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第九章 百年間、得られなかった答えを手にする魔王
第84話 さぁ、いざ行かん
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しばし、ピッツェの涙を受け止めて、彼女が落ち着いたところで峡谷を覆う結界について尋ねた。
「ピッツェ、この結界は問題なく稼働しているんだろうな?」
「うん、大丈夫ですよ、アルラ様」
そう答え、彼女は私の腕にぶら下がってくる。
その様子を見たヤエイが小馬鹿にした様子で声を出すのだが……。
「ほほ~、すっかり毒気が抜けたようじゃな。幼子のようにはしゃいでおるわ。のう、アルラ?」
「ちょっと、あんたさ、気安くアルラ様を呼び捨てにしてんじゃねぇよ」
「な、なんじゃ、こやつ? またもや言葉遣い荒くなって」
「たりめぇだろ。なんでアルラ様の従者如きに言葉遣いを改めなきゃなんねぇんだ?」
「従者じゃと? アルラ!」
「落ち着いたかと思ったら騒がしいな。ピッツェ、あまり汚い言葉遣いをするな」
「はい、アルラ様が仰るなら。それじゃあ、改めて……ヤエイだっけ? よろしくな」
「あんま変わっとらん気がするんじゃが……」
ヤエイはゴニョニョっと愚痴をは重ねている。それについて触れても話が前に進まないので、結界について話を戻そう。
「ピッツェ、結界を解除してもらえるか?」
「はい!」
こちらが気持ち良くなるくらい、とても元気の良い返事をして、彼女は杖を地面に刺す。
すると、半透明の結界が端から崩れ、破片となり、散り散りになって消えていった。
結界が消えた先にあるのは、巨大な峡谷に挟まれ、岩肌が左右を覆う道。
幅があり、天井は突き抜けているため太陽の光が遮られることはない。
結界を消したピッツェは少し蒼い顔をしている。
「ふぅ~」
「大丈夫か? 疲れているように見えるが?」
「はい、恥ずかしくもアルラ様に牙を剥いた際に負荷がかかり過ぎたようで、あちらこちらに不具合が出ているみたいです。修復のためにしばし休眠に入ってもよろしいでしょうか、アルラ様?」
「許す。ゆっくりと休みなさい」
「ありがとうございます。では、しばし席を外します」
ピッツェは私に向かい深いお辞儀をする。
そして、頭を戻すと、カリンへ顔を向けた。
「カリン」
「ん、どうしたの?」
「ありがとう」
と、短い礼を述べて、ピッツェは笑顔共に姿が揺らぎ消えていった。
カリンも彼女を笑顔で送り、私へ顔を向ける。
「さぁ、行こうかおじさん。この先にあるんでしょ? 居場所のない人たちが安心して暮らせる場所が」
「ああ、その通りだ。行こう」
「ピッツェ、この結界は問題なく稼働しているんだろうな?」
「うん、大丈夫ですよ、アルラ様」
そう答え、彼女は私の腕にぶら下がってくる。
その様子を見たヤエイが小馬鹿にした様子で声を出すのだが……。
「ほほ~、すっかり毒気が抜けたようじゃな。幼子のようにはしゃいでおるわ。のう、アルラ?」
「ちょっと、あんたさ、気安くアルラ様を呼び捨てにしてんじゃねぇよ」
「な、なんじゃ、こやつ? またもや言葉遣い荒くなって」
「たりめぇだろ。なんでアルラ様の従者如きに言葉遣いを改めなきゃなんねぇんだ?」
「従者じゃと? アルラ!」
「落ち着いたかと思ったら騒がしいな。ピッツェ、あまり汚い言葉遣いをするな」
「はい、アルラ様が仰るなら。それじゃあ、改めて……ヤエイだっけ? よろしくな」
「あんま変わっとらん気がするんじゃが……」
ヤエイはゴニョニョっと愚痴をは重ねている。それについて触れても話が前に進まないので、結界について話を戻そう。
「ピッツェ、結界を解除してもらえるか?」
「はい!」
こちらが気持ち良くなるくらい、とても元気の良い返事をして、彼女は杖を地面に刺す。
すると、半透明の結界が端から崩れ、破片となり、散り散りになって消えていった。
結界が消えた先にあるのは、巨大な峡谷に挟まれ、岩肌が左右を覆う道。
幅があり、天井は突き抜けているため太陽の光が遮られることはない。
結界を消したピッツェは少し蒼い顔をしている。
「ふぅ~」
「大丈夫か? 疲れているように見えるが?」
「はい、恥ずかしくもアルラ様に牙を剥いた際に負荷がかかり過ぎたようで、あちらこちらに不具合が出ているみたいです。修復のためにしばし休眠に入ってもよろしいでしょうか、アルラ様?」
「許す。ゆっくりと休みなさい」
「ありがとうございます。では、しばし席を外します」
ピッツェは私に向かい深いお辞儀をする。
そして、頭を戻すと、カリンへ顔を向けた。
「カリン」
「ん、どうしたの?」
「ありがとう」
と、短い礼を述べて、ピッツェは笑顔共に姿が揺らぎ消えていった。
カリンも彼女を笑顔で送り、私へ顔を向ける。
「さぁ、行こうかおじさん。この先にあるんでしょ? 居場所のない人たちが安心して暮らせる場所が」
「ああ、その通りだ。行こう」
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