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高嶺の花
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この世の男子高校生諸君、聞こえているか。聞こえているなら教えてほしい。
交際経験なし、女友達もいない俺がこの暁高校2年の高嶺の花こと柊 桃花と二人っきり、旧校舎の図書倉庫にいるというこのシュチュエーション。
一般的な男児であればテンションも上がるだろうこの状況は俺にとっては苦行でしかない!
教えてくれよ、この沈黙の破り方を!!
おっとすまない、ここに至るまでの経緯も話さずに迫ってしまった。
オーケー、説明しよう!この俺大槻 永人に降りかかった幸運にも不幸な状況をな!
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「く…あぁぁ…」
ダメだ、眠い…目立たないように欠伸を噛み殺したものの少し漏れてしまった。
「ハチ、お前またゲームで夜更かしか?」
すかさず突っ込んできた隣の席のこいつは親友の新庄 真。小学校からの付き合いで俺のことをハチと呼んでいる。
「あぁ、もう少しで3周目のラスボス倒してトロコンだったんだけどなぁ」
「全くよくやるよ。あんな鬼畜ゲー俺は投げちまった」
「お前は根性が足らんのだ」
「おぉう…ぜってぇ根性関係ないぞ…」
実に中身のない会話だが、それほどまでに退屈な時間なんだ。大目に見てくれよ。
2年に進級した四月この春、クラス替えもして新しい一年をスタートするにあたりやれ委員会だの係だのを決めなくてはならない。
これまで目立つことを避けてきた俺は進んで立候補するなどという愚行は犯さず、最後に残った人気のない委員にあまりの人を当てられるその時をただ待っていた。
あいにく今年のクラスにはみんなが注目するあの人がいるのだ。俺が目立つことなど万が一にもない!
「にしてもホント美人だよなぁ。まさに高嶺の花だぜ…」
「ん…あぁ、そうだな」
「なんだよハチ、もっと喜べよ。あのヒイラギさんが同じクラスなんだぜ!」
「…そういうもんなのか…?」
そう、あの人とは同じ学年にとどまらず本校の注目の的。才色兼備で優秀かつ美人な上運動もできてしまう非の打ち所がないスーパー女子高生、ヒイラギさんこと柊 桃花である。
入学当時はクラスが違かったので噂にしか聞いておらず、別世界の人間のように思っていたのだが、今まさに学級委員長として教壇にたちクラスをまとめているのだ。
その見た目としっかり者の印象からすぐ指名が入り委員長になってしまった。
それを断ることもなく、しかも完璧にこなしてしまうところもまた彼女の優秀さたるところだろう。
「…大槻くん!」
ついついぼーっとしてしまった。不意に呼ばれて顔を上げると噂をすればなんとやら、声の主はヒイラギさんだった。
「大槻くん、まだどの係になるか決まってないわよね。今図書係が余ってるのだけど、お願いしていい?」
どうやらポケーっとしている間に話は進んでいたようだ。
「あ…あぁ、わかった。やるよ、図書係」
図書係ならさほど大変じゃない。この一年、楽できそうだ!
「でもこの係だけ1人だと大変ね…このクラスはちょっと少ないから余ってる人もいないし、私が掛け持ちするわ」
…は?今何と?
「あ、そのかわり大槻くんに委員長のお手伝いをしてもらえないかしら、副委員長…ってことで」
…えぇええええええええ!!!
っと叫びたい気持ちでいっぱいだったが、そんなことをすれば注目の的だ。心の中で目一杯叫んだ。
「…わかった」
これが精一杯だった。
さっきまでの軽い気持ちとは打って変わって、俺の心は曇りきっている。
だってそうだろう。あのヒイラギさんが俺と図書係と学級委員を一緒にやるんだぞ?あのヒイラギさんと!
(あの野郎、ヒイラギさんと2人っきりで図書係だと?)
(学級委員も一緒にできるなんて、なんて贅沢なんでしょう)
どうやら残り物には福がある作戦は一般的な生徒には当てはまるようだが俺にとっては大外れ極まりない。
ひっそり高校生活は2年目にして崩壊してしまったようだ。
教室がざわついている。ひときわ強い殺気を感じ振り向いてみれば、真がこちらにメンチビームを放っていた。
…おまえってやつは…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
…とまぁそういうわけだ。
本校一番目立ちたくない男は、本校一番目立つ女子と行動をともにする羽目になり、今こうして図書係として旧校舎の書庫にやってきてせっせとお片づけ中なのである。
当然旧校舎など立ち寄る生徒はいないため、この空間には2人だけ。
静かに暮らしたいとは言っても2人しかいないこの場で沈黙が続くなんて拷問だろ。
おいおまえら、頼む助けてくれ!
「ねぇ大槻くん」
「ひっ…はい!」
脳内で現実逃避している中、突然名前を呼ばれつい失礼な反応をしてしまった。
この沈黙を破ったのは他でもない、ヒイラギさんだった。
「半ば無理やり副委員長にしてしまって、迷惑だったかしら」
どうやらこちらの失礼な態度は気にしていないらしい。
「…いや、こっちの仕事…手伝ってくれるし…いいよ」
うわ、ダッサ!
交際経験なしの草食系ってのもあるが相手が相手だ。ただのおしゃべりに緊張するのもわかるが今のはダサい。
「そう、よかったわ」
そんだけ!
会話終了!?
脳内では散々突っ込みまくっているのだが、そのテンションが現実世界でも出せたらいいんだがな…。
再び沈黙が遅いかかかってくる。
ふと、ヒイラギさんが姿を消した。
かと思うと本棚の向こう側からゴッゴッ…ズズッと何かを引きずる音がしてくる。
気になって回り込むと、ヒイラギさんは脚立を立て掛け今まさに登ろうとしている。
(危ないから俺がやるよ)
脳内ではそういうものの口には出ない。そりゃそうだろ、だってヘタレだもの。
その時だった。
旧校舎に眠っていた脚立の足はすり減っていてうまく立たないようだ。
ガタガタと揺れたと思うと辺りが暗くなる。
倒れこむヒイラギさんが照明を遮ったのだ…
ズドン!
木の床に大きな音を立てて脚立が倒れこむ。
ヒイラギさんはというと…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
(いくらなんでも強引だっただろうか…)
柊 桃花は旧校舎の本を整理しながら考えていた。
今年のクラスも去年と同じ、みんなが私に期待を寄せ、憧れを寄せ、好意を寄せ、視線を寄せる。
決して自惚れなどではなく、分かってしまうのだ。物心ついた時から今に至るまでこんなでは、流石に嫌でもわかるというものだ。
ただ1人を除いては。
それが大槻くんだった。まるで興味もなさそうで、退屈そうな彼を見て私は不安だった。
周りと一線を置いている大槻くんはクラスの仲間ハズレなのでは?
もしかすると彼はそんなクラスに見切りをつけ積極的に活動してくれないのでは?
そう思い提案した学級委員と図書係の掛け持ち。当の彼は黙々と作業をするものの視線を全く合わせようとせず下を向いてばかりだ。
口では気にしていないようだが、やはり不満があったのだろうか…
そんなことを考えながら脚立を引っ張っりたてつけるが、少々考え事が過ぎたようだ。
そう、脚立がまともに機能しないことに気がつかないほどに。
突如視界は天井を向く。一瞬にして天井は離れていき、衝撃とともに目の前が暗くなる。
しかし思ったほどの衝撃がない。
恐る恐る目を開く。うっすらと見え始めた視界が写したのは…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
旧校舎の書庫の真ん中で、2人は抱き合っていた。
正確には大槻 永人の腕の中で、制服を掴んですっぽり収まっている柊 桃花が上を見上げ、抱きかかえながら互いの顔をのぞいている格好だ。
状況が飲み込めず、しばらく硬直していた2人だが…
大槻(うおおおおおおあお!)
柊(ひ、ひゃああ!)
