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第二幕
第12話 魔法の言葉
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――――二日後
セルガへの報告書をまとめるという理由を家庭教師のイバンナに渡し、二日の休みをもらう。
その間に、日本の労働基準法を基にしてドワーフの待遇改善案を纏めていく。もちろん、こちらの価値観とではズレがあるため、そのまま使えない。
なので、ルーレンに相談しながら、こちらの世界アルガルノ。そして、この港町ダルホルンに受け入れられるように調整を行う。
当初、俺がまとめた改善案にルーレンは目を丸くしていた。
彼女から見れば奴隷……いや、奴隷だけではなく、労働者そのものをこれほど手厚く保護するルールというものは、発想にすらないものだったようだ。
だから余計に、セルガに受け入れられないのでは? という不安を露わにする。
だが、その心配は無用。
二日前にも話したが、俺はセルガが受けざる得ない魔法の言葉を持っている。
そして、その魔法の言葉が有用であることは、アズールの死がすでに証明していた。
見学会から二日が経ち、睡眠不足を抱えながらも報告書は完成。
待遇改善や労働時間だけではなく、現場の安全性の確保や託児所の設置など、細かな部分まで詰める。さすがに有給の概念は難しそうなので今回は盛り込まなかったが。
さらに現場の意見を吸い上げるようにと加える。
これは、ラテライに何かしらの意見がないかと問うた時に、彼女が見せた躊躇いから得たもの。
現場で働く彼女たちには、より効率の良い働き方が見えている。
それを吸い上げろと記す。
おかげさまで書類の束は辞書のようになってしまった。
大変疲れる作業だったが、読む方はもっと疲れることになるだろう。
セルガの在宅を見計らい、彼の執務室へ。
――セルガ執務室
扉を開けるとすぐに、苦くも清涼さを感じさせる珈琲の香りが鼻先を刺激してきた。
この世界にも珈琲はあるようで、珈琲好きの俺としては非常に嬉しいかぎりだ。
だが、おっさんだった時分とは違い、シオンになってからというもの、大量のミルクと砂糖を入れないと珈琲が飲めなくなってしまった。
俺にとって珈琲は味よりも香りの方が醍醐味。そうだってのに、ミルクを入れると香りが変化するから嫌なんだが……今は子どもの舌なんで諦めるしかない。
俺は広々とした漆黒の執務机の上に、分厚い書類の束をドンと置いた。
「お約束通り、二日で報告書をまとめましたわ。では、失礼いたしますわね」
俺は柔らかな笑顔を見せて、心の中ではほくそ笑む。
(こちとら、目にクマを付けながら急ピッチで作り上げたものだからな。ケケケ、忙しいだろうが、せいぜい苦しむがよいわ)
そうして立ち去ろうとしたのだが――
「待ちなさい。今ここで目を通す」
「へ?」
歯の隙間から抜け出るような声を上げた俺を置いて、彼は書類の束を取り、手早く捲っていく。
てっきり流し見をしているのかと思いきや、彼の黒の瞳は上下左右に激しく揺れる。
(ま、まさか、しっかり読んでるのかよ!?)
数分後、セルガは書類をトントンと机で纏めて、整え、置いた。
「面白い、よくできている」
「え、ええ、それはどうもですわ……あの、お父様。全てお読みに?」
「当然だ。手を抜いているとでも思っているのか?」
「い、いえ、そうではなく。よくお読みになれますわね。これほど短時間で」
「慣れだ。お前も事務に従事すればできるようになるだろう」
(無理だよ!)
と、心の中でツッコむ。こいつ、マジモンの天才だ。
「どうした、シオン? 何やら思うところがあるようだが?」
「いえ、そういうわけでは……それよりも、その、ご感想は?」
「端的言えば、実現は不可能だ。これらは許されない行為。たとえ、ゼルフォビラ家が強く推してもな。しかし、個人的には、非常によくできていて興味深い」
『許されない行為』――これはルーレンが言っていた、貴族が奴隷如きに慈悲を掛けるのは不名誉という価値観。
だが、続く言葉の『個人的には』――彼自身は受け入れても構わないと思っている。
貴族が支配し、庶民や奴隷を見下す世界で、彼は相当柔軟な価値観をお持ちのようだが、それでも他の貴族の目を気にしているし、その価値観を覆すことはできない……ということのようだ。
彼はちらりと書類を見て、食事の改善案に興味を示す。
「食事の改善に廃棄していた香辛料。悪くない視点だが、この危険性は承知の上だろうな?」
「ええ、もちろん……奴隷には最低限の食事が基本。あまりお元気になられて、反乱を起こされても困りますからね」
ラテライやゲンテンたちの食事が不味いのにはコスト面だけではなく、こういった理由もある。
しかし、俺としては今後のことを考えると、彼らにはある程度元気でいてもらわないと困る。
「ですが、反乱の危惧以前にあれはひどすぎます。まともに仕事ができないレベルでしたから。それに……」
「なんだ?」
「お父様のお膝元で、そのような心配は杞憂でございましょう、フフフ」
「それは強者の油断。と言いたいが、お前には何か目的があるという訳か」
彼は鼻で息を漏らし、次にシヤクの裁可について言及してくる。
「話が少しずれてしまうが、現場で不敬を働いた者がおり、お前が独断で裁いたと聞いたが?」
「ええ、事実です」
「私は法の権限まで与えた覚えはないぞ。さて、どうする?」
――どうする?
この問いの中身は三つ――権限を越えたことへの理由。ドワーフに対する許されない行為を是とする理由。奴隷に反乱の危惧を生ませた理由。
セルガは真っ黒な瞳でこちらを覗き見るような仕草を見せる。
その瞳には珍しく感情の端があった。それは好奇心。
どうやら彼は、俺がすでにこれらを覆す答えを持っていると知り、それがなんであるのか興味を抱いているようだ。
俺はまず、彼の柔軟な思考に感謝を籠めつつも疑問を返す。
「お父様はドワーフの現状を良く思っていらっしゃらないのですね?」
「問うたのは私だが?」
「問いに問いを返すのは、その先に答えがあるからですわ」
「フッ、面白い。では、その答えを聞くために私が先に答えよう。良くは思っていない。奴隷を悪戯に嬲るなど無駄の極み」
「同感です。そして、そうお思いになっていることに感謝を」
「私が強い差別主義者でないことが要なのだな」
「ええ」
「だが、それでも私は現状維持こそが大事だと思っている。改革は混乱を引き起こす。半ば引退した私はその引き金を引くつもりはない。お前は引けるのか、シオン?」
「引く引かないの話ではありませんのよ、お父様。これは私にとって必要な下準備であり、お父様が引くしかありませんの」
「何を言っている、シオン?」
ここで俺は、魔法の言葉を唱える。
「わたくし、シオン=ポリトス=ゼルフォビラは――後継者争いへ、参加の意思を示そうと思います」
これが魔法の言葉――後継者争いへの参加表明。
彼は後継者争いについて傍観者だ。
そのレース中に何が起ころうとも、口や手足を出すことはない。
これが絶対であることは、息子であるアズールの死という出来事を前にしても動かなかったセルガの態度が証明している。
この、微笑みと共に交えた言葉に対して、彼は一瞬目を見開くと、次に肩を震わせ始める。
「……く、くく、くくくく、あははははははは!! なるほど、ここでそのカードを切るか!! なかなか小癪な真似を!! あははははははは!!」
彼は笑いが止まらず、ひたすら笑い声を上げ続ける。
領主セルガとは、感情の色を一切見せない男。
そんな男が腹を抱えて笑うさまに、俺は驚きを隠せない。
「そ、そこまで面白いことですか、お父様?」
「ああ、面白い。私の予想を超えてくるとは。しかも、保険までつけている。『下準備』とな、フフ」
片側の口端だけを少し上げて、愉快と愉快と悪い顔を見せる。
彼は心の奥底から、俺の発言を楽しんでいるようだ。
同時に、どんなに感情を露わにしようとも、冷静に俺の言葉の意味をしっかり捉えているこいつに寒気が走る。
彼は、『下準備』の意味を言葉として表す。
セルガへの報告書をまとめるという理由を家庭教師のイバンナに渡し、二日の休みをもらう。
その間に、日本の労働基準法を基にしてドワーフの待遇改善案を纏めていく。もちろん、こちらの価値観とではズレがあるため、そのまま使えない。
なので、ルーレンに相談しながら、こちらの世界アルガルノ。そして、この港町ダルホルンに受け入れられるように調整を行う。
当初、俺がまとめた改善案にルーレンは目を丸くしていた。
彼女から見れば奴隷……いや、奴隷だけではなく、労働者そのものをこれほど手厚く保護するルールというものは、発想にすらないものだったようだ。
だから余計に、セルガに受け入れられないのでは? という不安を露わにする。
だが、その心配は無用。
二日前にも話したが、俺はセルガが受けざる得ない魔法の言葉を持っている。
そして、その魔法の言葉が有用であることは、アズールの死がすでに証明していた。
見学会から二日が経ち、睡眠不足を抱えながらも報告書は完成。
待遇改善や労働時間だけではなく、現場の安全性の確保や託児所の設置など、細かな部分まで詰める。さすがに有給の概念は難しそうなので今回は盛り込まなかったが。
さらに現場の意見を吸い上げるようにと加える。
これは、ラテライに何かしらの意見がないかと問うた時に、彼女が見せた躊躇いから得たもの。
現場で働く彼女たちには、より効率の良い働き方が見えている。
それを吸い上げろと記す。
おかげさまで書類の束は辞書のようになってしまった。
大変疲れる作業だったが、読む方はもっと疲れることになるだろう。
セルガの在宅を見計らい、彼の執務室へ。
――セルガ執務室
扉を開けるとすぐに、苦くも清涼さを感じさせる珈琲の香りが鼻先を刺激してきた。
この世界にも珈琲はあるようで、珈琲好きの俺としては非常に嬉しいかぎりだ。
だが、おっさんだった時分とは違い、シオンになってからというもの、大量のミルクと砂糖を入れないと珈琲が飲めなくなってしまった。
俺にとって珈琲は味よりも香りの方が醍醐味。そうだってのに、ミルクを入れると香りが変化するから嫌なんだが……今は子どもの舌なんで諦めるしかない。
俺は広々とした漆黒の執務机の上に、分厚い書類の束をドンと置いた。
「お約束通り、二日で報告書をまとめましたわ。では、失礼いたしますわね」
俺は柔らかな笑顔を見せて、心の中ではほくそ笑む。
(こちとら、目にクマを付けながら急ピッチで作り上げたものだからな。ケケケ、忙しいだろうが、せいぜい苦しむがよいわ)
そうして立ち去ろうとしたのだが――
「待ちなさい。今ここで目を通す」
「へ?」
歯の隙間から抜け出るような声を上げた俺を置いて、彼は書類の束を取り、手早く捲っていく。
てっきり流し見をしているのかと思いきや、彼の黒の瞳は上下左右に激しく揺れる。
(ま、まさか、しっかり読んでるのかよ!?)
数分後、セルガは書類をトントンと机で纏めて、整え、置いた。
「面白い、よくできている」
「え、ええ、それはどうもですわ……あの、お父様。全てお読みに?」
「当然だ。手を抜いているとでも思っているのか?」
「い、いえ、そうではなく。よくお読みになれますわね。これほど短時間で」
「慣れだ。お前も事務に従事すればできるようになるだろう」
(無理だよ!)
