30 / 100
第一幕
第三十話 殺気宿る剣の稽古
しおりを挟む
――次の日・早朝
ルーレンが昨日話していた運動着を用意してくれていた。
上は白い厚手の服。見た目はトレーナー。
下は若草色の厚手のドロワーズみたいなもの。
そういや、明治から大正にかけて女学生たちは運動をする際に、ふわっとした長い丈のブルマーを着用していたらしいが、見た目はそれに近い。
上はともかく、下は少し動きにくいが他に動きやすい服もないので、これで諦めるとしよう。
そいつを着用して外へ。軽いストレッチを行い、ジョギングをすることにした。
屋敷はとても大きいため外周を走れば結構な運動になる。
しばらく走っていると、中庭の方から怒鳴り声のような声が聞こえてきた。
声の主は……マギー?
足を中庭に向けて、こっそり覗き込み、俺は驚きに言葉を跳ねた。
「――え!?」
「くそがぁぁあぁ!」
「この程度か? それでは百年経っても私の首は奪えないぞ」
赤い軽装鎧を纏った戦士姿のマギーが大剣を手にして、セルガと相対していた。
セルガもまた剣を手にしてマギーを睨みつけているが、服装は貴族服のままだ。
様子からして剣の稽古のように見えたが、落ち着いた様子を見せるセルガに対し、マギーは体全身から殺気を迸らせる。
あの剣気は訓練ではない。本物――マギーの殺気は本物だ!
マギーは大剣を振るい、セルガの胴を薙ぎ払わんとする。
それをセルガは剣で軽く受け流したかと思うと、一気に懐に詰め寄り、掌底でマギーの腹部を殴りつけた。
吹き飛ばされ、中庭の芝生に転がるマギーだが、すぐに起き上がり、地面を蹴ってセルガへ左右同時の袈裟切りを行う。
それは大剣使いとは思えぬ素早さ。
しかし、切ったのはセルガの残影のみ。
彼は背後に回り、マギーの首筋へ一閃。
彼女は何とか前方へ飛び退き、事なきを得た。
その後も二人は早朝の中庭に剣戟音を響かせ続ける。
二人の様子を俺はこっそりと窺い続ける。冷や汗で全身を溺れさせながら。
「二人ともなんて使い手だ! 地球人の身体機能を軽く超えてんな。ルーレンからセルガは世界一の剣士だと聞いていたが、それにしたって……」
マギーの動きは地球人の身体機能を遥かに超えており、野犬を追い払ったルーレンよりも優れていると見える。
しかし、セルガはそれさえも歯牙に掛けぬほどの強さを誇る。
その動きを辛うじて目で追いながら、シオンの身体のことを考える。
「なんとか目で追える……これはシオンの力。なるほど、こちらの世界の住人は地球人よりも強そうだ。だからと言って、シオンの体を鍛えてもセルガに追いつけるとは思えないな」
マギーの荒々しくも素早い動き。
それを舞いを踊るかのように躱し続けるセルガ。
彼の動きを見つめ続け、俺は一つの選択肢を完全に消した。
(正面からは無理でも毒殺や爆殺ならと思ったが、あの隙の無さ。とても太刀打ちできない)
まったくもって隙がなく、マギーを相手にしながらも全方位への警戒を緩めない。
緩めない――つまり、俺がこっそり覗いていることにセルガは気づいている。
彼はこちらを一度も見ることなく気配だけを飛ばしてきた。
そして、敵ではないとわかると気配を残しつつマギーへ集中する。
そのマギーへ俺は視線を集めた。
彼女は殺気を交えた剣を何度も振るう。
とても主に対して行う所業ではない。
瞳は怒りに満たされ、本気でセルガを殺そうとしている。
一体どういうことだろうか?
