。
「は、は? な、なにこれ」
「『勇者蹴り』」
助ける気はないと言った感じで帰って行くガーリックが最後に残した一言。それで全部理解した。
ガーリックに続いてサンタンクとオトロゴンも帰って行く中で俺は戦慄した。
そうだ俺は勇者を、朝倉颯太を蹴り飛ばした。それは王都の勇者達にも知られていたのだから、この国全体に知られていてもおかしくない。
すなわちここに集まった生徒達の目の前にいるのは、絶対的存在である勇者を蹴っ飛ばした不届者だ。興味の対象になって然るべき存在。
「ななななななな! あの時のこと教えてくれよ! スゲー事すんなぁお前! あと胸デケーな!!」
軍学校の前髪で片目が隠れたヤンチャそうな中性的の生徒がまず、興奮しながら聞いてきた。『な』のマシンガンを撃たれた。
「ふん、囃し立てるつもりはないが何分ウチらの勇者様だからな。興味なしではいられない。ついでにその乳に関しても聞きたいな」
「聞くべきと思う。脅威的なソレに関しても是非」
次に同じ軍学校のダルそうな赤髪と、黒い帽子を目深く被った小柄な少年が聞いてきた。
「ちょっと詰め寄りすぎだと思うけど、迷惑じゃなけりゃ聞きたいかな。どうしてあんな事をしたのか。何をすればそこまで大きくなるのか」
「ふ……勇者に関してはあまり気にしていないのだがな、私にとっては君が気になる。おっぱいもな」
「みんな不躾な。もっと気遣って聞くべきだろう、女の子には」
軍学校の真面目そうな黒髪の少女に、変な興味を持っている灰色髪の少女、普通な金髪メガネの少年も次々に聞いてきて、そして———
「…………じー」
銀髪の大人しそうな子はジッと俺と、俺の胸を凝視してきていた。
「全員興味あるよなぁ。なにせ『勇者蹴り』だしな。それと……乳のデカさも噂になってたな」
ニヤついた顔が張り付いた茶髪の魔法学校生に揶揄うように言われて。
「それは俺も気になってたなー、すげーって思ったぜ。どんな感じだったんだ? あと胸でけーな」
「ハッ! 話を聞いた時悔しいと思ったものだ! なにせ俺様よりも目立ったんだからな! その胸の大きさも目立つ!」
「【金色の魔女】は後回しだ。まずお前になんで勇者蹴ったのか聞きたいな。胸でっか」
魔法学校の黒髪、金髪、金髪ロン毛からも聞かれる。
「………質問に答えてもらう」
「否! まずは白黒つける!! 勇者を蹴ることは正義か悪か! 否! 悪である!! 故に……」
「アタシに謙虚と言う言葉はない! てことでほりゃ! うっほぉうあ! な、なんだこの弾力……この柔らかさ⁉︎」
「ぷにぷにだ、ふかふかだ」
騎士学校の寡黙そうな男子と、暑苦しい(嫌いじゃない)男子からは真っ当な質問を投げかけられている気がする。
その一方でクリーム髪の女子と帽子の女の子に片方ずつ胸を揉まれていた。
「ふざけてるの⁉︎ 勇者は絶対! 勇者を蹴るなんてどんな精神してたらできるのよ! ってかおっぱいデカ!」
「そうだな。僕も聞いておきたかった。ギブソンは後にしてまずは君だ。にしても大きいな」
ギザギザ歯の子には怒られて、赤髪の騎士学校の2人にも詰め寄られ。
ここにいるみんな、各々、俺に言いたい事が少なからずあるらしい。と言うか聞いてきている主な内容は『なんであんなことしたのか?』という問い。
(つーかみんなして俺の胸に一言コメントして行くなよ! 律儀に!)
いや騎士学校の寡黙な男子と煩い男子からは言われなかったけど、代わりに同じ騎士学校の女子2人からは触られ揉まれてるけども現在進行形で。
なんて答えればいいんだ?勇者の事だから何言っても角が立ちそうな気がするし。
窮していると、横からライダークが割り込んで俺の前に立った。俺を背にして集まった全員に向かい合う。
「おい、わりぃがコイツは俺のダチだ。そこまでにしといてもらえるか」
ライダーク!
助けてくれた!ついでに胸を揉んでた2人も引き離してくれた。助かった。
けど逆に今度はライダークが数人から睨まれた。
「あ? お前Cクラスだろ」
「その程度でアタシらの邪魔しようっての?」
「確かにな、そう言うのを無謀と言うのだ」
軍学校の赤髪のダルそうな少年と、同じ軍学校の灰色髪の少女と、魔法学校の金髪ロン毛にそう詰め寄られていた。
Cクラス。勇者学校の最下位クラスだ。
そこを突いてきた。
「何言って……」
「ソニア」
言い返そうとした俺をライダークが止めた。そしてさらにズイッと前に一歩出る。
「確かにそう言われれば俺とお前らじゃ実力差が開いてるだろうな。言われて気づいた」
「なら早く退いたほうがいいと思うけど」
ギザギザ歯の少女が忠告した。
しかしライダークは首を振った。
「だが例え勝てなくたってここを動くつもりはねぇ。何度も言うがコイツは大事なダチなんでな」
ライダーク……!
そこまで俺のことを。そして彼の強い意志は、何よりも響いた。
取り囲む他の学校のみんなも、その言葉に各々一歩二歩退がった。ほとんどが潔く退いていた。ライダークの意志を認めた証だ。
しかし一切動かなかった者が3人いた。
(騎士学校の赤髪、魔法学校の茶髪、そして軍学校のおとなしそうな銀髪の女の子)
その3人だけ身じろぎもしなかった。
赤髪はライダークよりも強い意志の感じる目で動かない。
茶髪はニヤけ面を貼り付けたまま動じていない。
銀髪は……よくわからない。一見するとおとなしいだけの儚げな少女に見えるのだが、一切動揺していない。
そして3人とも共通して、ライダークではなく俺を見ていた。
この3人だけなんだか住んでる世界が違うように感じた。
(いやなんにせよ助かった。後でライダークにはお礼しないと)
「……なんで、お前が……」
後ろからマックのそんな呟きが聞こえた気がした。
(説明の中にはAクラスとBクラスの面々はもうすでに基地の方へ行ってるって言ってたな。ってそれよりも)
話が終わって学園長もいなくなった所で俺はガーリックの方へ向かう。ニーナとライダークと一緒に。
話し方を気をつけながら聞く。
「あのー、ガーリック君? どうして私が参加する事黙ってたの?」
「今知ったろ」
なんでもないように済ました顔でそう答えられた。いやまあ確かに訓練開始直前の一日前に知れた事実はその通りなんだけど、もっと心構えできるタイミングで教えて欲しかった。
「はあ。こっちもお前の参加は昨日五芒星の奴らが集まった後に聞かされた。この時までタイミングがなかった。これでいいか?」
俺の不満がわかったのだろう。言い訳するように説明を付け加えられた。しかし内容は割と納得できるもので反論しにくかった。秘密の特訓として誰にも言わずにスクボトルさんとこで修行してんのは俺だし、タイミングが取りずらかったのはその通りだろう。
「わかった。でももう一個聞かせて」
「……なんだよ」
「なんでそんな機嫌悪いの?」
めんどくさそうに舌打ちされる。
「俺の機嫌悪い理由をお前が知ってどうするってんだ?」
「いや……」
「つまんねー心配してねーでお前は自分の心配をしろ。まず明日だ」
忠告いたみいる。
危険区域と言う場所がどう言う場所か、細かいところはまだわからないが学園長からの説明で注意事項の中に『死んだら責任は取るがそれだけだ』とあった。つまり死ねばそれまで、死ぬ可能性がある場所と言う意味だ。
死ぬかも知れない場所。そこに俺は明日行く。正直実感が湧かない。
「……うん、心してかかるよ。ありがとうガーリック、まずは明日の………ん? “まず”?」
まず、ってどう言う意味だ?
まず明日のことを心配しろ、と言うことは、まだ心配するべき事があると言うのか?
「後ろ」
ガーリックが指差したのは俺の背後。
振り向けばそこには———合同訓練のために集まった軍学校、騎士学校、魔法学校の面々が好奇な目でこちらを見ていた。
合計17名、計34個の目がこちらを見てきている。
「は、は? な、なにこれ」
「『勇者蹴り』」
助ける気はないと言った感じで帰って行くガーリックが最後に残した一言。それで全部理解した。
ガーリックに続いてサンタンクとオトロゴンも帰って行く中で俺は戦慄した。
そうだ俺は勇者を、朝倉颯太を蹴り飛ばした。それは王都の勇者達にも知られていたのだから、この国全体に知られていてもおかしくない。
すなわちここに集まった生徒達の目の前にいるのは、絶対的存在である勇者を蹴っ飛ばした不届者だ。興味の対象になって然るべき存在。
「ななななななな! あの時のこと教えてくれよ! スゲー事すんなぁお前! あと胸デケーな!!」
軍学校の前髪で片目が隠れたヤンチャそうな中性的の生徒がまず、興奮しながら聞いてきた。『な』のマシンガンを撃たれた。
「ふん、囃し立てるつもりはないが何分ウチらの勇者様だからな。興味なしではいられない。ついでにその乳に関しても聞きたいな」
「聞くべきと思う。脅威的なソレに関しても是非」
次に同じ軍学校のダルそうな赤髪と、黒い帽子を目深く被った小柄な少年が聞いてきた。
「ちょっと詰め寄りすぎだと思うけど、迷惑じゃなけりゃ聞きたいかな。どうしてあんな事をしたのか。何をすればそこまで大きくなるのか」
「ふ……勇者に関してはあまり気にしていないのだがな、私にとっては君が気になる。おっぱいもな」
「みんな不躾な。もっと気遣って聞くべきだろう、女の子には」
軍学校の真面目そうな黒髪の少女に、変な興味を持っている灰色髪の少女、普通な金髪メガネの少年も次々に聞いてきて、そして———
「…………じー」
銀髪の大人しそうな子はジッと俺と、俺の胸を凝視してきていた。
「全員興味あるよなぁ。なにせ『勇者蹴り』だしな。それと……乳のデカさも噂になってたな」
ニヤついた顔が張り付いた茶髪の魔法学校生に揶揄うように言われて。
「それは俺も気になってたなー、すげーって思ったぜ。どんな感じだったんだ? あと胸でけーな」
「ハッ! 話を聞いた時悔しいと思ったものだ! なにせ俺様よりも目立ったんだからな! その胸の大きさも目立つ!」
「【金色の魔女】は後回しだ。まずお前になんで勇者蹴ったのか聞きたいな。胸でっか」
魔法学校の黒髪、金髪、金髪ロン毛からも聞かれる。
「………質問に答えてもらう」
「否! まずは白黒つける!! 勇者を蹴ることは正義か悪か! 否! 悪である!! 故に……」
「アタシに謙虚と言う言葉はない! てことでほりゃ! うっほぉうあ! な、なんだこの弾力……この柔らかさ⁉︎」
「ぷにぷにだ、ふかふかだ」
騎士学校の寡黙そうな男子と、暑苦しい(嫌いじゃない)男子からは真っ当な質問を投げかけられている気がする。
その一方でクリーム髪の女子と帽子の女の子に片方ずつ胸を揉まれていた。
「ふざけてるの⁉︎ 勇者は絶対! 勇者を蹴るなんてどんな精神してたらできるのよ! ってかおっぱいデカ!」
「そうだな。僕も聞いておきたかった。ギブソンは後にしてまずは君だ。にしても大きいな」
ギザギザ歯の子には怒られて、赤髪の騎士学校の2人にも詰め寄られ。
ここにいるみんな、各々、俺に言いたい事が少なからずあるらしい。と言うか聞いてきている主な内容は『なんであんなことしたのか?』という問い。
(つーかみんなして俺の胸に一言コメントして行くなよ! 律儀に!)
いや騎士学校の寡黙な男子と煩い男子からは言われなかったけど、代わりに同じ騎士学校の女子2人からは触られ揉まれてるけども現在進行形で。
なんて答えればいいんだ?勇者の事だから何言っても角が立ちそうな気がするし。
窮していると、横からライダークが割り込んで俺の前に立った。俺を背にして集まった全員に向かい合う。
「おい、わりぃがコイツは俺のダチだ。そこまでにしといてもらえるか」
ライダーク!
助けてくれた!ついでに胸を揉んでた2人も引き離してくれた。助かった。
けど逆に今度はライダークが数人から睨まれた。
「あ? お前Cクラスだろ」
「その程度でアタシらの邪魔しようっての?」
「確かにな、そう言うのを無謀と言うのだ」
軍学校の赤髪のダルそうな少年と、同じ軍学校の灰色髪の少女と、魔法学校の金髪ロン毛にそう詰め寄られていた。
Cクラス。勇者学校の最下位クラスだ。
そこを突いてきた。
「何言って……」
「ソニア」
言い返そうとした俺をライダークが止めた。そしてさらにズイッと前に一歩出る。
「確かにそう言われれば俺とお前らじゃ実力差が開いてるだろうな。言われて気づいた」
「なら早く退いたほうがいいと思うけど」
ギザギザ歯の少女が忠告した。
しかしライダークは首を振った。
「だが例え勝てなくたってここを動くつもりはねぇ。何度も言うがコイツは大事なダチなんでな」
ライダーク……!
そこまで俺のことを。そして彼の強い意志は、何よりも響いた。
取り囲む他の学校のみんなも、その言葉に各々一歩二歩退がった。ほとんどが潔く退いていた。ライダークの意志を認めた証だ。
しかし一切動かなかった者が3人いた。
(騎士学校の赤髪、魔法学校の茶髪、そして軍学校のおとなしそうな銀髪の女の子)
その3人だけ身じろぎもしなかった。
赤髪はライダークよりも強い意志の感じる目で動かない。
茶髪はニヤけ面を貼り付けたまま動じていない。
銀髪は……よくわからない。一見するとおとなしいだけの儚げな少女に見えるのだが、一切動揺していない。
そして3人とも共通して、ライダークではなく俺を見ていた。
この3人だけなんだか住んでる世界が違うように感じた。
(いやなんにせよ助かった。後でライダークにはお礼しないと)
「……なんで、お前が……」
後ろからマックのそんな呟きが聞こえた気がした。
0
お気に入りに追加
30
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる