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リーディ
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夕食前の僅かな時間、台所のテーブルの上に本とノートを広げ、私はユタカに毎日の日課である文字や言葉を教えていた。
「と、こういう意味になるんだが、わかるか?」
「うん、なんトカ」
「じゃあ、今ので、この教本は卒業だな。まさか、再びこの本が役に立つ日が来るとは思わなかった」
古びた教本を見つめる私の瞳には懐かしさが宿る。
この教本は幼いころ父さまから頂いたもの。
ずっと、地下書庫の奥深くにしまい込んでいたのだが、ユタカに文字や言葉を教えるには丁度いいと思い、引っ張り出してきたのだ。
「さて、次からは……えっ?」
別の教本へと手を差し延ばそうとしたとき、私は奇妙な空間の揺らぎを感じ取った。
「あっちね」
すぐさま、空間の揺らぎを感じた方向へ意識を向けた。
そんな私の様子を、ユタカは不思議そうに見ている。
(この揺らぎ、ユタカの時とは違う。結界を正式に通過するときの揺らぎ……ということは)
「ユタカ、少しごめんなさい。席を外すから、そこで待っていて」
私はユタカに家から出てこないように伝え、玄関から表へ出ていった。
玄関前でしばらく待っていると森の木影から、こちらを伺うように懐かしい顔を覗かせている女を見つけた。
「そんなところで何をやっているんだ?」
「だってさ、普通に出てきたらつまんないじゃん。何か、ど~んと驚かせるような登場したいし。ま、思いつかなかったんだけど」
「はぁ~、相変わらずだな。リーディ」
「やっほ、ミラ。元気してた」
リーディは身を隠していた木の影から、ピョンと躍り出て、手を額の近くに添え、敬礼をしているかような格好でへらへらと笑っている。
リーディも私と同じ魔女であるため、姿形は別れた時と変わりない。
ショートヘアの黒髪と希少な空間の力を宿す紫の瞳。
そして、雰囲気の明るい快活な女の子といった感じのまま。
彼女は私よりも大人になるのが遅かったことが幸いして、私よりも背が高く、また体型も大人びている。
とはいえ、普通に年取る者から見れば子どもの域だが……。
「久しぶりだな。しかし、服装が以前と変わったな」
「そりゃ、変わるよっ。何十年も同じ服装って変でしょっ」
「まぁ、そうなんだけど……なんていうか、イメージが違うというか」
五十年前、旅立つ前にしていた彼女の服装は、旅のための道具を入れた大きなリュックを背負い、上下ともに薄緑の丈夫な服で頭には探検帽と、まさに探検家のような格好をしていた。
しかし、いま目の前にいるリーディは、やぼったいリュックなど背負っておらず、服装は町中を散歩でもするくらいの軽装。
衣服は明るい桃白の服で、胸元には小さな蒼玉の飾りがついている。
袖口には実用性皆無の毛玉のボンボンが二個ついており、下は上着と同じ桃白のフレアスカート。
旅をするには歩きにくそうな格好だった。
「そんな格好で野山を歩けるのか?」
「ふふ~ん、私の魔女としての格が上がったって証拠よ。て~か、服装に文句つけられたくないなぁ。そっちの方が酷いじゃん。何十年も変わらず、いつもの手抜きの格好」
「うるさい。毎日家にいるのに、お洒落なんかに気を掛けられるか。それよりも、何かあったのか?」
「うん、まぁね。あんたが引き籠っている間に、外では面白くて面倒なことになってんのよ。ところで、何だか口調が変わってるね?」
「あ~、それは……」
年下であるユタカの前で大人らしさを演じていたら、本来の口調に戻す機会を失ってしまっていた。変な癖がついたともいえる。
こんなことなら、最初から普通に喋っていればよかった……。
「ほら、私もなんだかんだでそれなりに年だろ。だからな」
「まぁ、そうなんだけどね。でも、ミラの場合、無理に大人びた感じというか背伸びした感じというか……どこか、ちぐはぐな感じがする」
「クッ、無駄に鋭い……」
「ん、なにが?」
「何でもない。えっと、なんだ、外は面白くて、面倒だって?」
「うん。んでね、それが今日、あんたのところに来た理由でもある」
「そうか、久しぶりに顔を出したと思ったら……ただ旧交を温めにきたわけじゃないんだな」
「ははぁ~ん、用向き無しじゃないと寂しかった~」
私をからかうため、ニヤニヤしながら下らないことを口にする。
見苦しい笑顔に辟易しながら、ぴしゃりと言葉を返した。
「で、用件は?」
「そうね、冗談はここまでにしようか。久しぶりで舞い上がってたかも」
先程までニヤけ顏をしていたのに、スッと表情を真面目なものへと変える。お調子者のリーディがこのようなメリハリをつけるとは、私は驚きを隠せない。
「ミラ、あんた今、誰かと一緒に住んでいるでしょ?」
「えっ!? そ、それは……」