彼女の動きを瞳で追いつつ、俺は思う。
(見事な動きだが、直線的すぎるな。あれじゃあ、セルガには届かない。もったいねぇなぁ)
マギーの動きは素早く、とても強力な剣撃を産み出しているが、そこに牽制などなく、あまりにも単調。
あれでは格上のセルガ相手に刃が届くはずもない。
三分ほど続いた殺し合いは、いや、マギーの一方的な殺意は空振りと終わり、喉奥から吐き捨てられた怒声共に終焉を迎える。
「クソッ! はぁはぁ」
「以前よりはマシになっているが、その程度では私を殺すなど不可能だな」
「はぁはぁはぁはぁ……うるせい……」
呼吸も整わぬマギーを前に、セルガは息一つ乱れず腰の鞘に剣を戻す。
そこを見計らい、俺は中庭に姿を現した。
「あら、お父様? 剣の稽古ですか?」
「ああ。お前は運動か?」
「ええ、少々体を鍛えようと思いまして」
「そうか」
俺はセルガが飛ばしてきた気配に気づかなかった振りを見せる。
セルガの方はマギーへ視線を投げて、彼女の息が上がり、こちらへ意識を向ける余裕のないことを確認してから俺に顔を向けた。
「夕食時に、何を言うつもりだったのだ?」
彼の問い――それは一昨日の夕食会で、香辛料を使用したレシピを考え、さらに料理をメインとした観光客の取り込みを提案した時のこと。
これに対して、それだけでは足らぬと彼は言う。
だから、俺はあることを付け足そうとして……やめた。それはこの場面。
――――初めての夕食・食堂にて(※第十三話より)
ザディラはこうも言っていた。元よりダルホルンは人や物が集まっている港町だと。
港町と言えば貿易。貿易に必要なものは港。その港をより活性化させれば……。
「でしたら……」
ここで言葉を飲み込む。勇み足だと考えて。
――――
セルガはこの続きを尋ねているのだが、その答えに悩む。
何故なら、この問いに答えられるほどの情報がそろっていないからだ。
しかし、数秒ほど悩んで答えてみることにした。
彼の領主としての器を量るために。
「このダルホルンは港町。多くの人々が集まる貿易の町。そこでわたくしはダルホルンを、この海域のハブ港にしようと考えたのです」
ハブ港=海上運送の中継地点のこと。
これにより、この周辺海域の物流を一手に引き受けることができる。
食事会の時は、これを声に出そうとして止めた。
理由は、ダルホルンの港の規模がわからないこと。
周辺地域の経済力や港の規模がわからないこと。
また、海上輸送のリスク。治安や戦争・内戦など。
口に出すにはあまりにも不確定要素が多い上に、香辛料の話からは逸れてしまう。
だから、あの時は控えたのだ。
問いの答えを聞いて、セルガは小さく呟く。
「ハブ港……なるほど、物流の支配か。周辺海域にはライバルらしいライバルもいないが、その油断により明日を失うかもな。安全保障も含め、今のうちに整備を行い、各地域、海域の頭を押さえておいた方がいいか」
ハブ港の一言でその重要性と、経済的軍事的プレゼンスまで意識している。
剣の腕も確かだが、領主としても確かのようだ……これは手強い。
俺はさらに昨日答えなかった理由もまた伝えた。
すると、セルガは……。
「通常は貿易の実態や地形・パワーバランスを把握してから考えつくものだが、何も知らぬ状況で、何故このようなアイデアが出たのかが謎だな」
「フフフ、実はあの場では追い込まれていまして、そこで突発的に生まれたアイデアですのよ」
「突発的……」
彼は噛み締めるように言葉を繰り出すと、次に俺の心の中をまっすぐと見つめる鋭い瞳を見せた。
それに対して、俺は平静を装う。
「どうされました?」
「……ふむ、シオン。昨日、外出したそうだが、何を企んでいる?」
ルーレンが昨日話していた運動着を用意してくれていた。
上は白い厚手の服。見た目はトレーナー。
下は若草色の厚手のドロワーズみたいなもの。
そういや、明治から大正にかけて女学生たちは運動をする際に、ふわっとした長い丈のブルマーを着用していたらしいが、見た目はそれに近い。
上はともかく、下は少し動きにくいが他に動きやすい服もないので、これで諦めるとしよう。
そいつを着用して外へ。軽いストレッチを行い、ジョギングをすることにした。
屋敷はとても大きいため外周を走れば結構な運動になる。
しばらく走っていると、中庭の方から怒鳴り声のような声が聞こえてきた。
声の主は……マギー?
足を中庭に向けて、こっそり覗き込み、俺は驚きに言葉を跳ねた。
「――え!?」
「くそがぁぁあぁ!」
「この程度か? それでは百年経っても私の首は奪えないぞ」
赤い軽装鎧を纏った戦士姿のマギーが大剣を手にして、セルガと相対していた。
セルガもまた剣を手にしてマギーを睨みつけているが、服装は貴族服のままだ。
様子からして剣の稽古のように見えたが、落ち着いた様子を見せるセルガに対し、マギーは体全身から殺気を迸らせる。
あの剣気は訓練ではない。本物――マギーの殺気は本物だ!
マギーは大剣を振るい、セルガの胴を薙ぎ払わんとする。
それをセルガは剣で軽く受け流したかと思うと、一気に懐に詰め寄り、掌底でマギーの腹部を殴りつけた。
吹き飛ばされ、中庭の芝生に転がるマギーだが、すぐに起き上がり、地面を蹴ってセルガへ左右同時の袈裟切りを行う。
それは大剣使いとは思えぬ素早さ。
しかし、切ったのはセルガの残影のみ。
彼は背後に回り、マギーの首筋へ一閃。
彼女は何とか前方へ飛び退き、事なきを得た。
その後も二人は早朝の中庭に剣戟音を響かせ続ける。
二人の様子を俺はこっそりと窺い続ける。冷や汗で全身を溺れさせながら。
「二人ともなんて使い手だ! 地球人の身体機能を軽く超えてんな。ルーレンからセルガは世界一の剣士だと聞いていたが、それにしたって……」
マギーの動きは地球人の身体機能を遥かに超えており、野犬を追い払ったルーレンよりも優れていると見える。
しかし、セルガはそれさえも歯牙に掛けぬほどの強さを誇る。
その動きを辛うじて目で追いながら、シオンの身体のことを考える。
「なんとか目で追える……これはシオンの力。なるほど、こちらの世界の住人は地球人よりも強そうだ。だからと言って、シオンの体を鍛えてもセルガに追いつけるとは思えないな」
マギーの荒々しくも素早い動き。
それを舞いを踊るかのように躱し続けるセルガ。
彼の動きを見つめ続け、俺は一つの選択肢を完全に消した。
(正面からは無理でも毒殺や爆殺ならと思ったが、あの隙の無さ。とても太刀打ちできない)
まったくもって隙がなく、マギーを相手にしながらも全方位への警戒を緩めない。
緩めない――つまり、俺がこっそり覗いていることにセルガは気づいている。
彼はこちらを一度も見ることなく気配だけを飛ばしてきた。
そして、敵ではないとわかると気配を残しつつマギーへ集中する。
そのマギーへ俺は視線を集めた。
彼女は殺気を交えた剣を何度も振るう。
とても主に対して行う所業ではない。
瞳は怒りに満たされ、本気でセルガを殺そうとしている。
一体どういうことだろうか?
彼女の動きを瞳で追いつつ、俺は思う。
(見事な動きだが、直線的すぎるな。あれじゃあ、セルガには届かない。もったいねぇなぁ)
マギーの動きは素早く、とても強力な剣撃を産み出しているが、そこに牽制などなく、あまりにも単調。
あれでは格上のセルガ相手に刃が届くはずもない。
三分ほど続いた殺し合いは、いや、マギーの一方的な殺意は空振りと終わり、喉奥から吐き捨てられた怒声共に終焉を迎える。
「クソッ! はぁはぁ」
「以前よりはマシになっているが、その程度では私を殺すなど不可能だな」
「はぁはぁはぁはぁ……うるせい……」
呼吸も整わぬマギーを前に、セルガは息一つ乱れず腰の鞘に剣を戻す。
そこを見計らい、俺は中庭に姿を現した。
「あら、お父様? 剣の稽古ですか?」
「ああ。お前は運動か?」
「ええ、少々体を鍛えようと思いまして」
「そうか」
俺はセルガが飛ばしてきた気配に気づかなかった振りを見せる。
セルガの方はマギーへ視線を投げて、彼女の息が上がり、こちらへ意識を向ける余裕のないことを確認してから俺に顔を向けた。
「夕食時に、何を言うつもりだったのだ?」
彼の問い――それは一昨日の夕食会で、香辛料を使用したレシピを考え、さらに料理をメインとした観光客の取り込みを提案した時のこと。
これに対して、それだけでは足らぬと彼は言う。
だから、俺はあることを付け足そうとして……やめた。それはこの場面。
――――初めての夕食・食堂にて(※第十三話より)
ザディラはこうも言っていた。元よりダルホルンは人や物が集まっている港町だと。
港町と言えば貿易。貿易に必要なものは港。その港をより活性化させれば……。
「でしたら……」
ここで言葉を飲み込む。勇み足だと考えて。
――――
セルガはこの続きを尋ねているのだが、その答えに悩む。
何故なら、この問いに答えられるほどの情報がそろっていないからだ。
しかし、数秒ほど悩んで答えてみることにした。
彼の領主としての器を量るために。
「このダルホルンは港町。多くの人々が集まる貿易の町。そこでわたくしはダルホルンを、この海域のハブ港にしようと考えたのです」
ハブ港=海上運送の中継地点のこと。
これにより、この周辺海域の物流を一手に引き受けることができる。
食事会の時は、これを声に出そうとして止めた。
理由は、ダルホルンの港の規模がわからないこと。
周辺地域の経済力や港の規模がわからないこと。
また、海上輸送のリスク。治安や戦争・内戦など。
口に出すにはあまりにも不確定要素が多い上に、香辛料の話からは逸れてしまう。
だから、あの時は控えたのだ。
問いの答えを聞いて、セルガは小さく呟く。
「ハブ港……なるほど、物流の支配か。周辺海域にはライバルらしいライバルもいないが、その油断により明日を失うかもな。安全保障も含め、今のうちに整備を行い、各地域、海域の頭を押さえておいた方がいいか」
ハブ港の一言でその重要性と、経済的軍事的プレゼンスまで意識している。
剣の腕も確かだが、領主としても確かのようだ……これは手強い。
俺はさらに昨日答えなかった理由もまた伝えた。
すると、セルガは……。
「通常は貿易の実態や地形・パワーバランスを把握してから考えつくものだが、何も知らぬ状況で、何故このようなアイデアが出たのかが謎だな」
「フフフ、実はあの場では追い込まれていまして、そこで突発的に生まれたアイデアですのよ」
「突発的……」
彼は噛み締めるように言葉を繰り出すと、次に俺の心の中をまっすぐと見つめる鋭い瞳を見せた。
それに対して、俺は平静を装う。
「どうされました?」
「……ふむ、シオン。昨日、外出したそうだが、何を企んでいる?」
0
お気に入りに追加
348
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。


元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる