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二話
上位の者に興味を持たれる
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レッサーベアー・ブロッサム。Bクラスの生徒だ。以前この学園に来たばかりの俺が、更衣室のロッカーの場所を間違えてこのレッサーベアーのロッカーを開けようとしたところで、初めて顔を合わせ知り合った。
同じ銀髪だが髪質はふわふわしている。ショートヘアーが可愛らしい。
(俺、この人苦手なんだよな……)
理由は、彼女の押しが強いからだ。
今現在でもレッサーベアーは俺の背中にしなだれかかってくる。彼女の下着状態の胸が背中に押しつけられる。スポーツブラ一枚ごしのほぼ密着状態から感じる彼女の熱。それがまた俺を狂わせる。
口調を間違えないよう気をつけながら文句を言う。
「な、なんなのよ……アンタは!」
「あれー、前会った時は話し方ちょっぴり男らしくなかったかしら?」
「あ、いや、あの時はまだ慣れてなかったというか。今は……」
「まあいいわ」
すぐさま逃げ出したい俺はスカートに手をかける。だがファスナーのところに手をかけたところで、その手にレッサーベアーの手が添えられた。
「はむっ」
「ひゃっ!」
そして耳を唇で噛まれた。思わず変な声が出てしまう。さらにレッサーベアーの口内でぬちゃりと液体音がして、その艶かしい音も相まってビビり散らかし体が硬直してしまう。
びくん!と震えて体が硬直してしまい、その隙にレッサーベアーは艶やかな雰囲気で話しかけてくる。
「どうしたの? ここ」
「えっ?」
「スカートの留め具が壊れてるじゃ無い」
「あ」
そういえばリーナに引っ張られて壊れた後、なんとか履けるくらいには直せたものの、まだ完全に直っているわけではなかった。それをめざとく見つかってしまった。
「だ、だからなんなのよ」
「話は変わるけど私ってこの学園に来た理由は女の子がたくさんいるからなのと、勇者が女の子だった場合のことを妄想したからなの」
「本当に関係なくなったな———にゃうっ⁉︎」
足の間にレッサーベアーの足が差し込まれた。すべすべの肌が俺の太ももに触れ合って、擦れる。向こうは下はフリル付きのパンツを履いているだけなので、ほぼ直に足が絡み合う。
「ふぅー」
「ううっ、や、やめ……」
「私ね、この前勇者召喚を見学しに行った時にガッカリしたの。勇者が男だったからね。これでここにいる理由は女生徒と良い関係を持つことだけになっちゃった。でもね」
「ああっ、だ、抱きつくな……」
「この前アナタに出会って、アナタを見つけて、飛び跳ねたいくらい嬉しかった。まだアナタみたいな可愛い女の子がこの学園にいたなんて……てね」
「わ、私にそんな趣味な———」
ない、と言おうとして頭がこんがらがった。ここで女の子に興味ないといえば男に興味があることになるかも。でも俺は男の方がもっと興味ない。正直に言えば女の子とがいいし、今のこの状況も別に嫌ではない。むしろ好きな方。
嫌ではないが心の負担になっている。いつか俺は元に戻るんだ。もしレッサーベアーやニーナとそういう関係を持ったとして、元に戻った時に彼女らを裏切ることになる。俺はニーナと友達になったが恋愛感情は一切ない。
「しゅ、趣味はないわけじゃないけど、ダメだからさ! そろそろやめて欲しいというか!」
「ふむ……ま、いいでしょう」
そうしてレッサーベアーは離れてくれて、そして壊れたスカートの留め具を外してくれた。自分で外すよりも他人がやった方が簡単に外れた。
「さ、サンキュー」
「ふふっ、私はこれでも上級生から下級生の中学生まで手篭めにしてるのよ。本当に嫌なら気を許さず油断しないようにね」
「ヒッ……」
なんとか解放してもらい、少しレッサーベアーから離れて運動着に着替えて行く。やはりこのブルマ的なやつは股間にフィットしすぎてキュッと締め付けられる感じがする。そして同時に男のアレがないことも鮮明に教えられる。
やっと自分の体を見下ろせる。見れば胸元部分はU字に開いていて胸元がバッチリ見えてしまっている。胸の谷間と、さらに足あたりはしなやかな細い足が伸びている。
(……スタイルはいいんだよな、この体)
「終わったかしら」
「え?」
隣からレッサーベアーの声が聞こえた。もしかして待っていたのか?そう思い声のした方を見れば、そこには産まれたままのレッサーベアーがいて、慌てて目を逸らす。幸い背中側しか見えなかったが、プリンと丸い尻もバッチリ見てしまった。
「こ、声かけるなら着てからにしてくれ!」
「おや、口調が前のように戻ったね」
着替え終わったレッサーベアーがふわふわの毛先をぴょんぴょん跳ねさせながら、こちらに近づいてくる。
「……同じ銀髪だよね、私とレッサーベアーって」
「私の名前長くて呼びにくくないかしら。こぐまちゃんでいいのよ?」
「そこまで珍しくないのかな、銀髪って」
「ありゃ無視。まあ銀髪なんてその辺にいるわ。髪の色の割合なんて……全色、物珍しいものなく均等に存在してるんじゃないかな。姉の興行について行った先で見たいろんな地方の人たちに髪の色での違いはあまり目立たなかったわ」
「姉の興行? 地方って……アンタの姉さんは旅芸人なのか?」
「まあね。結構有名なはずだけど」
「ごめん、無知で」
「謝る必要なんてないわ。というかそれより、特訓はどうするの?」
「どうするっていつものメニューだけど」
まず準備運動をして、ランニングしてから、腕立てやらスクワットやらする。それが俺の特訓メニューだ。
「でもすぐへばってない?」
「そ、そうだな……」
この体の体力が少ないせいで特訓していてもすぐに疲れてしまう。
「ならまずは“コア”を知る方が効率いいわよ。コアの扱いを覚えれば体への負担も軽減できる」
「コア……深力」
授業でも話されていた深力というものが、この世界の住民みんなに宿っている。
それを鍛えることでどんな体をしていても望んだ働きが望めるという。例えば身長の低い人が高い所にある物を取ろうとした時、深力を鍛えていれば身長以上高く跳べるジャンプで取れたり、胴体をビヨーンと伸ばしてしまえることもできてしまう。
「コアってそんなに重要なの?」
「重要も重要。コアとは“変換能力”に長けていて、身体能力以上の運動が可能になったり、コアから炎や水に変えられたり———」
そこでレッサーベアーは両手を広げて目を瞑ると、ほどなくして彼女の両手が光り始めた。そして目を開けてパン!と打ち合わせた。
腕を伸ばし両手が開いて行くと、光は一本の剣に変わっていた。剣が現れてそれをレッサーベアーが持つと重量がちゃんとあるようで、持った腕が下がった。
「こんな風に武器もつくれちゃうのよ」
「す、すげぇ。訓練場来てから何回か見たことあるが、間近でみたのは初めてだ」
自分も試しに両手を打ち合わせてみるが、なんにもならない。
「うーん?」
「あはは。悲観する必要はないわ。コアはみんなに宿ってるものなの。鍛え方を間違えなければ大丈夫」
「………」
「ん?」
「勇者にも、コアはあるのか?」
俺の問いかけにキョトンとしたままレッサーベアーは答えた。
「勇者はちょっと違うけど、コアは確かにあるって中学校で習わなかった?」
「ちょっと違う?」
「勇者のコアの特質は与える力。つまり仲間に深力を分け与えることができる。そして勇者の深力とはこの世界の誰よりも強力」
誰よりも強力……だからこそ勇者は特別なのか。
「……そうか。あ、ていうかなんでアンタここまで付き合ってくれてるんだ?」
「今更ね」
レッサーベアーは出した剣を腰に当てて、そこからまた光り輝きベルトを出した。それを腰に巻き、更衣室からグラウンドに抜ける扉の方に体を向けてから、答えた。
「ちょっとあなたに興味があってね」
「…………」
「言っておくけど趣味の方じゃなくて、ちゃんとこの学園の趣旨に則った興味だからね」
同じ銀髪だが髪質はふわふわしている。ショートヘアーが可愛らしい。
(俺、この人苦手なんだよな……)
理由は、彼女の押しが強いからだ。
今現在でもレッサーベアーは俺の背中にしなだれかかってくる。彼女の下着状態の胸が背中に押しつけられる。スポーツブラ一枚ごしのほぼ密着状態から感じる彼女の熱。それがまた俺を狂わせる。
口調を間違えないよう気をつけながら文句を言う。
「な、なんなのよ……アンタは!」
「あれー、前会った時は話し方ちょっぴり男らしくなかったかしら?」
「あ、いや、あの時はまだ慣れてなかったというか。今は……」
「まあいいわ」
すぐさま逃げ出したい俺はスカートに手をかける。だがファスナーのところに手をかけたところで、その手にレッサーベアーの手が添えられた。
「はむっ」
「ひゃっ!」
そして耳を唇で噛まれた。思わず変な声が出てしまう。さらにレッサーベアーの口内でぬちゃりと液体音がして、その艶かしい音も相まってビビり散らかし体が硬直してしまう。
びくん!と震えて体が硬直してしまい、その隙にレッサーベアーは艶やかな雰囲気で話しかけてくる。
「どうしたの? ここ」
「えっ?」
「スカートの留め具が壊れてるじゃ無い」
「あ」
そういえばリーナに引っ張られて壊れた後、なんとか履けるくらいには直せたものの、まだ完全に直っているわけではなかった。それをめざとく見つかってしまった。
「だ、だからなんなのよ」
「話は変わるけど私ってこの学園に来た理由は女の子がたくさんいるからなのと、勇者が女の子だった場合のことを妄想したからなの」
「本当に関係なくなったな———にゃうっ⁉︎」
足の間にレッサーベアーの足が差し込まれた。すべすべの肌が俺の太ももに触れ合って、擦れる。向こうは下はフリル付きのパンツを履いているだけなので、ほぼ直に足が絡み合う。
「ふぅー」
「ううっ、や、やめ……」
「私ね、この前勇者召喚を見学しに行った時にガッカリしたの。勇者が男だったからね。これでここにいる理由は女生徒と良い関係を持つことだけになっちゃった。でもね」
「ああっ、だ、抱きつくな……」
「この前アナタに出会って、アナタを見つけて、飛び跳ねたいくらい嬉しかった。まだアナタみたいな可愛い女の子がこの学園にいたなんて……てね」
「わ、私にそんな趣味な———」
ない、と言おうとして頭がこんがらがった。ここで女の子に興味ないといえば男に興味があることになるかも。でも俺は男の方がもっと興味ない。正直に言えば女の子とがいいし、今のこの状況も別に嫌ではない。むしろ好きな方。
嫌ではないが心の負担になっている。いつか俺は元に戻るんだ。もしレッサーベアーやニーナとそういう関係を持ったとして、元に戻った時に彼女らを裏切ることになる。俺はニーナと友達になったが恋愛感情は一切ない。
「しゅ、趣味はないわけじゃないけど、ダメだからさ! そろそろやめて欲しいというか!」
「ふむ……ま、いいでしょう」
そうしてレッサーベアーは離れてくれて、そして壊れたスカートの留め具を外してくれた。自分で外すよりも他人がやった方が簡単に外れた。
「さ、サンキュー」
「ふふっ、私はこれでも上級生から下級生の中学生まで手篭めにしてるのよ。本当に嫌なら気を許さず油断しないようにね」
「ヒッ……」
なんとか解放してもらい、少しレッサーベアーから離れて運動着に着替えて行く。やはりこのブルマ的なやつは股間にフィットしすぎてキュッと締め付けられる感じがする。そして同時に男のアレがないことも鮮明に教えられる。
やっと自分の体を見下ろせる。見れば胸元部分はU字に開いていて胸元がバッチリ見えてしまっている。胸の谷間と、さらに足あたりはしなやかな細い足が伸びている。
(……スタイルはいいんだよな、この体)
「終わったかしら」
「え?」
隣からレッサーベアーの声が聞こえた。もしかして待っていたのか?そう思い声のした方を見れば、そこには産まれたままのレッサーベアーがいて、慌てて目を逸らす。幸い背中側しか見えなかったが、プリンと丸い尻もバッチリ見てしまった。
「こ、声かけるなら着てからにしてくれ!」
「おや、口調が前のように戻ったね」
着替え終わったレッサーベアーがふわふわの毛先をぴょんぴょん跳ねさせながら、こちらに近づいてくる。
「……同じ銀髪だよね、私とレッサーベアーって」
「私の名前長くて呼びにくくないかしら。こぐまちゃんでいいのよ?」
「そこまで珍しくないのかな、銀髪って」
「ありゃ無視。まあ銀髪なんてその辺にいるわ。髪の色の割合なんて……全色、物珍しいものなく均等に存在してるんじゃないかな。姉の興行について行った先で見たいろんな地方の人たちに髪の色での違いはあまり目立たなかったわ」
「姉の興行? 地方って……アンタの姉さんは旅芸人なのか?」
「まあね。結構有名なはずだけど」
「ごめん、無知で」
「謝る必要なんてないわ。というかそれより、特訓はどうするの?」
「どうするっていつものメニューだけど」
まず準備運動をして、ランニングしてから、腕立てやらスクワットやらする。それが俺の特訓メニューだ。
「でもすぐへばってない?」
「そ、そうだな……」
この体の体力が少ないせいで特訓していてもすぐに疲れてしまう。
「ならまずは“コア”を知る方が効率いいわよ。コアの扱いを覚えれば体への負担も軽減できる」
「コア……深力」
授業でも話されていた深力というものが、この世界の住民みんなに宿っている。
それを鍛えることでどんな体をしていても望んだ働きが望めるという。例えば身長の低い人が高い所にある物を取ろうとした時、深力を鍛えていれば身長以上高く跳べるジャンプで取れたり、胴体をビヨーンと伸ばしてしまえることもできてしまう。
「コアってそんなに重要なの?」
「重要も重要。コアとは“変換能力”に長けていて、身体能力以上の運動が可能になったり、コアから炎や水に変えられたり———」
そこでレッサーベアーは両手を広げて目を瞑ると、ほどなくして彼女の両手が光り始めた。そして目を開けてパン!と打ち合わせた。
腕を伸ばし両手が開いて行くと、光は一本の剣に変わっていた。剣が現れてそれをレッサーベアーが持つと重量がちゃんとあるようで、持った腕が下がった。
「こんな風に武器もつくれちゃうのよ」
「す、すげぇ。訓練場来てから何回か見たことあるが、間近でみたのは初めてだ」
自分も試しに両手を打ち合わせてみるが、なんにもならない。
「うーん?」
「あはは。悲観する必要はないわ。コアはみんなに宿ってるものなの。鍛え方を間違えなければ大丈夫」
「………」
「ん?」
「勇者にも、コアはあるのか?」
俺の問いかけにキョトンとしたままレッサーベアーは答えた。
「勇者はちょっと違うけど、コアは確かにあるって中学校で習わなかった?」
「ちょっと違う?」
「勇者のコアの特質は与える力。つまり仲間に深力を分け与えることができる。そして勇者の深力とはこの世界の誰よりも強力」
誰よりも強力……だからこそ勇者は特別なのか。
「……そうか。あ、ていうかなんでアンタここまで付き合ってくれてるんだ?」
「今更ね」
レッサーベアーは出した剣を腰に当てて、そこからまた光り輝きベルトを出した。それを腰に巻き、更衣室からグラウンドに抜ける扉の方に体を向けてから、答えた。
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