と、心の中でツッコむ。こいつ、マジモンの天才だ。
「どうした、シオン? 何やら思うところがあるようだが?」
「いえ、そういうわけでは……それよりも、その、ご感想は?」
「端的言えば、実現は不可能だ。これらは許されない行為。たとえ、ゼルフォビラ家が強く推してもな。しかし、個人的には、非常によくできていて興味深い」
『許されない行為』――これはルーレンが言っていた、貴族が奴隷如きに慈悲を掛けるのは不名誉という価値観。
だが、続く言葉の『個人的には』――彼自身は受け入れても構わないと思っている。
貴族が支配し、庶民や奴隷を見下す世界で、彼は相当柔軟な価値観をお持ちのようだが、それでも他の貴族の目を気にしているし、その価値観を覆すことはできない……ということのようだ。
彼はちらりと書類を見て、食事の改善案に興味を示す。
「食事の改善に廃棄していた香辛料。悪くない視点だが、この危険性は承知の上だろうな?」
「ええ、もちろん……奴隷には最低限の食事が基本。あまりお元気になられて、反乱を起こされても困りますからね」
ラテライやゲンテンたちの食事が不味いのにはコスト面だけではなく、こういった理由もある。
しかし、俺としては今後のことを考えると、彼らにはある程度元気でいてもらわないと困る。
「ですが、反乱の危惧以前にあれはひどすぎます。まともに仕事ができないレベルでしたから。それに……」
「なんだ?」
「お父様のお膝元で、そのような心配は杞憂でございましょう、フフフ」
「それは強者の油断。と言いたいが、お前には何か目的があるという訳か」
彼は鼻で息を漏らし、次にシヤクの裁可について言及してくる。
「話が少しずれてしまうが、現場で不敬を働いた者がおり、お前が独断で裁いたと聞いたが?」
「ええ、事実です」
「私は法の権限まで与えた覚えはないぞ。さて、どうする?」
――どうする?
この問いの中身は三つ――権限を越えたことへの理由。ドワーフに対する許されない行為を是とする理由。奴隷に反乱の危惧を生ませた理由。
セルガは真っ黒な瞳でこちらを覗き見るような仕草を見せる。
その瞳には珍しく感情の端があった。それは好奇心。
どうやら彼は、俺がすでにこれらを覆す答えを持っていると知り、それがなんであるのか興味を抱いているようだ。
俺はまず、彼の柔軟な思考に感謝を籠めつつも疑問を返す。
「お父様はドワーフの現状を良く思っていらっしゃらないのですね?」
「問うたのは私だが?」
「問いに問いを返すのは、その先に答えがあるからですわ」
「フッ、面白い。では、その答えを聞くために私が先に答えよう。良くは思っていない。奴隷を悪戯に嬲るなど無駄の極み」
「同感です。そして、そうお思いになっていることに感謝を」
「私が強い差別主義者でないことが要なのだな」
「ええ」
「だが、それでも私は現状維持こそが大事だと思っている。改革は混乱を引き起こす。半ば引退した私はその引き金を引くつもりはない。お前は引けるのか、シオン?」
「引く引かないの話ではありませんのよ、お父様。これは私にとって必要な下準備であり、お父様が引くしかありませんの」
「何を言っている、シオン?」
ここで俺は、魔法の言葉を唱える。
「わたくし、シオン=ポリトス=ゼルフォビラは――後継者争いへ、参加の意思を示そうと思います」
これが魔法の言葉――後継者争いへの参加表明。
彼は後継者争いについて傍観者だ。
そのレース中に何が起ころうとも、口や手足を出すことはない。
これが絶対であることは、息子であるアズールの死という出来事を前にしても動かなかったセルガの態度が証明している。
この、微笑みと共に交えた言葉に対して、彼は一瞬目を見開くと、次に肩を震わせ始める。
「……く、くく、くくくく、あははははははは!! なるほど、ここでそのカードを切るか!! なかなか小癪な真似を!! あははははははは!!」
彼は笑いが止まらず、ひたすら笑い声を上げ続ける。
領主セルガとは、感情の色を一切見せない男。
そんな男が腹を抱えて笑うさまに、俺は驚きを隠せない。
「そ、そこまで面白いことですか、お父様?」
「ああ、面白い。私の予想を超えてくるとは。しかも、保険までつけている。『下準備』とな、フフ」
片側の口端だけを少し上げて、愉快と愉快と悪い顔を見せる。
彼は心の奥底から、俺の発言を楽しんでいるようだ。
同時に、どんなに感情を露わにしようとも、冷静に俺の言葉の意味をしっかり捉えているこいつに寒気が走る。
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