「その人と話があるの。呼んできてもらえる?」
「な、何故だ? いや、その前に何故お前が、ユタカのことを知っている?」
「ゆたか、ねぇ……名前の響きから、世界はあそこか、もしくは」
「世界? 何の話だ?」
「ふーん、あんたの反応からみて、ゆたかって人がどこから来て、どんな存在か知らないみたいだね」
「え……もしかして、リーディはユタカが何者か知っているのか?」
「大まかには。話してみないとはっきりわからないけど……でも、そうだね。先にあんたに話しておいた方がいいかも。私も少し話が聞きたいし……長くなると思うから、少し待つように言ってきて。その、ゆたかって人に」
「え? あ、ああ」
私は返事も意識も霞かかった様子で後ろを振り向いて、ユタカが待っている台所へと向かう。
台所へ歩いていく間、不安が胸に渦巻く。
謎だったユタカの正体――ずっと知りたいと思っていた。そして、その彼の正体をリーディは知っているという。
ついに、謎を知る機会が訪れた、というのに……なぜだろう? 謎に触れてしまえば、今までのようにいられない気がする……。
玄関の前で足が止まる。
ドアノブに手を当てるが、力が入らない。
怖い……多少気まずい関係を続けてはいるが、空虚だった毎日と比べれば、遥かに楽しい日常。
それが、一気に変わってしまうようで……。
扉の前で、身体は石のように固まり動けない。
ドアノブを握る手は軋みを上げている。
あとはほんの少し、ノブを回すだけなのに……。
顔を捻じ曲げ、ただドアノブを見つめる。
すると、不意に玄関の内側から扉が開いた。
どうやら、ユタカが中で待ちきれずに玄関から顔を覗かしてきたみたいだ。
ユタカは私をチラリと見てから、井戸に腰を掛けて待っているリーディに視線を移した。
「だれ? お客サン?」
「うん……あの、少しだけあの人と話があるから、悪いけど中で待っていてもらえないか?」
「うん、イイケド。大丈夫?」
「え、何が?」
「手、フルエテル、少し。コワイの?」
「あっ」
自分の手に視線を落とすと、小刻みに震えていた。
慌てて両手を合わせ、震えを抑える。
「大丈夫。怖いわけじゃないから……ユタカは心配せずに中で待っていて」
ユタカは少し間を開けて返事をし、家の中へ戻っていった。
私は閉じられた扉に背を当て、顔を上げて目を閉じ祈った。
(怖いわけじゃない。勇気が欲しいだけ……触れる勇気を欲しい)
大きく息を吐いて、目を開ける。
井戸の縁に立ってフラフラとバランスを取って遊んでいるリーディを鋭く見つめ、ユタカの秘密に触れるため、彼女へ向かい歩いていった。
「と、こういう意味になるんだが、わかるか?」
「うん、なんトカ」
「じゃあ、今ので、この教本は卒業だな。まさか、再びこの本が役に立つ日が来るとは思わなかった」
古びた教本を見つめる私の瞳には懐かしさが宿る。
この教本は幼いころ父さまから頂いたもの。
ずっと、地下書庫の奥深くにしまい込んでいたのだが、ユタカに文字や言葉を教えるには丁度いいと思い、引っ張り出してきたのだ。
「さて、次からは……えっ?」
別の教本へと手を差し延ばそうとしたとき、私は奇妙な空間の揺らぎを感じ取った。
「あっちね」
すぐさま、空間の揺らぎを感じた方向へ意識を向けた。
そんな私の様子を、ユタカは不思議そうに見ている。
(この揺らぎ、ユタカの時とは違う。結界を正式に通過するときの揺らぎ……ということは)
「ユタカ、少しごめんなさい。席を外すから、そこで待っていて」
私はユタカに家から出てこないように伝え、玄関から表へ出ていった。
玄関前でしばらく待っていると森の木影から、こちらを伺うように懐かしい顔を覗かせている女を見つけた。
「そんなところで何をやっているんだ?」
「だってさ、普通に出てきたらつまんないじゃん。何か、ど~んと驚かせるような登場したいし。ま、思いつかなかったんだけど」
「はぁ~、相変わらずだな。リーディ」
「やっほ、ミラ。元気してた」
リーディは身を隠していた木の影から、ピョンと躍り出て、手を額の近くに添え、敬礼をしているかような格好でへらへらと笑っている。
リーディも私と同じ魔女であるため、姿形は別れた時と変わりない。
ショートヘアの黒髪と希少な空間の力を宿す紫の瞳。
そして、雰囲気の明るい快活な女の子といった感じのまま。
彼女は私よりも大人になるのが遅かったことが幸いして、私よりも背が高く、また体型も大人びている。
とはいえ、普通に年取る者から見れば子どもの域だが……。
「久しぶりだな。しかし、服装が以前と変わったな」
「そりゃ、変わるよっ。何十年も同じ服装って変でしょっ」
「まぁ、そうなんだけど……なんていうか、イメージが違うというか」
五十年前、旅立つ前にしていた彼女の服装は、旅のための道具を入れた大きなリュックを背負い、上下ともに薄緑の丈夫な服で頭には探検帽と、まさに探検家のような格好をしていた。
