三つの異能と魔眼魔術師

第2章 鮮血の奇術師ヴァルミリア

プロローグ

「浅見のやつ、まだ戻らないんだな」


「えぇ。ここを出たその日に、対象は非力な魔術もろくに使えない凡人だが教会に邪魔された。数日後確実に始末すると連絡が来てからもう数週間がたっています。浅見はしくじったと結論付けていいでしょう」



「浅見のやつ！自信げに出ていったくせに何て様だっ！頭取にどう説明すればいい！」


大柄な男はイライラをテーブルにぶつける。威力がありあまり吹っ飛ぶことなくその場で粉々に砕け散った。


「ボス、次の手ですが」


「構わん！ガクトに行かせろ！四宮レイの行方捜索はひとまず中断し、やつの息子を排除することを最優先だ！」




「...わかりました。すぐ手配します」



また新たな戦火がマーテル魔学区に巻き起ころうとしていた。