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第二十六章 過を改め正へ帰す
運命の出会い
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映像は変わり、場所はトーワ城の一室。
とても豪華な家具があり化粧道具がありと、ここは今のトーワにはない場所だが部屋の作りには見覚えがあった。
ここはおそらく、私の執務室となっている場所。
そこで見知らぬ女性がギウと会話をしている。
女性は貴族のようで、絢爛なドレスに身を包みとても若い。
「ねぇ、ギウ。ギウはずっと洞窟に住んでいるの?」
「ギウ」
「そうだ、これからは一緒にお城に住みましょうよ。お父様が遺跡の発掘の指揮を任されたけど、奇妙な病気が流行って怖いの。でも、ギウが一緒なら平気だし」
「ギウギウ、ギウ」
「え、お仕事があるの? お父様とおんなじね。つまらないの」
「ギウウ」
「たまに遊んでくれるって? う~ん、わかった、それで我慢する」
さらに場面は変わり、砂浜にギウと立体映像の百合さんがいた。
百合さんはギウが愛用している銛を手に取ろうとしたが、その手が柄を貫通する。
質量を持たぬホログラムの彼女は苦笑いを見せて、次に銛を見つめ眉を顰めている。
「お前なぁ、超振動スピアをなんで銛の形にしちまったんだ?」
「ギウ、ギウウ」
「魚が取りやすい? 実用向けにしたってわけか。ま、俺も人からの貰い物を勝手にカスタマイズしてたからな。フフ、意識が分化しても、俺には変わらねぇってことか。だけどな」
「ギウ?」
「勝手にシステムに触れるな。あれは来るべき時の切り札になるかもしれねぇんだ。エネルギーの無駄遣いをすんなよ」
「ぎうう……」
「ま、わかりゃいいさ」
場面は変わり、トーワの地下室へ。
古ぼけた机とランプだけが置いてある地下室でギウは空中よりチョークを産み出して、ぶつぶつと何かを呟き、がむしゃらに壁へ数式と設計図を書き殴っている。
「クッソ! 考えがまとまらねぇ。こいつじゃ不完全だっ! だいたい、なんでこんなところにチョークなんかで書いてるんだ! クソクソクソ! 駄目だ、また、意識が……消える……」
ギウはぽとりとチョークを落として、ふらふらと地下室から出ていった。
フィナはここで映像を止める。
「あの地下室の数式と設計図って、ギウの中に宿った百合が書いたんだ」
「どうりで遥かに進んだもののはず。古代人そのものが書いていたんだからな」
「でも、まともに頭が働かなくて、あんな場所に。しかも不完全で。なんでかチョークなんかで」
私は彼女が最後に口にした言葉が、些細ながらも気になった。
「そういえば、フィナはチョークを回収していたよな。結局あれから何かわからなかったのか?」
「うん、だたのチョークだった。何もなかったから報告はしなかったけど……でも、この施設を使えばレプリケートしたものだとわかるかも。わかっても意味ないけどね」
「そうだな。とりあえず、ここまでで彼女について二つわかったことがあるな」
「うん」
「ギウと百合さんは肉体を共有しているが意識は別のようだ。彼女自身も意識が分化したと言っていたし。そして、百合さんの姿の状態だと物に触れることができないようだな」
立体映像の状態の百合さんでは物質に触れることができない。
それは銛を手に取ろうとして取れなかったことからわかる。
また、初めて出会ったとき砂浜に足跡が残らなかったこと、影がなかったことから、立体映像の彼女はかなり希薄な存在のようだ。
唯一、物体に触れられたのは私が暴走したとき。
その時彼女はこう言っていた。
『余計なエネルギーを使ってしまった』と。
百合さんは私のために貴重なエネルギーを使用してくれたようだ。
その理由は不明だが。
この出来事は特例だったのだろう。普段、物質に触れる際はギウの体を借りて……借り手はおかしいか、元の肉体は彼女自身だからな。
ともかく、ギウの体を通してでしか物質に触れることができない。
だから、ギウの体を使い、トーワの地下室に数式と設計図を描いた。
だが、意識が朧気のため、はっきりとした知識を振るうことができない。
私はそんな過酷な状況下でも、それを覆そうとしている百合さんに敬意を表す。
「百合さんはギウの状態になっても、時々しか意識が戻らなくても、仲間を助けるために行動していたんだな」
「その行動の一部だけど、システムってワードが気になるわ~」
フィナは無数のモニターを同時に操っている。
「フィナ?」
「百合はギウにシステムに触れるなって言ったでしょ。どっかにそれがあると思うんだけど、たぶん、海岸の洞窟の奥、トーワの地下でしょうね。とりあえず、索敵索敵っと」
「それは後回しにして、百合さんからのメッセージを見た方がいいんじゃないのか?」
「そうなんだけどさ、気になるじゃん……あれ?」
「あれ? あれだと? その言葉には聞き覚えがあるぞ! まさか、何か失敗したんじゃ?」
「違う違う違うっ。ちょっと索敵範囲を広げ過ぎただけ……なにこれ?」
「どうした、フィナ?」
フィナはモニターの一部に注視して、瞳を微動だにしない。
「この場所は……そして、この反応って……あいつらっ」
「フィナッ?」
「え、あ、ごめん」
「何か見つけたのか?」
「うん。だけど、これは後回しの方がいいみたい。先にメッセージの続きを見ましょ」
フィナは僅かに顔を顰めて映像を進めた。
見つけたものはかなり不快なものだったようだ。
それはあとで尋ねるとして、今はメッセージを受け取る。
映像は砂浜。
そこにぽつりとギウが立ち、どこからともなく百合さんの声が響く。
『何とか仲間を助けてぇと思っているが、断片的に意識が戻るんでなかなか前に進まねぇ。さらに時が経つごとに、この子の意識が主張を始めて、俺とのつながりが薄くなってやがる。無理やりそいつを抑え込んで俺が乗っ取ることもできるが、そんなことをすればこの子が……』
『それに仲間のことだけじゃねぇ。施設にはバルドゥル所長の複製がいやがる。しかも、かなり強化された状態で。あのジジイはこのスカルペルを奪おうと……今もまだ、地球の栄光が忘れられないようだな。宇宙を滅ぼしちまったってのによ。まだ、迷惑をかけるつもりかよ』
『だけどよ、今の俺じゃ、この子の体を借りても勝てる可能性はゼロに近い。出力は全盛期の2%程度。その反面、所長の身体は強化されまくってやがる。仲間たちも年月を重ねるごとに強さを増してやがる。知性も……そんなの相手に……くそったれっ』
『先手を打って、この子に施設を破壊してほしいが、俺の心に残る施設への後悔。おそらくはアコスアや仲間たちが化け物になっちまったことに対する後悔が恐怖として残り、この子を怖がらせてやがるんだろうな。そいつのせいで、この子は施設に近づきたがらねぇ』
『いや、近づけたとしても、この子に施設を破壊できるだけの知識はない。俺が身体を借りても長くはもたないし、俺自身もまた、この子の脳機能では思考がうまく働かねぇ。ちきしょう、じり貧だぜ」
『不本意ながらジュベルに頼りたいところだが、あの馬鹿は、なんでか東大陸で日本文化を広めることに躍起になってやがる。なんでそこに情熱が注いでんだよっ。ま、一応あっち側で仲間……魔族からスカルペル人を守っているみてぇだが……』
「なんか、いい手立てねぇもんかなぁ?」
「ほぉ~、ギウが意味を纏う言語を話すとは。いや、話してはいないな。空気を意味のある音に震えさせたのか。実に器用だ」
ギウに宿る百合が漏らした言葉。
それを拾い上げる者が砂浜に訪れた。
その者とは――アステ=ゼ=アーガメイト。
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ここはおそらく、私の執務室となっている場所。
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「ギウギウ、ギウ」
「え、お仕事があるの? お父様とおんなじね。つまらないの」
「ギウウ」
「たまに遊んでくれるって? う~ん、わかった、それで我慢する」
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質量を持たぬホログラムの彼女は苦笑いを見せて、次に銛を見つめ眉を顰めている。
「お前なぁ、超振動スピアをなんで銛の形にしちまったんだ?」
「ギウ、ギウウ」
「魚が取りやすい? 実用向けにしたってわけか。ま、俺も人からの貰い物を勝手にカスタマイズしてたからな。フフ、意識が分化しても、俺には変わらねぇってことか。だけどな」
「ギウ?」
「勝手にシステムに触れるな。あれは来るべき時の切り札になるかもしれねぇんだ。エネルギーの無駄遣いをすんなよ」
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「クッソ! 考えがまとまらねぇ。こいつじゃ不完全だっ! だいたい、なんでこんなところにチョークなんかで書いてるんだ! クソクソクソ! 駄目だ、また、意識が……消える……」
ギウはぽとりとチョークを落として、ふらふらと地下室から出ていった。
フィナはここで映像を止める。
「あの地下室の数式と設計図って、ギウの中に宿った百合が書いたんだ」
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「でも、まともに頭が働かなくて、あんな場所に。しかも不完全で。なんでかチョークなんかで」
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「うん」
「ギウと百合さんは肉体を共有しているが意識は別のようだ。彼女自身も意識が分化したと言っていたし。そして、百合さんの姿の状態だと物に触れることができないようだな」
立体映像の状態の百合さんでは物質に触れることができない。
それは銛を手に取ろうとして取れなかったことからわかる。
また、初めて出会ったとき砂浜に足跡が残らなかったこと、影がなかったことから、立体映像の彼女はかなり希薄な存在のようだ。
唯一、物体に触れられたのは私が暴走したとき。
その時彼女はこう言っていた。
『余計なエネルギーを使ってしまった』と。
百合さんは私のために貴重なエネルギーを使用してくれたようだ。
その理由は不明だが。
この出来事は特例だったのだろう。普段、物質に触れる際はギウの体を借りて……借り手はおかしいか、元の肉体は彼女自身だからな。
ともかく、ギウの体を通してでしか物質に触れることができない。
だから、ギウの体を使い、トーワの地下室に数式と設計図を描いた。
だが、意識が朧気のため、はっきりとした知識を振るうことができない。
私はそんな過酷な状況下でも、それを覆そうとしている百合さんに敬意を表す。
「百合さんはギウの状態になっても、時々しか意識が戻らなくても、仲間を助けるために行動していたんだな」
「その行動の一部だけど、システムってワードが気になるわ~」
フィナは無数のモニターを同時に操っている。
「フィナ?」
「百合はギウにシステムに触れるなって言ったでしょ。どっかにそれがあると思うんだけど、たぶん、海岸の洞窟の奥、トーワの地下でしょうね。とりあえず、索敵索敵っと」
「それは後回しにして、百合さんからのメッセージを見た方がいいんじゃないのか?」
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「あれ? あれだと? その言葉には聞き覚えがあるぞ! まさか、何か失敗したんじゃ?」
「違う違う違うっ。ちょっと索敵範囲を広げ過ぎただけ……なにこれ?」
「どうした、フィナ?」
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「この場所は……そして、この反応って……あいつらっ」
「フィナッ?」
「え、あ、ごめん」
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「なんか、いい手立てねぇもんかなぁ?」
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