ふと我に返りバッと離れる二人。
静まり返る書庫とは対照に、互いの心臓は爆発するかのように脈打っていた。
「ごっ…ごめんなさい!ケガしてない…ですか」
何とか冷静を装い口を開いたのは柊さんだったが、その声は上ずってしまっている。
「大丈夫…なんとか」
今まで体験したことのない心の高鳴りに戸惑いつつ、ぎくしゃくしながら二人は初日を終えるのだった。
交際経験なし、女友達もいない俺がこの暁高校2年の高嶺の花こと柊 桃花と二人っきり、旧校舎の図書倉庫にいるというこのシュチュエーション。
一般的な男児であればテンションも上がるだろうこの状況は俺にとっては苦行でしかない!
教えてくれよ、この沈黙の破り方を!!
おっとすまない、ここに至るまでの経緯も話さずに迫ってしまった。
オーケー、説明しよう!この俺大槻 永人に降りかかった幸運にも不幸な状況をな!
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「く…あぁぁ…」
ダメだ、眠い…目立たないように欠伸を噛み殺したものの少し漏れてしまった。
「ハチ、お前またゲームで夜更かしか?」
すかさず突っ込んできた隣の席のこいつは親友の新庄 真。小学校からの付き合いで俺のことをハチと呼んでいる。
「あぁ、もう少しで3周目のラスボス倒してトロコンだったんだけどなぁ」
「全くよくやるよ。あんな鬼畜ゲー俺は投げちまった」
「お前は根性が足らんのだ」
「おぉう…ぜってぇ根性関係ないぞ…」
実に中身のない会話だが、それほどまでに退屈な時間なんだ。大目に見てくれよ。
2年に進級した四月この春、クラス替えもして新しい一年をスタートするにあたりやれ委員会だの係だのを決めなくてはならない。
これまで目立つことを避けてきた俺は進んで立候補するなどという愚行は犯さず、最後に残った人気のない委員にあまりの人を当てられるその時をただ待っていた。
あいにく今年のクラスにはみんなが注目するあの人がいるのだ。俺が目立つことなど万が一にもない!
「にしてもホント美人だよなぁ。まさに高嶺の花だぜ…」
「ん…あぁ、そうだな」
「なんだよハチ、もっと喜べよ。あのヒイラギさんが同じクラスなんだぜ!」
「…そういうもんなのか…?」
そう、あの人とは同じ学年にとどまらず本校の注目の的。才色兼備で優秀かつ美人な上運動もできてしまう非の打ち所がないスーパー女子高生、ヒイラギさんこと柊 桃花である。
入学当時はクラスが違かったので噂にしか聞いておらず、別世界の人間のように思っていたのだが、今まさに学級委員長として教壇にたちクラスをまとめているのだ。
その見た目としっかり者の印象からすぐ指名が入り委員長になってしまった。
それを断ることもなく、しかも完璧にこなしてしまうところもまた彼女の優秀さたるところだろう。
「…大槻くん!」
ついついぼーっとしてしまった。不意に呼ばれて顔を上げると噂をすればなんとやら、声の主はヒイラギさんだった。
「大槻くん、まだどの係になるか決まってないわよね。今図書係が余ってるのだけど、お願いしていい?」
どうやらポケーっとしている間に話は進んでいたようだ。
「あ…あぁ、わかった。やるよ、図書係」
図書係ならさほど大変じゃない。この一年、楽できそうだ!
「でもこの係だけ1人だと大変ね…このクラスはちょっと少ないから余ってる人もいないし、私が掛け持ちするわ」
…は?今何と?
「あ、そのかわり大槻くんに委員長のお手伝いをしてもらえないかしら、副委員長…ってことで」
…えぇええええええええ!!!
っと叫びたい気持ちでいっぱいだったが、そんなことをすれば注目の的だ。心の中で目一杯叫んだ。
「…わかった」
これが精一杯だった。
さっきまでの軽い気持ちとは打って変わって、俺の心は曇りきっている。
だってそうだろう。あのヒイラギさんが俺と図書係と学級委員を一緒にやるんだぞ?あのヒイラギさんと!
(あの野郎、ヒイラギさんと2人っきりで図書係だと?)
(学級委員も一緒にできるなんて、なんて贅沢なんでしょう)
どうやら残り物には福がある作戦は一般的な生徒には当てはまるようだが俺にとっては大外れ極まりない。
ひっそり高校生活は2年目にして崩壊してしまったようだ。
教室がざわついている。ひときわ強い殺気を感じ振り向いてみれば、真がこちらにメンチビームを放っていた。
…おまえってやつは…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
…とまぁそういうわけだ。
本校一番目立ちたくない男は、本校一番目立つ女子と行動をともにする羽目になり、今こうして図書係として旧校舎の書庫にやってきてせっせとお片づけ中なのである。
当然旧校舎など立ち寄る生徒はいないため、この空間には2人だけ。
静かに暮らしたいとは言っても2人しかいないこの場で沈黙が続くなんて拷問だろ。
おいおまえら、頼む助けてくれ!
「ねぇ大槻くん」
「ひっ…はい!」
脳内で現実逃避している中、突然名前を呼ばれつい失礼な反応をしてしまった。
この沈黙を破ったのは他でもない、ヒイラギさんだった。
「半ば無理やり副委員長にしてしまって、迷惑だったかしら」
どうやらこちらの失礼な態度は気にしていないらしい。
「…いや、こっちの仕事…手伝ってくれるし…いいよ」
うわ、ダッサ!
交際経験なしの草食系ってのもあるが相手が相手だ。ただのおしゃべりに緊張するのもわかるが今のはダサい。
「そう、よかったわ」
そんだけ!
会話終了!?
脳内では散々突っ込みまくっているのだが、そのテンションが現実世界でも出せたらいいんだがな…。
再び沈黙が遅いかかかってくる。
ふと、ヒイラギさんが姿を消した。
かと思うと本棚の向こう側からゴッゴッ…ズズッと何かを引きずる音がしてくる。
気になって回り込むと、ヒイラギさんは脚立を立て掛け今まさに登ろうとしている。
(危ないから俺がやるよ)
脳内ではそういうものの口には出ない。そりゃそうだろ、だってヘタレだもの。
その時だった。
旧校舎に眠っていた脚立の足はすり減っていてうまく立たないようだ。
ガタガタと揺れたと思うと辺りが暗くなる。
倒れこむヒイラギさんが照明を遮ったのだ…
ズドン!
木の床に大きな音を立てて脚立が倒れこむ。
ヒイラギさんはというと…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
(いくらなんでも強引だっただろうか…)
柊 桃花は旧校舎の本を整理しながら考えていた。
今年のクラスも去年と同じ、みんなが私に期待を寄せ、憧れを寄せ、好意を寄せ、視線を寄せる。
決して自惚れなどではなく、分かってしまうのだ。物心ついた時から今に至るまでこんなでは、流石に嫌でもわかるというものだ。
ただ1人を除いては。
それが大槻くんだった。まるで興味もなさそうで、退屈そうな彼を見て私は不安だった。
周りと一線を置いている大槻くんはクラスの仲間ハズレなのでは?
もしかすると彼はそんなクラスに見切りをつけ積極的に活動してくれないのでは?
そう思い提案した学級委員と図書係の掛け持ち。当の彼は黙々と作業をするものの視線を全く合わせようとせず下を向いてばかりだ。
口では気にしていないようだが、やはり不満があったのだろうか…
そんなことを考えながら脚立を引っ張っりたてつけるが、少々考え事が過ぎたようだ。
そう、脚立がまともに機能しないことに気がつかないほどに。
突如視界は天井を向く。一瞬にして天井は離れていき、衝撃とともに目の前が暗くなる。
しかし思ったほどの衝撃がない。
恐る恐る目を開く。うっすらと見え始めた視界が写したのは…
~~~~~~~~~~~~~~~~~
旧校舎の書庫の真ん中で、2人は抱き合っていた。
正確には大槻 永人の腕の中で、制服を掴んですっぽり収まっている柊 桃花が上を見上げ、抱きかかえながら互いの顔をのぞいている格好だ。
状況が飲み込めず、しばらく硬直していた2人だが…
大槻(うおおおおおおあお!)
柊(ひ、ひゃああ!)
ふと我に返りバッと離れる二人。
静まり返る書庫とは対照に、互いの心臓は爆発するかのように脈打っていた。
「ごっ…ごめんなさい!ケガしてない…ですか」
何とか冷静を装い口を開いたのは柊さんだったが、その声は上ずってしまっている。
「大丈夫…なんとか」
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