しかし、いま目の前にいるリーディは、やぼったいリュックなど背負っておらず、服装は町中を散歩でもするくらいの軽装。
衣服は明るい桃白の服で、胸元には小さな蒼玉の飾りがついている。
袖口には実用性皆無の毛玉のボンボンが二個ついており、下は上着と同じ桃白のフレアスカート。
旅をするには歩きにくそうな格好だった。
「そんな格好で野山を歩けるのか?」
「ふふ~ん、私の魔女としての格が上がったって証拠よ。て~か、服装に文句つけられたくないなぁ。そっちの方が酷いじゃん。何十年も変わらず、いつもの手抜きの格好」
「うるさい。毎日家にいるのに、お洒落なんかに気を掛けられるか。それよりも、何かあったのか?」
「うん、まぁね。あんたが引き籠っている間に、外では面白くて面倒なことになってんのよ。ところで、何だか口調が変わってるね?」
「あ~、それは……」
年下であるユタカの前で大人らしさを演じていたら、本来の口調に戻す機会を失ってしまっていた。変な癖がついたともいえる。
こんなことなら、最初から普通に喋っていればよかった……。
「ほら、私もなんだかんだでそれなりに年だろ。だからな」
「まぁ、そうなんだけどね。でも、ミラの場合、無理に大人びた感じというか背伸びした感じというか……どこか、ちぐはぐな感じがする」
「クッ、無駄に鋭い……」
「ん、なにが?」
「何でもない。えっと、なんだ、外は面白くて、面倒だって?」
「うん。んでね、それが今日、あんたのところに来た理由でもある」
「そうか、久しぶりに顔を出したと思ったら……ただ旧交を温めにきたわけじゃないんだな」
「ははぁ~ん、用向き無しじゃないと寂しかった~」
私をからかうため、ニヤニヤしながら下らないことを口にする。
見苦しい笑顔に辟易しながら、ぴしゃりと言葉を返した。
「で、用件は?」
「そうね、冗談はここまでにしようか。久しぶりで舞い上がってたかも」
先程までニヤけ顏をしていたのに、スッと表情を真面目なものへと変える。お調子者のリーディがこのようなメリハリをつけるとは、私は驚きを隠せない。
「ミラ、あんた今、誰かと一緒に住んでいるでしょ?」
「えっ!? そ、それは……」
「その人と話があるの。呼んできてもらえる?」
「な、何故だ? いや、その前に何故お前が、ユタカのことを知っている?」
「ゆたか、ねぇ……名前の響きから、世界はあそこか、もしくは」
「世界? 何の話だ?」
「ふーん、あんたの反応からみて、ゆたかって人がどこから来て、どんな存在か知らないみたいだね」
「え……もしかして、リーディはユタカが何者か知っているのか?」
「大まかには。話してみないとはっきりわからないけど……でも、そうだね。先にあんたに話しておいた方がいいかも。私も少し話が聞きたいし……長くなると思うから、少し待つように言ってきて。その、ゆたかって人に」
「え? あ、ああ」
私は返事も意識も霞かかった様子で後ろを振り向いて、ユタカが待っている台所へと向かう。
台所へ歩いていく間、不安が胸に渦巻く。
謎だったユタカの正体――ずっと知りたいと思っていた。そして、その彼の正体をリーディは知っているという。
ついに、謎を知る機会が訪れた、というのに……なぜだろう? 謎に触れてしまえば、今までのようにいられない気がする……。
玄関の前で足が止まる。
ドアノブに手を当てるが、力が入らない。
怖い……多少気まずい関係を続けてはいるが、空虚だった毎日と比べれば、遥かに楽しい日常。
それが、一気に変わってしまうようで……。
扉の前で、身体は石のように固まり動けない。
ドアノブを握る手は軋みを上げている。
あとはほんの少し、ノブを回すだけなのに……。
顔を捻じ曲げ、ただドアノブを見つめる。
すると、不意に玄関の内側から扉が開いた。
どうやら、ユタカが中で待ちきれずに玄関から顔を覗かしてきたみたいだ。
ユタカは私をチラリと見てから、井戸に腰を掛けて待っているリーディに視線を移した。
「だれ? お客サン?」
「うん……あの、少しだけあの人と話があるから、悪いけど中で待っていてもらえないか?」
「うん、イイケド。大丈夫?」
「え、何が?」
「手、フルエテル、少し。コワイの?」
「あっ」
自分の手に視線を落とすと、小刻みに震えていた。
慌てて両手を合わせ、震えを抑える。
「大丈夫。怖いわけじゃないから……ユタカは心配せずに中で待っていて」
ユタカは少し間を開けて返事をし、家の中へ戻っていった。
私は閉じられた扉に背を当て、顔を上げて目を閉じ祈った。
(怖いわけじゃない。勇気が欲しいだけ……触れる勇気を欲しい)
大きく息を吐いて、目を開ける。
井戸の縁に立ってフラフラとバランスを取って遊んでいるリーディを鋭く見つめ、ユタカの秘密に触れるため、彼女へ向かい歩いていった。
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